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これなら堂々と趣味は読書、と言えるだろう。30年間溜め込んだダンボール10箱以上と本棚にビッシリとあった本(殆どが文庫)は日本へ帰る前に全部始末して来た。図書館へ寄付したり、好みの近い友人に分けたり一部は廃棄処分までして残したい本をダンボール2箱くらいにまとめて帰国、それから丸6年になるのだがちょいと振り向いたらまた、こんな状態になっていた。収拾が付かずデスクの上、ダンボールからはみ出たまま、、更には押入れの上段はちょっと触ると落ちて来るようにぎっしり積まれている。此処へ来て微妙にボク
山内練。柴田よしき氏の小説の登場人物だ。鋭く強く冷酷で、それでいて脆く優しい、凄まじい美貌と頭脳を持つひと。気弱な大学院生が苛烈な経験を経て若頭となった。最初に出会ったのは『RIKOー女神の永遠ー』。そのときには彼の過去など知らなかった。それでも惹かれた。美しさと強さに、そしてどこかからか滲み出る哀しみと脆さに。そして『聖なる黒夜』。練のあまりな過去が辛くて堪らなかった。麻生龍太郎ととの幸せを祈った。そんな練の物語がまた読めるなんて。練にまた逢えるなんて。12月18日発
(注意:もしもこの作品が気になっているけどまだ未読という方は、作品をお読みなってからこの感想をご覧いただくことをオススメします。そうすることでこの作品を100倍楽しめるでしょう。)※※この本を読んで一言※※壮大な挑戦とミステリの融合の意欲作!これはスゴイ!!読み終わったときには本当に驚きました!!!!面白いかは別問題ですが(汗)※※※※※※※※※※※※※※※杉井光さんの作品は初めて読みます。インターネットでミステリ小説を探していた時に出てきた作品で、もう完全にタイ
※※この本を読んで一言※※若者による群像劇で、5人のキャラクターが立っていてその関係性がとても面白い。そして切ない!普段はミステリ読みの私には新鮮でした。※※※※※※※※※※※※※※※吉田修一さんの作品を読むのは「湖の女たち」に続き2作品目です。この作品は「湖の女たち」とはテイストは違いますが、人間というものを鋭く描いていると思います。良介→琴美→未来→サトル→直輝の順番で視点(主人公)が切り替わり物語が進行していきながら、時間も同時に進行しているので、新たな出来事
11月25日発売のハヤカワミステリマガジン1月号で、恒例のミステリベスト10が発表されました!毎年、これと、週刊文春のベスト10をチェックして、読んでいなかった傑作を年末年始に読むのが楽しみでした。海外編について、思いつくまま感想を書いてみます。ベスト10冊のうち、8冊はブログにアップしているので、リンクを貼っておきます。最後に私的ベスト10も挙げてみました。1位『ハウスメイド』フリーダ・マクファデンこれはすごく意外でした。面白かったのは間違いないのですが、ベスト1かとい
※※この本を読んで一言※※殊能将之さんの書く世界観は相変わらず独特で面白い!そして騙される!!もう新作が読めないかと思うと非常に残念です。※※※※※※※※※※※※※※※殊能将之さんの作品は「ハサミ男」と「子どもの王様」「美濃牛」「黒い仏」を読んでいますが、どれも本格ミステリなのに異色、そして面白いという印象です。なのでこの「鏡の中は日曜日」も楽しみにして読み始めました。なお今までの作品の傾向からして、あっと驚く叙述トリックがあると思い、警戒しながら読んでいましたが・・そ
「ハウスメイド」著者:フリーダ・マクファデン出版社:ハヤカワ・ミステリ文庫(2025/8/20)前科持ちのミリーが手に入れた、裕福な家庭でのハウスメイドの仕事。だが、この家は何かがおかしい。不可解な言動を繰り返す妻ニーナと、生意気な娘セシリア。夫のアンドリューはなぜ結婚生活を続けていられるのだろうか?ミリーは屋根裏部屋を与えられ、生活を始める。しかし、この部屋には……。そして、家族にまつわる真相が明かされるや、それまでに目にしたものすべてがひっくり返る。恐怖と衝撃のエ
※※この本を読んで一言※※ミステリとして面白いかと言われるとなかなかビミョ~(個人的感想です)。リアルなミステリとラノベ的キャラモノを足して2で割って、ところどころファンタジーを少々加えた作品と割り切るなら楽しめました。※※※※※※※※※※※※※※※2025年の「このミステリーがすごい!」大賞作ということで読んでみました。内容としては最先端の遺伝子工学を軸に、現代の生命の尊厳と宗教を絡めつつ、ループクンド湖の多くの人骨の謎、紫陽の存在、唯の真意を隠していそうな行動、樹木
※※この本を読んで一言※※読み終わったときに、しばらくこの作品の主題が何なのか考えてしまいました。しかし難しく考える事なんかなくて、読んだままの少年活劇と言う結論に至りました(笑)。※※※※※※※※※※※※※※※夢野久作さんの作品はこれで4作目です。そしてこれは今までの4作品とはテイストの違う作品であったと思います舞台は明治時代であり、非人、乞食などその時代の表現があり、職業差別や人権無視など当たり前、そして政治家や警察が横柄な時代。この時代は人身売買が警察黙認で普通に
こんにちは!こちらはオーバーフィフティ<花>の、おひとり様活動報告ブログです。自己紹介千葉県ローカルメディア「チイコミ!」のライターもしています。共有できる情報などありましたらこちらでも発信していきますね!その他日常系のしょうもないつぶやきもありますが、どうぞゆる~くお付き合いください中山七里「連続殺人鬼カエル男」感想久々に本のレビューです。2009年の第8回「このミス」で、中山七里が大賞を取った自身の「さよならドビュッシー」と共にダブルエントリーされた作品。
企画自体が、ドラマのTBSとは思えない代物なのですが、このランキングを選んだのが、プロの脚本家105人だと言うので、どんな作品が選ばれるのか、いや、そもそもどんな脚本家が選んでいるのか、怖いもの見たさで、覗いてしまいました。「ドラマのプロ、脚本家105人が選んだ、TBSドラマ最強の最終回ランキング」です。そもそも、最終回の中身だけを紹介すること自体が、狂気の沙汰なのですが、そんな企画に脚本家が協力するということが、私には信じられませんでした。ランキングは30位までですが、全く中身に触れ
今回はこういうお題でいきます。座敷牢とは何か?wikiによれば「監獄などのような犯罪者収容のための施設ではなく、単に設置者ないし利用者の私的な理由によって、対象を軟禁(監禁)するための施設である。大きな屋敷の一角、離れ、土蔵などを厳重に仕切り、施錠し、収容者が外へ出る自由を奪い、外部との関係を遮断させる仕組みとされていた」とあります。たしかに江戸時代以前は長期療養できるような精神病院(瘋癲病院)は日本にはなく、明治以降にはできたものの、その数は少なく、やはり精神障害にかかった
⚠️ネタバレありです。キャラクターよりの感想になってます。久しぶりのポアロシリーズ感想。間が空いてしまいました…。邪悪の家(クリスティー文庫)Amazon(アマゾン)「~~中略~~ひとつアドヴァイスをしておこう。もう寝たほうがいいぞ」「いや」私は言った。「きみが寝るまでは寝ないさ。きみひとり残しては行かないからな」アガサ・クリスティー「邪悪の家」真崎義博訳早川書房2011年162ページより
🌹アガサ・クリスティーミス・マープル4🌷「殺人は容易だ」MARPLE:MURDERISEASY🇬🇧イギリスドラマ🎬ミステリーサスペンス推理小説90分🎬吹き替えあり🖊字幕あり2008年📗原作アガサ・クリスティー♥ベネディクト・カンバーバッチ⭐あらすじ田舎の教会に人々が集まる。一方、外ではハチの世話する男性がいた。教会で準備をしている人に連絡が入る。牧師が遅れていると。そして、ハチの世話をしていた男性が死亡するのだった。列車の中で、新聞を読んでいる老婦人
東野圭吾さんの新作、「マスカレード・ライフ」実は結構前に読んでいたんですが、なかなか感想を書けないままになっていて…パラパラと再読。「マスカレード」シリーズは面白いですよね!ほんとこのまま映画になりそうなくらい。ホテルの映画というとついつい思い出すのは三谷幸喜の「THE有頂天ホテル」です。古い?あらすじはこちら!(集英社のサイトより)ホテル・コルテシア東京で開催されることになった、『日本推理小説新人賞』の選考会。当日、文学賞受賞の候補者として、ある死体遺棄事件の重要参考人が
発売日に買って5/19にクリアした。ゴールデンウィークを犠牲にしてもクリアするのにものすごく時間がかかった。つーかこの記事を書くのにも時間がかかってしまった。steam版で全クリしたプレイヤーは1.5%らしい。あまりにも長すぎるので仕方ない。長すぎて途中で寝たりゲーム付けっぱなしのまま外に出たりしたので正確な時間は分からないが全てのエンディングを見るのに259時間かかった。まさかひぐらしより長いとはビビった。ほとんどがネタバレになるのであまり詳しくは話せないが、感想としては基本面白
※※この本を読んで一言※※タイトルどおりの滅茶苦茶な物語です。最後まで読めばご都合な展開とかそんなの気にしたら負けと思えるくらいとても面白かったです。また「コロナ禍」だった2020年を振り返ることができる作品でした。※※※※※※※※※※※※※※※染井為人さんの作品を読むのは初めてです。タイトルが「滅茶苦茶」とかなり攻めているのですが、その内容がどんなものか想像がつかないので楽しみに読み始めました。礼央、茂一、美世子の3人の視点で物語が進みますが、3人の物語が進むごとにそれぞれが
「奇妙な花嫁候補:ロンドン謎解き結婚相談所」著者:アリスン・モントクレア出版社:創元推理文庫(2025/10/31)元スパイのアイリスと、上流階級出身の戦争未亡人グウェンが経営する結婚相談所シリーズの第5弾。毎回とても楽しみにしているシリーズです。ライト・ソート結婚相談所にアデラという女性が現れます。病に侵され余命わずかな彼女は、昆虫を愛する博物学者の夫の「後添え探し」を依頼します。ところが数日後、自殺と思われるアデラの遺体が森で発見され、事件性を見抜いた巡査の捜査
※※この本を読んで一言※※読む者を惹きつける怒涛の展開でボリュームはあるのに一気に読めます。映画になるだけのことはあるなと思う作品です。教訓:小説を読むなら事前に知る関連情報は極力減らして読むべきです(笑)※※※※※※※※※※※※※※※呉勝浩さんの作品は「スワン」に続き2作品目になります。この「爆弾」は映画が面白そうで見たくなり、だったら映画を見る前に原作を読んでおこうと思い購入しました。スズキと警察の知恵比べにも似た取り調べや捜査の過程で、進行するにつれて少しずつ謎が
「マーブル館殺人事件」著者:アンソニー・ホロヴィッツ出版社:創元推理文庫(2025/9/12)創元社HPより引用ギリシアでの生活に区切りをつけ、ロンドンに帰ってきたわたし、スーザン・ライランド。フリーランスの編集者として働いていたところ、予想だにしない仕事が舞いこんできた。若手作家が名探偵〈アティカス・ピュント〉シリーズを書き継ぐことになり、その編集を依頼されたのだ。途中までの原稿を読んだわたしは、作者が新作に自分の家族関係を反映しているのを感じる。ということはこ
※※この本を読んで一言※※有名作家の有名な作品は、ハズレのない安定した面白さがあります!※※※※※※※※※※※※※※※道尾秀介さんの作品を読むのは本当に久しぶりです。8年前に「向日葵の咲かない夏」と「背の目」を読んで以来の3作品目になります。この「カラスの親指」は道尾さんの代表作、もしくは最高傑作と称される作品なので楽しみにして読み始めました。そして読み終わり、ミステリ小説を読んで久しぶりにきれいにだまされたと思いました!読んでいる最中、序盤では武沢は赦されざる
※※この本を読んで一言※※クローズドサークルの本格ミステリに挑戦した作品だと思います。※※※※※※※※※※※※※※※有栖川有栖さんの作品は「46番目の密室」に続き2作品目になります。これは有栖川さんのデビュー作で、「学生アリス」シリーズだそうですね。クローズドサークルモノにおいて、火山の噴火によりクローズド・サークルが出来上がると規模がデカイ(笑)。そして本格ミステリらしく、なぜサリーがいなくなったのか、なぜ文雄や勉が殺されたかなどの謎が私にはさっぱり分からないので読
※※この本を読んで一言※※始めてからラスト付近までは「この作品は駄作かな~!?」と想いながら読んでいましたが・・ラストはさすが我らが麻耶雄嵩さん!一筋縄ではいきません。VIVA!!麻耶ワールド!!!!※※※※※※※※※※※※※※※久しぶりに読む麻耶雄嵩さんの作品です。前作の「化石少女」は内容をほとんど忘れてしまいましたが、自分の書いた感想を読んで少し思い出しました・・凝った作品であったと(笑)。そしてこの「化石少女と七つの冒険」は麻耶さんの真骨頂ともいうべきかなり凝った
※※この本を読んで一言※※この作品において人の命はものすごく軽いですね(汗)。私はこの短編の中では、本の題名にもなっている「独白するユニバーサル横メルカトル」が好きです。※※※※※※※※※※※※※※※この「独白するユニバーサル横メルカトル」は、昨年(令和6年)の夏にホラー作品が読みたくて、白井智之さんの「東京結合人間」や飴村行さんの「粘膜人間」と同時に購入しました。もっともこの作品はホラーというよりグロ系という評価でしたが、、平山夢明さんのことをホラー作家だという認識でした
※※この本を読んで一言※※とても面白い作品ですしかしこういった物語を読むと本筋とは別に、現実の警察組織はこんな風であってほしくないと思います。※※※※※※※※※※※※※※※柚月裕子さんの作品を読むのは「慈雨」以来2作品目です。「慈雨」はものすごく好きな作品ですし、この作品も柚月さんの代表作と検索すればヒットするくらいなので、読むのを楽しみにしていました。暴力刑事と暴力団の癒着と対立、そして警察の上層部の腐敗など、警察組織と暴力団の暗部が描かれています。作品としては、