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何時間経ったのだろう?時々、施設の人から「まだやってるんですか?大変ですね〜」なんて言われながら・・・。でも俺も松潤もずっと紙とにらめっこした。違う。違う。違う。何ページめくっただろう。指先が痛くなってきた頃。「・・・あ」松潤の声がした。「まーくん」「何?」「これ」指差されたところを見る。そこには一人の名前が書かれていた。当然『櫻井翔』ではない。俺が知らない名前だった。名簿の横には、活動内容が書かれていた。泥出し物資運搬避難所清掃炊き出しその名
〜side翔〜いよちゃんとはその後、おやつあげはその一回きりだった。次の機会もその次の機会も心を閉ざしたままのいよちゃんだった。少しだけ一歩行けたと思ったあの日だけが奇跡だったのかもしれない。その日は安藤先生の恐妻と言われる奥さんは凄かった。いつもは俺や大ちゃんがいる時はそこまであからさまに恐妻ぶりを出さないんだけれども……この日、かなりピリついてたんだろう。「今日はあなたがリビングの掃除担当よね?見てここ!ほら!ここの隙間に埃があるじゃない!」「え?どこ?」「ほ
急に周りが明るくなって思わず隣を探った。…そこにいるはずの、、、カラダ…そこにあるはずの、、、ぬくもり「どこ?」ばさり、とブランケットを剥ぐ。隣で眠っているはずのマサキがいない。え、え?「くふふ、しょーちゃん。どうしたの?」窓いっぱいの光を背にしてマサキが笑っていた。「寝ぼけてた?」「-っ、そんなことないけど。てかマサキ、おまえこそなんでそんなとこに?」いつもなら。オレの腕の中でとろとろまどろんでオレの髪をまさぐって半分起きたらキスをする。いつものマサキは。
翌日6時。アラームが鳴る前に起きた。…実際はもっと前から目は覚めてたけれど小学生の遠足かっつーの。「あら、早いわね。」「ん、今日は出かけるから。」「休みでしょ、今日。」「約束があるんだよ。」かあさんにふーんという顔をされながら準備を始める。映画でも遊園地でもいける服っていえば。7時50分。「あ、ショウちゃん。おはよー」外に出た途端にマサキの明るい声が聞こえた。玄関先から数メートル。にこにこしながら手を振って。……まて、可愛くてイケメンだぞ。……いや、イケメンで可
「・・・探そう。」松潤が言う。「うん。」俺は頷く。「・・・松潤。」「ん?」「ボランティア活動・・・翔太さんと翔が会った場所。そこを探せないかな。」「活動先が分かれば、参加者名簿が残ってる可能性はあるな。」「うん。」「ただ、翔くんが偽名を使ってたなら・・・」「それでもいい。」俺は即答した。「何かわかるかもしれない。」お母さんが静かに口を開く。「翔太が話していたことなら・・・」俺たちは振り向く。「確か、最初にその方と会ったのは、あの災害のあとです。」「はい。」「避
Side−A帰り道、父さんが運転する車の中で俺はずっと黙り込んでいた。「ごめんな、雅紀。また、母さんと言い合いになってしまって…」「あぁ…。久しぶりに見たわ、夫婦喧嘩…って、元夫婦、だったね?」「ハハッ…。って、あまり笑えないか。オレ達が別れてても、雅紀にとっては母親だもんな?」「でもやっぱり理事長なんだなって思ったよ?」「理事長、か…。まぁ、あれはあれで大変なんだろうな…。隙あれば理事長の座を引き摺り下ろそうとするヤツだっているだろうからな。」「…そうなの?」「雅紀には言ってな
櫻葉小説です苦手な方はこちらで回れー右、お願いします大丈夫な方、お付き合い頂けたら嬉しいです🌸+†+🌸――🌸+†+🌸――🌸+†+🌸「お待たせしました⋯///」「おぉーー!!セーラー服の子、キターーー!!めっちゃ可愛いなぁ♡」「ほんと!!まじでそこらの女子より可愛くね?」「⋯///ご注文の方は、お間違えないでしょうか///」「うん!大丈夫!!」「ありがとね〜!!」俺はぺこりと頭を下げると、その場から離れた。「はぁぁぁ⋯///」「相葉くん、大丈夫??」「英二くん⋯///なん
➖雅紀side➖「へぇ〜、この人が新しい看護師さん?」『はい。今日からここで一緒に働いてくれることになりました』「あっあっ相葉雅紀です!一生懸命覚えて頑張りますのでっ、よよょよろしくお願いします」「おいおいおい。参ったなぁ、頭下げられちゃったよ。こっちがお世話になるっちゅうのに。な?先生」『ふふ。慣れるまでは緊張してしまうと思うので、僕の方からもよろしくお願いしますね、梅さん』「かぁ〜。先生にまで頭下げられちまったら、そりゃ人肌脱がないわけにはいかねぇなっ、と。よし、患
〜side翔〜いよちゃんは俺の顔と、手のひらの上のおやつをじっと見つめている。リビングが静まり返り、こっちに来た安藤先生が、息を呑んでこちらの様子を見守っているのが空気で分かった。ファイブは空気を読んだのか、せかすこともせず、じっとお座りをしたまま、いよちゃんの手元を見つめている。《いよ、イケメン翔がくれたやつ、美味そうだぞ。お前から欲しいな》しばらくの沈黙の後いよちゃんの小さな指先が、俺の手のひらに触れた。かすかに震える手で、彼女は小さなおやつをひとつ、つまみ上げる。その様
櫻葉小説です苦手な方はこちらで回れー右、お願いします大丈夫な方、お付き合い頂けたら嬉しいです🌸+†+🌸――🌸+†+🌸――🌸+†+🌸「よっし!!じゃあ、カフェOPENするぞーー!!」ぶっきーがみんなに声を掛ける。それに加えて、隆ちゃんもみんなに声を掛ける。「1年の中で、売上、人気ともに1番取るぞー!!」「「「おーーー!!!!」」」男子も女子も、2人の声掛けでSwitchが完全に入り、やる気満々!!!嫌だとか言ってる雰囲気じゃないなぁ⋯まぁ、いいや。端っこの方でおとなしくしてよ
➖雅紀side➖『じゃ、僕は診療所に戻るので、荷物片付けたら今日はお風呂入ってゆっくり休んでください。あ、もし出かけるなら、戸締りよろしくお願いします』櫻井診療所は昼間診察に来れない人たちのために毎週火曜と金曜日は夜間診療を行なっている夕食らしきものを口に詰め込みモグモグさせながら白衣を着た櫻井先生を玄関先で見送ったそれにしても無警戒だなぁ櫻井先生は人を疑うってこと知らないのかな?いくら雇用契約を結んだ相手でもほぼほぼ初対面に近い奴を、自宅に下宿させちゃって、鍵まで預けち
〜side翔〜安藤先生のお宅で手伝いをするようになり何度目かのこの日。ファイブがいつものように姿を現す。《おう、イケメン翔、待ってたぞ!》ファイブは嬉しそうに尻尾を大きく振ってくれるようになってた。その姿が嬉しくて俺もファイブにたくさん触れる。その後、先生の仕事の手伝いのため奥の部屋に籠るんだ。数時間後休憩になった。俺の視線は自然とリビングの奥へと向かう。そこには、小さな車椅子に座ったまま、じっと庭の方を見つめているいよちゃんの姿があった。安藤先生の話の通り、彼女は
それからというもの。三宅さんのLINEは、ほぼ毎日になった。「帰ったか」とか「飯食ったか」とか「風邪ひくなよ」とか・・・内容はほとんど変わらない。用事があるわけでもない。長電話をするわけでもない。ただ、一言二言やり取りをするだけ。そんなことがいつの間にか当たり前になっていた。俺も気づけば返信を返すのが当たり前になっていて。返事が少し遅いと「仕事かな」なんて考えるようになっていた。そんなある日のことだった。その日は珍しく二人とも定時で仕事が終わった。「相葉」「はい
櫻葉小説です苦手な方はこちらで回れー右、お願いします大丈夫な方、お付き合い頂けたら嬉しいです🌸+†+🌸――🌸+†+🌸――🌸+†+🌸「腹いっぱいーーー!!!」「俺もーー!!!」「くふふ、それは良かったわ〜!!」「いやぁ、思春期男子の食欲は凄いなぁ!!俺もこんなだったかな〜??いや、見ていて気持ち良かったよー!!」「マジで、ぜーんぶ美味かったです!!ご馳走様でした!」食事の後は、恒例の雅紀の母ちゃんからのデザートタイム♡雅紀の部屋でデザートを堪能し、雅紀の父ちゃんと母ちゃんにお礼
櫻葉小説です苦手な方はこちらで回れー右、お願いします大丈夫な方、お付き合い頂けたら嬉しいです🌸+†+🌸――🌸+†+🌸――🌸+†+🌸雅紀の何でもって言葉に完全に持っていかれ、気付いたら、雅紀の手を握り俺の近くに引き寄せていた。「⋯翔ちゃん⋯///」雅紀のか細い声で、ふと我に返った!!!俺は雅紀の手をパッと離した。危ねぇ!!!思わず抱きしめるところだった///抱きしめて、俺の想いを伝えて⋯キスして⋯///頭の中ではイケナイ妄想が膨らむ。頭を左右にブンブンと振り、イケナイ妄想を
櫻葉小説です苦手な方はこちらで回れー右、お願いします大丈夫な方、お付き合い頂けたら嬉しいです🌸+†+🌸――🌸+†+🌸――🌸+†+🌸「しょ、翔ちゃんからどうぞ⋯///」「いや、雅紀からでいいよ///」「た、大した事じゃないから⋯翔ちゃんからでっ!」「いや、まぁ、俺も大したことじゃねぇけど⋯明日は何の勉強するかなぁ⋯って///」「お、俺もっ!その話、しようとしてたっ!!」「ハハ、同じことか〜www」「そうだったみたい⋯///」そう言って、照れくさそうにハニカミながら、
櫻葉小説です苦手な方はこちらで回れー右、お願いします大丈夫な方、お付き合い頂けたら嬉しいです🌸+†+🌸――🌸+†+🌸――🌸+†+🌸「雅紀ーー!翔くんーー!!ご飯、出来たわよー!下りてらっしゃーい♡」「「はーーい!!」」2人でお喋りしてたら、母ちゃんから声が掛かり、2人で洗面所で手を洗いリビングへと向かう。「お腹、減った〜!!」「あ、おじさん!こんばんは!お邪魔してます!」「翔くん、いらっしゃい!ほら、座りな!今日は母さんが張り切ってるよ〜!」「あら、お父さん?そんなこと言った
〜side翔〜ある日突然大ちゃんが言った。まだ入院してる病室で……突然に。「ねぇ翔くん?お願いがあるんだけどさ……?」「えっ……?!」正直驚いた。こんな状態になってお世話されることはあっても人にお願いをされることなんて久しくなかったから。たぶん相当びっくりした顔をしてたと思う。「なんでそんな顔してんの?」「え…?いや。ちょっとびっくりしたから」「まだ内容聞いてもないのに?んふふ。変な翔くん!」大ちゃんからしたら変かもしれない。だって大ちゃんは俺がこんなこと