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トルストイ『戦争と平和』人物事典30(276人目)★★ドルベツコイ公爵夫人(1-1-3)冒頭の主役。没落貴族の未亡人。愛する息子ボリスのためなら、恥をかなぐり捨てて、なんでもする。そういうタイプの母親。この人のせいで『戦争と平和』の冒頭はおもしろくないとも言えるし、この人がいなければ、ピエールの物語が始まらないとも言える。ロストフ家とのつながりは、かなりふわっとしている。息子ボリスはロストフ家で育てられた一方で、ドルベツコイ公爵夫人自身は、ロストフ家に居座ることもあれば、いな
トルストイ『戦争と平和』人物事典11(77人目)★★★・エレーヌ(1-1-1)ワシーリー公爵の娘。ゆるぎない美貌の持ち主。「自分を見て魅了されない人間がいるなどとは夢にも思わないといった雰囲気」を漂わせて、主人公たちを誘惑へといざなう。誘惑者として、ボルコンスキー家のマドモワゼル・ブリエンヌと一対になっている。作者はエレーヌを悪女として位置づけたいのだが、この人のことを悪く言っているのは、ピエールの心の声だけである。アナトールとエレーヌは、いずれも世間のタブーにとら
トルストイ『戦争と平和』人物事典14(118人目)☆☆☆・クトゥーゾフ将軍(1745~1813年)(1-1-3)ロシアの総司令官。1805年のアウステルリッツの会戦に敗北して左遷されるが、1812年のボロジノ会戦を前に、再び総司令官になった。そして、ナポレオンのロシア遠征を追い返したあと、その役割と人生を終えた。『戦争と平和』の「戦争」パートは、ナポレオンVSクトゥーゾフの戦いが、ニコライ・アンドレイ・ピエール3人の視点から描かれる。歴史はナポレオンを英雄だと言うが、
(物語)ニコライは、ソーニャから顔を背けました。敏感なナターシャも直ぐに兄の状態に気付きました。彼女はそれに気付きましたが、その瞬間心がすっかり浮き浮きしていたので、悲しみや、愁いや、非難からはあまりにかけ離れていたので、わざと自分を欺きました。『だめよ、あたしは今、こんなに楽しいんだもの、他人の悲しみに同情して気分を損ねるなんて、とても出来ないわ』と、彼女は感じていました。そして『違うわ、きっとあたしの思い違いだわ、彼だってあたしみたいに楽しいはずよ』と、自分に言い聞かせていました。
前回からの続きです。今年は戦後75年になります。毎年この時期になると平和について、戦争体験者からの講演やテレビ番組が放映されます。今回は私が長年疑問に思っていた神風特攻隊員の搭乗者の名前が判明しました。今年の終戦特集ブログは、その判明した神風特攻隊員のお話です。俳優の染谷将太がNHKBSで放映されていた、「零戦搭乗員たちが見つめた太平洋戦争」で特攻隊員の様子をレポしてました。この出撃直前のニュースは終戦記念日間近になるとテレビで幾度なく放映されてきました。そ
土日祝は義母の晩ごはんを作っている噛む力が弱いのでやわらか食となる茄子の甘辛味噌炒めカボチャ煮ガーリック卵炒飯キノコ汁父親の介護を10年以上やって思ったことは、家族みんなが介護に協力的であったこと。家族の協力があったからこそ、自宅介護もできた。帰省した娘に父の下の世話をお願いした時に娘:「養豚場のがもっとすごいからぜんぜん平気だよ」頼もしいあの時の話しになると娘:「ママはおじいさんの介護で病んでたもんね、どこにもいけなくて可哀想だったね」介護を経験した人にしかわからないこ
先日、台湾有事の際の沖縄先島諸島住民、観光客の避難を6日間で行うという計画が発表されました。しかし、沖縄本島在住者は避難対象じゃないそうですアメリカの主要基地が集中している本島中北部の米軍基地は有事の際は1番に攻撃を受けると、幼い時から親族や学校からも教えられていたので心配でなりません。政府からすると沖縄本島の規模の避難は現段階で難しいと考えているのかなと思います。(不要と言っているようですが。。)私が政府高官だったら沖縄の規模を守るよりは、むしろそこに集中させてそれ以外のところに被害が及ば
トルストイ『戦争と平和』人物事典25(246人目)☆☆☆・デニーソフ(1-2-4)パヴログラード軽騎兵連隊の中隊長(大尉)。全騎兵師団にワーシカ・デニーソフの愛称で親しまれている。黒馬のベドウィンが愛馬。小柄で赤ら顔。直情的でロシア的な好人物だが、彼にはいつも孤独な悲しみがついてまわった。筋金入りのロマンチストでもある。実在の人物がモデルのようだ。rの発音に難がある。アウステルリッツ賭けに負けた!1805年プラウナウ。ニコライと同じ宿所である。一晩中
トルストイ『戦争と平和』人物事典70(520人目)☆☆・ワシーリー・クラーギン公爵(1-1-1)処世術によって、パーヴェル帝やアレクサンドル帝の新しい治世で、出世の階段を駆け上がった道化。『戦争と平和』の悪役であるイッポリート・アナトール・エレーヌの父親。奥さん(クラーギン夫人)の影は極めて薄い。冒頭アンナ・パーヴロブナ夜会アンナ・パーヴロヴナの夜会に、アンナの「忠実なしもべ」として、まっさきに登場する。「星形勲章をたくさんつけて、のっぺりした顔に明
マドモアゼル愛さんの月読みはすごい戦争と平和ある観察中井久夫AIと語る中井久夫戦争と平和ある観察人文書院。現代の中国脅威論、軍備増強、反発高揚する市民。それと一線を画す、精神医学的、人間学的、歴史、戦争観。戦争指導者や市民の精神の変容、力動的精神医学的考察。すばらしい本です。朝鮮人や志那人とかかわらない...musinken.com平和が戦争を準備するどうか、日本の国土や菌が私達を変え守りたまえ
公文国語はすごく評価が分かれると思いますねー3教科の中で息子が1番好きなのは、国語だそうです。面白いんだって。親から見てると、公文国語って進みが遅いんですよ。2回ずつ繰り返すと、1学年分が終わるのに半年かかる。もともと、息子は国語は苦手では無かったし、公文国語じゃなくても、家庭で出来るのでは、と何度思ったことか。公文国語を半年続けて思うのは、公文国語を生かせるのは、もともと国語が好きな子な気がします。公文国語最大のメリットは、主語述語、時表現、立場で変わる表現などの例文演習
2023/5/3改定しました!トルストイ『戦争と平和』全登場人物事典【アア~アナ】人物事典1(1~6人目)仇敵!アナトール・クラーギンなど【アニ~アフ】人物事典2(7~10人目)雷竜!アフローシモフ夫人など【アマ~アル】人物事典3(11~15人目)剛腕!アラクチェーエフなど【アル~アン】人物事典4(16~24人目)アイドル!アレクサンドル1世など【アンドレイ】人物事典5(25人目)影の主人公!アンドレイ・ボルコンスキー【アントン~アンナ】人物事典6(26~29人目
R7年6月9日(月)雨近くのスーパーで買い物した時、おつりに「ギザ10」が入っていました(ブログ参照)そこで我が家にあるギザ10探し・・。その時、古銭箱から見つけたのが、「昭和64年」の10円玉です。昭和64年に製造された硬貨発行枚数10円玉7,469万2,000枚50円玉0枚100円玉0枚500円玉1604万2,000枚相当な数が出回っており、価値自体は「ない」そうです(苦笑)1989年(昭和64年)1月7日、昭和天皇が崩御されました。戦
ムラムラが止まらない。とりあえず全裸になってみる。寒くもなく快適である。全裸のまま、動画を鑑賞する。自然と体の一部が大きく屹立してくる。手を添え、動かす。先っぽから汁も垂れてくる。ごく一般的な流れである。流れてくる汁をそのままに、手の動きを続ける。溢れてくる汁が屹立しているモノ全体を覆う。やがて汁が泡立つ。実に下品だ。動画にはナニが映し出されているかはここでは語らない。これもまたごく一般的な映像とだけお伝えしておくことにする。自分が想定
(物語)書き付けは、宿命的な43,000に達しました。ロストフが、今、付けに記入された3,000ルーブリの倍賭けを張るはずのカードを押しやろうとした時、ドーロホフはとんとカードを揃えて脇に置くと、チョークを取ってロストフの付けの総計を始めました。「飯にしようや。もう、飯の時間だ❗️そらジプシーどものご入来だ❗️」確かに、独特のジプシーのアクセントで何やらガヤガヤと話し合いながら、浅黒い男女の群れが外の寒い空気を持ち込んで来ました。ニコライは全てが終わった事を悟りました、それでも彼は平
カモメカモメ五味川純平著「人間の條件」、「戦争と平和」の二冊は、いずれ伯父の中国への出征をテーマにするときが来たら読もうと楽しみにしている。実は映画化された「人間の條件」をレンタルしたのだが、滅多に映画で挫折しない私が、その重さと長さのため、一時撤退を余儀なくされた。気力体力の充実を図り出直します。これだけの大作を書き上げても、そして更に声帯摘出の手術で声が出なくなっても、五味川さんは、まだまだ書き続けた。先回の保阪正康著「昭和史のかたち」で紹介されていた五味川純平著「ガダ
私の今、イチオシの佐藤航陽さんのYouTubeがとても素晴らしいのでここにご紹介いたします!!!…今回の動画では、戦後に刻まれた〈歪み〉を自覚したうえで、日本をもう一度“自分たちの手でデザインし直す”必要性を語りました。まず、占領政策が刷り込んだ自虐史観を脱ぎ捨て、歴史・文化・精神性を再発見する〈意識改革〉と〈教育刷新〉を柱に据えます。次に、防衛・安全保障をタブー視せず議論を解禁し、産官学と防衛が一体となる仕組みで新産業を創出する「令和版
トルストイ『戦争と平和』人物事典29(267~275人目)・トプチェンコ曹長(2-2-16)…パヴログラード軽騎兵連隊所属。デニーソフのところへ行き、何やら報告している。そして、金を受け取ろうとするが、デニーソフの財布が消えていた。1807年の食糧難のときには、隊の連中にマーシカの根を食べさせるなと、デニーソフに激怒されている。・トマス・ア・ケンピス(2-2-3)…ピエールが読んでいた本の作者。神秘思想家。ピエールに理解できるはずもなく……。・ド・カストレ…元帥の副官。バラショフ
トルストイ『戦争と平和』人物事典28(266人目)★★★・ドーロホフ(1-1-6)25歳くらい。名だたる勝負師。賭け事は必ず勝つ。ライトブルーの目をした背の高くない男。命知らず、詐欺師、徒党を組む、家族思い……という典型的なあっち側の人。他人の精神を支配することと、他人のものを奪うことに喜びを感じる天性のサディスト。色男アナトールは気持ちの悪い悪党で、堅物アンドレイの敵なのに対して、ドーロホフは気持ちのいい悪党で、善人ピエールの敵。セミョーノフ連隊の将校から、ポ
最終話の前、覚悟していましたけど…(T^T)何でそんな事になるのー⁉️って辛たんな回でした。今回は、本編1時間超えなので、2回に分けました。何度も言ってるけど「言いたい事は早めに言うべき‼️」だよーKueaは書類を見てしまったので、母に真相を聞く為電話しました。しかし母は心配する程じゃないってKueaに言います。果たしてそれが真相なのかどうか…一方、幸せな夜を過ごしたYiとDiao。あ、ノンが吠えてる!可愛い💓Yiは、ソファで眠ってしまったDiaoを起こさないよう、ワンコを抱き言
(その1からのつづき)さて、日に焼けて茶色になった上巻のページをめくってゆくと、なぜ幾度も途中で読むのをやめてしまったのか、すぐにわかりました。冒頭から話が暗すぎるのです。貧乏、劣悪な環境、家庭内の諍い、そこに激しい憎悪や怨恨の感情と、遇にもつかないおべっかや空疎な自画自賛のうぬぼれ等、登場人物の心の動きを読んでいると、どんどん気持ちが沈んでゆきます。そこへきて、主人公の感情の振幅の幅が異様に大きく、人が殺害行為を行う際の精神状態とはこんなものだと言われればそれまでですが、狂気そのもので
(物語)それから1時間半後には、大部分の客はもう自分の勝負などふざけ半分に眺めていました。真剣な勝負はロストフ1人に集中されていました。今は1,600ルーブリではなくて、付けはすでに2万ルーブリを超えていました。ドーロホフはもう何も聞いていなかったし、話もしませんでした。彼はロストフの手の動き一つも逃すまいと凝視し、時々手元のロストフの付けの書き込みにちらと目を滑らすだけでした。ロストフは、この付けの数字が43,000になるまで勝負を続ける腹を決めていました。この数字を彼が選ん
最近、気になる人ができました。私が悩みの渦中にある時に、たどり着いた人。気になるんです。どんな人なんだろう、どんなことを言いたいんだろう。どうして、そう思い、行動したんだろう。その人物は、レフ・トルストイ。人生について考えていた時、彼の存在を知りました。「トルストイ」という名前、「戦争と平和」「イワンの馬鹿」、そんな単語しか知らなかった。でも、彼の作品の一つ、「アンナ・カレーニナ」という言葉は、ついこないだみた「月の満ち欠け」にも出て
トルストイ『戦争と平和』人物事典61(451~466人目)・ムートン(4-2-18)…正直なフランスの兵士。将軍たちが評議しているふりをして、さまざまな意見を出しているときに、「要はできるだけ早く逃げることだ」と、だれもが考えていたことをずばりと言ってのけた。・ムッシュー・シェリング(1-3-6)ロストフ家の男家庭教師。ドイツ人。晩さん会で出た料理をすべてメモして本国の家族に書き送ってやろうと思っている。クリスマス週間には、もう一人の家庭教師(マダム・ショース)と
ドーロホフというのは、トルストイの「戦争と平和」に登場する人物です。この人、アランのモデルじゃないかと思うくらい共通点が多いのです。・貧乏貴族・父はいない・母と妹がいて、この二人をとても大切にしている・優秀な軍人・だけど上官には反抗的・荒くれ者もちろん、ちょっと違う点もあって・ドーロホフは没落貴族。アランは比較的新しく貴族階級になった家柄。・ドーロホフはもっと悪賢くて、金持ち貴族の友人の金で一緒に遊んでいる。普段はその友人の家に住んでいる。・アランは特に妹を大事
トルストイ『戦争と平和』人物事典19(187~195人目)☆☆・ジュリー・カラーギン(1-1-7)富裕なカラーギン家の娘。今を楽しく生きられればいいというマドモワゼル・ブリエンヌ型の女性であり、結婚願望の化身でもある。ジュリーとマリヤは文通相手でもあり、金目当てで結婚相手を探す怪しい男たちが目を付けている二大巨頭でもあった。最初はピエールやニコライなど、主役級の人物たちの結婚相手として名前があがっていたが、結局、あのボリス・ドルベツコイと結婚した。内面が一切描かれない、
トルストイ『戦争と平和』人物事典メモ63(481人目)★★・ラストプチン伯爵(1763~1828年)(2-1-2)モスクワ総督。クラブで従来会話の方向付けをしてきた面々のひとり。アウステルリッツ以降、顔を見せなくなった。ロシア兵の勇猛さを表すラストプチンの小話が、戦後のモスクワでくり返された。序盤にもちらっとイギリスクラブでのバグラチオン歓迎パーティーに出席。ボルコンスキー老公爵のお気に入り。終盤愚かな布告モスクワ放棄前に、さまざまな布告を出す
トルストイ『戦争と平和』人物事典5(25人目)☆☆☆・アンドレイ・ボルコンスキー(1-1-3)ボルコンスキー若公爵。27歳。背の低いすこぶる美男の青年で、目鼻立ちのはっきりした冷ややかな顔。抽象的な会話には興味がなく、意志力と呼ぶのが一番似つかわしいような資質のすべてを高度に総合した形で備えている。アウステルリッツとボロジノの会戦でそれぞれ致命的な負傷をした。完全なる理想が実現することを期待し、そのたびに失望して傷つく。完全を求めるからこそ、どんな希望も愛も、アンドレイ
軽井沢タリアセンと軽井沢高原文庫は、6月28日から8月31日まで、旧朝吹山荘「睡鳩荘」において、企画展「戦後80年壺井栄『二十四の瞳』~図書館情報学の世界から~」を開催いたします。壺井栄の『二十四の瞳』(1952)は、戦争と平和を見つめた文学作品として、戦後の長きにわたり、親から孫の3世代にわたって広く読み継がれてきた小説です。今回、戦後80年という機会を捉えて、図書館情報学の視点によって大庭一郎氏(筑波大学図書館情報メディア系)が収集なさった『二十四の瞳』の網羅的コレクションをお
ベンジャミン・ブリテン戦争レクエム第3楽章Offertorium(奉納)20世紀最高の音楽と評されたブリテンの「戦争レクエム」。大作なため、アクセス数があまり多く伸びないようですが、決して忘れてはならないもの。わたしも30才前の頃からアトリエに1人たてこもり、大音量でなんど聴いてきたかわからない。その頃聴いていたLP盤は、もう手元にはなくなりましたが。第3楽章を、ここにリンクさせていただきます。全楽章は以下のYouTubeのサイトで;-You