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前座敷に掛けてあるのは白馬診療所を開業した祖父の弟伊藤五郎(梧桐)と本家にお嫁に行った祖父の妹伊藤陸栄(㚙一陸栄)の俳句です。「雁木町馬憂々と通りけむ梧桐」は、上越高田での句のようです。「花咲くや大きくなって雨乃粒梧桐」、「二つ蝶もつれて遊ぶ青き空㚙一陸栄」は大叔母さん夫妻の金婚式の御祝いに詠ったものだそうです。中央に見えるキセルはは、私の高祖母に当たる我が家の5代目伊藤梅吉の妻つるが使っていたキセルと煙草入れです。樺と榀でしょうか。
実家の母の本棚に「がんぎの町から」と題した本がありました書いたのは上越市高田に生まれた児童文学作家の杉みき子さん1930年生まれだから95歳になりますか「がんぎ」とは「雁木」と書いて、雪よけのために家々の軒から庇を長く出して、下を通路とするものです本の内容は、杉さんが生まれ育ち暮らしている高田での日々の生活と思い出を綴った随筆集になります杉さんの文章には郷土愛とそこに暮らす人々への慈しみが感じられますが、その根底には耐えて春を待つしかない雪国の宿命的なものが大きく影響しているよ