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PGT-A(着床前診断)を希望される患者さんから、必ず聞かれるのが、「この結果は、私の年齢では普通なのでしょうか?」という質問です。あるいは、「今、私が着床前診断をやったら、どれくらいの確率で正常胚と診断されるのでしょうか?」という質問も沢山頂きます。そこで、メディカルパーク湘南でPGT検査を行った患者さんを対象に、過去8年間に遡って集計してみました。「モザイク」というのは、正常部分と異常部分が混在している場合を指します。モザイクにも、低頻度モザイク、中頻度モザイク、高頻度モ
📊前提胚盤胞到達率:約40–50%染色体正常胚euploid率:年齢依存「卵子→胚盤胞→正常胚」までを逆算🧠臨床的メッセージ✔若年では「数より質」少数でも十分に正常胚が得られる✔38歳以降は「数が必要」正常胚率低下→採卵回数が増える✔42歳以降は戦略が重要1回の採卵で正常胚が得られないことが多い「複数回採卵」や「PGT-Aの意義」が大きくなる👉「40歳では“10個採ってeuploid1個あるかどうか”」👉「43歳では“20〜30個でeupl
今日はシリーズ3作目、モザイク胚についてです。前回は、「染色体は細胞の中に存在し、PGT(着床前遺伝学的検査)では通常5個ほどの細胞を解析する」という点についてご説明しました。さて、染色体が細胞の中にあるということは、細胞ごとに染色体の状態が同じとは限らないということを意味します。🧬トリソミーとモノソミー通常の染色体は1番から22番までの常染色体が2本ずつと性染色体(XXもしくはXY)の46本から構成されますが、トリソミーとは染色体が3本あること、モノソミーとは染色体が1本し
こんにちは、培養部門です。今回はPGT-Aの検査結果について説明します。染色体の数をグラフで確認することができ、結果をもとに治療方針を決定します。✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼クリニックママから「胚培養士による不妊治療勉強会」のお知らせクリニックママでは当院に通院中の方、通院を考えている方を対象とした「胚培養士による不妊治療勉強会」を毎月開催しております。タイミング指導、人工授精から当院の体外受精や顕微授精の特徴、最新のトピックスまで、為に
🕊️「着床しなかった…なぜ?」という問いの奥にあるもの胚移植後の妊娠判定で「陰性」と聞くと、多くの方が思うのは――「なぜ?卵が良かったのに、なぜうまくいかなかったの?」という疑問です。実は、生殖医療の現場でもこれは難しい質問のひとつ。なぜなら、“染色体が正常(euploid)”であっても、すべての胚が同じ力を持っているわけではないからです🧬「7日目の胚(Day7embryos)」とは?通常、受精から5〜6日で「胚盤胞」に育つ胚を凍結保存します。しかし、中には7日目(Da
また体外受精の真面目な話です。1週間ほど前に、胚盤胞の染色体検査(PGT-A)で正常であっても、移植胚のグレードは着床率と相関する、というお話をしました。では、今度は逆に胚盤胞のグレードは、PGTの結果にどれくらい影響するのでしょうか?つまり、これは、「AAのグレードの胚をPGTに出したら、正常になる確率はどれくらい結果ですか?」とか、「グレードがBBだったので、PGTに出しても、どうせダメだろうから、ほぼ期待してません」という患者さんからの質問に対するお答えになると思います。
胚移植の裏で行われている「アシステッドハッチング」とは?体外受精の過程で「アシステッドハッチング(AH)」という操作があります。これは、胚が自らの殻(zonapellucida)からうまく出られるように、医療的にサポートする技術です。この操作によって、胚が子宮内膜に着床しやすくなると考えられています。特にPGT-A(胚の染色体数を調べる遺伝子検査)を行う際には、胚から細胞を採取する必要があるため、あらかじめ胚の外殻に小さな穴を開けておくことがあります。これが「アシステッドハッチング」です。
近年、体外受精の現場では、着床前診断が急速に普及しています。これはPGT-Aと呼ばれるもので、受精卵の染色体に異常がないかを調べる検査です。これまでは、受精卵の質の評価方法は、形態学的(つまり、顕微鏡越しに見た細胞の「見た目」の事です)にA、B、Cなどのグレードに分類して優劣をランキングするしかなかったのですが、PGT-Aを行うと、細胞の遺伝子の状態が分かってしまいます。例えば、所謂ダウン症というのは、21番の染色体が通常より1本多い状態ですが、受精卵が将来ダウン症になり得るかどうかは、移植をす
この度、当クリニックは、不妊症および不育症を対象とした着床前胚染色体構造異常検査(PGT-SR)*の実施施設として、日本産婦人科学会の認定登録を受けました。メディカルパーク湘南では、着床前診断の中で、PGT-A(染色体本数の検査)は、通常の診療内容の1つとして、日常的に行っておりましたが、PGT-SRを行うことによって、より詳しい染色体構造異常を検出出来る可能性があります。PGT-SRとは?PGT-SRは、胚の染色体構造異常をスクリーニングする検査です。体外受精で得られた受精
ドブス判決はPGT-Aの使用に影響したか?22,000周期を解析した全米規模の調査から見えた意外な結果2022年6月、米国連邦最高裁によるドブス判決(Dobbsv.JacksonWomen’sHealthOrganization)は、人工妊娠中絶に関する連邦の保護を撤廃し、各州に判断を委ねる重大な転換点となりました。この変化は、胚の扱いやPGT-Aを含む生殖医療の意思決定にも影響を与えるのではないかと懸念されていました。本研究は、米国6州22,488周期のIVFデータを解析し、ド
新しい年がはじまり1か月が過ぎようとしています。クリニックは気持ちも新たに診療を開始しております。恒例ですが、今年も2025年の体外受精治療成績について発表させていただきます。□採卵・胚移植件数について採卵件数は増加、移植件数は微減という結果になりました※。(図1)2022年4月より体外受精保険適応開始となり、2025年4月で3年目となるため全国的に体外受精全体の件数が落ち着いてくる時期かと考えていますが、今後日本産科婦人科学会からの全国データを確認していきたいと思
「卵が少なかった…」そんなときでも、希望はあります妊活のステップが進み、体外受精(IVF)に取り組む中で「採れた卵がたったの1〜3個だった…」と不安に感じる方は少なくありません。特に40歳以上の方では、採卵数の減少は自然な現象です。でも、そんなときこそ前向きに活用できる技術があります。それが**着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)**です。PGT-Aとは?PGT-A(PreimplantationGeneticTestingforAneuploidy)は、受精卵の染色体の数