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勢いよく病室に来られた主治医が、仰るには、息子の心拍が下がっているそうです。主治医が大きな声で、息子に呼び掛けています。慌てて、息子の側に行きましたが…オカンには、息子の変化が分かりません。さっきと一緒やん?何が違うの?息子の右手を握り、息子の名前を呼びました。夫も、息子の左手を握りながら、息子の名前を呼んでいます。これが最期なん?逝ってしまうん?息子に声を掛けようと思いましたが…オカンは、言葉に詰まりました。"頑張って!"違うやん。もう十分頑張ったやん。"もう
何も考えられず…息子の側で、ぼんやりとしていたいオカンでしたが、やらなければいけない事が沢山ありました。親戚への連絡、寝台車の手配、病室の荷物も片付けなければ…。涙が止まらず、動ける状態では無かった娘は、息子の側に居てもらう事にして、夫と二人で手分けをして片付け始めました。片付けをしていると、看護師さん達が次々と病室に来て下さいました。息子に声を掛け、涙を流し別れを惜しんで下さいます。勤務時間外だった息子の担当看護師さんも駆け付けて下さいました。皆さんに可愛がって頂いていたのだと、
入院3日目の夕方…眠っている息子の枕元に座っていると、主治医と看護師さん達がバタバタと病室に入って来られました。息子の容態が悪化しているそうです。眠っている息子…容態が悪化している様には見えません。オカンは、息子の名前を呼ぶ事しか出来ませんでしたが…夫が、自宅で待機している娘に連絡をしてくれていました。急いで病院に向かっても、自宅からは1時間程かかります。緊張が走りましたが…娘が到着する頃には、息子の容態も落ち着いていました。娘『大丈夫なん?』オカン『今は、落ち着いてる。
ミダゾラムが効いたら、息子はずっと眠り続けるのだと思っていたオカンでしたが…ときどき息子が目を覚まします。夫は和室で仮眠をとっていました。娘と二人、ベッドの脇で息子の様子を見ていると…息子の意識がある様です。オカン『お水?氷?』氷に反応したので、息子の口に氷を入れてあげました。すると、息子の様子がおかしい…お薬のせいで反応は鈍いのですが、目を見開いて、悶えている様に見えます。"氷が喉に詰まったんや!"慌てて、息子の口に指を入れましたが…小さな氷を摘んで出す事は出来ませ
落ち着いたところで、自宅に一人居残り中の娘にLINEをしました。道道って…堂々ですね(笑)こんなので大学生なのだから、心配になります。そんな事より…一泊5万円の特別室に入院となりました。相変わらず"ケチ"なオカンは、今まで使わせて頂いていた普通の個室を希望しましたが、付き添いの許可が下りるのは、この特別室だけでした。ビックリ価格ですが、宿泊するしかありません。一泊5万円、二泊で10万円、十泊で50万円…想像するだけで、倒れてしまいそうなオカンです。以前、特別室を無料で使
夜も更けて…夫と娘は仮眠中です。息子の側に座っていると、息子の様子がおかしい?と感じました。息子は、目を見開いて…身体中に力が入っています。手を握ろうとすると、上半身を起こそうとしている様子です。オカン『どうしたん?そんな…起き上がったら、しんどいやろ?』凄い力で、ベッドから起き上がろうとする息子。オカンの声は、聞こえていない様子です。息子の身体に、何が起こっているのか…"もう、ずっと寝返りすら出来ない息子の身体に、こんな力があるん?"オカンの頭はパニックでした。起き上
day441(臍帯血移植)day203(末梢血移植)息子が目を覚ましました。オカン『どうや?』息子『変わらずかな?息苦しいなぁ。』オカン『いつでも病院に行けるで?救急車、呼ばなあかんけど。』息子『救急車?』オカン『そやで。移動には、救急車を要請するように先生に言われてるねん。でも、救急車を呼ぶ前に、先生に予告電話をする約束やし、そろそろ電話してええか?』息子『もうちょっと後でええ?』オカン『あんたのタイミングでええよ。慌てへんから…。』息子が起きてから、暫く経ちましたが、ま
入院4日目の朝…家族揃って、息子の病室で朝食用に買っておいたコンビニおにぎりを食べながら家族会議です。オカン『ワンコ…どうしよう?』娘『昨日、病院に来る前にドッグフードはあげたけど…。』夫『1日くらい食べんでも、大丈夫やろ?』オカン『1日くらい…大丈夫やろうけど…何日も放置なんて出来ひんやん。』夫『ペットホテルに預けるか?』息子が小学一年生の春に、我が家に来たワンコ…15歳の老犬です。ワンコに何かあれば、息子が悲しみます。話し合いの結果、娘に帰宅して貰い、ワンコをペット
day440(臍帯血移植)day202(末梢血移植)医大へ戻る前日の事です…眠っていた息子が目を覚ましました。オカン『どうや?苦しい?』息子『ん?まぁ…大丈夫。』オカン『さっき、医大に電話してん。いつでも病院に行けるしな?』息子『病院?』眠る前は、"苦しい、助けて"と呟いた息子ですが、"いつでも病院に行ける"と伝えると、微妙な反応です。オカン『病院、嫌なんか?でも、しんどいやろ?病院やったら、何か処置してくれはるし…。』息子『…。』オカン『ずっと一緒に居ら
娘が病室を出発して、暫くすると…看護師さんが来て下さいました。看護師『身体を拭きましょうか?』お風呂が大好きな息子です。きっと、息子なら"お願いします!"と言うかな?と思いました。オカン『お願いします。』看護師『じゃあ、準備をして来ますね。』暫くすると、看護師さんが準備を整えて病室に来て下さいました。オカンも看護師さんと一緒に、息子の身体を拭きました。桶やビニール袋を利用して、手足はお湯に浸けて頂きました。パジャマも着替えて、スッキリした息子です。オカン『さっぱりした
病院に着いて救急車を降りると、主治医と看護師長が待機していて下さいました。お二人の顔を見た途端…オカンは安堵し、力が抜けてしまいそうでした。病棟に向かう途中で、看護師長が"よう頑張ったね"と、何度も何度もオカンの背中をさすりながら囁いて下さいます。"自宅で看取りたい"と思っていたオカンですが、本当は怖くて仕方がなかったんだと痛感しました。病棟に到着すると、看護師長から"お母さんは談話室で暫く待機しててくれる?準備が出来たら病室に入って貰うから。"と言われまし
おじいちゃん先生が、往診に来て下さいました。いつも、お見送りに出るのですが、玄関先で"そろそろ…来週には病院に戻った方がええんちゃうかなぁ?"と仰いました。何らかの処置が必要になった場合は、医大に戻る事になっています。息子が辛いなら、処置をしてあげたい…でも、自宅で看取りたい…悩んでしまいます。ずっと寝返りも出来ず、仰向けに寝たきりの息子なので、日に何度かマッサージをしてやります。最近は、寝てばかりの息子ですが、マッサージ中はポツポツと会話もあります。オカン『どうや?え
day437(臍帯血移植)day199(末梢血移植)熱が37℃代に下がったので、喜んでいたオカンですが…往診の帰り際に、おじいちゃん先生が"もう、熱を出す体力が無くなって来たんやろなぁ。"と仰るのを聞いて、愕然としてしまいました。息子が"パス"と言うので、昨日・一昨日と、身体が拭けずにいました。オカン『熱も下がって来たし、今日は身体拭いとこか?』息子『う〜ん。まぁ、しゃ〜なしで?拭いてもらおかな?』(笑)身体が、怠いのでしょうね。乗り気ではありませんが、承諾してくれ
病状の説明が始まりました…主治医『検査の結果、癌細胞が増えていました。』夫『抗がん剤が効かなかった…?』主治医『一旦は効果があって、落ち着いていたのですが…。』オカン『また、抗がん剤?抗がん剤で、抑えられるんですか?』主治医『臍帯血移植を経ても生き残った癌細胞ですから、タチが悪くなっています。明日から違う種類の抗がん剤を投与します。ですが、癌細胞を抑えきる事が出来るかは分かりません。』夫『移植は出来るんですよね?すぐに移植をすれば?』主治医『先ずは、抗がん剤で少しでも癌細胞を減らし
day438(臍帯血移植)day200(末梢血移植)今日も、熱は37℃代です。熱は下がりましたが、携帯電話を触る事もありません。録画しておいた番組を見ると言って、テレビを点けるのですが、10分と経たずに眠ってしまいます。水を飲んだ後は、咳込む事が多くなりました。ゲップも上手く出せない様子で、出ない時は嘔吐してしまう事もあります。赤ちゃんの頃、ゲップが出なくてミルクを吐いていた事を思い出してしまいました。抱っこして、トントンして、ゲップを出してやれたら良いのに…。そんな事を思っ
息子の容態が悪化したので、娘を病院に呼びましたが…その後は落ち着いていると思っていたオカンです。殆どの時間を眠り、ときどき目を覚ましては氷を欲しがる息子でしたが…今は、何か言いたそうな顔をしています。オカン『…ん?なんや?』息子の口元に耳を近づけました。息子『もう、眠らして…。』オカン『しんどいんやな?お薬、入れて貰うんやな?』確認するオカンに、息子は頷きました。平静を装っていましたが…息子から"眠らせて"と言う言葉を聞いたオカンは、胸が締め付けられる思いで、この言
2022.11月寛解導入療法12〜2023.8月地固め4コース2023.8月5日退院2024.10月から輸血11月に余命1年と告知2024.12.11県内で移植が出来ないため転院2025.2.5輸血をしながら生活(元気です)2.20転院先に入院3月7日前処置スタート3月14日移植4月4日生着(day21)4月13日セミクリーンルームへ移動(day30)5月30日大部屋移動(day77)ありがとうを伝えたい2025.5.29ご本人
day421(臍帯血移植)day183(末梢血移植)息子の退院の日です。主治医からは、介護タクシーの紹介もありましたが…前回の外泊時と同じ様に、自家用車で迎えに行きました。病院に着く少し前に、最後の輸血が終わった息子…良いタイミングでした。自宅に帰ったら、点滴も輸血も酸素吸入も…処置は何もありません。処置が必要になったら、救急車で病院に戻る事になっています。それは…最期の時なのかも知れません。主治医、看護師さん…大勢の方が見送りをして下さいましたが、回復しての退院ではあり
娘の到着から暫く経って、主治医が病室に来て下さいました。娘の側に寄り、背中を撫でながら声を掛けて下さいます。主治医『お兄ちゃんの診断してもいいかな?』主治医は、娘が落ち着くのを待っていて下さいました。まだ、泣きじゃくる娘でしたが、小さく頷いてくれました。聴診器を胸にあて…『心音、呼吸音はありません。』ペンライトを持って…『瞳孔散大、対光反射の消失を確認しました。16時20分、ご臨終です。』オカン『ありがとうございました。』主治医に深くお辞儀をすると…涙が床に溢れ落ちました。
day422(臍帯血移植)day184(末梢血移植)お義母さんと、夫の妹弟、息子と年齢が近い従兄弟が息子に会いに来てくれました。お正月・お盆・GWには、夫の実家に全員集合する仲良し親族なので、ずっと息子は帰省したいと言っていました。皆んな、大きくなりました…。皆んなが帰る前に、ラーメン屋さんに晩御飯を食べに行きましたが、オカンと息子はお留守番です。息子が食べたいと言っていた"天下一品"のラーメンを、夫と娘が"お持ち帰り"して来てくれました。オカン『こんな、こってり
************************はじめまして。お世話になります。父親が年明けにMDSと診断されてすぐにビザータを始めた方が良いという事で2クール終わりました。山元コメント:本当に必要なレベルだったのでしょうか???数字が判らないのでなんともいえませんが。幸い副作用は軽い熱や湿疹があったくらいですが血球の減りが早く輸血を週一で繰り返しています。進行が早いと言われて臍帯血移植かビザータ続行か早めに決めてほしいとの事です。移植するなら早い方が良いのでと
day442(臍帯血移植)day204(末梢血移植)入院2日目息子は、殆ど眠っています。枕元に椅子を置いて、寝ている息子の顔を見ていると、ときどき目を覚します。息子『こおり…』オカン『氷やな?ちょっと待っててな。』急いで冷凍庫まで、氷を取りに行くオカンです。氷を口に入れてあげると、ゴリゴリボリボリ…良い音をさせて、噛み砕く息子です。息子『パパは?』オカン『家に、荷物を取りに行ってもろてんねん。オカンらの荷物、用意すんの忘れてしもたから。そろそろ戻って来るんちゃうかな?』
いつもたくさんの方にアクセスいただきありがとうございます。以前、骨髄移植にかかった費用を公開するブログを書いてました。少し余裕ができてきたのでまとめてみました。何度も書いていますが娘は生後5ヶ月で病気が発覚してまだ研究中の病気であり治療薬がありません。造血幹細胞移植しか方法がないと説明がありました。これをしても長期生存率は五分五分。発覚した時、入院中の大学病院では移植はできないとの事で段階を積み重ね、別の大学病院へ転院。2018年8月末、転院先の病院側からの話があり進行度も慢性寄りな
息子が逝ってしまった…オカンは、息子の手を握りしめたまま、呆然としていました。ふと気がつくと、夫が電話をしています。夫『今から、病院に戻れるか?…慌てんでいいから。』娘に電話をしてくれた様です。病院までは距離があります。娘が動揺して事故に遭わない様にと考えて、詳しくは伝えずに病院に呼び戻す事にしました。とても急いでくれたのでしょう。娘は、1時間と掛からずに病室に戻って来ました。娘『どうしたん?大丈夫なん?』オカン達に声を掛けながら、息子の元に駆け寄る娘です。夫『頑張りよった
day419(臍帯血移植)day181(末梢血移植)主治医から、電話を頂きました。主治医『往診を引き受けて頂く病院が決まりました。』病院の名前を確認すると…我が家から徒歩5分の所にある、内科医院でした。オカン『ありがとうございます。その病院は、息子が小学生の頃に予防接種で何度かお世話になった事があります。』主治医『そうでしたか。一度は断られたのですが…引き受けて頂ける事になりました。近いうちに、お母様から内科医院の方に行って頂きたいのですが、大丈夫ですか?』オカン『大丈夫です。
ご訪問ありがとうございます。自閉症スペクトラム&境界知能と告知された小学校普通級1年生の娘との日常を綴っています。【娘について】昨年、当ブログにて【自閉症スペクトラムの治療について】【自閉症治療の臨床研究の件で問い合わせ】という記事を書きました。概要私は娘が生まれた時の臍帯血をステムセル研究所で保管しています。その研究所が『自閉症スペクトラム障害に対する自家臍帯血有核細胞を用いた治療法の開発』に向けた臨床研究を行うと発表しました。そこで、詳しい情報を聞こうと問い合わせました
day425(臍帯血移植)day187(末梢血移植)おじいちゃん先生が、往診に来て下さいました。体温・血圧・酸素濃度・聴診器での確認をして頂きました。診察結果は、右肺に異音がするそうですが入院中から異音があるので、変化なしだと思います。酸素濃度は90でしたが、息苦しさは感じていない様です。入院中から微熱が続いていましたが、今日は37.9℃まで上がりました。食事は、夕飯だけ…おかずを一口ずつ頑張って食べてくれましたが、吐いてしまいました。オカン『朝から水分しか摂れてへんなぁ?お腹
白血病と診断されてから621日臍帯血移植day444・末梢血移植day206息子が旅立ちました皆様からの、ご厚意に深く感謝申し上げますありがとうございました
おじいちゃん先生との顔合わせも無事に終わったので、夕飯の準備をしようと思います。オカン『晩ごはん、何が食べたい?』息子『お寿司!』オカン『珍しく、即答やん?』息子『ずっと食べたかってん。退院する時、先生がグレープフルーツ以外やったら、何でも食べて良いって言うてたし。』笑顔で話す息子ですが…オカンは、平静を装うのに苦労しました。"もっと早く、退院させてくれていたら…ひと月前の息子なら、食欲旺盛で何でも食べる事が出来たのに。"今、そんな事を考えても仕方がない事は、分かっています
息子を退院させ、自宅で過ごさせると決めましたが、夫にもオカンにも仕事があります。仕事を休む事も考えましたが、いきなり休めば職場に多大な迷惑を掛けしてしまいます。息子の容態が悪くなれば、休む事になりますが、息子と長く過ごせると信じるからこそ、今すぐ休むべきでは無いのかも?と考え、上司に事情を説明し、夫もオカンも在宅勤務をさせて頂く事になりました。コロナ禍で、息子の側に居られない事を嘆きましたが…コロナ禍だったからこそ、在宅でも仕事が出来る環境が整っていました。理解のある会社・職場に、改