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「婚活」今の世の中は、何にでも「活動」というラベルを貼りたがる。かつてのノリトは、「向上心」という免罪符を掲げて職を転々としてきた。営業、開発、研究、そしてレギュラトリー。その都度、目の前には「就活」という名のゲートが立ちふさがり、彼は流行り言葉へのアンチテーゼとして、まるでおまじないのように「向上心」という言葉を吐き捨ててはゲートを潜り抜けてきた。だが、ふと立ち止まると、今の自分が「根無し草」であるという事実に突き当たる。現在の精緻な品質マネジメント業務と、当時の行き当たり
無事に挨拶を済ませた。実家に泊まる。ヨンはかつて自分がしたかったことだった。子供を見せたいと思っていた。タンという息子ができたこと。両親にとっては孫になる。天門をもう一度潜ることはできないとウンスに言われてあきらめた。「そういえば」といい母が思いだした。ユ家に伝わるものがあったのよと言いだす。「そんなものうちにあったの?」ウンスも知らないことだった。母が大切にしまっていた箱を持ってきた。「ものすごく古いものなんだ」父が言う。ユ家の宝だ。いくえにも重なる布の中にそれはあった。
何回もお伝えしているんですけど、アブダビの映画鑑賞マナーはほ~んとうにひどい!まず時間通りに来ない人が多々いて、遅れた人々は悪びれもせずスマホのライトで自分の席を探すし、上映開始前に来ていたとしても自分の席じゃないところに座ってる人がいて揉めるし、鑑賞中もふつう~にスマホを観るし(メッセージ送ってんじゃないよ)、くっちゃべってるし、おいおい、ここは、あなたのお家じゃないですよぉ~?しっしっ残念ながら、鑑賞マナーがちゃんとしている人はごく一部。昨日なんか、映
リセットまさに青天の霹靂(へきれき)だった。あの、実直で不器用なミカが?結婚して8年、交際を含めれば10年。ノリトの記憶にある彼女は、いつだって職人のような手で黙々と何かを作り上げ、一歩後ろからついてくる献身的な女性だった。崩壊と別居という苦いキャッシュが上書きされた今でも、その「コア・イメージ」だけは壊れずに残っていたのだ。しかし、受話器から聞こえる声に、かつての面影は微塵もなかった。「……何で?」問いかけるノリトに、彼女は震える声を繋ぎ合わせるようにして、空白の三年
※『海の約束』とおんなじ内容ですそれでも良ければまただ「やっ…」抱くたびに彼女の唇からこぼれる小さな声に、俺は心の中でため息ついて動きを止める「なにが嫌なのか、言ってもらえると助かるんだけど?」甘い舌を喰らい尽くすような激しい口づけに酔いながら、指先で胸の膨らみと固くなった果実を堪能したあと「はっ…ぁ」わざとらしいくらいのリップ音を立てながら細くて真っ白な太ももへと唇を這わせ、下着越しでもはっきりわかるほど潤んでいる場所を舌で味わおうとすると「やっ…ダメ!」彼女は決まって体を捩
短編小説「ぬくもり」アラスへ向かう道は、どこまでも穏やかだった。王都から離れるにつれ、人の気配は薄れ、代わりに風と緑の匂いが濃くなる。地味に仕立てた辻馬車の窓から外を見つめていたオスカルは、ふと小さく息を吐いた。「⋯⋯静かだな」その呟きに、向かいに座るアンドレが微笑む。「パリとは別の国みたいだろう」「まるで、戦いも陰謀も存在しない場所のようだ」その言葉は冗談めいていたが、どこか本音でもあった。衛兵隊隊長としての日々は決して穏やかではない。人々を守る責務、揺らぐ時代の気配そ
考え始めました。集英社オレンジ文庫短編小説新人賞30枚を、真剣に。当初の予定の、純文学系200枚の作品群を描くことは、彼方へ飛び去っています。この30枚も当初の予定の、お手軽改作じゃ無くなって、ほぼ設定だけ最初、借用した新作になりそうです。でも、作品世界が脳内に象られてきたから、もう止められない。モードに入りました。何よりも、この30枚が上手く書けるかどうかは、神のみぞ知る「未来」な、不確定要素なんですが、これへの挑戦が、今、また自分の中で熟成されつつある小説創作のスキル向
「………相川莉奈から、退部届けを受け取った」烈貴が額の包帯とガーゼを取り去った、月曜日の放課後。音楽室で顧問教師の渡辺は、吹奏楽部員達を前に淡々と伝えた。「ファースト・クラが一人抜ける。………………吉田」「……………ハイ?」「おまえ、今日からファースト」セカンド・クラリネットの三年生、吉田翡翠(ひすい)が、私が?という表情で目を丸くする。「譜面、渡しとく」ポツリと一言言って、渡辺は音楽教官室へ消えた。おかげで、セカンド・クラリネットの方が四人から三人へ減った。部員の多くは思
本の評価・特A(人にプレゼントしたいくらい面白い)・A(かなり面白い)・B(面白い)・C(普通)・D(暇潰し程度)・E(時間を返せ❗️)※B評価までは読み応えあります「B」2008年出版(単行本は2005年刊行)私たちはたくさんの愛を贈られて生きている。この世に生まれて初めてもらう「名前」。放課後の「初キス」。女友達からの「ウェディングヴェル」子供が描いた「家族の絵」。人生で巡りあうかけがえのないプレゼントシーンを、小説と絵で鮮やかに切りとった12編。贈られた記憶がせつなくよみ
🌕️中学生の子をもつおりみと申します🌕️ブログをご覧下さりありがとうございます!子どもに薦められる本、話題だったり気になったことの調べ物だったりで手にした書録をつけているブログです!読んでくださった方、またお子さんが気になる本が見つかりましたら幸いです今年新潮中学生に読んでほしい30冊に入っていた月まで三キロ(新潮文庫)Amazon(アマゾン)『【新潮中学30】2025版更新と風が強く吹いている』中学生の子をもつおりみと申しますブログをご覧下さりありがとうございます子ど
【7話:別れ】いよいよ、その日が来た。帰る日――。出張でも、旅行でも、最終日というのはどこか少し寂しいものだ。けれど今日のそれは、今までに経験したことのない種類の感情だった。寂しい、という言葉にはあえて触れず、彩佳と私は、いつも通りの何気ない会話に身を沈めた。朝になると、いつものように彩佳が朝食の支度を始める。私は皿を並べ、箸を揃える。小さなテーブルの上に並んだのは、卵焼き、納豆、そして豆腐の味噌汁。どこにでもあるような、ありふれた朝の食卓。けれど、その一品一品に、母親
運命の出会い、底知れぬ高揚ハルカへのお見合いの申し込みは、期待していた通り、存外すんなりと通った。土日に申し込みボタンを押し、祝日には早くもシステムが『受諾』のログを返した。ゴールデンウィークという非日常の熱気に街が沸くさなか、わずか一週間足らずで彼女との邂逅がセットアップされたのだ。相手の相談所の事務処理を考慮すれば、これは極めて順調な進展と言えた。婚活市場という広大な海において、これほど淀みなく『接続』が許可されるのは、互いのスペックが最適に噛み合っている何よりの証拠ではないか。こ
はじめまして。詩人として活動している、腰越おんと申します。「腰越おん」という名前は、ある海辺の町で生まれました。愛を知ったその海辺の町で見つけたこの名前は、これからの僕の言葉を運ぶ船のような存在になってくれることを、期待しています。僕は、「世界に否定されても、僕の中では生き続けているものがあって、僕はそれを、生きていると呼ぶ。」をテーマに、詩や短編小説を書いています。その思いを一冊にまとめたのが、KDP出版、初詩集『はじまりとおわり言葉にできない余白たち』になります。始まりと
雰囲気あるデジタル空間を作るクリエイターのご紹介【朗読】【小説】「ひみつ」[大人向け読み聞かせ/おすすめ小説/名作/女性朗読]作:辻村もと子小説家の辻村もと子(1906年-1946年)に関する「ひみつ」についてですね。検索結果から、辻村もと子自身に世間一般に知られていないような「ひみつ」やスキャンダルがあったという情報は確認できませんでした。「ひみつ」という言葉は、彼女の作品の一つとして登場します。辻村もと子は昭和期の小説家で、北海道開拓をテーマにした作品や、女性の生き方を描いた作品
【8話:乱れ】私は、仕事が好きな人間だ。自己成長も、やりがいも、人生の重心はずっと仕事にあると思っていた。だからこそ、独立し、自分の会社を立ち上げた。誰かに指示されるのではなく、自分で決め、自分で責任を負い、自分の足で立って生きていく。その生き方に、迷いはなかった。忙しいことが誇りだった。予定が埋まっていることに安心し、必要とされることで、自分の存在価値を確かめていた。家族のために働く。そう言いながら、本当は仕事そのものに、自分の居場所を求めていたのかもしれない。私
タイトルつけようとしたけど思いつかず。とりあえず(仮)タイトルです「ほらっ、ベルトを締めるからじっとしてろ」休日に家族で訪れたショッピングモールで買い物を終え、駐車場でチャイルドシートに子どもたちを乗せていると「あらっ、ご家族でお買い物ですか?」背後から聞き覚えのある女の声がした「なんで、こんなとこにいるんだ?」「なんでって、ショッピングに決まってるじゃないですか」女は濃紺のパンツスーツに身を包み、甘い香水の匂いを漂わせている「えっと、あなた?」隣でわかりやすく焦っている妻に、
春の終わり(続)五月の半ば、由美子は、休みを取った。店長は、「珍しいね」と笑った。十五年勤めて、ろくに休みを取ったことのない女が、急に二日続けて休みたいと言ったのだ。「実家、何かあった?」「いえ、ちょっと、お墓参りに」嘘ではなかった。半分は、本当のことだった。電車に乗るのは、久しぶりだった。朝の十時の、空いた各駅停車。窓の外を、初夏の景色が流れていく。新緑が、目に痛いほど、鮮やかだった。由美子は、薄いベージュのワンピースを着ていた。
さて、ここ2・3日、ずっとさばえ近松文学賞へ出す10枚をどう描くか、考えている。とにかく、出すことだけが第一の目的で、あまり入選を目指さずに書こうか、と思い始めている。前に書いたように、過去6回、応募している。各回の受賞作を読むと、エンタメ系で、今回も書こうかと思っていて、2・3案、考えたけど、やはり、筋やストーリー展開から考えると、発想が例の【呪縛】から逃れられそうにない。じゃあ、いっそまず入選しないレイモンド・カーヴァー風のミニマリズム作品にしようか思って、その路線で考えて
「ベンジャミン・バトン数奇な人生」2009年のアメリカ映画。監督はデビット・フィンチャー、出演はブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット。「セブン」「ファイト・クラブ」のデビッド・フィンチャーとブラッド・ピットが、F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説を映画化。80代の年老いた姿で生まれ、歳をとるごとに若返っていき、0歳で生涯を終えたベンジャミン・バトンの奇妙な人生を、数々の出会いと別れを通して描く。この映画の監督ってデビット・フィンチャーだったんですねー。
カバーを外すな!今回紹介する本はノウイットオールです。たまたま本屋さんで見つけた本なのですが、本屋さんのPOPに読了までカバー外すなって書かれてたのが買う決め手になった。そんなおすすめの仕方ある?ノウイットオールあなただけが知っている(文春文庫)Amazon(アマゾン)話題の新作とか。恋って苦しいとか、いろんなPOPがあるなかで。コイツだけ、読了までカバー外すなって書かれてんのよ。カバー外すなって書いてあったらカバーの下みたくなるじゃないですか。後手寧
こんにちは新宿ピカデリーにて、映画『近畿地方のある場所について』入場者特典を頂きましたお札型のアクセスカードで原作者“背筋”の短編小説が読む事が出来ます。こういった特典もおもしろいな※QRコードは消しています。
だいぶ日が過ぎてしまいましたが、10月21日は、志賀直哉の命日でした。昭和46年(1971年)10月21日。享年88歳8か月。当時は、随分長生きだと思いましたが、今日では、もうそうでもないですね。加山雄三が88歳6か月でまだご存命ですから。私は88歳まで生きたくありませんが。志賀直哉の短編小説「城崎にて」が中学3年の国語の教科書に載っていて、感銘を受けました。いわゆる私小説、心境小説というやつで、自分の心の中を表現する小説ですが、志賀直哉の性格に興味を持ちました。分裂気質のよう
「ああ、自分はこんな表情ができるのか。」西日に照らされて窓ガラスに映る自分の顔を見て、そう思った。晩秋の午後三時前は、もう夕方の気配だ。「手袋はどこにしまったっけ」などと考えながら、電動自転車のペダルを漕ぐ脚に力を込める。アラフィフの技術職。いつもならこの時間は、PCのモニターを前に眉間に皺を寄せている頃だ。しかし、次男の誕生に合わせて育休を取得した今は、長男の朝陽(あさひ)が通う幼稚園に向かうのが日課になっている。火曜日は体操教室があるため、いつもより一時間遅いお迎えだ。園庭の
『クスノキの裏技』ネタバレの詳しいあらすじ主な登場人物…役柄直井玲斗…千舟にクスノキの番人に指名された青年。柳澤千舟…玲斗の伯母。先代のクスノキの番人。柳澤将和…ヤナッツコーポレーション代表取締役。千舟のはとこ。柳澤勝重…ヤナッツコーポレーション専務取締役。将和の異母弟。柳澤清志…将和と勝重の父親。柳澤和子…将和の母親。柳澤靖代…千舟の祖母。先々代のクスノキの番人。満月の夜、直井玲斗と柳澤千舟がいる月郷神社に、柳澤将和が祈念にやってくる。先日の役員会での玲斗の演説を聞いて、
先日、たまたま見ていたNHKのニュースーンで作家阿刀田高(あとうだたかし)さんのインタビューに見入ってしまった。この番組を見るまで知らない作家さんでした。阿刀田さん91歳短編小説の名手と呼ばれる直木賞作家。多くの小説を書いて来られたが、この5月に出す小説を最期にされるとの事。最後の小説集『掌より愛をこめて阿刀田高さいごの小説集』書くだけならまだまだ書けると思うが世に出すなら、納得のいくある程度の水準のものをと思うので、これで最後にする、と言うような
「中島みゆき『蒼い時代』に思うこと~中島みゆき作品解説~」S2952・松山千春DATABESE総合TOPPAGENF・アーティスト別LIVEDATABESE総合TOPPAGENF◇更新履歴V1.0:2015.05.05初稿V1.1:2024.02.03歌詞の追加及び是正『●随時更新~最新記事リンク・文章番号&記事タイトル一覧(A1319)』「最新記事リンク・文章番号&記事タイトル一覧」S11319・松山千春DATABESE総合T
『study〜番外編〜』なるみちゃん&鈴世編2部のファンの方に怒られないか心配ですが、なるみちゃんと鈴世の高校時代を想像で書きましたふたりとも中学時代と同じ部活に入ってる設定です「おじゃまします」秋も深まってきたある日の午後「どうぞ、上がって」子どもの頃から何度も訪れたことのあるお屋敷の門をくぐって、玄関先で待ってくれていた大好きな彼と中に入ると「いらっしゃい、日曜日なのに勉強なんて感心ね。私はちょっと出掛けて来るけど、ゆっくりしてってちょうだい」秋らしいニットのスーツを着たおば様
最後の質問に震えたーー『口に関するアンケート』著:背筋この本は、ページ数だけ見たら「短編だしすぐ読めそうやなぁー」なんて思っていたのですが、まさかここまで怖いとは…。何度か読み返し、気付いていく恐怖を味わいました読後しばらく本の内容が頭から離れませんでした夜に読んだのがそもそもの間違いだったんですけどもね‼︎(うちの家は裏手にお墓がいっぱい…)タイトルは『口に関するアンケート』。“口”という日常からは切り離せないワードと“アンケート”という聞き慣れた言葉からは、最初は
【紹介】今回は,筒井康隆さんの小説「笑うな」の紹介です。筒井康隆さんは,星新一さん,小松左京さんとともにSF御三家と呼ばれ,ショートショートだけでなく,中長編も多く執筆しています。今回紹介する本は,1975年刊行の短編集です。先日紹介した星新一さんの「ボッコちゃん」と発刊年が近く,時代の雰囲気も似たものになっています。笑うな(新潮文庫つー4-11新潮文庫)[筒井康隆]楽天市場【あらすじ】電気工事士の斉田が,タイムマシンを発明したと言う。友人
健康診断乗り越えられました。せっかくとった検便を忘れて後日お届けなりましたが……バリウム、言われていたより大丈夫でよかった。最初にもらうつぶつぶの炭酸とお水でゲップを我慢するのが緊張したけど、バリウム自体は紙コップ1杯で済んだのでよかった。ただ、機械が横回転出来ないので回るのは自分で指示を聞きながら。右回転してって言われてどこから見た右なのかを思ったらわけわからなくなり、窓ガラス越しの先生に指差しで確認しながらのろのろ回転し、縦回転は出来るので逆さにされたりしながら無事に終了。ちょっ