男優位の世界にその名を刻む女性監督の開拓者 / "シネマ放談 - 映画人のBirthday"
日本で「大女優」と云う言葉が相応しい人物をひとり挙げるならば、それは田中絹代を置いて他にいなかろう。その彼女が自らメガホンを握り、昭和20年代から30年代にかけて幾つかの作品で監督を務めていたとは、恥ずかしながら最近まで全く知らなかった。もしや昭和の日本に女性監督は存在しなかったのではないかとさえ考えていた私にとってこの事実は結構な驚きだった。こうした謂わば「進取の」気質は彼女が長州(山口県下関市)出身であることと関連づけられるのか、俄かに興味が湧いてきた。来年はぜひ稀代の映画人・田中絹代にフォ
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