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11月25日発売のハヤカワミステリマガジン1月号で、恒例のミステリベスト10が発表されました!毎年、これと、週刊文春のベスト10をチェックして、読んでいなかった傑作を年末年始に読むのが楽しみでした。海外編について、思いつくまま感想を書いてみます。ベスト10冊のうち、8冊はブログにアップしているので、リンクを貼っておきます。最後に私的ベスト10も挙げてみました。1位『ハウスメイド』フリーダ・マクファデンこれはすごく意外でした。面白かったのは間違いないのですが、ベスト1かとい
現役書店員芸人カモシダせぶん(デンドロビーム)の木曜に、一冊、本の話を今回はー、五条紀夫の連作ミステリ短編集殺人事件事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス太宰治の名作、走れメロス。暴虐の王の元へ行き、自分の代わりに友人セリヌンティウスを磔にさせ、妹の結婚式に出て、走って帰ってくる。今作ではこの間に殺人事件にメロスが巻き込まれます。割と脳筋なメロス、とんちんかんなことも言い始めますが、そこには切れ物の友人イマジンティウスが現れて助言します。いやセリヌンティウスに名前近いなと思
⚠️ネタバレありです。キャラクターよりの感想になってます。原作との比較が多いです。⚠️⚠️さらに注意部分的にかなり辛口感想です。ドラマが好きな方はご注意ください。アクロイド殺し、名探偵ポワロでは46作目、シリーズ中盤でのドラマ化です。原作再現度は星五つ中、二つか三つというところでしょうか…冷静に見ればトリックとか登場人物とか、まあまあ原作通りなのかなあと。ただ私が原作感想で語った辺りのことは、全て改変されてましたね…(合ってたのはカボチャ(冬瓜?)投げるとこ位かな?)『ネタバレ
小説紹介のけんごさんがオススメしていたので読みました。織守きょうやさんの『ライアーハウスの殺人』。内容は、ミステリ小説の王道=館×クローズドサークル×計画犯罪といったものになっております。さっそくですが、以下にあらすじと見どころをレビューしていこうと思います!<注意事項>二度読み必須の結末!表紙と裏表紙、そして帯にも重要な意味が隠されている!登場人物みんな嘘つきという筆者からのヒントを忘れずにお読みください※表紙の絵を担当されている平尾アウリさんのキャラクターカードを
森バジルさんの『探偵小石は恋しない』のレビューになります。こちらは今年流行った本格ミステリということで読んでみることにしました。かなり話題になっているのと、各SNSでも絶賛コメントで溢れているのを見て気になっていたんですよね〜。ざっくりとしたあらすじはこんな感じ・ミステリ小説オタクの小石は、自らがスカウトしてきた蓮杖と探偵事務所をしている。しかし実際の依頼の9割9分は色恋調査ばかりでやる気が出ない。・プロローグ+第四章からは、照屋、春風、一吾、ニ斗、藍沢姉弟、雪村先生という謎のメ
アフロじゃないよ!帽子だよ!ペンギン改めアフロペンギン✨🐧✨もう、言い切る事にした!笑ホンモノアフロ風に黒でキラキラ光る毛糸で編んでみましたペンとクマさんから頂いてきたハガキと一緒にペンギンアート展ファイナルで頂いた折り紙ペンギンと一緒にまって🫷どこいくのよ〜さすらいの旅さ〜俺の歌を待ってる奴らのためにさアフロによるドラマが始まりそうな…アフロと言えば…映画「ミステリと言う勿れ」の久能整君(菅田将暉さん)も、イメージしましたが💦だいぶ違いますね笑なんだかんだで楽
特捜部Qシリーズの映画版を第4作まで見ました。順番に「檻の中の女」、「キジ殺し」、「Pからのメッセージ」、「カルテ番号64」までです。10巻で完結予定の小説の方は、大団円寸前の第9作「カールの罪状」まで出版されています。シリーズの結末を早く読みたい!という切なる願いはいつかなえられるのでしょうか。本国デンマークでは既に出版されているので、そんなに待たされることはないと思っているのですが、早川書房さん、ぜひぜひよろしくお願いします。さて、映画版、北欧の暗い街並みと美しい風景、北欧らしい小
⚠️ネタバレありです。キャラクターよりの感想になってます。ポアロシリーズ感想。今後はメインで書いていく予定です。ただただ自分の思いだけを書いていきます!青列車の秘密(クリスティー文庫)Amazon(アマゾン)「ぼくがあなたに好意を持っていることはご存じでしょう。あなたは――あなたはぼくに好意を感じますか」「わたし――分かりません」アガサ・クリスティー「青列車の秘密」青木久惠訳早川書房200
「マーブル館殺人事件」著者:アンソニー・ホロヴィッツ出版社:創元推理文庫(2025/9/12)創元社HPより引用ギリシアでの生活に区切りをつけ、ロンドンに帰ってきたわたし、スーザン・ライランド。フリーランスの編集者として働いていたところ、予想だにしない仕事が舞いこんできた。若手作家が名探偵〈アティカス・ピュント〉シリーズを書き継ぐことになり、その編集を依頼されたのだ。途中までの原稿を読んだわたしは、作者が新作に自分の家族関係を反映しているのを感じる。ということはこ
硝子の塔の殺人Amazon(アマゾン)三大奇書、と言われている本がある。『ドグラ・マグラ』『黒死館殺人事件』『虚無への供物』の3冊。本好きを自認し、さらに身の程を弁えないワタクシは、三大奇書?ど~れ、という舐めた態度で読んだのだが、その鼻っ柱は見事にへし折られるどころか消し飛んだ。どれもこれも意味がワカラン。とにかく全くワカラン。文章の意味が分かる、流れが分かる、という意味では、かろうじて『虚無への供物』がそうだったが、その『虚無への供物』を読んだ時に感じた、途方
道尾秀介さんの小説『N』を読了しました。本作は、読む順番によって印象が大きく変わるという独特の構成が特徴のミステリ作品です。通常、小説は著者が意図した順番で読み進めるものですが、『N』では6つの短編がそれぞれ独立しており、読者が好きな順番で読むことができます。このユニークな試みが、物語の印象をガラリと変える要素になっているのです。今回は、ネタバレなしで本作の魅力を語りつつ、どのような順番で読むのがおすすめなのか、またどんな読後感を得られるのかについて詳しくレビューしていきます。『N』のあらす
本日2回目の更新です。呉勝浩さんの『爆弾』を読み終えました。呉さんの作品を読むのは初めてのことです。楽天ブックス(送料無料)爆弾(講談社文庫)[呉勝浩]楽天市場1,067円爆弾【電子限定特典付き】【電子書籍】[呉勝浩]楽天市場1,067円呉勝浩さん『爆弾』この小説はジャンルで言うとミステリーです。私は特別にミステリ愛好者というわけではありませんが、これまで色々なミステリを読んできたと思っていました。ところが
森昌磨さんの『あの日、タワマンで君と』のレビューになります。本書は、絶対に事前情報を見ずに読んでください!とのことで、本当に何も調べないで読みました。といっても、さすがにそれだけでは読む気になれないですよね。なので、以下に公式のあらすじに書かれている範囲でのプチ情報をまとめていきたいと思います。<あらすじ>主人公の山本創一はウーマイーツ(ウーバーイーツだと思ってください)の配達員をしながら生計を立てている。ある日、六本木のタワマンの最上階に住む「多和田」という男から依頼が
昔の映画『酒とバラの日々』ではないですが、「本と映画とのんの日々」です4,5年前から本格ミステリの表紙は美少女が多いですね。森バジル著『探偵小石は恋しない』2025/9/18これは今人気の様です『小石探偵事務所の代表でミステリオタクの小石は、名探偵のように華麗に事件を解決する日を夢見ている。だが実際は9割9分が不倫や浮気の調査依頼で、推理案件の依頼は一向にこない。小石がそれでも調査をこなすのは、実はある理由から色恋調査が「病的に得意」だから。相変わら
消人屋敷と呼ばれる武家屋敷で、覆面作家がカンズメで執筆しているという。その覆面作家は、どうやら物語の主人公の女子大生の兄らしい。また、そこを訪れた女性編集者が失踪してしまうという不可解な事件も起こってしまいます。その謎を追って、フリーライターの新城とともに消人屋敷の乗り込むのですが。。。というミステリ好きにはワクワクさせられる内容です。いつもながらネタバレなしでは、うまく表現できないので、多少のネタバレはご容赦ください。それにしても、本作は、最後の方でえ?となってしま
今年の話は、今年中に書いておこうと、ふるさと納税の駆け込みのように、何稿か書きます。まず、読んだ本の感想から。今回は【ネタバレはしません】(めらめらとした感じで撮ってみました)本書は、2024年度の「このミス」で堂々の第一位に輝いた作品です。この他にも「ミステリが読みたい」と「週刊文春ミステリーベスト10」でも大賞に輝き、三冠を達成しました。集録されているのは、下記の5作品で、()内は初出年です。・崖の下(2020)・ねむけ(2021)・命の恩(2023)・可燃
昨年、インターネット情報で綾辻行人さんのデビュー作である「十角館の殺人」がドラマ化されたことを知った。十角館の殺人|日本テレビ定額制動画配信サービスhuluで公開されているのだが登録していないのでまだ観れてはいない。ご存じであろうが、「十角館の殺人」は1987年に世に出た日本のミステリ史に残るといわれている名作である。私はほぼリアルタイムでこの本を読み、物語の衝撃的な結末に「頭をぶっ叩かれた」ようなショックを受けたのを鮮明に覚えている。あの話がどう映像化されたのかとても興味があるので今
⚠️ネタバレありです。キャラクターよりの感想になってます。久しぶりのポアロシリーズ感想。今後はコンスタントに上げていきたいと思っていますが、どうなるかな…ビッグ4(クリスティー文庫)Amazon(アマゾン)「———あなたの偽名、変装——うまく相手を騙せるとは、ほんの一分間だって、私は思っていませんでしたよ」アガサ・クリスティ「ビッグ4」中村妙子訳早川書房2004年134ページよりなんという信頼感…!!というわけで、ポアロとヘイ
南仏旅行の時に、添乗員さんが紹介された、地元アリエージュ県を舞台にしたミステリ“聖灰の暗号”を読了しました。ローマ・カトリック教会により、異端として火炙りの刑に処されたカタリ派の人々。12〜13世紀に行われた宗教狩りについて、全く無知でした。知っていれば、カルカッソンヌのサンナゼール教会に保存されている“包囲の石”も見てみたかったです。主人公は日本の研究者で、フランス語はもちろん、ラテン語、オキシタン語も理解します。偶然発見した古文書の謎を解くべく、その土地の人々の助けを得て、少しずつ前
⚠️ネタバレありです。キャラクターよりの感想になってます。とっても久しぶりのポアロシリーズ感想。夏が終わってしまった…。とはいえ気温的にはまだまだ真夏ですね~。オリエント急行の殺人(クリスティー文庫)Amazon(アマゾン)「おやまあ」ポアロはつぶやいた。「こういうことか。挑戦だな。大いに結構。受けて立とうじゃないか」アガサ・クリスティー「オリエント急行の殺人」山本やよい訳