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永井紗耶子さんの『木挽町のあだ討ち』のレビューになります。さっそくですが、あらすじと感想をどうぞ!木挽町の仇討睦月晦日の戌の刻。辺りが暗くなった頃、木挽町芝居小屋の裏手にて一件の仇討あり。雪の降る中、赤い振袖を被き、傘を差した一人の若衆。そこに大柄な博徒が歩み寄り、女と見間違え声を掛けた。すると、若衆、被いた振袖を投げつけて白装束となる。「我こそは伊納清左衛門が一子、菊之助。その方、作兵衛こそ我が父の仇。いざ尋常に勝負」朗々と名乗りをあげて大刀を構えた。対する博徒作兵衛も長脇差を抜き
※ネタバレを含みますが、一部を省略したザックリめのレビューになります内田英治さんの『ナイトフラワー』のレビューになります。こちらは北川景子さん主演の映画『ナイトフラワー』の原作(文庫書き下ろし)で、さくっと読めるところがオススメ。時間を取らずに読めるので、映画と一緒にご覧ください。※ナイトフラワーとは‥月下美人のこと。一年に一夜しか咲かない。(しかし環境によっては年に数回咲くらしい)花言葉によると「ただ一度だけ会いたくて」「儚い恋」などの意味を持つ。一方で「厳しい環境でも生き抜く
横関大さんの『再会』のレビューになります。こちらはドラマ『再会〜SilentTruth〜』の原作で、第56回江戸川乱歩賞受賞作でもあります。あらすじ小学校卒業の直前、悲しい記憶とともに拳銃をタイムカプセルに封じ込めた幼なじみ四人組。23年後、各々の道を歩んでいた彼らはある殺人事件をきっかけに再会する。わかっていることは一つだけ。四人の中に、拳銃を掘り出した人間がいる。繋がった過去と現在の事件の真相とは。登場人物まずは主な登場人物をご紹介します。登場人物岩本万季子仲
小川哲さんの『君のクイズ』のレビューになります。こちらは2026年に映画化が予定されていますが、キャストや公開日は謎に包まれたままであることが話題になっています。ここでは映画に先駆けて、原作の紹介(ネタバレあり)をしていこうかなぁと思うのですが、念のため小説を未読の方向けに、あらすじと考察まで読んでストップできる構成にしておきました。もちろん既に読んだよーという方は解説と感想までお付き合いください。さっそくですが、以下にあらすじ→考察→解説→感想を書いていきます。と、言って
池井戸潤さんの『俺たちの箱根駅伝』上下巻のレビューになります。超泣けるのでハンカチのご用意を。さっそくですが、以下にあらすじと解説をどうぞ!あらすじ明誠学院大学4年の青葉隼斗は、予選突破確実と言われていたレースで、主将でありながらも足を引っ張り、箱根への切符を逃してしまう。しかし、隼斗は予選会を通過できなかった大学の選手から、成績順に各一名ずつが参加できる「関東学生連合チーム」のメンバーに選ばれ、自分だけが箱根を走れることに。さらに監督の諸矢からは今大会をもって辞任すること、新監督
矢樹純さんの『或る集落の●』のレビューになります。本書を読んでいるときに家族から「本から視線を感じる」と何度も言われました。それくらい表紙が激コワなので要注意。うっかり読みかけの本をテーブルに置きっぱなしにしないようにしてください。できれば裏返して置いておくことをオススメします。<あらすじ>あの家のわらしは、膨れで死ぬぞ。――P集落に暮らす姉を訪ねた「私」が、土地神《べら》を祀る小さな社に毎日お参りをする姉の様子がおかしいことに気づく「べらの社」。山から集落におりてくる”人ならざるもの
森バジルさんの『探偵小石は恋しない』のレビューになります。こちらは今年流行った本格ミステリということで読んでみることにしました。かなり話題になっているのと、各SNSでも絶賛コメントで溢れているのを見て気になっていたんですよね〜。ざっくりとしたあらすじはこんな感じ・ミステリ小説オタクの小石は、自らがスカウトしてきた蓮杖と探偵事務所をしている。しかし実際の依頼の9割9分は色恋調査ばかりでやる気が出ない。・プロローグ+第四章からは、照屋、春風、一吾、ニ斗、藍沢姉弟、雪村先生という謎のメ
こころがラクになる本です。加茂谷真紀さんの『愛のエネルギー家事めぐるお金と幸せ』(2024年10月/すみれ書房)愛のエネルギー家事めぐるお金と幸せ[加茂谷真紀]楽天市場${EVENT_LABEL_01_TEXT}愛のエネルギー家事めぐるお金と幸せAmazon(アマゾン)お金は私にとって永遠のテーマと胸を張って?言い切れるくらい付き合い方が難しくなぜか苦しいものでした😥いろんな方法を自分なりに試
ハン・ガンの『涙の箱』のレビューになります。こちらは【大人のための童話】ということから、全78ページしかない短めの物語になっています。内容は涙をめぐる、あたたかな希望を描いた感動作。少し『星の王子さま』を読んだ時と似たような気持ちになりますが、私はこちらのほうが好みでした。また、本書は『涙の箱』世界初の翻訳版となっています(ハン・ガンの本を世界一翻訳しているのは日本だそう)。せっかくの機会なので、本が苦手な方もぜひ手に取って心癒されてください。◆あらすじ◆ある村にとても泣き虫な子供がいた。
いきなり11月中ばに大雪になるし。雨に代わったらサッサと消えたし。熊はあいかわらず。自衛隊の秋田21連隊と警察庁警備部SATが来てくれるし、少しずつ状況は進展してきたかな、などと思っていたらほんとうにすぐ近所の柿の木に熊三頭!!次の日にはその同一個体がリンゴ園!!オイオイオイ!!冬眠しろよ!!……秋田は戒厳令下です。暗くなると繁華街は人の姿はなく、熊が我が物顔で歩いています……いや、これマジですから。と言うことで、少しずつアップ再開なので、ヨロシクお願いします!No.0332024.
波木銅さんの『万事快調オール・グリーンズ』の原作レビューになります。こちらは満場一致の松本清張賞受賞作と言うことで、選考委員の皆さんが大絶賛した一冊でもあります。あらすじだけを簡単に書くと、茨城県東海村の底辺工業高校の機械科に在籍する朴秀実、岩隈真子、矢口美流紅が何もない地元から抜け出すために、学校の屋上で大麻を栽培して自立資金を稼ぐというストーリー。は?何言ってんの?と、思いますよね。でも、これがあらすじだし、こういう物語なんですよ。そもそもどうやって大麻の種を手に入れたかにつ
矢樹純さんの『彼女たちの牙と舌』のレビューになります。さっそくですが、あらすじと解説をどうぞ!《あらすじ》年代も仕事も家庭環境も異なる母親4人が出会ったのは、進学塾の保護者説明会だった。それをきっかけに、定期的に集うようになるが、ある日、詐欺事件に巻き込まれ……。笑顔の裏に隠された噓、嫉妬、後悔、嫌悪。敵は詐欺グループか、それとも笑顔のママ友か。二転三転では、物足りない。章が変わるごとに、見ていた世界が反転する、驚きの長編ミステリー!彼女たちの牙と舌(幻冬舎単行本)A
池井戸潤さんの『かばん屋の相続』のレビューになります。こちらは全6篇からなる短篇小説。銀行マンたちによるさまざまな困難と葛藤が描かれています。内容紹介今回は6篇の中から4篇をピックアップしてレビューしていきます。それでは各あらすじと解説をどうぞ!十年目のクリスマス十年前に火災事故で倒産した神室電気の社長を百貨店で見かけた銀行員の永島慎司。彼はかつて永島が担当していた取引先の社長だった。今頃は生活に困っているはずだと思っていたが、手には高級ブランド店の紙袋を提げ、愛車と思わ
No.1332023.11.30(木)Q/呉勝浩/小学館/2023.10.13第1刷2200+10%三部構成で第一部に取り掛かると「これはとんでもない小説に違いない!直木賞は獲る可能性大だ!!」と興奮して読み進める。第二部に入り、物語がちょっとそっちへ行くの?まあそれも凄いね、となり。第三部に差し掛かるところで次第に興味が離れてしまいストーリーを追うだけに。そしてラストに至る派手な……は「こりゃ映画化間違いないな」と冷めた目で読了。結局、語りたい真相はどこにあるんだろう