いまにも噴火しそうな、むくむくと肩から盛り上がったような大きな顔に刷毛で描いたみたいなくっきりとした目鼻立ちをピクピクと(大きな顔を)小面憎くすぼませてこちらを睨めつけております。新規に召し抱えられた者が接待役になって組頭を上座に頂く宴席の真っ最中です。接待のあれこれに難癖をつけるのは恒例とは言え、触ると手にくっつくようなネチネチした甚振りです。箸もろくろくつけぬうちから料理を罵りやれ皿が気に入らぬやれ掛け軸がやれ花瓶がとやることなすことをいじめ抜こうという構えです。挙句に場を盛り立てようと幇間