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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・一般知識今回は、湿潤大気中において、ある空気塊を持ち上げたときの気温変化について書かれた文章内の(a)、(b)にあてはまる適切な数値を答えよ、という内容の問題です。早速考えてみます。簡単のため、「一般気象学」p72の図3.14を参考にしながら今回の問題についての図にしてみました。なお、温度や高度のスケールが正確でないところはご了承ください。地上にある空気塊を持ち上げることを考えます。初めは未飽和ですの
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・専門知識まず初めに、「外向き長波放射量(OLR)」の概要について触れておきたいと思います。一般知識の大気における放射の学習内容を振り返ってみますと、「一般気象学」p128図5.17『地球のエネルギー収支』にありますように、地球の大気上端から宇宙空間へ出ていく長波放射(地球放射)がありますが、これを「外向き長波放射」とよんでいます。気象衛星で地球を観測したとき、対流活動が活発な地域では、それにより発達
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問2(解答図)今回は、図1、図2と図6(上)を用いて図6(下)のオホーツク海に予想されている低気圧に対応するトラフを作図する内容の問題です。まず、図6から、28日9時のトラフから解析してみます。(28日9時)図6(下)のオホーツク海にある低気圧は北緯52°東経146°付近に位置していますが、図6(上)を見ますと、その西側に正渦度の極大域があり、5100mの等高度線の曲率が大きく、+258×10-6/sの
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・一般知識(a)ある波長における、ここでは太陽放射における波長ごとのエネルギーの強度分布のことを「スペクトル」といいます。一般気象学p117の図5.9を見ながら考えてみますと、太陽放射エネルギーの約半分は0.38μm〜0.77μmの可視光線域に含まれているのは正しいのですが、太陽放射エネルギーのスペクトルのピークは約0.5μm付近にあり可視光線域にあることがわかります。したがって、「紫外線域」とする本文の内容は誤りという
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識(a)最大風速については本文の通りですが、10分間平均風速の最大値となります。また、最大瞬間風速についてですが、風速計の測定値(0.25秒間隔)を3秒間平均した値(測定値12個の平均値)になります。したがって、本文の内容は正しいということになります。(b)降水の定義については、本文にあります通り、大気中の水蒸気が凝結したり、昇華してできた液体・固体およびそれらの併合による生成物、すなわち雨・雪・あられ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・専門知識(a)と(b)冬型(西高東低型)の気圧配置のとき、大陸からは冷たく乾燥した季節風が日本海に向かって吹き出します。日本海の海面水温は暖流である対馬海流が流れていることから、季節風の温度に比べて高いため、海面から、顕熱と水蒸気の供給が海面に接する下層から進んで、相対的に暖かく湿った空気に変わっていきます。このメカニズムを「気団変質」とよんでいます。海面に接した空気が下層から暖かく湿った空気に変わってき
こんばんは。今日から第46回試験の受験申請期間が始まりました。7月8日(金)までですが、受験の方はお早めに申請しましょう。それでは、問題を考えてみたいと思います。問1(2)地上の前線は850hPaの何℃の等温線に対応していますか。ということですが、トレーシングペーパーに地上の前線を図1から写し取って、図4の850hPa天気図に重ねてみました。赤の線でなぞった所、等温線は3℃ごと、華中に18と書かれている等温線が見られることから地上の前線は15℃に対応していることが
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第8回試験・一般知識まず、この問題を解くにあたって三角比の知識が必要になってきますが、難しく考える必要はなく、sin(サイン)、cos(コサイン)、tan(タンジェント)とは何かが理解できればOKです。ある直角三角形があり、その直角三角形の辺の長さの比のことを三角比といいます。図のような辺a・b・cで構成される直角三角形があったとします。直角以外の2つうちの1つの角をθとおきますと、この角θに対して定義される3つの三角比は次のよ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)地上気象観測における「天気」とは、雲と大気現象に着目した大気の総合的状態のことをいいます。初めに、本文を読みますと、『層積雲が全天の8割を覆っている場合は、天気は「曇」である。』とあります。十種雲形では、巻雲・巻積雲・巻層雲は上層雲、高積雲・高層雲・乱層雲は中層雲、層積雲・層雲・積雲・積乱雲は下層雲にそれぞれ分類されてます。なお、対流雲である積雲・積乱雲は下層雲に分類されます。本文にあ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験1・問1今回は、初期時刻(14日21時)の12時間前にあたる14日09時の地上低気圧の位置の緯度・経度を図1の情報に基づいて求めよ、という内容です。12時間前の地上低気圧の位置を求める方法を上図に示してみました。問1(1)①で触れましたように、地上低気圧は東北東に20ノットで移動しています。まず、12時間前の位置を求めるにあたって、このノット(KT)がどういう単位なのかを押さえておく必要があります。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・一般知識(a)大気における放射の「放射平衡にある大気の温度の高度分布」から問われています。ここで第42回試験・一般知識・問1の図を載せて考えてみます。(第42回試験・一般知識・問1より)図は大気の温度の高度分布を示したもので、実線が標準大気、Aはオゾンがない場合の放射平衡、Bは放射平衡、Cは放射対流平衡というそれぞれの条件で行った数値実験の結果を示しています。問題では対流圏についてですので、図の高度が0
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技1・問3図11の1日0時におけるメソモデルと全球モデルの図について、解析雨量の図の四国地方西部から四国の南西海上にかけて見られる50mm/h以上の幅10〜20km程度の線状の強雨域に対応するそれぞれの予想を示した数値を単位を付して表に穴埋めしていきます。まず、前3時間降水量の最大値つきましては、問3(1)①と同じ要領で解答するということで見てみますと、メソモデルでは紫色の領域が見られることから、(a)は80mm
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・一般知識(a)登山などで標高の高いところへ行くことを想像するとわかりやすいかと思いますが、高度が高くなるにつれて空気は薄くなっていきます。これは言い換えますと、対流圏内における空気密度は高度が高くなるにつれて小さくなっていくことを意味します。したがって、「ほぼ一定」とする下線部の内容は誤りということになります。(b)「一般気象学」p251の図で、500hPa面の高度を対流圏中層のおよそ5000mと考え
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第27回試験・一般知識(a)まず、本文にあります「外向き長波放射量」とは宇宙空間に向かう長波放射量のことです。次に、「対流活動が活発で雲頂高度の高い領域の方が、その周囲の雲がない領域に比べて値が小さい。」は正しいかどうかですが、ここでステファン・ボルツマンの法則の知識が問われています。黒体が放射する電磁波の放射強度、すなわち1秒間で1㎡に入射するエネルギーを(I)、絶対温度(T)、ステファン・ボルツマン定数をσとしますと、I=
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第一段落①~⑤まず図1の九州の南岸にある温帯低気圧について、その右に係れている英文の解説を読み取ってみます。発達中の低気圧中心気圧1012hPa中心位置北緯31°東経130°進行方向と速度東へ20ノット今後24時間に、低気圧の南半円600海里以内とその他の半円(北半円)400海里以内では、風速30ノットから50ノットの風速に達すると予想される。となります。したがって、①は「発達中」、②は「東」、③「2
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問2今回の問題は、初期時刻(29日21時)に黄海にある地上低気圧とその500hPaにおける低気圧の中心を結ぶ軸が、その後24時間後にかけて、対応関係と地上低気圧の盛衰がどう変化していくかについて述べた(a)~(c)の文のうち正しいのはどれか、ということで見ていきます。まず、(a)は、「低気圧の中心を結んだ軸は最初傾いていたが、鉛直方向に変化し、地上低気圧は衰弱する。」とありますが、図1の地上低気
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験1今回は、本文を読み進めながら空欄を穴埋めしてみます。(第1段落)まず、「図1によると、九州の南には前線を伴って発達中の1008hPaの低気圧があり、(①)ノットの速さで東北東に進んでいる。」とあります。この九州の南にある低気圧に関する詳細な情報は図の右下にある英文で記載されています。直訳しますと、発達中の低気圧中心気圧1008hPa中心位置北緯31°東経130°東北東へ35ノ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問1(3)(前問の解答例)昨日、この問題に対する解答のための要素として、前問の解答結果の見たままの内容の他に、「風向の特徴」と、「等高度線の走向」の2つのワードから、学科試験で学習した内容について何か気づきませんか?と書きました。そこで、学科試験で学習した地衡風について思い出してみます。300hPa面では地表面摩擦の影響を受けませんので地衡風平衡に近似し、北半球では高度の高いほうを右手に見て等高度
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問3(4)今回は、28日21時における地上の前線の位置から館野までの距離を260kmとしたときこの前線面の勾配の大きさを分数値1/Fとしたときの分母の値Fと、地上の前線位置から館野までの転移層の厚さは一定と仮定した時の地上における前線帯の水平幅を求めよ、という内容の問題です。まず、地上の前線の位置から館野までの距離を260kmとしたときこの前線面の勾配の大きさから求めてみます。問題文だけではわか
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問1(3)今回は、図3の気象衛星画像における雲域Bと雲域Cについて、図4の850hPa相当温位・風12時間予想図を用いて、雲域Bと雲域Cのそれぞれに対して風と相当温位に分布との対応関係を風向・風速、相当温位の値に言及しながら述べよ、という内容です。雲域B、雲域Cとも、赤外画像ては白く写っており、雲頂高度が高い、あるいは雲頂温度が低いことを示唆していることから、ともに対流雲が発生していると判
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技1・問2(1)図6(上)の九州から関東地方にかけて延びる正渦度域の南縁を36時間後にかけての東経135°と東経140°における南北の移動について追ってみます。特に図8において、対象となる正の渦度域が図6(上)、図7(上)と正渦度の極大域を伴っていることに注意して、図6での南縁の位置からどうなるか見ますと、東経135°では、北緯33°から北緯37°へ4°の北上、一方、東経140°では、北緯35°から
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問2(1)まず、逆転層の種類として、問題文の下枠の「接地逆転層」、「沈降性逆転層」、「前線性逆転層」について、一般知識のおさらいとして簡単に振り返ってみたいと思います。《接地逆転層》夜間の放射冷却によって地表に接する空気が冷やされて、その上にある空気より気温が下がる場合に、形成される逆転層です。特に冷気が溜まりやすい山地に囲まれた盆地で発達しやすいのが特徴です。《沈降性逆転層》高気
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問1(2)前回の(2)①では、鹿児島において初期時刻27日21時の3時間前の気圧変化傾向が下降後上昇していることを根拠の一つにして日本海の低気圧の中心が鹿児島から遠ざかっている、ということでした。日本海の低気圧の中心が、東北東に35ノットで遠ざかっていくはずなのに、鹿児島における気圧は上昇しっぱなしではなく、前半部分で大幅に下降しているのはどういうことか、その要因について述べる設問です。問題文
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問3㏗今回は、図8(上)に基づいて図1の初期時刻の日本付近にあるこの前線が、12時間後にどういう予想位置になるかを図7(上)の地上予想図の枠で囲った範囲内に解析せよ、という問題です。まずはじめに、12時間後の地上において予想される前線の位置を解析するには、図8(上)の850hPa面における前線の位置を解析してみる必要があります。その理由は後ほど述べることにします。今回の850hPa面における前
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)本文の初めの「擾乱」とは、とくに気象学では「気象擾乱」とよぶ場合もあり、水平規模が約10km程度の雷雨をもたらす積乱雲から台風、さらに大雨をもたらす温帯低気圧などの総観規模のスケールまで、一般的に大気が乱れる現象のことをいいます。(気象衛星センターHP:2015年10月10日03UTC赤外よりトランスバースラインの例(矢印))次に、本文を読みますと、「北側に広がる上層雲が急速に発達し、北縁に
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・実技試験1・問1まず、地上天気図における等圧線の読み方を簡単に触れておきますと、等圧線の間隔は4hPaごと、太実線の等圧線どうしは20hPaごとに引かれています。また、今回は問われていませんが、図1の左上、中国東北区付近の高気圧の中心を囲う1030hPaの細い破線は補助等圧線で、必要に応じて2hPaごとに引かれることがあります。これを踏まえて、問題の輪島の海面気圧がどういう状況にあるかを考えてみます。まず、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1図6(下)の12時間後の地上予想図で福島県から関東地方の内陸部にかけて見られる低圧部について、図7の700hPaにおける鉛直流および湿数の特徴を、関東の南東海上と比較してそれぞれ述べよ、という設問です。実技試験の問題演習に慣れてきますと、この問題文を読んだ時点で、低圧部と関東の南東海上と比較して対照的な特徴が見られるということなのかな、と概ね想像がつくようになってきます。そこで図7(下)の700hPa
新年あけましておめでとうございます。本年も当ブログ「てるてる風雲録」をよろしくお願いいたします。第55回気象予報士試験がいよいよ今月に控えていますので、元日から早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技2・問1(4)今回は、図5の気象衛星赤外画像において、破線で囲っている雲域に関連して300hPaトラフを解答図に記入する、という作図の問題です。これまで54回を数える気象予報士試験で300hPa天気図にトラフを作図するという問題は多分なかったっと思いますが、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・実技試験1・問2初めに、問題文の問1(1)で述べた北海道北部から朝鮮半島北部んび位置する前線帯について、振り返ってみます。問1(1)本文の第2段落の後半部分で、「北海道北部から朝鮮半島北部にかけて、850hPa面の温度傾度の大きい領域が見られ、そこも前線帯になっている。この前線帯上で、700hPa面の鉛直p速度が(12)-38hPa/hの極値を示す地点は、850hPa面の(13)低気圧性循環の中心付近に位置
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問2今回は、図7の850hPa面の気温と風について、初期時刻(29日21時)の黄海付近における地上低気圧の中心付近の温度移流と、24時間後(30日21時)の九州の南東海上に予想されている地上低気圧の中心付近の温度移流の特徴を比較したとき、図7の地上低気圧の中心付近に対応する850hPaの温度移流の特徴を、図1の黄海の低気圧の中心付近に対応する850hPaの温度移流の特徴と比較して25字程度で述べよ、と