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子どもの頃に観て、なぜか心に残り続けている映画があります。物語の細部は曖昧でも、そこに漂っていた空気や、言葉にならない感情だけが、ずっと胸の奥に残り続けている…そんな作品です。それが、成瀬巳喜男監督『妻として女として』(1961年)です。《スタッフ》◎監督:成瀬巳喜男◎脚本:井手俊郎、松山善三◎製作:藤本真澄、菅英久◎撮影:安本淳◎美術:中古智◎音楽:斎藤一郎◎録音:藤好昌生◎照明:石井長四郎《キャスト》◎高峰秀子◎淡島千景◎森雅之◎星由里子◎仲代達矢◎飯田蝶
成瀬巳喜男監督笠原良三さんのオリジナル脚本を成瀬監督自身が翻案を行った作品でこれが小品ながら素晴らしいのです。女性映画の多い成瀬監督唯一の「少年が主人公」の作品。大人たちの複雑な人間関係に翻弄される主人公の少年に監督ご本人の幼少時代が反映されているそうでそう思いながら観ると自身のことに寡黙だったという成瀬監督の半生が覗えるような作品です。主人公の少年には成瀬監督の秘蔵っ子・大沢健三郎君。健三郎君はこういう淋し気な少年の役