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㊟フォロワー様500名記念リクエスト。成均館スキャンダルの登場人物による現代パラレル。ご注意ください。「アジョシ・・・これはプロポーズ?」「プロポーズだね。遅くなってごめん。」うるうるとミニョンの大きな瞳が濡れた。髪の色と同じで、一見黒に見えるが実は深い栗色の瞳が濡れたまつ毛の向こうでソンジュンを見つめている。「たくさんの大好きをくれたのはミニョンの方だ。俺はね、負けないぐらいミニョンのことを好きだけれど、その、そういうことを言うのが上手じゃないん
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。叫んだジェシンを、ソンジュンは振り仰いだ。立ち上がっていたからだ。そして男を見てからヨンハを見た。ヨンハも口を開けて男を見続けている。明かりの中に入ってきた男は、黒ずくめの儒生服を着て、黒い網巾を額に巻いていた。その顔は、年寄りにも見えたし、若くも見えた。痩せて頬がこけているため、陰影の深い顔だが、よく見れば皺はない。だが頭髪には灯に反射して白いものがあるのが分かる。総じて年齢は不詳に見えた。「ジェシ
㊟フォロワー様500名記念リクエスト。成均館スキャンダルの登場人物による現代パラレル。ご注意ください。早朝にイ家に集まったのは、主役二人を除くと15名。花婿はすでに紺色の韓服に身を糺してリビングに控えていた。祖母二人、花婿の母、花嫁の母、花嫁の義叔母という女性陣総がかりで、今花嫁は着飾られているのだ。リビングにはすることの何もない花婿とその父、花嫁の祖父、父、叔父、友人一人。そのあまりにも威圧感のある人間のラインナップに、子供たち5人は隅の方でおとなしく菓子を食べるしかな
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。あ、と思った時には手からカップは飛んでいた。大学の講義は人によって時間割が異なる。ヨンハは割とまじめに講義に出るほうだが、工夫して、午後一番の講義を避けるようにとっていた。その方が昼休憩を含めると二時間以上ランチの時間がとれるからだ。財閥の子息のせいと言っては大げさかもしれないが、ヨンハは周りよりは自分が贅沢な舌を持っていることは自覚してる。友人と学食で食べることだってある。だが、時間さえあればふらり
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。鐘は今夜も鳴る。誰の耳にも、同じように聞こえるはずだ、鐘は一つしかないのだから。けれど、とジェシンは床の中で温かなユニの体を抱きしめながら聞く。あんなに何の感動もなく聞いていたただの時を知らせるだけの音が、今、こんなにも美しく聴こえるものなのか、と思いながら。婚儀を挙げてから時は経ち、間もなくジェシンは王様から指名された仲間たちと共に清に留学する。王様に期待されている若き才能の一人として誉れある指名だ
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。罪人を見張る役人たちもヨンシンのことは見放していた。ただ、赦免が決まりそうだという話は通っていたので、他の同じ境遇の者たちと同じように、世話をしているという体は装わねばならないとは分かっていたようで、集落の老婆が身の回りの清潔さだけ整えていてくれたようだった。それでも、その老婆でさえ、もう次に見に来た時には死んでいるだろうと毎回思っていたようだった。それぐらいヨンシンは体が弱り切り、生気が失われていたのだ。チ
㊟フォロワー様500名記念リクエスト。成均館スキャンダルの登場人物による現代パラレル。ご注意ください。「とてもこじんまりした、身内だけの集まりでしたが、とても幸せなひと時でした。」46歳にして電撃結婚をした成均館大学のイ・ソンジュン教授がインタビューに答えたのは、優に一年たってからのことだった。夫婦の結婚前の関係、年齢差などがひとしきり噂になり、周辺から確実な情報が小出しになって、センセーショナルな話題ではなくなってから初めてのこと。勿論、本来は教授という職業に対
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。男が立ち去ってから少し間をとって、チャンは急いで後を追った。今日のチャンはしっかりと商人らしい服装で荷を持っている。ユニの供をしているときは、お屋敷の下人に近い格好をなるべくするようにしている。大して違いはないが、やはり少しは改まる箇所があるのだ。もし、というかおそらくユニの外出時に男に目をつけられたのだとしたら、チャンの屋敷の下人風の風体しか見ていないはずだ。頭にちょっとこじゃれた網巾を巻いた、小物でも売ってい
『トキメキ☆成均館(ソンギュンガン)スキャンダル』原題:성균관스캔들韓国KBS2010/8/30~11/2放送全20話出典:KBSはろはろ~!菜月です。(❁´︶`❁)✲゚『トキメキ☆成均館スキャンダル』最終回(第20話)のあらすじと感想です。予告編出典:zess1012※ネタバレ含みますので、スクロールするか否かはご自身の判断で!相関図出典:TBS最終回(第20話)あらすじついにユニ(パク
㊟一周年記念リクエスト。ジェシンは胸にユニを抱いて座っている。ユニは気持ちよさそうに胸にもたれ、ぐっすりと夢の中。号泣するドヒャンをからかったり慰めたり、一緒に泣いたり笑ったりしながら時は過ぎた。三日後にはジェシン達も都を発つ。ドヒャンも数日のうちに出発するらしい。ユニは、ドヒャンにたくさん食べさせてもらい、代わりにドヒャンの涙を拭いてやっていた。お開きになったときには、ユニを抱いて離さないドヒャンを、そこにいる全員で引きはがし、
㊟フォロワー様500名記念リクエスト。成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。政(まつりごと)に関わるものには、記録に残せないような事柄もままある。私が少々関わったこの事件は、名のある高官が起こしたものであるということ、また他国も関わることであることで、国交問題にもなりうるものだった。他言無用、報告書などは提出した後どこにも見当たらない。誰も閲覧できないように処分されたか秘匿されているか。だから私一人の胸に納めるこの記録は、武官として生きていくうえで、
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。考えた。成均館にいることを許されている、それは個人の力でできる可能性は少ない。考えないようにしていたが、そういう事だ、と納得させられるしかなかった、あの茶碗を見たから。落第者を淡々と出す博士たちのことを考えたって分かるはずだ。あの人は、成均館に守られている。守って彼をここで生きさせるよう、誰かが決めて実行した。それができる人など数えるほどしかいない。「名前も知らないんだった・・・。」薬を胸に抱
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。「呪いなんか関係ねえ、それはわかってる。だが、気になる。」「ドヒャンが見たことか?」「そうですね。俺も気になります。」「ドヒャンは老論だが、シクをかわいがっている。シクに都合の悪いことを仕立て上げるほど策士でもない。」「ほめてるのかけなしてるのか・・・だがドヒャンがテムルを心配してのことだっていうのは分かるなあ。」「老論は関係ないと思います、コロ先輩・・・。けれど、確かに今回キ
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。体が温まるのは本当で、ユニはその生薬を頂いた晩は布団にもぐるなりぐっすりと眠れた。睡眠時間はいつもより短くなっているはずなのに、いつもより調子よく目が覚めるほどぐっすりと。しかしある日、その生薬の味が濃い日があった。そして茶碗の香りを嗅いで口を付けるのをためらっているユニに、男は申し訳なさそうにほほ笑んだ。「すまないね、少し配合を変えられたのだよ。体を毒するものではないけれど味は変わるからね。一口試し
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。落第者が三度出る頃には、『呪い』が確定のものとなって、ユニは今までとは逆の意味で遠巻きにされていた。儒生たちも大きな声では何も言えないのだ。落第した者の落ち度でしかないから。理由がはっきりしているのに文句は言えない。けれど今までこんなに立て続けに起こることでもなかった。そのうちの二つは、博士への内通があった事も噂に拍車をかけていた。テムルに恨まれたら、テムルにその名をつぶやかれただけで成均館の亡霊が動く
㊟フォロワー様500名記念リクエスト。成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。ソンジュンが無罪放免になったのは、ジェシンがムン家の土蔵からどうにか抜け出せたあと、成均館で皆に提案し、壁書を都中に貼って回ることだった。そしてその中に、本物の赤壁書の物を混ぜておくのはジェシンとヨンハがこっそり行った。儒生たちの抗議の証である数多の壁書の中に、今までも証拠として残されている赤い紙に名文で墨痕鮮やかに世に対する糾弾、今回は冤罪を私怨ででっちあげようとしている兵
㊟フォロワー様500名記念リクエスト。成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。「ヨリム先輩はねえ、割と印象変わらなかったの。」へえ、そうなんだ、姉上。「馴れ馴れしくって、でもどこか一線を引かれてるの。それは誰にでも同じで、ある意味とっても平等に人に接するけど、だから先輩にとって特別な人ってすぐに分かるのよ。」義兄上とか?「そう。サヨン・・・旦那様は本当に特別だったわ。それにね、私もソンジュンも次第に先輩の線引きが取れて、
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。また一人、落第者が出た。というより追放された。下斎生という名で呼ばれる、本来は成均館に入れない頭の悪い者たちの内の一人だった。ソンジュンやユニと同じように、上斎生と呼ばれる正規の成均館儒生は、小科と呼ばれる初球の科挙に合格しておらねばならず、成均館にはそのうちの上位の者が入れる。成均館で学べる人数は当然ん有限で、その基準を成績に求めるのは当たり前の話ではあるが、金や権力の力で子弟をねじ込んでくるものは後を絶た
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。「あの・・・体の調子はいかがですか?」ユニはおずおずと聞いてみた。三人の儒生について冷たく語るその目の力は強いが、なぜか顔色は悪く思えたのだ。もし彼を幽鬼と見間違えた人がいるなら、それも頷けるぐらいに、男の顔色に血の気は少なかった。「ははは・・・心配してくれるのかな。気持ちの優しい人だね、君は。」男は冷徹な視線を納めて、穏やかな微笑みをユニに向けた。「そう言えば、テムル様はお優しい、西
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。「俺の体を・・・。」ジェシンの声はそこで途切れた。不可能な望みは口にするだけ絶望を増幅させる。言いたいことは皆分かっていた。自身の、ムン・ジェシンの、『暴れ馬』とさえ称されるほどの力強さ頑健さを誇るその体の強さを少しでも分けたい、分けられたら、そう言いたいことを皆よく理解していた。「ジェシン。何もかもお前に責任はないのだ。お前が私を責めるべきなのだよ、逆に。まだ少年の弟に辛い思いをさせたふがいない兄を
㊟フォロワー様500名記念リクエスト。成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。ジェシンは霧の中から見ていた。清の男たちを追って、霧に巻かれたまま石くれの山道を下り、彼らが受け私に使っている場所で荷車を回転させるのを見ていた。その時、彼らがジェシンを見て呆然としたのが分かった。いや、彼らが見たのはジェシンではない。ジェシンを取り巻く霧だ。怪物(グアイウ)!否(フォウ)!妖狐(ヤオホゥ)!妖狐!ジェシンにははっきり見える、彼らの姿が。自
㊟フォロワー様500名記念リクエスト。成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。ヨンハが見たところ、ユンシク、つまりユニもこの猛獣に慣れてしまっている。まるで虎に拾われた子猫が、徒らを親だと間違えてすっかり甘えてしまっているように。けれど、どんなに成長しても虎にはなれない自分を知っているのがユニだ。そこのところがヨンハにはなかなか好ましく見える。虎の威を借るかと思っていたが、ユニはそんなことはしなかった。とにかく何でも一人でどうにかしようとする。それを見
Netflixで少し前に「ロギワン」を観てこ、これ、、ソン・ジュンギ?って思うくらい役になりきるジュンギ氏内容は…ん?でしたが悲壮感と貧相さはお見事『成均館スキャンダル』の時から注目していた俳優さん「ヴィンチェンツォ」パート2やらないのかなぁ(この写真は先日購入してもらった雑誌から)さておはようございます😊今日のダウンタイム状況目の淵の内出血、少し薄くなったような気がします過去の記事はこちら↓『左目
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。「おい、アン・ドヒャン。」背後を取られたドヒャンに逃げる術はなかったが、それでも一度は逃亡の隙を伺った。だが、しっかりと掴まれた首根っこに、しお垂れた太っちょの猫のようにだらりと力を抜いた。「・・・コロ・・・言いたいことは分かってる・・・お前らに先に言うべきだったよなあ。だがよ、俺さ、怪奇は苦手なんだよ・・・怖くてつい・・・。」ドヒャンの首根っこを掴んでいるのはジェシンだし、両脇にはソンジュン
㊟成均館スキャンダルの登場人物による現代パラレル。ご注意ください。美容師に身を任せながら、ユニはヨンハとのやりとりをぼんやりと思い出していた。昨晩、そこそこの時間に帰ってきたヨンハは、嬉しそうにユニとチゲを食べた後、今夜は美容のためにゆっくり寝ようね、とユニとワインを一杯ずつのみ、そのままベッドに入った。割と泊まる度に身体を重ねることが多かったヨンハの態度としてはいつもと違う。けれど、変な痕をつけても困るし、ユニが疲れた顔をしてしまってもダメだし、というヨンハのあっけら
毕雯珺ビー・ウェンジュン【2020/07/19UP】※2022/12/10ドラマ情報更新毕雯珺(BiWenJun)ビー・ウェンジュンNationality:中国生年月日:November21,1997年齢:24(2022.08.17現在)『淑女飘飘拳』でお初だったわけですが、どうもドラマ出演自体この作品が初めてだったみたいですね。NEX7というアイドルグループのメンバーみたいです。『漂亮书生』は韓国ドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』の中国リメイク版だ
《成均館時代、ユニを意識し始めた頃のジェシン》酒が抜けてぼんやりとした頭で、ジェシンは成均館へ向かっていた。このところ、赤壁書として動くことはなかった。良く抜け出していた成均館にとどまることが増えたからだ。それはひとえに、同室になった二人のせいだと言える。一人は派閥としては敵対関係に当たる老論の子息。一緒に暮らしてみれば、物静かであまり邪魔にはならない。一人は、小さな派閥、南人の子息。世慣れず、オロオロすることも多い頼りなげなこの青年をジェシンは
㊟成均館スキャンダルの登場人物による現代パラレル。ご注意ください。長年花を扱う仕事をしている花屋の店主にとって、その依頼は難しいものではなかった。髪飾りは白薔薇だけで、そう注文を受け、その日の朝入荷したての白薔薇の花や蕾の茎から葉をとりとげを始末し、紙テープできつく茎を巻いて固くして、簪のように加工してしまった。ブーケも、依頼されたイメージをヒントに試作品を作って画像を送り、OKを貰っていた。今までだって、ブーケも数え切れないほど制作してきたし、髪飾りだって、今回のような加工か
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。ユンシクの学業の進み具合を聞き、独学のわりにはしっかりと年齢並みのものに取り組んでいると知ったソンジュンは、これから読むべき本を少しばかり教えたところ、ユンシクはとても喜んだ。姉ユニの、父が弟子に教えていた記憶通りに学びを続けてきたものの、今姉は傍に居ない。いきなり指導者を失ったユンシクは、これからどうしようかと父の遺した本の山を整理しながら考えていたところだったのだという。ソンジュンの教えた本は父の蔵書の中にその題
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。戻りついた屋敷は久々だった。数か月、ジェシンは大科のために学業に没頭し続けたのだ。ユニにも同じ期間あっていない。それでもせねばならないことだった。耐えることができたのは、ユニとのこれからが待っているとはっきりしていたからだ。大科の準備が本格的に始まる前に婚約を進めてくれた両親と、それを了承してくれたユニの実母には感謝しきれないほど。大科合格が最低限の条件のようなものだった。父が無理を言ったわけではない。自分で