ブログ記事1,353件
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。月末、成均館では試験が行われる。必ずだ。高度な講義、元から持っていなければならない基礎知識の上に行われるものだから、試験内容も高度だ。イ・ソンジュンは小科壮元の何恥じず、今までの講義で一位を譲った事はない。ユニは成績自体は上位で、二位を取ったこともあるが、ソンジュンのように毎回の好成績を保っていられるわけはない。成均館は優秀な儒生の集団なのだ。言葉選びひとつ、回答文の構成一つの違いで点数が変わる。ジェ
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。「あの・・・体の調子はいかがですか?」ユニはおずおずと聞いてみた。三人の儒生について冷たく語るその目の力は強いが、なぜか顔色は悪く思えたのだ。もし彼を幽鬼と見間違えた人がいるなら、それも頷けるぐらいに、男の顔色に血の気は少なかった。「ははは・・・心配してくれるのかな。気持ちの優しい人だね、君は。」男は冷徹な視線を納めて、穏やかな微笑みをユニに向けた。「そう言えば、テムル様はお優しい、西
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。呪い、成均館に居つく儒生の亡霊が呪った、という噂が走った。博士たちは、何を馬鹿なことを、と取り付く島もないが、儒生たちは半分は真剣に、半分は面白がって噂した。当事者となった三人の儒生とユニは、じろじろと見られる羽目になったが、ユニがいつも忙しそうに講義に臨み、課題のために書物をもって歩き、筆写の仕事で家族の生活のための金を稼ぐ暮らしの中に、呪いなどという行為をする暇がないことなどまるわかりだった。大体呪いの知識だって
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。それからのソンジュンの行動の速いこと、速いこと。ソンジュンが用意した養女先がユンシクのところでなく庵主の家で、それも現当主の妹、つまり庵主の娘として縁を結び実家とする、などという、娘のない両班が他家と縁続きになるために親戚の娘などを養女にして嫁がせるという手段に驚き、驚いている間に、少しでも実家としての役割をということで迎えがきたり、ついでだから久しぶりにと庵主もついてきてくれたりと、ユニがあわあわとしている
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。拍子抜けするほど、今まで通りの二人の姿がムン家にはあった。婚約は既に調い、ジェシンは最終の席次決定はまだとはいえ、官吏になることが決まっている。おめでたい事ばかりだ。殿試の結果発表が終れば親戚や小論の者たちが祝いを述べにやってくるのが分かっているが、今のところ平穏だった。ジェシンは多少自室を整理し、ユニはいつも通り屋敷内で暮らしている。今までより母のやっていた役割を代わりにやっているぐらいが変わったことで、屋敷の者た
先日ご報告させていただいた強烈ファンタジー史劇の「ホンチョンギ」『「ホンチョンギ」1-2話感想あらすじマジで騒然作品!ソンガンの蝶問題が解けた!笑』昨今の歴史歪曲問題の為時代設定を「タン王朝」という完全仮想時代に変更し役名も変更されてやっとこさの放送となったこの作品!アンヒョソプ、キムユジョン、コンミョン…ameblo.jpあの後もファンタジー感凄かったんですがamiのキスシタン事務局@ami88210085そしてバンドマンが虎と戦うファンタジーMVへ爆#ホ
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。妻の身体を抱き込んで眠る。柔らかく白い身体は、妻になった日から確実に変わっている。太りはしないが、確実に丸みを帯びたその稜線に、あの若い日はやはり苦労を感じていて痩せていたのだと実感してしまう。そして、男を知り、子を産むことで、妻として、母親としての身体を守るかのごとく柔らかな肉の層が妻を包んでいるのだろうとジェシンは滑らかな妻の背を撫でた。妻は強い女人だ。少女ながら家と家族を背負い、働き、考え、自らを家の復
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。ソンジュンも正念場に来ていた。伝えていたとはいえ、最後の砦はまだ立ちはだかっているのだ。二つ。その一つが父だった。明らかな反対はなかった。だが歓迎している風でも賛成とも言われていない。だからあとは行動報告をするしかなかった。決めたことを報告して、いや宣言して実行するのだ。反対は受け付けないと。イ家の長老である父だが、実権はすでにソンジュンのものだ。そうは思っても、筋金入りの父の発言は怖い。ソン
今日、図書館から借りて読んでいたこちらの本を読み終えました。こちらは以前読んだ成均館儒生たちの日々の続編です。成均館儒生たちの日々(トキメキ☆成均館スキャンダル原作本)|けんこうママのブログ(ameblo.jp)この時も書いているように韓流ドラマの原作本ということで読んでみたのですがドラマとは違った所もあってなかなか面白く楽しみました。といっても、韓国の王朝時代のストーリーでちょっとしきたりや名前などが分からない部分もありましたがそれでも
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。図星でしょ?という先輩編集者の言葉がジェシンの頭を巡る。見ないようにしてたのに、忘れたふりしていたのに。図星も図星。大当たりだよ!とジェシンはベッドの上の天井をにらみつけた。あれからしばらくして、やってきた前編集者の夫と挨拶を交わして二人は辞した。穏やかで理智的な顔をした人だった。少し太り気味なのが、その優しい様子をさらに引き立てていて、細身の前編集者とは気質的にもま反対に見えて面白い
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。内棟に新たに設けられたユニの部屋には、ユニの実母が結納で納められた布で作った真新しい新郎新婦の上下の肌着や、ユニが婚礼の後挨拶をしたり受けたりするときに着用する初々しい紅色のチマと見事な刺繍が施された絹のチョゴリが揃えられた。目がお悪いのに、とユニは涙ぐんでいたが、結納が行われてから大科が終るまでの間の数か月、少しずつ縫ったと実母はほほ笑んだ。ユニが時折訪問していたとはいえ、南山谷村で、大科の準備のために成均館から戻
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。甘やかなユニとの夜を思い出さないように、ジェシンは大きく伸びをしてあくびを盛大に声まで上げてやってやった。新婚故、としばらくは免除されていた宿直も、普通に回ってくるようになったのだ。この晩はヨンハと一緒で、けれど交替で仮眠は取るので、今からしばらくはジェシン一人の時間だった。夕餉の弁当を届けに来た下人は、弁当以外にももう一つ小さな包みをジェシンに渡し、おじょ・・・若奥様がお夜食に、と加えられました、と言い置い
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。昼餉を終え、ジェシンとソンジュンは連れ立って職場に向かった。男の食事の時間などあっという間だ。喋っているとはいえ、食い、少し話をすれば、休息の時間など特に決められていないが、仕事に戻らねばならない気になる。その辺りがやはり新人ではあるのだ。二人は研修がてら配属されている職場が近い。ヨンハとユンシクは昼餉を食べた庭の隅からはジェシン達と反対方向の建物に向かう。ヨンハはこういう風に皆が大体集まりやすい場所も見つけ
㊟完全なお遊びです。苦手な方、お嫌いな方は回れ右してください。「専務、ごきげんですね・・・?」そう?そう見える?「・・・奥様とお約束でも・・・?」聞いてくれる~~?!今、朝のコーヒータイムだからいいだろ?昨日の夜さ、ベッドに入るときさ、ユニが雑誌を見てたわけ!「はあ。」特集でさあ、ヘアスタイルをしてたわけ!で、ユニが熱心に見てたから、聞いたら今日美容院に行く予定らしいんだ!「お気に入りの髪型があったんですか?
㊟フォロワー様500名記念リクエスト。成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。なあんにも後始末すること、残ってなかったんだけど、とぼやくように言う主人に、よかったじゃないですかい、と返すトック爺。五日の休暇を貰い、二日目には店の帳簿と首っ引きになっていたヨンハの前にやってきたとき、二人とも留守中に起こった出来事をすべて把握していた。「大旦那様がですねえ、あすこはもう駄目だからこれ以上叩く必要なんかないっておっしゃってましたよう。」働きの
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。鐘は今夜も鳴る。誰の耳にも、同じように聞こえるはずだ、鐘は一つしかないのだから。けれど、とジェシンは床の中で温かなユニの体を抱きしめながら聞く。あんなに何の感動もなく聞いていたただの時を知らせるだけの音が、今、こんなにも美しく聴こえるものなのか、と思いながら。婚儀を挙げてから時は経ち、間もなくジェシンは王様から指名された仲間たちと共に清に留学する。王様に期待されている若き才能の一人として誉れある指名だ
ユニの実家は、南山谷という都のはずれにある。周囲は貧しい実りの農地と、小さく粗末な家が点々としている。チョン博士は、歩きながらもユニの境遇を思いやって、もう何度目になるかわからないほどの侘びの言葉を胸の中でつぶやいていた。ユニの父親は、たいへん学識の深い学者ともいうべき人物であったが、一時、南人(ナミン)は先王の怒りを受けることがあり、科挙を受けて世に出ることができなかったため、失意の時代を生きた人であった。同じ南人として、ユニの父親に学問の薫陶を受ける機会のあった
壁に掛かる濃紺の晴れ着が本物かどうか疑わしくて何度も触れてみた。絹物の滑らかな手触り、それは確かにそこに有る。そして、俺はこの晴れ着を着て妻を娶る。こんな日が自分に来るとは思わなかった。どこかで命を落していてもおかしくはなかったんだ。殺される、というよりは、捕吏に捕まり、罪人として命を絶たれるだろうと思っていたから。朝廷に逆らう行為をしてきた自覚は十分ある。それに、もし無事に切り抜けたとしても、俺の妻になる女は勝手に決められて、俺の知らない間に俺抜きで婚儀が行われて
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。そのことに気づいたのはヨンハだった。何しろ、まだ静まり返っている早朝の成均館に朝帰りしてきて、ふらりふらりと自分の部屋ではなく中二坊に突撃して来るのだ。その時間には、ソンジュンは日課の読書を片隅で姿勢よく行っている。ジェシンは寝起きが悪いので勿論寝ているし、ユニも起寝の鐘が鳴らされて起床の合図があるまでぐっすりだ。楽し気に扉を開けるヨンハを、静かに見上げたソンジュンに、唇に指を立てたヨンハは、あはは、と笑いながら一番
「俺は・・・・、」口ごもるソンジュンをじろっと睨みながら、ジェシンは考えていた。こいつは、俺とテムルの男色騒ぎの後、一度成均館を退学したのにすぐ戻ってきやがった。その後はそれまでのテムルを意識しすぎて避けていた態度を、コロッと変えやがった。いつもいつもテムルにくっついているようになったのは、俺の気のせいではないはずだ・・・。あの、月出山への遠出の日、テムルが川に落ちた、ってびしょぬれで帰ってきたことがあったよな・・・。「おい、カラン。お前白状しろ。テムルが川に
片付いた、というよりは物の少ない部屋で、チョン博士はユニの母と向き合っていた。15・6年ぶりに会う恩師の妻は、記憶よりもやつれ、当然歳もとっていたが、ユニに似た小さな顔と優しい目の光はそのままだった。お互いに丁寧に礼を交し合ってから、博士は率直に話し出した。「ユニ嬢からお聞き及びとは思いますが、私も御嬢さんをお預かりする者としてご挨拶に伺いました。さぞご心配のことと思います。夫人(ブイン)、ご質問には何でもお答えいたします。」ユニの母親はしばらくうつむ
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。「キム・ユンシクは体も頑健になってきたと見える。」「王様の御聖断により整えました薬房より、きちんと薬も服用していると聞いております。」続くキム・ユンシクについての会話に、ハ・インスの父親は身が竦むようだった。ムン・ジェシンの父親は知らぬふりをしている。彼にとっては都合など全く悪くないのだから。「ハ大監様のご子息の組も勝ち上がってきておりますから、決勝で当たるかもしれません。」会話に入れ
チョン博士は、ユニの家を辞去する前に、弟のユンシクに面会した。ユニによく似た美しい瞳の少年の姿に、博士は心の中で安堵の溜息をついていた。『これなら、ユニとの入れ替わりもどうにかなりそうだ。』体の具合を訊くと、ユニが持ち帰る薬の服用と、ユニが成均館儒生となったおかげで増えた写本の仕事が、一つごとの報酬の面でも価値が上がったため、毎日の食事に事欠かなくなったことが体力をつけていったということを、しっかりとした口調で答えてくる。ユニからの支援で、独学ながら
ソン・ウェイロン中心の勝手なつぶやきあらすじ語る気なし毒吐く独白ややバレ『トキメキ☆雲上学堂スキャンダル~漂亮書生~』期待を裏切らないトキメキ⭐︎女の子臭全開え?まだ秘密だったの?え?バレて無いと?それは…匂わせでえ?なに押さえてるの!げっ最終回まで期待を裏切らない女臭さ🎉はい!お幸せにコイツ尻に引かれるべ㊗️最後のルイチャン定番の屋根に居ます報われない2番枠をやり遂げました👏🙈ご訪問に感謝して追加『54おもいでのばんび〜漂亮書生・4月アクセ
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。宴に女人の姿はない。披露目される花嫁だけ。花嫁花婿の席近くは縁戚の中でもより近い者と、招待客の中でも位の高いものが並ぶ。正直品定めみたいなものだ。ジェシンの父は花嫁花婿両方の実父のつもりでいるが、今日に関してはムン家の主としての立場に居なくてはならない。となると、キム家側はどうしてもユンシクになってしまう。それは流石に荷が重い、とジェシンの父は宴早々にユンシクを呼び、退席させた。「花嫁の母御が、感激のあまり部
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。「・・・おい、シクと一緒じゃなかったのか?」「俺は・・・コロ先輩と一緒にいると思っていました・・・。」夕餉の後、もう一度尊経閣に行くことにしていたソンジュンにくっついて、キム・ユンシク・・・ユニも一緒に参考文献を探しに行った。腹ごなしだ、とジェシンも二人の後からゆらゆらと散歩がてら一緒に行ったのだ。勿論ともに中二坊に戻るはずだった。ソンジュンは自分が探していたものを見つけ、ジェシンは奥の方で詩集を漁り
それぞれの想いが心を駆け巡るなか、5日目の朝がやってきた。ユニは、前日までにユンシクや母とよく話し合い、心を強く持って、今までよりもさらに用心してお互いに暮らすことを確かめ合った。この1年ほどの間に、ユンシクはしっかりした考えを持つようになっていた。今までは、外で苦労している姉に対して申し訳ないと思う気持ちと、姉のふりをして女の恰好で寝ているしかない自分の体を呪っていたが、休日に帰宅する姉から聞く成均館の暮らしや、友人たちとの交流へのあこがれから、学問や世の
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。ジェシンは前日歩いた街道の途中まで来て、ユニとユンシクの帰りを待ち構えていた。ユニを屋敷に送り届けてから成均館に戻る予定なのだ。成均館の夕餉前には戻るつもりのはずだから、昼には実家を出立するはずだった。朝、下女に、母上のご都合が良ければ呼んでほしいと頼んでおくと、朝餉を食べ終わった時点で呼ばれた。ジェシンは流石に身づくろいを直し、道袍までは着ていないが、長衣の上にケジャをきちんと着て、髪をとりあえず結わえ
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。ご注意ください。機嫌は悪くなかった。結果待ちとはいえ、力を出し切った四人は、緊張しすぎのユンシクがいるとは言えども、落ち着いて放榜礼に臨んだ。最初に呼ばれるのは丙科。合格者の中でも順位の低いものからだ。その中に、四人の名はなかった。ユンシクが驚いているのが分かり、ジェシンは温かな気分になった。そんなに自分を過小評価することはないと、いつもユンシクには思っていた。彼は、成均館が初めて見た世間で、自分がもの知らずだという事に打ち
ユニが成均館に返ってくると知らされてから1夜明けた。ソンジュン・ヨンハ・ジェシンの3人は、これまでのことを話しながら酒を飲んでいたので、やや2日酔いぎみの頭に、起寝(キチム)の太鼓の音が響いてくる。ぼんやりと起き上がったソンジュンは、酒盛りの後の散らかった中二房を見回してから、先輩2人を叩き起こした。ソンジュンは、どちらかといえば宵っ張りの朝寝坊であるジェシンとヨンハの文句もさわやかに受け流し、朝餉の後、三人でチャン博士に面会を申し入れた。今日も講義があ