僕らの世代には僕らの好みの作家がいました。僕自身は、今のブームは葉室麟さんです。この10日間で、『柚子の咲く頃』『春雷』『霖雨』を貪り読みました。葉室麟さん自体は50歳になって作家に転向していますが、時代小説ながら、深い教養に裏打ちされた確かな作風が堪らなく興味を掻き立ててくれます。念願だった作家のデビュー作『銀漢の賦』と『川あかり』を読む予定です。さすが直木賞作家だと思いましたが、決して直木賞を取ったから読んでいた訳ではありません。何度も候補になりながら、受賞を逃した柚月裕子さんは、確かな取材