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11月25日発売のハヤカワミステリマガジン1月号で、恒例のミステリベスト10が発表されました!毎年、これと、週刊文春のベスト10をチェックして、読んでいなかった傑作を年末年始に読むのが楽しみでした。海外編について、思いつくまま感想を書いてみます。ベスト10冊のうち、8冊はブログにアップしているので、リンクを貼っておきます。最後に私的ベスト10も挙げてみました。1位『ハウスメイド』フリーダ・マクファデンこれはすごく意外でした。面白かったのは間違いないのですが、ベスト1かとい
※※この本を読んで一言※※若者による群像劇で、5人のキャラクターが立っていてその関係性がとても面白い。そして切ない!普段はミステリ読みの私には新鮮でした。※※※※※※※※※※※※※※※吉田修一さんの作品を読むのは「湖の女たち」に続き2作品目です。この作品は「湖の女たち」とはテイストは違いますが、人間というものを鋭く描いていると思います。良介→琴美→未来→サトル→直輝の順番で視点(主人公)が切り替わり物語が進行していきながら、時間も同時に進行しているので、新たな出来事
「本の虫」の3姉弟妹を育てるアラフォーの母です👩小2の長女は読み聞かせの機会も減り、親子で各々好きな本を読み進める日々…ですが、感想を共有したり意見交換をする為、月に何冊かは私も児童書を読むことにしています📕最近の共通の話題は、放課後ミステリクラブ🔍医師で医療ミステリーを書かれている知念実希人さんの子ども向け作品で、「全国学校図書館協議会選定図書」にもなっているようです。登場人物は少なく舞台も小学校だったりするのに、ミステリは本格的!!!大人も簡単には解けませ
「ハウスメイド」著者:フリーダ・マクファデン出版社:ハヤカワ・ミステリ文庫(2025/8/20)前科持ちのミリーが手に入れた、裕福な家庭でのハウスメイドの仕事。だが、この家は何かがおかしい。不可解な言動を繰り返す妻ニーナと、生意気な娘セシリア。夫のアンドリューはなぜ結婚生活を続けていられるのだろうか?ミリーは屋根裏部屋を与えられ、生活を始める。しかし、この部屋には……。そして、家族にまつわる真相が明かされるや、それまでに目にしたものすべてがひっくり返る。恐怖と衝撃のエ
🌹アガサ・クリスティーミス・マープル4🌷「殺人は容易だ」MARPLE:MURDERISEASY🇬🇧イギリスドラマ🎬ミステリーサスペンス推理小説90分🎬吹き替えあり🖊字幕あり2008年📗原作アガサ・クリスティー♥ベネディクト・カンバーバッチ⭐あらすじ田舎の教会に人々が集まる。一方、外ではハチの世話する男性がいた。教会で準備をしている人に連絡が入る。牧師が遅れていると。そして、ハチの世話をしていた男性が死亡するのだった。列車の中で、新聞を読んでいる老婦人
※※この本を読んで一言※※読む者を惹きつける怒涛の展開でボリュームはあるのに一気に読めます。映画になるだけのことはあるなと思う作品です。教訓:小説を読むなら事前に知る関連情報は極力減らして読むべきです(笑)※※※※※※※※※※※※※※※呉勝浩さんの作品は「スワン」に続き2作品目になります。この「爆弾」は映画が面白そうで見たくなり、だったら映画を見る前に原作を読んでおこうと思い購入しました。スズキと警察の知恵比べにも似た取り調べや捜査の過程で、進行するにつれて少しずつ謎が
知念実希人「硝子の塔の殺人」雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。地上11階、地下1階、唯一無二の美しく巨大な尖塔だ。ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、刑事、霊能力者、小説家、料理人など、一癖も二癖もあるゲストたちが招かれた。この館で次々と惨劇が起こる。館の主人が毒殺され、ダイニングでは火事が起き血塗れの遺体が。さらに、血文字で記された十三年前の事件……。謎を追うのは名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬。散りばめられた伏線、読者への挑戦状、圧倒的リーダビリティ、そして、驚愕のラスト。
※※この本を読んで一言※※タイトルどおりの滅茶苦茶な物語です。最後まで読めばご都合な展開とかそんなの気にしたら負けと思えるくらいとても面白かったです。また「コロナ禍」だった2020年を振り返ることができる作品でした。※※※※※※※※※※※※※※※染井為人さんの作品を読むのは初めてです。タイトルが「滅茶苦茶」とかなり攻めているのですが、その内容がどんなものか想像がつかないので楽しみに読み始めました。礼央、茂一、美世子の3人の視点で物語が進みますが、3人の物語が進むごとにそれぞれが
『文豪ストレイドッグス』。それは、私にとってただの漫画じゃない。学生時代に出会ってから、ずっと心の一部を占めてきた作品。でも最近の展開を読んでいて、胸がざわつくようになりました。「もしかして…これ、最終章なんじゃ?」そう思ったら、ページをめくるたびに嬉しさと寂しさが入り混じって、複雑な気持ちになる。この気持ち、誰かと共有したくて、私は今この記事を書いています。衝撃だった121話──急展開に息を呑む急なキャラクターの死。主人公・敦とフョードルの一騎打ち。そして、太宰から
東野圭吾さんの新作、「マスカレード・ライフ」実は結構前に読んでいたんですが、なかなか感想を書けないままになっていて…パラパラと再読。「マスカレード」シリーズは面白いですよね!ほんとこのまま映画になりそうなくらい。ホテルの映画というとついつい思い出すのは三谷幸喜の「THE有頂天ホテル」です。古い?あらすじはこちら!(集英社のサイトより)ホテル・コルテシア東京で開催されることになった、『日本推理小説新人賞』の選考会。当日、文学賞受賞の候補者として、ある死体遺棄事件の重要参考人が
山内練。柴田よしき氏の小説の登場人物だ。鋭く強く冷酷で、それでいて脆く優しい、凄まじい美貌と頭脳を持つひと。気弱な大学院生が苛烈な経験を経て若頭となった。最初に出会ったのは『RIKOー女神の永遠ー』。そのときには彼の過去など知らなかった。それでも惹かれた。美しさと強さに、そしてどこかからか滲み出る哀しみと脆さに。そして『聖なる黒夜』。練のあまりな過去が辛くて堪らなかった。麻生龍太郎ととの幸せを祈った。そんな練の物語がまた読めるなんて。練にまた逢えるなんて。12月18日発
※※この本を読んで一言※※途中「そうはならんやろ」と思う箇所がところどころありました(笑)。しかし最後は静かに着地した物語でした。※※※※※※※※※※※※※※※久しぶりに読むメフィスト賞受賞作です。メフィスト賞受賞作というだけで私は問答無用で買ってるので、タイトル以外は何も見ずに読み始めます。タイトルからしてゴリラが事件の中心であり、裁判の決めてもゴリラに関係する話かと思って読み始めました。冒頭でいきなり人の言葉を話すゴリラのローズ自身が原告となり、しかも敗訴してし
企画自体が、ドラマのTBSとは思えない代物なのですが、このランキングを選んだのが、プロの脚本家105人だと言うので、どんな作品が選ばれるのか、いや、そもそもどんな脚本家が選んでいるのか、怖いもの見たさで、覗いてしまいました。「ドラマのプロ、脚本家105人が選んだ、TBSドラマ最強の最終回ランキング」です。そもそも、最終回の中身だけを紹介すること自体が、狂気の沙汰なのですが、そんな企画に脚本家が協力するということが、私には信じられませんでした。ランキングは30位までですが、全く中身に触れ
⚠️ネタバレありです。キャラクターよりの感想になってます。久しぶりのポアロシリーズ感想。今後はコンスタントに上げていきたいと思っていますが、どうなるかな…ビッグ4(クリスティー文庫)Amazon(アマゾン)「———あなたの偽名、変装——うまく相手を騙せるとは、ほんの一分間だって、私は思っていませんでしたよ」アガサ・クリスティ「ビッグ4」中村妙子訳早川書房2004年134ページよりなんという信頼感…!!というわけで、ポアロとヘイ
※※この本を読んで一言※※私の出身の愛知県が舞台なので馴染みがあります(笑)。何より推理小説として面白く、そして歴史を知る資料的な意味でも勉強になる作品でした。※※※※※※※※※※※※※※※辻真先さんの作品は初めて読みます。読み始めてこの作品が太平洋戦争後の名古屋が舞台であることを知らなかったので驚きました。(よく見ると表紙の副題に「昭和24年の推理小説」としっかり書いてあるのを見ていませんでした(汗)。)読み終わって全体を通した感想は、殺人事件にしっかりしたトリッ
(注意:もしもこの作品が気になっているけどまだ未読という方は、作品をお読みなってからこの感想をご覧いただくことをオススメします。そうすることでこの作品を100倍楽しめるでしょう。)※※この本を読んで一言※※壮大な挑戦とミステリの融合の意欲作!これはスゴイ!!読み終わったときには本当に驚きました!!!!面白いかは別問題ですが(汗)※※※※※※※※※※※※※※※杉井光さんの作品は初めて読みます。インターネットでミステリ小説を探していた時に出てきた作品で、もう完全にタイ
Iwasshockedbytheendingofthisnovelandstillprocessingit.エンディングがショックで、まだその状態が続いている。IwatchedtheDavidSuchetPoirotseriesonTVdecadesago.ItmademevisualizeSuchetintherole.IalsopicturetheactorwhoplayedHastingsinthe
※※この本を読んで一言※※デビュー後の初期の作品だからだと思いますが私が今まで読んだ斜線堂さんの2作品とはかなり毛色が違いました。※※※※※※※※※※※※※※※斜線堂有紀さんの作品は「本の背骨が最後に残る」「恋に至る病」の2作品だけですが、印象を簡単に表現するなら「本の背骨が最後に残る」は耽美、「恋に至る病」は考察系ミステリで、全然ジャンルが違う気もしますがとても印象に残る作品でした。そして斜線堂さんの作品が読みたくて「私が大好きな小説家を殺すまで」を購入しました。理由は完
※※この本を読んで一言※※ミステリとして面白いかと言われるとなかなかビミョ~(個人的感想です)。リアルなミステリとラノベ的キャラモノを足して2で割って、ところどころファンタジーを少々加えた作品と割り切るなら楽しめました。※※※※※※※※※※※※※※※2025年の「このミステリーがすごい!」大賞作ということで読んでみました。内容としては最先端の遺伝子工学を軸に、現代の生命の尊厳と宗教を絡めつつ、ループクンド湖の多くの人骨の謎、紫陽の存在、唯の真意を隠していそうな行動、樹木
今回はこういうお題でいきます。座敷牢とは何か?wikiによれば「監獄などのような犯罪者収容のための施設ではなく、単に設置者ないし利用者の私的な理由によって、対象を軟禁(監禁)するための施設である。大きな屋敷の一角、離れ、土蔵などを厳重に仕切り、施錠し、収容者が外へ出る自由を奪い、外部との関係を遮断させる仕組みとされていた」とあります。たしかに江戸時代以前は長期療養できるような精神病院(瘋癲病院)は日本にはなく、明治以降にはできたものの、その数は少なく、やはり精神障害にかかった
⚠️ネタバレありです。キャラクターよりの感想になってます。久しぶりのポアロシリーズ感想。間が空いてしまいました…。邪悪の家(クリスティー文庫)Amazon(アマゾン)「~~中略~~ひとつアドヴァイスをしておこう。もう寝たほうがいいぞ」「いや」私は言った。「きみが寝るまでは寝ないさ。きみひとり残しては行かないからな」アガサ・クリスティー「邪悪の家」真崎義博訳早川書房2011年162ページより
54歳おっさんです。普段、スマホを持ち歩かず、職場では本を読んでいるおっさん。休憩時間は、もっぱら読書の時間。楽しみは「次に読む本を探しに行くこと」ジャンルは問いません。本屋さんのポップに導かれるまま、本屋大賞、おすすめ、映画化決定の作品、帯のうたい文句……そんな言葉に誘われて買って帰ります。もしかすると、無意識に吸い寄せられているのかもしれません。本との出会いは毎回旅のようで、「今度は誰と出会うんだろう」と彷徨うおっさんです。読書時間はお昼休みの40分ほど。一冊を読み切るのに1
暴力が生きがいの女、「女である」ことを強いられた少女。暴力団に抗う2人の行く末はーーー◇ババヤガの夜◇王谷晶暴力を唯一の趣味とする新道依子は、関東有数規模の暴力団・内樹會会長の一人娘の護衛を任される。二度読み必至、血と暴力の傑作シスター・バイオレンスアクション、ついに文庫化。☆*:.°..°.:*☆☆*:.°..°.:*☆☆*:.°..°.:*☆新道依子は暴力団員にも引けを取らない喧嘩の強さを買われて暴力団興津組直参、内樹會会長の一人娘、尚子のボディガードに(無理やり)された。決
講談社文庫新装改定版■十角館の殺人■綾辻行人(1960-)■1987年作品■館シリーズ第1作■本格/新本格概要半年前、陰惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の七人が訪れる。島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺人の罠。生き残るのは誰か?犯人は誰なのか?鮮烈なトリックとどんでん返しで推理ファンを唸らせた新鋭のデビュー作品。(旧版裏表紙紹介文)十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築
アガサ・クリスティ:作『ミス・マープルと13の謎』を読みはじめました【Amazonのあらすじ】ある秋の宵、ミス・マープルの家に集まった客たちは、それぞれ怪事件の話をして、その解決を推理することとなった。エルキュール・ポワロと並ぶクリスティ女史の名探偵ミス・マープルの面目躍如たるオムニバス短編集。「火曜ナイトクラブ」「アスターテの祠」「金塊」「血に染まった敷石」「動機対機会」「四人の容疑者」ほか全13編を収録。通勤時の新たなお供です(新たなと言いつつ、本自
「真犯人はこの列車のなかにいる」著者:ベンジャミン・スティーヴンソン出版社:ハーパーコリンズ・ジャパン(2025/9/25)ハーパーコリンズ・ジャパン社HPより引用ぼくはアーネスト・カニンガム。まだ駆け出しのミステリー作家だが、きたる推理作家協会主催の50周年イベントになぜか招待された。豪華列車でいく3泊4日の旅には錚々たる作家たちが招かれていて、ぼくは肩身の狭い思いだったが、そのうちの一人が旅の最中、殺害されてしまう。作家陣はもちろん、一般客も誰もが怪しく、何やら秘密
※※この本を読んで一言※※タイトルからして何かクセのありそうな作品であり、それが気になってこの作品を手に取り、読み始めたらもう作中の宮嶺のように逃れることはできません!衝撃的な作品です!※※※※※※※※※※※※※※※斜線堂有紀さんの作品は「本の背骨が最後に残る」の作品しか読んでいませんが、儚く、美しく、壮絶でとても印象に残る作品でした。そして次に選んだ作品がこの「恋に至る病」です。「○○に至る病」というミステリとしてはありがちなタイトルに惹かれました(笑)。読み始め
少し前に、早川書房のコンセプトカフェ「サロンクリスティ」に行ってきました。このカフェ、早川書房さんの1Fにあります。サロン・クリスティとは、もちろんミステリの女王アガサ・クリスティに由来した名前店内にはクリスティのミステリーに登場する列車をイメージした半個室などもあり本の中の世界に入り込める雰囲気です。季節ごとに本や作家をコンセプトにしたコラボメニューが用意されており、今回は九龍城砦イブニングティーセット♡3段ワ
⚠️ネタバレありです。キャラクターよりの感想になってます。とっても久しぶりのポアロシリーズ感想。まだ初夏だけど、気温的にはもうすっかり真夏ですね。エッジウェア卿の死(クリスティー文庫)Amazon(アマゾン)「なに、わたしが豚頭だとは怪しからんことを言うね。〜〜略〜〜」アガサ・クリスティー「エッジウェア卿の死」福島正実訳早川書房2004年365ページよりおなじみジャップ警部と電話中のポアロのセリフ。
綾辻行人「奇面館の殺人」<上巻>季節外れの吹雪で孤立した館、奇面館。主人影山逸史に招かれた六人の客はそれぞれの仮面を被らされた。前代未聞の異様な状況下で、事件は進展する。主人の〈奇面の間〉に転がっていたのは、頭部と両手の指を切り落とされた凄惨な死体。六人の仮面には鍵がかけられていた。名探偵・鹿谷門実の圧巻の推理が始まる!<下巻>すべての登場人物の“顔”は鍵のかかった仮面の下に。幾多の仮面が壁一面を覆う〈奇面の間〉に転がっていた死体は、本当に主人・影山逸史のものなのか。