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真梨幸子さんの「殺人鬼フジコ」シリーズの最新作『フジコの十ヶ条』を読む前に、おさらい用として、シリーズ一作目『殺人鬼フジコの衝動』のレビューをしていこうと思います。ちなみに読む順番は、『殺人鬼フジコの衝動』⇒『私は、フジコ』⇒『インタビュー・イン・セル殺人鬼フジコの真実』⇒『フジコの十ヶ条』になります。まず、本書の冒頭には「はしがき」として、この小説はある女性が死の直前に書き上げたものだということが説明されています。小説の主人公は、フジコという少なくとも十五人を惨殺した殺人鬼であ
結城真一郎さんの『#真相をお話しします』のレビュー(小説版)です。こちらは全5篇収録のミステリー短編集で、漫画化もされています。実は過去に、第74回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した『#拡散希望』だけは読んだのですが、それ以外の短篇は読んでいませんでした。しかし、のちに本書の映画化が決定し、私の大好きなMrs.GREENAPPLEの大森元貴さんが出演されると知り、ようやく全部読んでみる気になった次第でございます。記憶によると『#拡散希望』は面白かったはずなので、他もイケ
横関大さんの『再会』のレビューになります。こちらはドラマ『再会〜SilentTruth〜』の原作で、第56回江戸川乱歩賞受賞作でもあります。あらすじ小学校卒業の直前、悲しい記憶とともに拳銃をタイムカプセルに封じ込めた幼なじみ四人組。23年後、各々の道を歩んでいた彼らはある殺人事件をきっかけに再会する。わかっていることは一つだけ。四人の中に、拳銃を掘り出した人間がいる。繋がった過去と現在の事件の真相とは。登場人物まずは主な登場人物をご紹介します。登場人物岩本万季子仲
警察学校を舞台としたミステリー小説「教場」シリーズ7作目。6話収録の連作短編集。2026年2月公開予定の映画「教場」の原作本。【あらすじ】刑事指導官・風間公親を急襲し、右目から光を奪った“千枚通しの男”十崎波瑠が、「風間道場」門下生の刑事たちの手によって逮捕された。警察学校長の四方田は、風間の門下生の刑事たち6人を「風間教場」に招き、順番に月に一度特別講義を行ってもらうという新たなカリキュラムを提案する。警察学校の教官を務める風間は、生徒たちの間で起こる様々な問題や葛藤を、鋭敏な洞察
湊かなえさんの『落日』のネタバレ感想になります。あらすじ脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督・長谷部香から、新作の脚本を書いてほしいとオファーを受ける。現時点で考えているのは、「笹塚町一家殺害事件」を題材にしたもので、ぜひ笹塚町出身の千尋に事件についての詳細を教えてほしいと言う。決して自分の仕事が評価されたわけではなく、ただ地元の人間というだけで声をかけられた千尋は、最初オファーを断ってしまう。しかし、師匠の大畠に香との仕事を奪われそうになるや否や、悔しさのあまり勢いで「自分
長月天音さんの『ほどなく、お別れです』のレビューになります。本書はまもなく映画化されますが、原作とは少し違う話になっているとのこと。しかし、原作が超〜泣けるため、個人的にはぜひとも映画と小説の両方を知っていただきたい。というわけで、今回は原作の概要をご紹介したいと思います。ここから先は、ハンカチのご準備を!あらすじ以下はあらすじと解説レビューになります↓◆あらすじ◆この葬儀場では、奇蹟が起きる。大学生の清水美空は、東京スカイツリーの近くにある葬儀場「坂東会館」でアルバイトを
雨穴さんの『変な家』シリーズ第二弾のまとめ(考察のためネタバレあり)になります。シリーズを読んだことのない方は、先に一作目の概要をご覧ください↓『「変な家」雨穴【不動産ミステリー】レビュー』今回ご紹介するのは、雨穴さんの「変な家」です。こちらは現在話題のネットを中心に活動するホラー作家、雨穴さんの不動産ミステリーになります。雨穴さんはユー…ameblo.jpそんなの面倒だ!という方にざっくりと説明しますと、とにかく変な間取り図の家の謎に迫る本だと思ってください。さっそく
永井紗耶子さんの『木挽町のあだ討ち』のレビューになります。さっそくですが、あらすじと感想をどうぞ!木挽町の仇討睦月晦日の戌の刻。辺りが暗くなった頃、木挽町芝居小屋の裏手にて一件の仇討あり。雪の降る中、赤い振袖を被き、傘を差した一人の若衆。そこに大柄な博徒が歩み寄り、女と見間違え声を掛けた。すると、若衆、被いた振袖を投げつけて白装束となる。「我こそは伊納清左衛門が一子、菊之助。その方、作兵衛こそ我が父の仇。いざ尋常に勝負」朗々と名乗りをあげて大刀を構えた。対する博徒作兵衛も長脇差を抜き
早見和真さんの『ザ・ロイヤルファミリー』のレビューになります。ドラマ版との違いをお楽しみください。さっそくですが、あらすじ・概要・感想をどうぞ!あらすじ(解説つき)▼あらすじ主人公の栗須栄治(以下クリス)は、男手一つで兄と自分を育ててくれた最愛の父を亡くし、酷い罪悪感に駆られています。なぜなら父から亡くなる少し前に、「そろそろ家に帰って来て、一緒に税理士事務所を手伝ってくれないか?」と、頼まれていたのを断っていたからです。今思えば、あれは多忙で体力に限界を感じていた父から
※※この本を読んで一言※※ミステリとして面白いかと言われるとなかなかビミョ~(個人的感想です)。リアルなミステリとラノベ的キャラモノを足して2で割って、ところどころファンタジーを少々加えた作品と割り切るなら楽しめました。※※※※※※※※※※※※※※※2025年の「このミステリーがすごい!」大賞作ということで読んでみました。内容としては最先端の遺伝子工学を軸に、現代の生命の尊厳と宗教を絡めつつ、ループクンド湖の多くの人骨の謎、紫陽の存在、唯の真意を隠していそうな行動、樹木
Xでかなり前から流行っている「名刺代わりの小説10選」にチャレンジしてみました!名刺代わりの小説10選とはSNSの読書アカウントで流行っている「自分の好きな小説10冊」を紹介する企画。「名刺代わりの小説10選」というワードにハッシュタグをつけて投稿することで、同じ趣味を持つ読書仲間に自分を見つけてもらう&仲間を見つけられるという利点があります。まぁ簡単にいうと、好きな小説を紹介することで、その人の自己紹介になるということですね!小説紹介のいいところ小説紹介の利点は、普通の自己紹介
その嘘を、なかったことには・・・できません!水生大海さんの『その嘘を、なかったことには』のレビューになります。どんでん返し系のミステリ短編集。てっきり最終的に嘘は暴かれちゃいますよ!というお話かと思ったら、真実を知った人も大変な目に遭うというお話でした。さっそくですが、あらすじと感想をどうぞ。あらすじ・感想公式のあらすじを引用しつつ、各作品の感想を書いていきます。妻は嘘をついている帰宅すると、自宅で見知らぬ男が死んでいた。あとから帰宅した妻に訊いても誰だ
拷問依存症櫛木理宇拷問依存症(幻冬舎文庫)[櫛木理宇]楽天市場あらすじ廃墟と化したラブホテルで、男性と思しき全裸の遺体が発見される。所持品はなく、指は切断され、歯も抜かれ、身元の特定は難航。検死の結果、全て被害者が生存中の所業だった。あまりの惨忍さに「せめて怨恨であってくれ」と願いながら捜査に当たる高比良巡査部長らだったが、再び酷似した事件が発生する。これは復讐か、または連続快楽殺人か。感想櫛木理宇さんの依存症シリーズ四作目。『殺人依存症』殺人依存症櫛木理宇あらすじ息子を
住野よるさんのか「」く「」し「」ご「」と「のレビューになります。ちなみに、こちらは映画ではなく、原作のほうのレビューになりますのでお間違えなく!それでは、さっそく簡単なあらすじ紹介から入ります。特殊能力を持つ5人のクラスメイト登場人物は同じクラスの仲良し五人組の高校生。しかし彼らには互いに隠している特殊能力があります。以下にそれぞれの秘密をまとめてみました。京(大塚京)・・人の頭上に、。!?といった記号が見える。しかし自分の記号を見ることはできない。ミッキー(三
古都鎌倉を舞台に、大人の恋愛やエロスが描かれた小説で、大人の女性やお茶・着物に関心のある方におすすめします。【目次】1霜降の青竹生態東方美人2冬至の山茶花凍頂烏龍茶3麋角解(さわしかつのおる)蜜蘭香烏龍茶のチョコレート4春分の桜抹茶と碧螺春5虹始見(にじはじめてあらわる)茉莉花茶6芒種の紫陽花白毫銀針7菖蒲華(あやめはなさく)桃の酒鳥龍茶割8大暑の夏水仙原住民野生茶9大雨時行(たいうときどきふる)紅烏龍茶10秋分の曼珠沙華四十九年物
香坂鮪さんの『どうせそろそろ死ぬんだし』のレビューになります。本書は、2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作ということで、話題の一冊でもあるのですが、SNSの反応を見ると、どうも評価が低い。それはなぜ?と、気になって読んでみたら・・・なるほど。ざっくりなあらすじは以下のとおり山奥のある館で、余命宣告を受けた人たちが集まる二泊三日の交流会が開催されている⇒参加者の一人が突然死するが、その死因が病死なのか、殺人によるものなのか、はっきりしない⇒
遠藤かたるさんの『推しの殺人』のレビューになります。今回は原作とドラマの内容を比較しつつ、ご紹介していきます。さっそくですが、あらすじ・解説・感想・評価をどうぞ。あらすじ:原作とドラマの違い<概要>関西を拠点とする三人組の地下アイドル「ベイビー★スターライト」(通称べビスタ)は、人気が伸び悩み危機的状況にあった。以下はグループの問題点についてまとめたもの。べビスタの問題点①頻繁に入れ替わるメンバー現在べビスタの初期メンバーは最年長のルイだけ。しかし彼女はグループ1
人間標本湊かなえ人間標本[湊かなえ]楽天市場${EVENT_LABEL_01_TEXT}あらすじ人間も一番美しい時に標本にできればいいのに。ひどく損壊された6人の少年の遺体が発見されると、社会はその時間の異様さに衝撃を受けた。大学の生物学科で蝶の研究をする榊史郎は、蝶の世界を渇望するあまり、息子を含む6人の少年たちに手をかけたと独白する。蝶に魅せられ、禁断の「標本」を作り上げたという男の手記には理解し難い欲求が記されていた。耽美と狂おしさが激しく入り乱れる慟哭のミステ
前々からSNSで面白いと話題になっていた小説、原浩さんの『火喰鳥を、喰う』を読んでみました。さっそくですが、感想・考察・評価を交えた簡単なレビューをどうぞ!あらすじ舞台は信州の旧家。主人公の久喜雄司は幼い頃に自動車事故で父を亡くしている。現在は妻の夕里子と、母・伸子、そして祖父の保と三人で暮らしている。そんなある日、久喜家の墓が何者かによって破壊される事件が発生する。なんと棹石の側面に刻まれていた大伯父・久喜貞市の名前が削り取られていたのだ。貞市は太平洋戦争で戦死した保の兄で、そこに
※※この本を読んで一言※※若者による群像劇で、5人のキャラクターが立っていてその関係性がとても面白い。そして切ない!普段はミステリ読みの私には新鮮でした。※※※※※※※※※※※※※※※吉田修一さんの作品を読むのは「湖の女たち」に続き2作品目です。この作品は「湖の女たち」とはテイストは違いますが、人間というものを鋭く描いていると思います。良介→琴美→未来→サトル→直輝の順番で視点(主人公)が切り替わり物語が進行していきながら、時間も同時に進行しているので、新たな出来事
池井戸潤さんの『かばん屋の相続』のレビューになります。こちらは全6篇からなる短篇小説。銀行マンたちによるさまざまな困難と葛藤が描かれています。内容紹介今回は6篇の中から4篇をピックアップしてレビューしていきます。それでは各あらすじと解説をどうぞ!十年目のクリスマス十年前に火災事故で倒産した神室電気の社長を百貨店で見かけた銀行員の永島慎司。彼はかつて永島が担当していた取引先の社長だった。今頃は生活に困っているはずだと思っていたが、手には高級ブランド店の紙袋を提げ、愛車と思わ
王谷晶さんの『ババヤガの夜』のレビューになります。こちらは、柚木麻子さんの『BUTTER』と共に、ダガー賞翻訳小説部門にノミネートされている作品でもあるのですが、そのジャンルはバイオレンスアクションなので、少々読者を選ぶことになるかもしれません。『柚木麻子の『BUTTER』が海外で人気の理由』今海外で人気があるという柚木麻子さんの『BUTTER』。特にイギリスでは高い評価を得ており、2024年には日本人初の「WaterstonesBookof…ameblo.jp↑こちらは
みなさん、こんにちは!今回は、安里アサト先生の人気シリーズ『86―エイティシックス―』の14巻を読了したので、その感想をお届けします。長く続いてきたこのシリーズも、いよいよ物語が大きな節目を迎えつつあります。本記事ではネタバレをできるだけ避けつつ、作品の魅力と読後の印象を中心に語っていきますので、これから購入を考えている方の参考になれば幸いです。『86—エイティシックス—』の作品紹介はこちら『第2回作品紹介『86―エイティシックス―』』目次『86―エイティシックス―』の基本
昨年の『カフネ(阿部暁子)』に相当する本を見つけました。おそらく2025年のトップスリーに入るのではないかと思われます。佐藤正午さんの『熟柿(じゅくし)』熟柿とは、熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つことを意味します。◆あらすじ◆激しい雨が降る夜、泥酔して眠りこけた夫を助手席に乗せ、片手に携帯電話を持ちながら運転していたかおりは、突然現れた老婆を撥ねてしまう。パニックになった彼女は、そのまま逃走してしまい、その後あっけなくひき逃げ犯として逮捕
遠坂八重さんの『死んだら永遠に休めます』のレビューになります。まず見てほしいのがこちらのあらすじです。死んでほしいと思っていたパワハラ上司が死んだらしい。容疑者は――部下、全員。無能なパワハラ上司に苦しめられながら毎日深夜まで働き詰めの生活を送る28歳の主人公・青瀬。突然失踪したパワハラ上司・前川から届いたメールの件名は「私は殺されました」。本文には容疑者候補として「総務経理本部」全員の名前があった。限界会社員・青瀬と妙に頭の冴える派遣社員・仁菜は二人で真相解明に取り組む
真梨幸子さんの小説『坂の上の赤い屋根』の解説レビューになります。ネタバレ要素を含みますが、全体の詳細を知るには本書を読んでください。坂の上の赤い屋根(徳間文庫)Amazon(アマゾン)評価4.6/5相変わらず複雑な構成ですが、比較的真梨作品の中では理解しやすく、読みやすいほうです。また、筆者が得意とするリンク読みも現在で、詳しくは『フジコの十ヶ条(殺人鬼フジコシリーズ)』と『6月31日の同窓会』で確認できます(本書との共通点は、「轟書房」と「松川凜子弁護士」)。これから真梨
※ネタバレを含みますが、一部を省略したザックリめのレビューになります内田英治さんの『ナイトフラワー』のレビューになります。こちらは北川景子さん主演の映画『ナイトフラワー』の原作(文庫書き下ろし)で、さくっと読めるところがオススメ。時間を取らずに読めるので、映画と一緒にご覧ください。※ナイトフラワーとは‥月下美人のこと。一年に一夜しか咲かない。(しかし環境によっては年に数回咲くらしい)花言葉によると「ただ一度だけ会いたくて」「儚い恋」などの意味を持つ。一方で「厳しい環境でも生き抜く
瀬尾まいこさんの『ありか』のレビューになります。◆あらすじより◆愛はここにある。幸せはここにいる。「これまでの私の人生を全部込めたと言い切れる作品を描きました」――瀬尾まいこ母親との関係に悩みながらも、一人娘のひかりを慈しみ育てる、シングルマザーの美空。義弟で同性のことが好きな颯斗は、兄と美空が離婚した後も、何かと二人の世話を焼こうとするがーー。「子育てをしながら自分が受けた恩を思い知って、親に感謝していくのだと思っていた。それが親になった途端、さっぱりわからなくなった。こ
真梨幸子さんの『殺人鬼フジコシリーズ』の最新作をレビューします。<はじめに>本書を読む前に、まずは「全シリーズを読み直したほうがいいのか」問題が立ちはだかります。正直、これに関しては何とも言えません!なぜなら、シリーズをおさらいしておいても結局、「あれ、これ何だっけ?これはどうだったっけ?」と混乱するからです。個人的には、記憶力に自信がある人以外は、真っ白な状態で最新作を一気読みしてしまったほうがいいような気がします。とりあえず一周して、もし記憶が抜けているところがあれば、それを思い
ご訪問いただきありがとうございますスモッキング刺繍の子供服と小物類を製作して、細々と販売しています。春休み中に大阪の息子宅を訪問し、滞在中に京都に行くなど楽しみましたが、最終日はこちらの本の舞台となっている阪急宝塚線石橋阪大前駅を散策してきました今夜、喫茶マチカネで昭和29年、大阪の待兼山駅前で開店した書店と喫茶店。時代の流れで65年続いた店の歴史の幕を閉じることに。残された数ヶ月の間、月に一度開かれる『夜会』で街にゆかりの人々が語る思いがけない不思議な体験の数々…マチカネ