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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。(a)図Aの500hPa高度・偏差の予想図では平年偏差についての情報を読み取ることになります。平年偏差とは平年値からの差を意味し、図の白い領域は等圧面高度が平年値を上回る領域で「正偏差域」、また、陰影部の領域は平年値を下回る領域で「負偏差域」といいます。正偏差域は平年値よりも等圧面高度が高いということで、高温傾向を示し、負偏差域は平年値よりも等圧面高度が低いということですので低温傾向を示しています。これを踏まえて、本文を
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。(a)本文の前半に、「東海地方に温帯低気圧に変わりつつある台風」とあります。ということは、温帯低気圧に変わりつつあるんだけど、台風の構造がまだ維持されているということですから、500hPa気温の予想で見られるその特徴に暖気核が見られるはずです。それではその暖気核が東海地方付近にありそうな図はどれか、3つの図を見比べますと、Wマークが東海地方付近にあって-3℃の等温線が取り囲んでいることから、アの図に見られることがわかります。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・専門知識今回の問題では、天気図は添付されていませんが、問題の冒頭に「2月のある日」とあることから寒気場における対流雲が主題になっていることが読み取れます。それでは、(a)から順に見ていきましょう。(a)大陸からの強い寒気が相対的に暖かい海上に流れ込みますと、大気下層において鉛直安定度が小さくなり、海面から水蒸気と顕熱が供給されて対流がおこることによって筋状雲が発生します。領域Aに着目しますと、筋状雲は北西‐南東の走
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)本文にありますラジオゾンデのような高層気象観測に用いる観測機器や雨量計や温度計といった地上気象観測に用いる観測機器の運用によって得られた観測値が仮に格子点の値と地理的に直近にある、あるいは一致していても、観測値がそのまま解析値になるとは限りません。これは、観測値に誤差が含まれている可能性があることや、観測値が局地的な気象状態を示している可能性があるためです。したがって、「精度が高いため」とする本文の内容
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。第37回試験までの過去問題では、簡単のため、雪の比重を0.1、すなわち、1cmの降雪量が1mmの降水量に相当するものとして換算させる問題が出題されていましたが、実際は地上の気温によって雪の密度が異なってくるため、厳密に正確ではありません。同じ降水量でも地上気温が低いほど密度が小さく乾いた雪となるため、降雪量が多くなります。この場合は降雪や一度積もった雪が風で吹き上げられる地ふぶきによって、視界不良による交通障害が考えられま
こんばんは。ここで3月7日分のバックビルディング型の帯状降水域《第51回試験・問9》(考察編)の投稿について、お詫びをさせていただきます。下線部(b)の「高度にかかわらず」についてです。降水セルによって作り出される冷気外出流とそれに向かって吹く下層風との両者が収束することによって上昇流が生じ、新たに積乱雲が発生してそれを動かす中層風と先ほどの下層風がほぼ平行になる場合に「バックビルディング型」が形成されます。したがって「高度にかかわらず」が対流圏の気層全体のことを指すと考えます
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識(美浜のウィンドプロファイラ2019.02.04「美浜のウィンドプロファイラへゆく」より)ウィンドプロファイラは波長22cmの電波を鉛直および東西南北の4方向を天頂から約10°傾けた計5方向へ発射し、大気の乱れ(乱流による大気屈折率の不均一)や降水粒子によって散乱されて戻ってくるときの電波の周波数偏移を測定することによって上空の風向・風速や上昇流・下降流の鉛直速度を観測する装置です。次
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識まず、地点A、地点B、地点Cそれぞれの測定結果から、表1および表2に基づいて水蒸気圧および相対湿度を求めてみます。(地点A)気温が20℃であることから、表1より飽和水蒸気圧は23.4hPa、電気式湿度計の測定結果が70%ですので、求める水蒸気圧は、23.4×0.7=16,38(hPa)となります。(地点B)露点計による測定結果より、露点温度は15℃であることから、表1より、水蒸気圧は17.
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識(a)冬にシベリア付近に現れるシベリア高気圧は、ユーラシア大陸北部において主として放射冷却によって形成される対流圏の下層1000〜2000m程度の背の低い寒冷な空気で満たされた高気圧です。したがって、本文の内容は誤りということになります。(b)春や秋に日本付近を西から東に移動する移動性高気圧は、高気圧の中心付近より東側では、下降気流により雲が発生しにくく晴天となりますが、西側に入りますと、南から暖かく湿った
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。(気象庁HP「竜巻等に関連する段階的な情報の発表」より)(気象庁HP「竜巻発生確度ナウキャスト」より)(気象庁HP「竜巻注意情報の発表例」より)(a)竜巻注意情報は、気象ドップラーレーダーなどによる観測から、「激しい突風が発生する可能性のある状況」と判断された場合に発表されます。具体的には、竜巻発生確度ナウキャストで発生確度2が現れた地域に発表されるほか、目撃情報が得られて竜巻等が発生するおそれが高ま
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識(a)解析雨量と速報版解析雨量は、気象庁・国土交通省が保有する気象レーダーの観測データに加え、気象庁・国土交通省・地方自治体が保有する全国の雨量計のデータを組み合わせて、1時間の降水量分布を1km四方の細かさで解析したものです。解析雨量は30分ごとに、速報版解析雨量は10分ごとに作成されます。例えば、9時の解析雨量は8時~9時、9時10分の速報版解析雨量は8時10分~9時10分の1時間雨量となります。解析雨量や
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)気象レーダーは、上空の降水を捉えてそれを降水強度に変換して、広範囲を面的に連続して観測ができるという特徴があります。しかし、気象レーダーによる降水の観測は、アメダスなどに設置されている雨量計に比べると、観測の精度が高くないのもそうなんですが、地形(グランドクラッター)や海上の波(シークラッター)による反射をも降水として認識してしまうという欠点もあります。(大阪・高安山気象レーダー観測所2
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)まず、図Aに着目しますと、本文では、「太平洋赤道域中部は外向き長波放射量OLRが正偏差で対流が不活発、インドネシア周辺はOLRが負偏差で対流が活発となっており、」とあります。外向き長波放射量(OLR:OutgoingLongwaveRadiation)とは地球の大気上端から宇宙空間へ出ていく長波放射のことをいいます。学習がまだの方は「一般気象学」p128の図5.17を見ますとわかりやす
私には学生時代から長い付き合いになる司法書士の親友がいるのですが、その親友から「○○って人、知ってる?お前の事務所に相談したことが過去にあったって聞いたけど。」と電話で言われました。記憶を辿って思い出しました。懇意にしている不動産会社の社長から、投資用のマンション1棟のオーナーが賃貸にするのに相談したいとの話をいただいので相談に乗りました。しかし、このオーナーさんの言うことがメチャクチャで呆れました。家賃はいくらいくらにして、管理費もいくらにして、敷金も3か月分(しかも
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・専門知識(美浜(和歌山県日高郡美浜町)のウィンドプロファイラ「美浜のウィンドプロファイラへゆく」2019.02.04より)(a)本文の内容の通りですが、ウィンドプロファイラは、地上から上空の5方向に向けて電波を発射し、大気中の風の乱れなどによって散乱され戻ってくる電波を受信・処理することで、上空の風向・風速を測定する観測機器です。地上から上空の5方向に向けて電波を発射され、再び地上に戻
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)まず、「この10日間について、真夏日になるか・ならないかをガイダンスの値を判定基準として用いて予想することとし、判定基準を変更した場合の予想精度を比較する。」ということで、問題にある図の見方を確認しておきます。縦軸はガイダンスの値、すなわちこれを判定基準として見ます。そして横軸は1日~10日の日にちを表わしています。いま縦軸の判定基準を長破線で示されている50%から短破線で示されている45%
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)(気象庁HP:「大阪府の天気予報(7日先まで)」2021年04月03日17時大阪管区気象台発表より)週間天気予報の例として大阪府の週間天気予報を挙げてみました。週間天気予報では、予報期間の2日目から7日目について、各々の日における「天気」、「最高・最低気温」と「降水確率」が毎日11時と17時の2回発表されています。ただし、降水量につきましては、向こう一週間(明日から7日先まで)
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・専門知識(a)「一般気象学」p247図8.40「1983年7月29日15時、本州中部における(a)地上(海面高度)気圧と(b)地上風の分布」を見ながら考えてみます。熱的低気圧(ヒートロウ)とは、結論から言いますと本文の通りですが、春から夏の晴れた日などの日射の強い日に昼間の地表面が加熱されるに伴い中部山岳地帯などの内陸部に発生する局地的な低気圧のことをいいます。なお、日中の日射の影響がなくなる夜間には熱的低気圧は
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・専門知識(気象庁HP:知識・解説>解析積雪深・解析降雪量、降雪短時間予報より)今回は、本文を読みながら、下線部の正誤を考えてみます。まず、「解析積雪深は、解析雨量や数値予報モデルの気温や日射量などを積雪変質モデルに与えて積雪の深さを計算し、(a)アメダスの積雪深計の観測値で補正することにより作成される。」とあります。(気象庁HP:知識・解説>気象の専門家向け資料集>予報技術に関する資料集>新たに
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識まず、本題に入る前に、水蒸気画像とはどういう気象衛星画像なのかについて、簡単に触れておきたいと思います。(気象衛星センターHP:画像活用>観測画像の特性>水蒸気画像の特徴より)水蒸気画像は、波長6.2μm〜7.3μm(バンド8(6.2μm)、バンド9(6.9μm)、バンド10(7.3μm)の)赤外線を観測して得られた画像で、対流圏中・上層における水蒸気量の多寡の領域の分布がわかるという特徴が
こんばんは。まず、英文で書かれている台風の実況から読み取ってみます。台風2017年第21号ラン(台風の名称)中心気圧:970hPa中心位置:北緯13.0°東経132.3°台風の中心位置の確度:ほぼ正確進行方向:北8ノット中心付近の最大風速65ノット最大瞬間風速95ノット今後24時間以内に中心付近の最大風速が85ノット最大瞬間風速は120ノットに達する見込み中心から50海里以内では風速50ノット以上(暴風域)中心の南側半円の300海里以内とその他の半円(北側
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識(a)気象衛星画像では、同じ雲でも、可視画像と赤外画像とで写り方が異なることを利用して雲型の判別を行うことができます。ちなみに気象衛星画像から判別した雲の種類を「雲型」、地上から観測された雲の種類を「雲形」と使い分けられています。気象衛星センター2002:「気象衛星画像の解析と利用」p8図1-3-1可視画像と赤外画像による雲型判別の概念図に加筆そこでこの図も参考にしながら下線部を考えてみます
くこんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識(竜巻:気象庁HP知識・解説>竜巻・ダウンバースト・ガストフロント>竜巻などの激しい突風とはより)竜巻は、台風や低気圧、前線において発達した積乱雲に伴う上昇気流により発生する激しい渦のことをいいます。多くの場合、漏斗状または柱状の雲を伴い風向分布に収束性がみられる特徴があります。被害域は、幅数十~数百メートルで、長さ数キロメートルの範囲に集中しますが、数十キロメートルに達することもあります。
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。(気象庁HP「気象レーダーを利用する際の注意事項」より)http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/radar/kaisetsu.html気象レーダー観測において、実際には降水がない場所なのにエコーが観測される場合があります。非降水エコーとよばれているものですが、主なものとして、グランドクラッタ、シークラッタ、エンゼルエコーとあり、エンゼルエコーの中でもさらに「鳥や虫の群れからのエコー」、「船
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識(a)大雪特別警報は、数十年に一度の降雪量となる大雪が予想される場合に発表します。具体的には、府県程度の広がりをもって50年に一度の積雪深となり、かつ、その後も警報級の降雪が丸一日程度以上続くと予想される場合を発表指標としています。また、大雪特別警報は、積雪量だけでなく、表層なだれの切迫なども視点に加えた基準及び運用として、積雪深に加え降雪量の予測も加味して発表します。具体的には50年に一度の積雪深を
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。まず、地上付近6時間予想図を見てみます。初期時刻が9時ですので15時の状況を示していることになりますが、中部地方にある低気圧を問題を解く取っ掛かりにできそうです。ここに低気圧に伴う反時計回りの循環があるということは、そのすぐ東にあるBの地上付近では南寄りの風が吹いているはずだと考えます。そこで地点ア~ウの高層風時系列図の15時でそれが見られるのは地点ウということになります。次に14時~18時のレーダーエコー合成図を見ます
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第43回試験・専門知識(a)まず、可視画像に着目しますと、「発達期の台風に見られる特徴的な積乱雲が形成されつつある」とあることから、エかオの雲域のいずれかと考えられ、すでに選択肢はエかオとなっています。そこで今度は水蒸気画像も併せて見てみますと、オの雲域はまだ雲域にまとまりがなく、「発達が予想されるじょう乱が存在する」とまでは判断がしにくい状況と考えられますがエの雲域は大気の中・上層がオの雲域よりも白く、円形にまとまりがあり
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、ウィンドプロファイラ観測において、ある日の12時の地上天気図の状況から天気図中にある(a)、(b)、(c)の各地点はどの高層風の時系列に当てはまるか、という問題です。まず、この「ウィンドプロファイラ」とはどういう観測機器なのかについて簡単に触れておきたいと思います。(美浜のウィンドプロファイラ2019.02.04「美浜のウィンドプロファイラへゆく。」より)ウィンドプロフ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(気象庁予報部数値予報課:ガイダンスについて〜近年の特性と降⽔量ガイダンスの改良〜p5より)(a)(気象庁予報部数値予報課:ガイダンスについて〜近年の特性と降⽔量ガイダンスの改良〜p14より)数値予報モデルでは、予報時間が長くなるにつれて、その特性によって予測値に誤差が生じ、その誤差の傾向が変化することがあります。例えば、地形表現の不完全さがあげられますが、このような特性により発生した
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)温暖前線の模式図とある任意の地点Aにおけるエマグラム(状態曲線)を載せてみました。温暖前線では、寒気の上を暖気が滑昇している構造をしていますが、寒気の上にいきなり暖気があるわけではなく、接している部分には転移層(遷移層)という部分があります。この部分の温度分布はどうなっているかを右側の地点Aにおけるエマグラムで見ますと、下層では寒気、上層では暖気がありますので、高度が高くなるにつれて温度が高くなっ