ブログ記事1,269件
本ブログでも何度となく取り上げた保守思想家の西部邁は、近代とはモード(流行)であり、モードとは(プラモデルなどと同じ意味の)モデル(型)であり、近代主義(モダニズム)とは、ある一つの観念の枠組み(模型化したイデオロギー、固定観念)に人間精神を押し込み、その枠組みの中でしか思考が働かなくなった者が陥る不治の病であると言います。人間とは合理的(この場合、俗にいう効率性とか利便性いった意味ではなく、人間の無謬性を信じる進歩主義的な意味でいうもの)な生き物だから、歴史とか伝統といった過去の遺物など
文芸評論家小林秀雄さんの言葉です(1902〜1983)すぐれて深きこと古人の味わうべき言葉本居宣長の玉勝間から一文すぐれて深きことはかへりてうはべには何の深かことわりも見えぬものにてその理深げに見え聞えたる事はかの山川の浅瀬の浪のさわぐにてまことにはさしもふかつらぬにこそはあれそこひなき淵のさわがぬことはりまでをいますこし深くおもはざるは、いかにぞや1日1篇「人生を成功に導く」365人の言葉Amazon(アマゾン)
新装版考えるヒント(文春文庫)Amazon(アマゾン)49〜5,750円わずか10頁の短編評論ですが、小林秀雄の畢生の大作・名著「本居宣長」の核心部分が見事に語られている傑作です。本文より一部抜粋しておきます。この感想文で興味を持たれた方は、是非、全文お読み下さい。本居宣長に、「姿ハ似セガタク、意ハ似セ易シ」という言葉がある。ここで姿というのは、言葉の姿の事で、言葉は真似し難いが、意味は真似し易いと言うのである。普通の意見とは逆のようで、普通なら、口真似はやさしいが、心は
今回の旅でどうしても訪ねてみたかった一つが、中原中也の生家跡の湯田温泉と中也の記念館だった。東萩駅の瑞風出入口萩東駅から高速バスで新山口駅へ。(75分)新山口からJR山口線で湯田温泉駅まで20分。湯田温泉駅ホーム湯田温泉駅駅からは歩いて10分ほどで中原中也記念館に着いた。中原中也記念館この地が中也の生家跡であることを示す碑と中也が幼少の頃からある
今年の中秋の名月は露天風呂から眺めたい、そんな酔狂を叶えてくれるのが奥湯河原加満田風情ある源泉掛流しの露天風呂「ほたる」と「もみじ」は空いてれば自由に入れる貸切風呂昭和14年創業の加満田は初代かつ女将の人柄もあり小林秀雄や水上勉をはじめ多くの文人墨客に愛されてきました。私が加満田に通い出したのは二代目るりこ女将の時代、るりこ女将に後継者がおらず今年5月末に惜しまれながら引退されました。馴染客の多い加満田は事業継承しても客室や露天風呂などハードは変わらないと思いますが、料理やおもてなし
「理解というものは、つねに誤解の総体に過ぎない」というのは村上春樹氏の言葉と以前に書いた。私といふ人間を一番理解してゐるのは、母親だと私は信じてゐる。母親が一番私を愛してゐるからだ。愛してゐるから私の性格を分析してみる事が無用なのだ。私の行動が辿れない事を少しも悲しまない。悲しまないから決してあやまたない。私といふ子供は「あゝいふ奴だ」と思つてゐるのである。世にこれ程見事な理解といふものは考へられない。というのは小林秀雄の言葉だ。見事な誤解であるが、「理解というものは常に誤解の総体に
2015年の7月1日のブログをリブログします。紙版文庫本は優秀な生徒にあげてしまいました。もう本書を輪読して逐条講義をする学齢の生徒は現れないだろうと思います。紙版はなくなりましたが、電子書籍の合本版がkindlepaperwhiteの中にあります。この本が読めなくなったときが、仕事の終焉だと思っています。その日が近づきつつある予感が、日々強まっています(苦笑)。アマゾンの商品解説を引いておきます。【考えるヒント】「良心」について、「平家物語」、「花見」…。さりげない語り口
モオツァルト・無常という事(新潮文庫)Amazon(アマゾン)1〜3,742円美しい「花」がある、「花」の美しさという様なものはない。小林秀雄には名言・名文が非常に多いですが、その中でもこの言葉は特に有名なのではないでしょうか。ちょっと独り歩きしてる感も・・・「モオツァルト・無常という事」という新潮文庫短編集の二編目に収められた「当麻(たえま)」という能楽を観た批評文「当麻」に出てくる言葉です。1942年、戦時中に書かれた文章です。僅か5頁の小品ながら、小林の真骨頂とい