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本を購入するのは、やはり書店で買うのが好きだ。いろんな本を眺めて「これは!」と手にとって選んでいくのが至福の時間である。ごくまれに、そのたたずまい(タイトルとか装丁の雰囲気)に一目ぼれして即買いすることがあるのだが、最近まさにそうして買った本がこちら。文にあたる(牟田都子著/亜紀書房)「文にあたる」という言葉がなによりよいし、表紙のデザインもタイトルに見合ってとても凛々しい。帯にある「人気校正者が、書物へのとまらない想い、言葉との向き合い方、仕事に取り組む姿勢についてーー思いのたけ
皆様こんばんは。昨日(1月13日)22時からNHK総合で放送された『プロフェッショナル仕事の流儀』に、フリーランス校正者の大西寿男さんが出演されました。大西さんとは、対談等で何度かお話しさせていただいたり、下北沢で一緒に飲ませていただいたことなどもありましたので、個人的にも今回の放送を非常に楽しみにしておりました。そして実際の放送は、私の高めの予想をさらに上回る、素晴らしいものでした。校正者・校閲者の孤独、苦悩、そしてその仕事の中にある微かな喜び、達成感のようなものが、大西さんの温かく
出版社の校閲部を取り扱ったドラマ、地味にスゴイ!終わっちゃいましたが、今年は重版出来に続いて2本目の出版関係のドラマ。こんな年はもう二度とないんじゃないだろうか?自分は出版業界の仕事もしているので、ドラマでは描き切れていない、校閲の実際の話をちょっとしようと思う。石原さとみ演じる河野悦子が所属する校閲部は、様々な文章の間違いを見つける部署だ。ドラマのタイトル通り、すごく地味な部署(だけど、実際には出版業界なんて一部を除けば校閲だろうが編集だろうがライターだろうがデザイナーだろうが全部地
「見込み」「大・小」なのか「高・低」なのかこれも迷いどころなんですGoogleでもなんでも検索すれば出てくる話ですでもGoogleなどで調べる(私にとっての)大きなデメリットがありますそれは検索でヒットした答えが根拠のあるものなのか・・・信頼に値するものなのか怪しいときにいろいろなページを確認しなければならないということそれからこちらが最大のデメリットなのですが・・・いろいろなページを読みふけってしまって・・・つまり道
読後記『新聞に見る日本語の大疑問』の第二弾です。26「お夫?」より配偶者を指すとき、「主人」、「だんな」と言いたくない女性が増えているという話。夫婦を主従関係のように言うのは男女差別だというのです。この筆者も女性らしく、この意見に賛同しているようです。ただ、そういう女性と話すときに、その方の夫を、「ご主人」じゃなければ何と呼べばよいのか?本人は「夫」(おっと)と言っても、こちらは「お夫」(おおっと?)じゃおかしいし・・・と述べたまま結論を出していません。私は「ご夫君」(ごふくん)という表現を
はい、先日記録として書いた「レモンと殺人鬼」どうしても絶対におかしい、というところがありまして・・それは・・173ページ金田が語ってる「」の中の文です。だって・・語り手は金田、なんですよ。「俺は金田に忠告したが、あいつは聞く耳を持たなかった。」???いや、絶対におかしいでしょ!校閲さん、ちゃんと見つけて校正してよ・・こんなところばかり気になってしまう私。校閲がちゃんとできてない本って意外に多いですよね。他にも文庫でいくつか見つけたりしてい
「地味にすごい!校閲ガール・河野悦子」というドラマが先週の水曜から始まりました。読者のみなさんの中で、ご覧になった方はいらっしゃいますか?校閲の仕事が題材となっているということで、先週の水曜に10月5日(水)に第一話を見てみました。結論から言うと、けっこうおススメです。第一話は「HULU」に入らないと見れないみたいですが、本日(6日)の第二話からでも十分、内容についていけます。こちらのページを見ておくぐらいで十分ついていけます。要は、石原さとみ演じる「河野悦子
こんばんは。12月は上旬に娘が2人ともインフルエンザになり、そのあと妻、そして私(陽性にはなりませんでしたが、数日間体調最悪だった)と、インフルエンザに振り回されて3分の2が終わってしまいそうです。仕事上でも、家族の看病で急遽在宅勤務にしてもらったりなど、メンバーに迷惑をかけてしまいました。普段の仕事で挽回しなければというところですが…。さらに、書くことでもありませんが、先週金曜日は退勤後に異常な悪寒を感じ、地元の市の救急センターにタクシーで駆け込む、という初の経験をしました。その一日でおお
こんにちは。今日は、仕事に関して、敢えてパンドラの箱を開けてみようと思います。校閲三要素(と私が勝手に呼称している)、「合わせ」「素読み」「調べ物」のうち、「調べ物」についてです。以下、いち校閲者というよりは、進行管理的な立場からの考え方であることをご了承ください。また、あくまで試論ですので過剰反応禁物にてお願い致します。校閲という仕事は、実際にやってみるとよく分かるのですが「調べ物」にものすごく時間がかかります。しかし、本来はもっと別のところに時間、比重をかけるべき
『赤毛のアン』翻訳家、NHKアニメに“校閲希望”出す。「プリキュアじゃねーんだぞ」「原作愛は無いんか」『赤毛のアン』の翻訳家として知られる松本侑子さんは4月5日、自身のXを更新。アニメ『アン・シャーリー』に対する“校閲希望”が反響を呼んでいます。(サムネイル画像出典:松本侑子さん公式Xより)news.allabout.co.jpこれは尊いなあ。モンゴメリの読書経験を経てると、外せない空気感のまといがあり、細部に宿るものに「登場人物のこれまで」の経緯がこもる。見たいように見ていい作品、とは言い
右の漢字一文字で『天橋立』って・・・。今後も、書く事も読む事もできそうにないです😅君は『天橋立』と読めるか❓何ともおどろおどろしい漢字が「方言漢字事典」(研究社)に載っていました。いずれも京都府の天橋立を表し、画像の右から「あまのはしだて」「はしだて」と読むそうです。現代では使われていませんが、室町時代の辞書や、江戸時代の和歌の書籍などに用例があるとのことです。(慧)#あまのはしだてpic.twitter.com/POhsv00Moe—日経校閲(@nikkei_kotoba)2
フェイスブックやインスタグラムを運営する米国のメタ社が、偽情報の拡散を防ぐための「ファクトチェック(事実確認)」を、本国(米国)で廃止すると発表しました。同社は「意図としては適切だったが、『検閲』につながることがあまりにも多かった」などと述べたそうです。一方で、その道の専門家たちの間では、「ファクトチェックを検閲と同義語で語ることは認識不足」という批判もあるようです。検閲といえば、言論統制などに通じる反民主主義的な行為を指す場合が多いので、確かに認識不足の感は否めません。「検閲」と似
こんにちは。子供たちが先週インフルにかかっていたためか、なんだか私も喉が痛いのですが、体調がよくない時のほうが文章が書きたくなる不思議。というわけで、たまには仕事の話をば。タイトルにもあるように、1人見校正の時の技術についてです。1人見でないときにも応用できることなので、けっこう重要なトピックだと私は思います。先に「そもそも論」から。校正・校閲(以下、この2つを統一しません)というのは本来、2人以上で行うべきものです。これは以前にも触れた話なので詳しくは繰り返しませんが、校正というものは
こんばんは。今日は、私のブログの中でも比較的人気のない話題(…)、校閲についての話です。教科書「過去にない」訂正1200カ所東京書籍、背景にコロナ禍(毎日新聞)-Yahoo!ニュース2022年度から高校1年生が使っている教科書大手「東京書籍」(東京都北区)発行の教科書「新高等地図」に約1200カ所の訂正があったことが同社への取材で判明した。全国で約3万6000冊が出回っておりnews.yahoo.co.jpこちら、1週間前くらいに大きく報道されたニュースなので、ご存知の方も多いと思い