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最近、少し高額のどちらかと言えば、美術鑑賞用の刀剣を多出すようになっていると思います。そのことで、自問自答してしまうことがあります。しかし、基本的には考えは全く変わっていません。少し安めな刀を買って来て、修理をして、できれば皆さんが手を出しやすい刀、使いやすい刀を販売していきたいと思う気持ちは些かも変わって居ません。ただ手をかけるにも、時間と人件費がかかるのですが、今は大変な職人さん不足で、手をかける刀を買うと商品になるのに時間がかかり過ぎます。かといっ
今日は先日業者市で仕入れた肥前忠吉(偽銘)の研磨ですしかし、誰も声を出さないので買ってしまいましたが、正直状態が良くないです。↓こういう深い錆びが至る所に出ています。そりゃあ、誰も声を上げない訳だ。備水工程から始めるようなので、安い研ぎ師にお願いするにしても結構掛かりますから、普通の刀屋では商品化したら赤字ですね。いやいや、反り的に合わせ鞘が使えないので、僕でも黒字化するのは結構厳しいのですが・・・とにかく急ぎで鞘を作って貰う必要があるので
当店、10万円代の刀を売りにしています。『10万円台で刀を売る理由』近年、日本刀が売れないという話を良く聞きます。都内の刀剣店で、店を一週間開けて日本人0とか・・・刀剣展示会を開くと高齢者ばかりで買うどころか終活が始ま…ameblo.jpでも流石に10万円丁度の刀(60cm以上)は刃切れ以外は扱ったことがありませんでした。流石に外装新品で10万円丁度は難しいですよね・・・しかし、今回は12月の歳末大特価!!こちらの刀、ヤフオク・ネットショップ
本日は業者市場の大会があったので行ってきました。大会というのは、年に二回行われています。12月は準大会という事で、かなり多くの刀が集まります。そのため気張って仕入れてきました。上から①71.5cm800gの豪刀(多分、新々刀)②62.2cm780gの豪刀③66.8cm850gの豪刀④66.6cm650gの刀⑤60cm550gの古刀(加州勝光)の計5振り今回の仕入れは豪刀揃いです!
今は売り物が1振りしかなく、仕入れた刀も鑑定中のために開店休業状態です・・・そのため、たまには日本刀と関係ないネタを・・・先日、関西の業者市に行ってき時に、以前より探していた大阪の「遺跡」???を発見しました。料亭恵川と、料理店大黒やの跡地です。料亭恵川と言えば聞いたことがある人も多いかも知れませんが、あの不正融資事件の舞台となった尾上縫の料亭恵川です。尾上縫は詐欺容疑で1991年に逮捕されたのですが、木津川信用組合に始ま
昨日の仕入れの続きです。『準大会(業者市場)へ行ってきました。』本日は、関東某所の業者市場で年2回開催される準大会の方へと行ってきました。(お昼が少し豪華です。)6月は大会なのですが、ほぼ場所や内容は一緒です。亜州さんから…ameblo.jp【第二弾】珍品【写真左無銘アイヌ刀?大名登録段平脇差48.2cm】刃長:48.2cm刃文:直刃調湾れ反り:1.2cm目釘穴:2個先幅:2.5cm、元幅:3.5cm先重:5.0mm、元重:5.0mm珍品中の珍品。アイヌ刀(らしき刀)
2025年1月10日、今年も始まりました不伝流。だが…第一週は三が日とモロ被りでお休み第二週から初稽古第三週は何処ぞの団体が貸切占拠第四週も何処ぞの団体が貸切占拠ええええええ…年の始めから先が思いやられますわぁ…なんか今日は異常に暑くてですね…最近エアコン効かせ過ぎじゃね?と思うんだけど気の所為だろか…汗が止まらん。これがホントの滝汗じゃねーのかwこの体育館、照明の所為か撮影するとやたらと黄色みが強くてですね…その上、赤が濃く出て背景に比べて人の顔が暗くなるので補正し難い事
昨日、替鞘の相談でお客様が来られました。しかしながら、鞘以前に、刀を抜いて、軽く振ってみると、縦にも横にもかなり揺れていました。これでは、何か大きく力が加わった時に、柄折れしかねない位状態が悪かったです。そこで急遽、柄を作り直すことになりました。意外と、慣れてしまっていて、自分の柄のがたつきに気がつかなくなっている人って多いのかもしれません。私の所属する居合団体でも、以前柄をチェックしてみると、2人ほど柄に大きながたつきがある人がいました。とりあ
先日、お客様から「古い刀の場合はお祓いをした方が良いか」というご質問を頂きました。必用かどうかは、個人の判断なので私からはなんとも言えません。ただ、気になるようでしたら「お祓い」をして頂いても良いと思います。日本刀は当然刃物ですから、生命を断つ機能を持っています。ですから、「お祓い」をしたいという気持ちは良く分かります。では、お祓いはどこでやって貰えば良いでしょうか?近くの神社か、護摩行をやっているよ
昨日のブログで、高田について少し触れました。当店や夕星さんのような比較的安価な刀を扱う店で避けては通れないのが「豊後刀」です。古刀~新刀期に流通量が多かったため、美濃物と並ぶ数の多さなので、比較的安価に仕入れられます。だは刀として悪いのかというと、そんな事はなく、特に藤原高田は「標準化」の産物といえるような高品質な鋼が使われています。という事で、今日は豊後刀について話をします。■豊後刀の始まり豊後刀の起源は平安末期の「行
先日仕入れた藤原高田の刀ですが、付属しているハバキが別の刀からの流用で刀身をキッチリ固定できません。しかし、ハバキは新規で作ると3万円前後で納期が半年ほど。他店では中古ハバキをストックして、合いそうなものを付けて販売したりしています。ハバキは刀身固定で重要な部品ですが、武用でなければとりあえず付いてればイイや的な感じです。でも、当店は武用のお客様も多いので、この辺はキッチリしないといけません。今回の刀は大和伝の
どんな刀にしよう刀を作るにあたり、まず考えたのは刃長。どれくらいの長さにしようか。長いほど良さそうに思いました。平安時代~鎌倉時代の太刀は2尺6~8寸:80cm前後が多いと思います。南北朝時代にはもっと長大な大太刀も現れますが、概ね太刀の刃長は2尺6~8寸くらいが多いでしょう。戦国時代になると太刀から打刀に変遷します。2尺~2尺2寸(60~66cm)くらいの刀が多かったと思いますがマチマチです。もう少し長めの刀や、もっと長大な刀を好んだ武士もいてそのような刀も稀に残っています。
昨日、午後からお刀の出張買取に行ってきました。あまり出張買取はしないのですが、持ち主の娘さんから、7振りあり送り難く、お父様は長年居合をされていた方とお聞きして、当店向きの刀が一杯あるかと思って行ってきました。ご本人は、かなり高齢で、体を自由が効かないようでしたが、居合は、範士八段までいかれた先生でした。ご本人は動けないようでしたので、娘さんが刀どんどん運んでくださいました。とりあえず挨拶をして見せていただいたのですが、ちょっと違う形で予想外のものが並びました。
本日は県内の業者市に参加してきました。現在、在庫0なので頑張って仕入れてきました。なんと、今回は監獄長光が2振りです。しかも1振りは3式軍刀の外装ですよ!!この3式軍刀の外装、相当キレイです。鞘の凹みもなく、ストッパーも効きます。刀身自体は錆を削ったのか、整形研磨からしないといけませんが、そんなのはいつもの事なので大した問題ではありません。ただ軍刀外装の販売って難しいんですよね。居合外装+
(本日アップした、後藤兼光刀匠の刀の茎です。銘の上の部分にある「関」や桜のマークが鏨の様な物で潰されています)これは、桜のマークや関の刻印が有ると直ぐに軍刀とバレるので消したものと思います。軍刀は、美術刀剣の世界では殆ど価値を認められないので、軍刀である事を隠して販売しようとした痕跡ですね。恐らく、心無い刀剣商の仕業でしょうが、軍刀ファンの私としては、大変悲しい事です。こういう加工をされた刀を見るのは初めてでは有りません。今までに何度もこういう加工をされた
以前仕入れて、お客様から予約して頂いている勤王刀が鞘工房から戻って来ました。『【速報】業者市で仕入れた御刀』大阪の業者市から、やっと帰ってきました。昨日は体調不良で関東まで戻る気力がなく、静岡で高速を降りて一晩宿泊です喉がはれてキツイです・・・静岡市…ameblo.jp勤王刀は反りが無くて合わせ鞘が使えないんですよね・・・そのため鞘工房に出すので納品まで期間がかかります。そして、本日鞘が戻ってきたので早速研磨開始です。現状では
先日は広島と関西と業者市場に行ってきました。結構な強行軍だったので疲れてしまいましたが、相場が落ちてきているので良い買い物が出来たと思っています。一方で、市場で他の刀剣商と会話すると「相場は上がってきている」と僕と違う感想を持っているようです。コレ、どっちが正しいんでしようね?最近市場を見ていて気になる点があります。錆や白鞘で外装が無いといった手入れが必要な刀は、あまり買う側で声を出す人は多くないような気がします。一
12月度の保存審査結果が返ってきました。3本出して、2本がOK、1本保留・・・まず、1番上の新刀海部実は僕の刀剣人生の中で、海部極めは初めてです。海部は古刀期は阿波の三好家の家臣、海部氏が刀工群を抱えて作っていた刀です。江戸時代には、蜂須賀家の抱え刀工となりました。ガッシリした相州伝風味の刀は「海部」と極められる事が多いですので、傾向として健全な刀が多いです。この刀もしっかりした刀で、最初は「現代刀??」なんて印象でした。
ネットで「安い刀は楽しめない」とか、「自分の基準になるから最初は高い刀を買え」等の意見を目にする事があります。これって、実際どうなんでしょうか?初心者の方が日本刀の趣味を始めたいという場合、やはり刀剣の価格が高ければ最初の一歩って踏み出せないと思います。普通の感覚なら「安い刀は楽しめない」のなら、博物館で見ればいいや。とか、「最初は高い刀を買え」と言っても、100万円以上の刀買うなら車買うわ!となると思います。僕でも
凡そ10日に渡って、アメリカのユタ州、ソルトレイクシティに行ってきました。居合の同門のアメリカ支部の大会に審査員として出席する事と、現地の会員の指導を目的に、人生初の海外渡航をしてきました。各地で大変な歓迎を受けました。ただ、飛行機を乗り継いでの旅程は大変長く感じました。まあ、年寄りのお上りさん二人の珍道中は悪人には見えなかった様で、入国審査や飛行機への搭乗に当たっても、現地の方も大変親切にして頂いて、無事お役目を果たし得たと思っております。あちらの会員
週末、少し時間が空いたので、先日の業者市で仕入れてきた小島勝正の研磨を行いました。『業者市に行ってきました!!』本日は地元の業者市の日子供を保育園に送ってから市に向かいました。この市、少し早めに行けば情報交換とかもできるのですが、子供を保育園に送るので到着する頃…ameblo.jp以前も小島勝正の刀を研磨した事がありますが、陸軍刀剣鋼を使用しているため非常に硬いです。多分、斬味は良さそうです。刃側に朽ち込みがあるので、備水の整形研磨から
お客様に拵の注文や特注居合刀の注文を受けて感じる事ですが、お客様の中には、真剣は居合刀の違いについてあまり、御存じで無い方が多いように思います。そこで、今日は、その違いについて少し書いて見たいと思います。基本的な構造、目釘穴の開いた刀身と柄を目釘で固定している。この事については、真剣も居合刀も基本的には同じです。ただ、作り方は全く違います。真剣の場合は、先ず、目釘穴をあけた刀身があり、それに合わせて、柄下地を削り柄を作成し刀身の目釘穴に合わせる形で、目釘
売る刀が無いので、ハギレの刀を研磨する事にしました。ヤフオク!で刀を買うとハギレを隠して出品している業者が結構あります。業者市場ではハギレは返品OKなので、そういったリスクはないのですが、ヤフオク!や古美術系の業者市場の場合はハギレは保証してくれないので泣き寝入りするしかありません。以前は刃切れというと「折れるので価値が無い」と言われていました。しかし、昨今は斬る系の武道が興隆しているためか、実際に試してみて「いうほど折れないじゃん。消
先月、骨董系の美術市場でほぼ定寸の刀が手に入りました。その時に見た限りでは刃切れも見当たらなかったので、銃砲刀剣研究会に鑑定に出して本日戻ってきました。多分、北国系の美濃物だろうな・・・と思っていたのですが、やはり鑑定結果は越前兼則あまりキレイな刀ではないので、研磨してから販売しようと思い本日研磨してみました。地艶が終わり、磁鉄鉱拭いを掛けた状態ですなかなか、いいじゃないですか!!なんて思いながら拭いを掛けていると刃切れが
日本刀の手入れに使う油これ、みなさん色々なこだわりがあって、話題にすると色々と論議になる事が多い話題です。そのため、当店のブログでは触れないようにしてきました。しかし、今週の連休に、なんと3人のお客様から油についてのお問い合わせを頂きました。24時間以内に3人から同じ内容の質問ですよ・・・で、1通目のお問い合わせ、これがなかなか悩ましい内容でした。「刀剣油で手入れをしていたが点錆びが出てしまった」「
先日、手持ちの短刀の白鞘が割れてしまったので糊付けする事にしました。白鞘の糊付けは「木工ボンド」はNGです白鞘は分解メンテができるようになっているので、木工ボンドで接着すると剥がれなくなってしまうんです。そのため「続飯」と言われるデンプン糊で接着するのです。でも、ご飯粒潰して糊なんて作っている時間はありません。そのため、他のデンプン糊で代用します。タピオカ原料の糊だと強度が弱いので、コーンが原料の障子用の糊を使って接着しま
ハバキのガタツキの抑え方について、質問を頂いたので記載しようと思います。日本刀を固定するハバキこれ、正規のハバキではなく、余ったハバキをとりあえず使っているなんて事が結構あります。ヤフオク!だけでなく、刀剣店で買ってもそんな感じです。日本刀は「美術刀剣」なので使用は考えていないお店も多いので仕方ないですが、使用する場合はガタガタだと危険です。では、どういう状態のハバキが危険んのでしょうか?簡単に絵にしてみました。こ
先日入荷した佐光信光やっと研磨開始です。『業者市に行ってきました!』本日は業者市の日販売商品が枯渇してきたので、頑張って仕入れないとなーと思い、業者市に向かいます。実は、ここ数日、「次の商品はいつアップされるのか?」…ameblo.jp佐光信光は陸軍受命刀工で業物になっている関の刀工です。当時としては若手刀工で業物となっているので、なかなかの凄腕だったのでしょう。まず、改正→細名倉と研磨を始めます。この刀は刃縁の錆だけなので作
本業は9/2まで夏季休暇ですが、亜州美術の業務が忙しく毎日12時頃まで仕事をしています・・・休みとは一体・・・さて、本日はまず先日仕入れた寿命(72cm)の研磨を開始します。これ、前回、刃切れのある寿命を購入して頂いたお客様に事前予約して頂いたばかりの刀です。これだけ古い刀なのに重量も結構あって良さそうですよね。ただ、結構錆があります。荒砥からいかないとダメかと思いきや、ほとんどの部分は備水でいけました。軍刀と違って、鉄が柔
先日、刀剣商向けの勉強会に参加してきました。講師はあの中原信夫先生中原信夫中原信夫(なかはらのぶお)氏は団体や組織に所属せず、独自に刀剣研究と鑑定に取り組んできた刀剣学者です。刀剣鑑定会・鑑賞会の講師として活発に活動するかたわら、メディア出演や著作を通して研究成果を発表しています。www.touken-world.jpそこで、備前の乱れ映りの下限についての話が出てきました。参考刀は文亀年期の末備前法光文亀といえば、永正の4年前、西暦でいえば1500~15