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永井紗耶子さんの『木挽町のあだ討ち』のレビューになります。さっそくですが、あらすじと感想をどうぞ!木挽町の仇討睦月晦日の戌の刻。辺りが暗くなった頃、木挽町芝居小屋の裏手にて一件の仇討あり。雪の降る中、赤い振袖を被き、傘を差した一人の若衆。そこに大柄な博徒が歩み寄り、女と見間違え声を掛けた。すると、若衆、被いた振袖を投げつけて白装束となる。「我こそは伊納清左衛門が一子、菊之助。その方、作兵衛こそ我が父の仇。いざ尋常に勝負」朗々と名乗りをあげて大刀を構えた。対する博徒作兵衛も長脇差を抜き
司馬遼太郎という人は、もともとスーパー忍者が荒唐無稽な活躍をする伝奇小説「梟の城」で直木賞を取った、山田風太郎とたいして違わない作風のエンタメ作家だった人です。ですから、初期の作品は(特に短編は)忍術だか魔術だか催眠術だか超能力だかを駆使する主人公が、怪しげな活躍をしたり失敗して墓穴を掘ったりする娯楽時代劇が多く、しかも大抵、出てくる謎な女性とナニな関係になるというサービスがついてます。えっ、これがあの国民作家の司馬遼太郎なの?って感じです。そういう「胡散臭さ」が好きか嫌いか、で好み
米澤穂信さんの『黒牢城』のレビューになります。こちらは映画ではなく、原作のレビューになるのでご注意を!さっそくですが、あらすじ〜ネタバレ〜感想をどうぞ!◇あらすじ◇祝第166回直木賞受賞!本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の智将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。デビュ
信州上田、別所温泉、松代を旅行してきました。どの土地も魅力的な土地ですが、いずれも信州を代表する人気の観光地です。皆様に少しでも、信州の良さを知って頂きたく、訪れた順番にご紹介させてください。実は上田の地は今回で5回目です。私にとってかなり思い入れのある土地で、何度も行っているのですが、飽きが来ない魅力的な土地です。上田と言えば皆様は何を思い浮かべるでしょうか?上田城だけでなく、いくつも魅力的な場所がある土地です。私は、恥ずかしながら高校までは上田の存在を知りませんでした。高校生
さて、来週からBSの再放送は「太平記」です。5年くらい前に再放送されましたが、個人的には思い出深いドラマなので楽しみですね。その前に「八重の桜」についてまだ語ることはあったかな……捨松「この『京都守護職始末』を英語、フランス語、ドイツ語さ訳して各国大使さ配れば……」武子「なにをやってるのかな、捨松ちゃん」最終回にて登場の『京都守護職始末』です。山川浩の名で明治44年に出版されていますが、実際の作者は健次郎と言われています。作中では川崎尚之助、山川兄弟が書き継いでいます
BSにて1991年に放送された「太平記」の再放送がはじまりました。前回が2020年だったかな?けっこう早い再放送です。足利尊氏が主人公ですが、平和を愛する、優柔不断な好青年とした画期的?なドラマです。登子と藤夜叉のどちらかで3週に渡って迷い、出した結論が「正室と側室にしよう!」は大河ドラマ史に残ります。悩む意味ないじゃんかと。さて、1話と言えばまず萩原健一の新田義貞。序盤で降板してしまったので貴重なシーンです。このドラマでは「策謀家の義貞」という、従来のイメージを変える描き方が試み
※※この本を読んで一言※※ページ数が多く、人名地名者の名前など読めない漢字も多くて読むのに苦労しそうですが、読み始めたら一気に読めた作品でした。それはひとえに正統なミステリとしてストーリーが面白かったからでしょう。※※※※※※※※※※※※※※※古泉迦十さんの作品を読むのは「火蛾」以来です。と言うより古泉さんはこの「崑崙奴」が2作目で、24年ぶりの新作だそうです。「火蛾」はイスラム教を題材としたミステリでしたが、この作品の舞台は中国の唐の安史の乱後の西暦766年から767年
大河ドラマ「豊臣兄弟!」が開始しますが。実は去年は諸事情にて大河をほとんど見ていなので、今年は最初から見ようかと。豊臣秀長……歴群新書時代「豊臣作家」と言われた智本光隆です。桜乃「言われてたっけ?」かすみ「必要とあれば明智作家でも猫作家でも名乗るらしいですわ」実際、大谷吉勝とか豊臣秀頼とか豊臣秀勝(関白秀次の弟)とか、豊臣系が主人公が多かったです。ただ、大半が秀長没後の作品でして、出番があったのは……『本能寺将星録』シリーズ豊臣(羽柴)が敵
部屋が狭いので、ハードカバーは買わないと心に決めていたアテクシですが、発売日に「ちょっと見るだけ……」と軽い気持ちで本屋を覗いたところ、平積みされた『最後の一色』を見た瞬間何かに操られ、次に気づいた時にはもう本を購入して店の外に出ていました!全然我慢できなかったよね!?いやだって、和田竜先生の新刊だもの。しかも12年ぶりですって!前作の『村上海賊の娘』では、一度図書館で上下巻を借りて読み、文庫本が発売されたところで改めて(一)~(四)の4冊を手に入れました。それくらい好き
黒牢城(こくろうじょう)米沢穂信KADOKAWA2021(あらすじ)織田信長に対して謀反をおこした荒木村重は有岡城に籠城する。説得に訪れた使者、黒田官兵衛を捕らえ土牢につないだことで、いよいよ有岡城は孤立してしまう。やがて、密室状態の城内で、少年の謎の死をはじめ4つの不可解な事件が起きる。犯人は家臣なのか、身内なのか、それとも第三者なのか?動揺する村重は、軍師官兵衛に事件のなぞ解きを依頼する。(感想)本書は、今村省吾さんの「塞王の盾」と共に2021年度下半期の直木賞を受
2025年7月5日土曜日。連日暑い日々が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今日、この本を読み終えました。中国歴史書の名著司馬遷「史記」全8巻。ちくま学芸文庫版。今日ようやく8巻列伝4を読み終えました。Excelで付けている蔵書リストによるとこの「史記」全8巻セットは2012年3月11日に購入。それから9年余り積読。2021年10月頃ようやく本紀を読み始め10月28日読了。しかしその後中断。あの「教養として読む
NHK朝ドラ「あんぱん」なかなかおもしろいですね。主人公の朝田のぶ(今田美桜さん)はあの人気アニメ「アンパンマン」の作者やなせたかしさんの暢(のぶ)夫人がモデルです。少女時代から走り回るのが大好きな活発な女性で朝からその元気さが清々しくていいですね。このドラマ、日本語という観点で見てもおもしろくて、視聴者は日本語のリスニングを楽しんでいるんじゃないでしょうか。そのひとつは土佐方言。「しゃんしゃん東京にいね!」については先日もブログに書きました。西日本方言の動詞「往ぬ」(いぬ)について
柚月麻子大正最後の年一色虎児が渡辺ゆりにプロポーズする場面から物語は始まるゆりは快諾するが女子英学塾時代の恩師でもあり親友シスターフッドの関係にある河井道と結婚後も仲を維持していけるのであればという条件つきその後ふたりは一緒に理想の女学校を作り・・・と続くのですがまずは河井道そのひとのこと家潰れ北海道函館に一家は移住神職だった父親の影響で新道だったのがいきなりキリスト教徒となって暮らしが一変学校も教育方針も変わり札幌のスミス女学校に学ぶ〜その時札幌農学校で教える新渡戸稲
イキって本を読んでみようと思い132冊目に入りました。今回読んでみたのは「らんたん」(柚木麻子作)。河井道さんと一色ゆりさんという実在の人物をモデルにした歴史小説です。河井さんと一色さんは明治時代から昭和初期にかけて女性が教育を受ける権利のために尽力しました。恵泉女学園の創立者として有名だそうです。このお二人のことは今まで全然知りませんでした……。こういう明治時代の女性偉人がいたおかげで私たち現代の女性に選挙権があったり、女性でも高校や大学に行けるようになったんですね。ありがたい
本当はこっちを先に書くつもりだったのですが、先日の『猫絵の姫君』特別編「未来への墓標」を描いていまして、思い出したことが。というか、忘れていたことが。作中に、大久保利通の「明治三十年」が登場します。明治を十年ごとに区切り「創業」「発展」「完成」(正確には「創業」「寛容」「守成」)としたものです。大久保が石川県士族に殺害されたことにより「維新三傑」(大久保、西郷隆盛、木戸孝允)がすべて世を去りました。この事件現場である紀尾井坂へと駆けつけたのが……武子「五郎殿なのか?」之恭
馨「そういえば、前回の大山捨松さんでこんな逸話がありましたね。好きなものは1に児玉源太郎、2に妻の捨松さん、3にビーフステーキ」武子「そんなに肉を食べるから従兄弟の西郷隆盛殿のような体型に。捨松ちゃんがぼやいていたぞ。「夫はどんどん太り、私はどんどん痩せていく」とか」馨「まあ、所詮は大山君は二戦級の人物ですね」武子「ずいぶんはっきり断言するじゃないか?」馨「僕が俊輔(伊藤博文)、武子さん、料理のどれが一番好きかを問われれば、返事に窮することなどありませんよ。料理はただの趣味ですし、
福岡市上空は曇り。ウォーキングで歩くと、うっすらと汗ばむほど。ももち浜海浜公園では、海風に吹かれて、この時期恒例の鯉のぼりが泳いでいました。高校の歓迎遠足でしょうか、女子高生がキャーキャーいいながら、砂浜を駆け回っていました。そんな黄色い声を聞くと、隠居ジジイも元気をもらえるなぁ。・・・・・読書録:「グロリアソサエテ」朝井まかて※グロリアソサエテ=「輝ける仲間たち」、「栄光の仲間たち」というニュアンスですね。民藝運動の草創期から日本民藝館創設までを、民藝の提唱者・柳宗悦(やなぎむ
「国盗り物語と、竜馬がいくは、どっちのほうがよんでためになりますか?」…はあ?どちらもエンタメ小説なので、「ためになる」ために読むものではないと思いますが。敢えていえば「竜馬がいく」のほうが、幕末の流れが大体わかるので、歴史の勉強の入口としてはいいんじゃないかと思います。もちろん、あくまで「入口」であり、歴史に興味を持つ切っ掛けになればいい、ということで。想像や創作もいっぱい入っていますので、くれぐれも「司馬遼太郎は立派な歴史家だから、嘘を書くはずがない」なんて勘違いをしないでください
ロシアのアナーキストで革命家して知られているミハイル・バクーニンがしばらく横浜に滞在していたことを、葉室麟の小説『星火瞬く(せいかまたたく)』で知った。歴史小説など書いてみたいという安易な気持ちが打ち砕かれるほど、葉室は歴史上の人物や史実を忠実にふまえつつ、小説を書いていることが、この作品でもよく分かった。ここまで細かに調べないとかけないんだなあ、と実感まだ序盤しか読んでいないのだが、シーボルトが再来日した時につれてきた息子やヨーロッパでの1948年革命で同志として戦った
こんにちは、水城真以です。3月8日(日)に開催された「第2回ぽかミニ文学マルシェ」に出店してきました。今回の大阪入りも、夜行バス。体が結構バキバキでした。いい加減アイマスクとか枕とか導入した方がいいのかな……と悩み中ですが、こういう感じの枕で果たして首の凝りとかって変わってくるものなのでしょうか……?【ヒルナンデス&おはよう日本TV紹介品★グッドデザイン賞】好きな形に曲げられるネックピロー低反発クッション綿100%カバー飛行機携帯枕トラベルピロー首
ここ暫く記事の投稿から離れていたが、三月に入って多忙だったこともあり、読む方に注力しようという試みがあったので書くのが億劫になったことが大きい。その間に漸く読み終えたのが森鴎外の「渋江抽斎」とアナトール・フランスの「神々は渇く」の二作品である。こちらは同じ本のビフォーアフターなのだが、読み終えた頃には折角のグラシン保護がスッカリ捲れあがってしまっている。職場の昼休みに少しでもと持ち運び、ポーチから頻繁に出し入れしたのが凡その原因と思われるが、グラシン保護のお陰で帯をふくめた本体は頗る