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ゴホゴホ咳が目立つようになってきたお顔が小さいミニミニおばあちゃんマスクをするとお顔が全部隠れてしまいそうミニミニおばあちゃん「水が変なところに入ったの。大丈夫。」咳をする度そう言ったきっとミニミニおばあちゃんは気が付いていた自分の容態が徐々に悪くな
半年以上ミニミニおばあちゃんの身体症状は落ち着いた状態で日常生活のレベルは維持されていたその年の冬クリスマスの向けてお部屋廊下ロビーあらゆるところが飾り付けされなんとなくほんわか楽しくって温かい雰囲気新しい飾り付けを見つけるたび「可愛いわ!これも!」と目を輝かせるミニミニおばあちゃん
私「失礼しまーす。おかえりなさい。」そう言いながら訪室目の前にはキラキラ笑顔のミニミニおばあちゃんがいたミニミニおばあちゃん「ただいま!本当は帰ってきたくなかったけど。」とちょこっといたずらっ子な表情を見せながら言った会話の詳細は忘れてしまったがお家の現状娘さんとランチで食べたもの外は楽しいということ本当は家でもっとゆっくりしたかったことでも1人で家に住むのは難しいかも
元々ベッドの上で静かに過ごしていたがベッドの上で体の向きを換えることも「やめて…」と囁き声で訴えられた最期が近かった体の向きを換えることはやめたその代わりお体をちょこっと浮かせたりして圧抜きをした注射で麻薬を24時間投与除圧マッサージマウスケア体拭きラジオのイヤホンを耳につけるできることはわずかだったでもほんのわずかな触れ合いも喜
自宅に一時帰宅する日ミニミニおばあちゃんの朝は早かった私は日勤だったので7時40分くらいに出勤したするとなんとすでに着替えが終わっているお出掛け準備完了☆にこにこのミニミニおばあちゃん可愛い…とナースステーションではスタッフもつられてみんな笑顔ミニミニおばあちゃん「朝ごはんまだ?娘が来ちゃうから、私のところ早く持ってきてくれる?」全身から溢れ出る喜びが眩しか
「娘さんに聞いてみます。」担当看護師が言ったお仕事の都合上週1回の面会そのタイミングを逃すまいと娘さんがいらっしゃるのをその日勤務していた全員がアンテナを張って待っていた来た!!!気がついた看護師同士でアイコンタクトをとり速やかに担当看護師へ伝える担当看護師はダッシュでナースステーションへ戻ってきたその後偶然を装い娘さんへご挨拶をしミニミニおばあちゃんのお部屋へ一緒
キーパーソンは一人娘さんだった娘「帰りたいって言ってますけど、無理なので、聞き流してくだされば結構です。」こちらが聞くより先にそう言われてしまった私「そうですか。」というより他ないミニミニおばあちゃんの担当看護師は「どうしたらいいですか。本人は、家で過ごしたいわけじゃなくて、片付けたいものがあるそうなんですよ。ただそれを片付けたいって。それも無理なんですかね?どうにかならないかな。たった1回でいいのに…」患者さんサイドの意見だ
娘さんの旦那さんもいつも面会に来てくださっていた色黒でやや筋肉質な体格だがいつも笑顔で優しい物腰いつも面会に来てくださるが娘さんとミニミニおばあちゃんの親子の時間をもつためにその旦那さんは1人先にミニミニおばあちゃんのお部屋から出てこられラウンジの椅子で待っておられた「じゃあね。またね。」ミニミニおばあちゃんが笑顔で見送るエレベーターの扉が閉まりクルッと私たちの方を見た途端「あの旦那は私からお金もらう
娘さん「連れて帰ってよかったです。行く前とか、家に着いてから、”やっぱりここにいたい”とか言い出すんじゃないかってヒヤヒヤしてましたけど。母もわかってるんですね。これなら、また連れてってあげようと思います。」思わず心の中でガッツポーズしたよかった担当看護師に伝えたらどれだけ喜ぶだろうミニミニおばあちゃんお部屋へ伺ったら今日はきっと話が止まらないだろう仕事を全
「いってきまーす♪」笑顔で手を振りながら娘さんとともに外出されたでも正直なところ嬉しさ半分不安半分娘さんが言っていたようにまたここに戻ってくるのが嫌になってしまうのではないか…そんなことを思ったのも束の間その日の業務に忙殺され気がつくと午後3時「ただいまー!」
看護師になったきっかけあるおばあちゃんの言葉だった元々証券会社で営業マンとして働いていた来る日も来る日もノルマに追われ成績を比べられいかに手数料を上げるかそればかり考えていた1日が終わりベッドに入ると「明日はどうやって手数料を上げたらいいだろう…」と頭を抱えながら眠りについていたあの頃はよく歯が抜ける夢を見ていた(歯が抜ける夢と検索すると“ストレス”と出てくる…)
「やっぱり連れてってみます。」ある日そう娘さんが言ってくださった担当看護師とゆっくり話をしたのが思い直すきっかけとなったようだった担当看護師も外出を強く勧めたわけではない娘さんの想いを聞いたただそれだけだったきっと娘さんはお話ししてくださる中でなにか違う思いや考えが浮かんできたのかもしれない「聞いて!家に連れてってくれるって!」娘さんからお話を聞かれたミニミニおばあちゃん
その方は小さい小さい方私の胸の辺りまでの背丈ミニミニおばあちゃん「140cmあるかしら。」と笑っていた本当に終末期?ホスピスに入る対象?と疑いたくなるほどお元気な方ミニミニおばあちゃん「毎日退屈。家に帰りたい。」そうですよね〜
翌日お客さんの花屋さんでお見舞いの花を買って病院へ向かった(病院は基本生花NGですが、当時はそんなことも知らなかったんです…)ナースステーションでどこの部屋か教えてもらい病室へ行ったお部屋には娘さんとお孫さんがいた簡単に挨拶を済ませベッドにいるおばあちゃんの元に近づいた「よく来てくれた。嬉しい。もう長くない。もって来月と言われた。でも、もっとなにか治療ができるかもしれない。だから東京へ行く。でも、きっともう会えな
両手を大きく振り転ばないように足を上げてしっかりと着地しながら歩いていた抗がん剤の副作用で足の裏が「ビリビリ痛いの。感覚が鈍い。」だからいつも気をつけながら歩いていた指先も同様だっただから細かい作業を嫌った薬を出すのも億劫だと私は洗い物やアルコール消毒で指先が赤切れでパックリ割れてしまうそれだけでも頭を洗うときや手を洗うときなんかに苦を感じるのに指先の感覚が鈍くなるそれもず
いつもお世話になっているおばあちゃんがいた元々は先輩から引き継いだ方で果物屋さんをやっていたいつも店先で話をしお茶やお菓子をいただいた旦那さんは無口な方で挨拶以外は話したことがなかったある日「ちょっと寄ってみよ〜〇〇さん元気かな〜。」なんて呑気に訪問したするとお店は閉まっておりおばあちゃんの姿はなかった自宅が併設されていたのでインターホンを鳴らした「いないよ。」私を見るなり旦那さんが言った
てくてくこの表現が一番当てはまるてくてくてくてく午前も午後も毎日てくてくてくてく「ここだけしか歩けないから、つまらないわね。」言葉の最後に”てへっ”が入るような可愛らしい喋り方「お家に帰りたい。」この言葉の時だけは寂しさが溢れていた
それから毎日『私は今のままでいいのか。』延々と考えたそんな中営業で会いに行くお客さんは高齢の方が多いみんな「昨日病院へ行ったんだ。」「体の調子が悪くて…」と口々に言う最初はなんとも思っていなかったでもお客さんを違う形で支えることができるのではないかと考え始めた医者だ!そう思ったが到底無理そんな学力持ち合わせていない看護師…看護
地震が起こった数日後「おい!なんで全部ストップ安なんだ!」パソコンを挟んで正面にいた先輩が悲鳴とも取れる声で叫んだ株価が全て暴落全面ストップ安目の前のパソコン画面は青々としているその場にいた全員が青ざめたなぜだどうして何が起こった福島原発の爆発だった全員声も出なかった「私、ここで何してるんだろう…」仕事なんて手につかなかった
きっともう会うことはできない最期の握手をしベッドで寝ているおばあちゃんにしっかりと抱きしめてもらった涙で顔がぐちゃぐちゃだったでも私の心は決まったこのおばあちゃんの言葉で私は看護師を目指すことを決めた