ブログ記事1,147件
今日はPGT-Aについてお話してみようと思います。筆者はいつも申し上げるのですが、何よりも大切なことは、客観的データ(エビデンス)の結果と、それが本人に当てはまるかどうかは全く別問題ということです。例えば、恋愛結婚とお見合い結婚の離婚率はそれぞれ30%と10%程度で前者のほうが高いというデータがあったとしましょう。「だから結婚はお見合い結婚のほうがよいというエビデンスがあります」などと力説したところで、まあデータ上はそうかも知れないけど、そうじゃない人もいっぱいいるじゃない、参考には
本論文は、ICSI周期における未成熟卵子の割合が、その後の胚発生や生児獲得率にどのような影響を与えるかを検討した大規模研究です。従来、未成熟卵子が多い周期は予後不良と考えられてきましたが、その本質が「質の問題」なのか「量の問題」なのかは明確ではありませんでした。本研究はこの点を統計的に分離して検証した点に大きな意義があります。まず研究全体の構造を理解する上で重要なのが、Figure1に示されたフローチャートです。この図では、約3万6000周期から解析対象が絞り込まれ、最終的にICSI症例約1万
「きっと次こそは」「PGT-Aで原因が分かれば、きっと道が開ける」そんな想いを胸に臨んだ、2025年5月と6月の採卵とPGT-A(着床前診断)。でも、返ってきた結果は、すべて“異数性”でした。未来へ進むための検査が、まるで「現実の厳しさ」を突きつけるようなものになるとは思いもしませんでした。⭐️採卵を続けるなんて、思ってもいなかった5月。これまでの治療の節目として、初めてPGT-A検査を視野に入れた採卵に挑戦しました。採卵のたびに毎日続く注射とホルモン剤、通院スケジュールに追わ
一時期、AI(人工知能)の記事をたくさん書いていましたが、最近、筆者自身がAIに新鮮味がなくなった(というか日常化した)ためにあまり書かずにいました。筆者は現在までに、chatGPT、GEMINI、claudeAI、Genspark、Canva、GAMMAの6種類のAIを使ったことがあります。あとはAIではないがAI的なもので、googleレンズも時々使います。具体的に見たいホームページがある時はYahooとかgoogleを使いますが、純粋に調べものをしたい時の多くはAI頼みです。そう
こんにちは⛄培養室です!11月下旬に「平成不妊研究会」という勉強会に参加してきました🐥今回の議題は「着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)」で、医師や培養士から日本におけるPGT-Aの現状や、他施設での実施方法や成績などを伺いました✨当院ではPGT-Aを行う際は、4日目で透明帯の開口を行います。透明帯からTE(胚の外側の細胞)が出てきていることを確認し、生検に必要な細胞数(6~8細胞)を採取します。また、当院はTEのグレードがAとBの胚盤胞に生検を行っています。施設ごとに透明
「卵が少なかった…」そんなときでも、希望はあります妊活のステップが進み、体外受精(IVF)に取り組む中で「採れた卵がたったの1〜3個だった…」と不安に感じる方は少なくありません。特に40歳以上の方では、採卵数の減少は自然な現象です。でも、そんなときこそ前向きに活用できる技術があります。それが**着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)**です。PGT-Aとは?PGT-A(PreimplantationGeneticTestingforAneuploidy)は、受精卵の染色体の数
こんにちは妊活中に、ローヤルゼリータブレットをサプリと共に摂るようにしてますローヤルゼリーだけを食べている女王蜂は、1日2000個も卵を産むことから、妊活にもいいんじゃ?と初めてみましたとはいえ、取引先から貰ったものを飲んでるので、これがおすすめですっていうのはありません笑妊活が成功したとしても、これが良かったのかというのも正直わからないとはおもうのですが皆様も良かったら試してみてください
PGT-A(着床前診断)を希望される患者さんから、必ず聞かれるのが、「この結果は、私の年齢では普通なのでしょうか?」という質問です。あるいは、「今、私が着床前診断をやったら、どれくらいの確率で正常胚と診断されるのでしょうか?」という質問も沢山頂きます。そこで、メディカルパーク湘南でPGT検査を行った患者さんを対象に、過去8年間に遡って集計してみました。「モザイク」というのは、正常部分と異常部分が混在している場合を指します。モザイクにも、低頻度モザイク、中頻度モザイク、高頻度モ
こんにちは、培養部門です。今回はPGT-Aの検査結果について説明します。染色体の数をグラフで確認することができ、結果をもとに治療方針を決定します。✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼クリニックママから「胚培養士による不妊治療勉強会」のお知らせクリニックママでは当院に通院中の方、通院を考えている方を対象とした「胚培養士による不妊治療勉強会」を毎月開催しております。タイミング指導、人工授精から当院の体外受精や顕微授精の特徴、最新のトピックスまで、為に
🕊️「着床しなかった…なぜ?」という問いの奥にあるもの胚移植後の妊娠判定で「陰性」と聞くと、多くの方が思うのは――「なぜ?卵が良かったのに、なぜうまくいかなかったの?」という疑問です。実は、生殖医療の現場でもこれは難しい質問のひとつ。なぜなら、“染色体が正常(euploid)”であっても、すべての胚が同じ力を持っているわけではないからです🧬「7日目の胚(Day7embryos)」とは?通常、受精から5〜6日で「胚盤胞」に育つ胚を凍結保存します。しかし、中には7日目(Da
今日はシリーズ3作目、モザイク胚についてです。前回は、「染色体は細胞の中に存在し、PGT(着床前遺伝学的検査)では通常5個ほどの細胞を解析する」という点についてご説明しました。さて、染色体が細胞の中にあるということは、細胞ごとに染色体の状態が同じとは限らないということを意味します。🧬トリソミーとモノソミー通常の染色体は1番から22番までの常染色体が2本ずつと性染色体(XXもしくはXY)の46本から構成されますが、トリソミーとは染色体が3本あること、モノソミーとは染色体が1本し
新しい年がはじまり1か月が過ぎようとしています。クリニックは気持ちも新たに診療を開始しております。恒例ですが、今年も2025年の体外受精治療成績について発表させていただきます。□採卵・胚移植件数について採卵件数は増加、移植件数は微減という結果になりました※。(図1)2022年4月より体外受精保険適応開始となり、2025年4月で3年目となるため全国的に体外受精全体の件数が落ち着いてくる時期かと考えていますが、今後日本産科婦人科学会からの全国データを確認していきたいと思
日本産科婦人科学会よりPGT-AおよびPGT-SRの2023年の成績(全国調査)について2025年12月に報告がありました。着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)体外受精または顕微授精を行って育った胚盤胞から一部細胞(将来胎盤となるTE細胞を数個)取り出し、染色体数の過不足(異数性異常)を検査します。残った大部分である胚盤胞は凍結保存しておき、検査結果を確認してから「移植するかどうか」や「移植順」を相談して決めます。【対象】保険診療の適用はありません反復する体外受精胚移植の不成功
今日からシリーズでPGTについて解説していきます。前々回の記事をシリーズ①とリネームして今日は②、PGTのラボで行う手法について説明します。明日以降、モザイク胚は結局どういうものなのか、G分染法(G-Bnad)、ArrayCGH、NGSの違い、当院でPGT症例全例に行っているSNPArrayとは何か、1倍体や多倍数体について、そして前回まとめたPGTのメリット・デメリットについてあらためて触れて行きたいと思います。まず、染色体というのは人単位で存在するものではなく、1つ1つの細胞の中に
近年、着床前遺伝学的検査は大きく進化してきました。単一遺伝子疾患や染色体異常を対象とした検査は、すでに臨床で広く用いられています。その延長線上として注目されているのが、心疾患や糖尿病、精神疾患など、複数の遺伝子と環境要因が関与する「多因子疾患」に対するPGT-Pです。本論文は、この新しい技術について、米国生殖医学会が公式に示した倫理的見解をまとめたものです。論文冒頭のKeyPointsでは、PGT-Pの目的が明確に定義されています。PGT-Pは、胚が将来特定の多因子疾患を発症する「可能性」を