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こんばんは。以前、第56回試験・専門・問3の考察編を投稿しましたが、読者の方から、「(a)福井がアかエに絞られるところまでは理解できたのですが、アに決まる理由が分かりませんでした。」という内容のコメントをお寄せいただきました。以前の投稿では、エの時系列図についての考察が抜けていて、福井の時系列図がアとエとの比較でアと判断されるポイントについて触れていませんでしたので、今回は補足として投稿させていただきます。宜しくお願いします。第56回試験・専門知識まず、12時に近い
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・専門知識(a)天気予報ガイダンスの主な役割として、過去の数値予報の予測結果とそれに対応する時刻の実況から作成した統計式を使って各気象要素の予測値を求めることにより、一つは、数値予報による予測値において、モデル地形と実際の地形の違いや物理過程の不完全さに起因する誤差のような、傾向や大きさが規則的に生じる誤差(系統的誤差)を補正すること。もう一つは、降水確率や視程のように数値予報が直接予測しない要素の予測値を作成す
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識まず初めに、「天気予報ガイダンス」について、簡単に概要を述べておきたいと思います。(気象庁予報部数値予報課:ガイダンスについて〜近年の特性と降⽔量ガイダンスの改良〜p5より)天気予報ガイダンスの目的は大きく2つあり、一つは①「天気翻訳」、もう一つは②「誤差修正」です。①天気翻訳数値予報において数値予報モデルの各格子点の物理量が計算された結果、予測値すなわち数値予報プロダクトが出力されるわけですが
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識(a)(b)まず、「一般気象学」p192、図7.24『冷気が暖気の下にもぐりこみ、位置のエネルギーが減ることを示す模式図』を見ながら考えてみます。温帯低気圧の発生・発達に結びつく約数千km規模の偏西風帯の波動のことを「傾圧不安定波」とよんでいます。この傾圧不安定波がもしも起こらないとしますと、ジェット気流を挟んで赤道側では吸収する太陽放射エネルギーが宇宙空間へ出ていく地球放射エネルギーよりも大きく
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・専門知識今回の問題は、異なる年の8月における気温・降水量・日照時間の3つの気候の要素について、問題の下にある3つの8月における月平均海面気圧と平年偏差図との適切な組み合わせを選ぶ内容です。図Aこの図において目立つ特徴を考えますと、まず、気温では北日本で低温であること、降水量において北日本で降水量が多く、日照時間において北日本で寡照であることから、北日本において低温・寡照で曇りや雨の日が多い8月だったことが考えられます
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第41回試験・専門知識まず、問題にありますように、図のエマグラムの細実線は観測された気温の鉛直分布で、太実線はA点にある未飽和の空気塊を断熱的に持ち上げたときの温度変化ということで(a)から見ていきます。(a)未飽和の空気塊をA点から持ち上げていきますと、初めは乾燥断熱線に沿って持ち上げ、やがてその空気塊の露点温度に達するところのB点で飽和します。これが持ち上げ凝結高度(LCL)です。すなわち空気塊内の水蒸気が凝結し始める高度にな
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識今回は、本文を読みながら、下線部(a)〜(d)の正誤を考えてみます。初めに、『上空が雪片だった降水粒子が落下して周囲の気温が0℃となる高度を通過すると、融けて雨滴となる。雪片が融けて雨滴になる途中の状態は、(a)雨滴よりも粒が大きく、固体(雪)の表面が液体で覆われている状態で、いわゆる「みぞれ」である。』とあります。まず、本文にありますように、はじめ固体(雪)だった降水粒子が落下して周囲の気温が0℃となる高度
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は気象衛星画像から、可視画像と赤外画像に基づいて(a)~(d)で述べられている特徴からA~Dのどの雲域に当てはまるかを考える内容になっています。早速(a)から考えてみます。(a)まず初めに「トランスバースラインが発生している。」ということですが、①~⑤の選択肢を見ますと、AかCのいずれかになっています。(気象衛星センターHP:衛星画像の特徴的なパターン「トランスバースライン」より)
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)数値予報モデルは、本文にありますように、予報領域に応じたモデルに用いる時間間隔(ステップ:「タイムステップ」・「積分時間間隔」ともいいます。)ごとに大気の状態の計算を繰り返して将来の状態を予測するという構造になっています。気象庁の現業における数値予報モデルの仕様では、全球モデル(格子間隔20km)で400秒(6分40秒)、メソモデル(格子間隔5km)で20秒となっています。したがって、下線部
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。()第61回試験・専門知識(a)土砂災害警戒情報は、大雨警報(土砂災害)の発表後、命に危険を及ぼす土砂災害がいつ発生してもおかしくない状況となったときに、市町村長の避難指示の発令判断や住民の自主避難の判断を支援するよう、対象となる市町村を特定して警戒を呼びかける情報で、都道府県と気象庁が共同で発表しています。(気象庁HP:知識・解説>土砂災害警戒情報・土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)>土砂災害警戒情報
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識今回も本文を読みながら、下線部の正誤を考えていきます。(日本海寒帯気団収束帯:JPCZ第44回試験・専門・問9より。朝鮮半島の東岸から山陰沖を経て北陸に達する帯状の雲域がJPCZ。)(a)まず、「日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)は、冬の日本海で、寒気の吹き出しに伴って形成される、(a)長さが1000km程度の収束帯である。」とあります。冬の日本海では、高度約1kmにおい
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・専門知識まず、ア〜ウの鉛直分布の細実線で示されている、「飽和相当温位」とは何か、簡単に触れておきたいと思います。ある空気塊が水蒸気で飽和していると仮定して求めた相当温位のことを「飽和相当温位」といいます。例えば、ある空気塊の相当温位と飽和相当温位との差が小さいほど、その空気塊は飽和に近いことを表しています。(a)本文で「およそ6時間後に周辺でダウンバーストと思われる突風が観測されている。」とあることから、発達した積乱
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、数値予報プロダクト(天気予報ガイダンスに加工される前の格子点値)の利用にあたって留意すべき事項について述べた文の正誤を判断する内容の問題です。天気予報ガイダンスに加工される前の格子点値、すなわち数値予報モデルの計算によって得られた段階で、これから予想天気図などに加工される前の段階における予想値のことを「数値予報プロダクト」といいます。それでは(a)から見ていきます。(a)数値予報プロダクト
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識(a)冬にシベリア付近に現れるシベリア高気圧は、ユーラシア大陸北部において主として放射冷却によって形成される対流圏の下層1000〜2000m程度の背の低い寒冷な空気で満たされた高気圧です。したがって、本文の内容は誤りということになります。(b)春や秋に日本付近を西から東に移動する移動性高気圧は、高気圧の中心付近より東側では、下降気流により雲が発生しにくく晴天となりますが、西側に入りますと、南から暖かく湿った
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)まず初めに、「高解像度降水ナウキャスト」は気象庁が気象レーダー観測のデータを利用して、250m解像度で降水の短時間予報を行う予測のことです。この「ナウキャスト」とは現在起こっている気象状況をすぐに把握し、それに基づいて少し先の予測するという意味があります。気象庁は全国に20か所の気象ドップラーレーダーを設置して、日本全国のレーダー雨量観測を行っています。このドップラーレーダー観測網は、局地
こんばんは。早速ですが。考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識(a)まずは、利用者Aの「気温が30℃を超えると、かき氷の需要が増えるので、翌日の最高気温の予報精度が高い方の気象会社と契約したい。」という要望にXとYどちらの予報会社と契約するのが適切か見てみます。このケースでは気温ですが、気温の他に、降水量、降雪量、風速といった具体的な数値で示す予報のことを、「量的予報」とよんでいます。この量的予報の精度評価には、平均誤差(ME)と二乗平均平方根誤差(RMS
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、北半球の偏西風帯におけるジェット気流について、亜熱帯ジェット気流と寒帯前線ジェット気流の2種類のジェット気流の特徴や前線帯との対応などに関する問題です。早速、(a)から見ていきます。(a)まず初めは、ジェット気流の風速が下流ほど強くなっている領域、すなわち、ジェット気流が加速している領域と、ジェット気流の風速が下流ほど弱くなっている領域、すなわち、ジェット気流の風速が風下ほど減速している領
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識(a)まず、台風等を要因とする特別警報の指標(発表条件)についてですが、台風では指標(発表条件)の中心気圧または最大風速を保ったまま、中心が接近・通過すると予想される地域(予報円がかかる地域)における暴風・波浪・高潮の警報を特別警報として発表されます。また温帯低気圧では指標(発表条件)の最大風速と同程度の風速が予想される地域における、暴風(雪を伴う場合は暴風雪)・波浪・高潮の警報を特別警報として発表されます。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)気象庁HPによりますと、予報用語としての「集中豪雨」とは、「同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨。」と説明されています。それでは集中豪雨の水平スケールはどの程度の規模なのか、ここからは、「一般気象学」p159の図6.27「大気の運動の時間・空間スケール」の図を見ながら考えてみます。本文にあります、「数kmから10km程度」の水平スケールの大気の運動
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は気象ドップラーレーダー観測の原理についての問題です。本文の前半は従来の気象ドップラーレーダーの観測原理について、後半は二重偏波気象ドップラーレーダーの特長についての内容になっています。早速、下線部(a)から見ていきます。大阪(高安山)の気象レーダー(「2018.3.22大阪・高安山の気象レーダーへゆく。」より)(a)本文にあります通り、気象ドップラーレーダーは、アンテナを回転させな
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、霧について、地上気象観測における「霧」の定義とは何か、霧の種類の中で、放射霧・上昇霧・移流霧はそれぞれどのような機構で発生するのか、という内容です。早速(a)から見ていきます。(a)大気中に浮遊しているごく小さな水滴や塵などの微粒子が浮遊していますと光がその中を通過する際に散乱してしまうため、遠くまで届かなくなることにより、視程、すなわち水平方向の見通しが悪くなります。この中で、本文にあり
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識(a)まず、台風に伴う風の接線成分と動径成分について、一般気象学p257、図8.30「台風に伴う接線速度と動径速度の2成分に分解する」の右側、「(b)下層の風」を見ますと、接線成分は、台風の中心を中心とした円周に接した成分、一方の動径成分は接線成分に対して直角で台風の中心に向かう成分のことをいいます。これを踏まえて、まず、風の接線成分について、一般気象学p238、図8.31「風の接線成分の鉛直断面図」を
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・専門知識(a)全球モデル(GSM)とメソモデル(MSM)の降水予測結果が異なる要因として、水平格子間隔の違いによる、地形性降水の違いや、データ同化に用いられる観測データの違いが挙げられるところまでは正しいのですが、今回の問題ではその後の、「積雲対流過程などの物理過程の違い」が2つのモデルの予測結果の違いに影響するかどうかというところで、これまでのパラメタリゼーションに関する過去問題よりも踏み込んだ内容となってい
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第44回試験・専門知識今回は、発達中の温帯低気圧の時間経過に伴う構造の変化について、ある日の12時、21時、翌日の6時における気象衛星赤外画像、850hPa気温解析図、500hPa高度解析図が与えられいて、その中で21時に該当する組み合わせはどれかという内容です。気象衛星赤外画像、850hPa気温解析図、500hPa高度解析図の順に見てみましょう。(気象衛星赤外画像)発達中の低気圧における主な着目点は「バルジ」と「フ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・専門知識(a)オホーツク海にある領域Aでは、赤外画像では一様に明灰色であることから表面温度はやや低く、一方の可視画像では灰色で一様ではなく、表面が海面で途切れている部分があり、斑らに見えます。本来なら、時間を追って見ても動きがないか、あっても非常に遅いことで明確に判断するのですが、この問題では「3月のある日」のオホーツク海をヒントに、領域Aは海氷であると判断されます。したがって、この段階で本文の内容は誤りということに
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識(a)(気象庁HP:知識・解説>降水ナウキャスト・降水短時間予報より)本文の通りですが、降水短時間予報は、6時間先までと7時間から15時間先までとで発表間隔や予測手法が異なり、6時間先までは10分間隔で発表され、各1時間降水量を1km四方の細かさで予報します。一方、7時間先から15時間先までは1時間間隔で発表され、各1時間降水量を5km四方の細かさで予報します。15時間先までの大雨の動向を降水短時間予報に
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・専門知識(a)地球の大気の状態は放射や水の相変化、乱流や山岳の影響、大気と地表面との熱交換などがあり、モデル大気を実際の大気の状態に近づけるためには、これらの過程を加味することが重要です。これらの過程のことを「物理過程」と呼んでいます。したがって、大気中における降雪の融解や降水の蒸発の効果は、水の相変化に伴う潜熱の出入りの影響が大きいため数値予報モデルで計算されています。したがって、本文の内容は誤りということ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第43回試験・専門知識(a)まず、可視画像に着目しますと、「発達期の台風に見られる特徴的な積乱雲が形成されつつある」とあることから、エかオの雲域のいずれかと考えられ、すでに選択肢はエかオとなっています。そこで今度は水蒸気画像も併せて見てみますと、オの雲域はまだ雲域にまとまりがなく、「発達が予想されるじょう乱が存在する」とまでは判断がしにくい状況と考えられますがエの雲域は大気の中・上層がオの雲域よりも白く、円形にまとまりがあり
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・専門知識(a)(気象庁HP竜巻等の突風データベータ>突風分布図>竜巻分布図(全国)より)発達した積乱雲がもたらす激しい現象のうち、まず竜巻の発生について気象庁HPの図を載せてみました。発生の確認数にバラつきがあるものの全国的に広く発生が確認されており、内陸部の発生例もありますが、傾向として沿岸部に多く発生していることがわかります。(気象庁HP竜巻等の突風データベータ>突風分布図>ダ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識まずはじめに、ラジオゾンデとはどういう観測機器なのか簡単に概要について触れておきたいと思います。ラジオゾンデは、気圧、気温、湿度等の気象要素を測定するセンサを搭載し、測定した情報を送信するための無線送信機を備えた気象観測器です。温度計と湿度計は、ラジオゾンデから突き出たアームに取り付けられており、気圧計や無線送信機、電池等は、ラジオゾンデの本体(白色発泡スチロールまたはプラスチックの収容箱)内部にありま