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スニョン「えっと、ここにいるヒスンと私は先祖代々の皇室ファンで、“シンデレラの会”というブログを立ち上げてて、殿下のファンクラブもやっています。多分、ファンクラブの規模は校内で最大だと思います。活動内容は、ほぼ殿下の観察のみで、朝夕の出待ちと写真を撮ったりすることです」ヒスン「私たちは運良く殿下と同じ高校に進学できて、毎日御尊顔を拝めますが、それができない人達にも普段の何気ない殿下を見せてあげたくて、学校内で撮った写真をブログにアップしています。ブログの運営も、ファンクラブも二人で始めま
ファン「はははっ、君達って面白いね。ギョンと気が合うのもわかるよ。ギョンはさ、軽くて何も考えてなさそうに振舞ってるけど、ちゃんと人の本質を見ているんだ。そのギョンがすぐに仲良くなってこんなに信頼しているんだ、僕達も仲良くなりたいよ。よろしくね」この有名な四人組の中でも、可愛くて人当たりのいいファンから、ニッコリと微笑まれ、ヒスンとスニョンは失神寸前だ。ヒスン&スニョン「「よっ、よろしくお願いしますぅ」」チェギョン「うん、仲良しだね。よろしくねファン君」ガンヒョン「…チェギョン…あんた、い
帰りのHRも終わり、シンが迎えの車へと向かうのにギョン達も付き合う。玄関先に陣取る相変わらずのギャラリーの中に、ヒスンとスニョンの姿が見えた。その後ろにチェギョンとガンヒョンがいる。無理矢理連れて来られたのだろう。その姿を見つけたシンがふと微笑むと、たちまち悲鳴が轟いた。「「「「「キャーー、殿下ーー、素敵ーー」」」」」あまりのシンの人気にチェギョンは少し気後れしたが、せっかくここまで見送りに来たのだからと、胸の前で小さく手を降る。嬉しくなった。スマホを取り出すとチェギョンを見る。うな
声が聞こえない位置まで移動して、ファンに電話を掛ける。何だか知らないがチェギョンを泣かしてしまい、怖くてシンには掛けられなかったのだ。ギョン「おおファン。どうせいつもの空き教室から見てたんだろ?‥やっぱりな。話しも聞いてたか?‥ああ、よくやっただろ。で、シンは?怒ってないか?‥そうか…よかった。何だかわからないけど、俺が泣かしちゃったみたいだし…。‥当たり前だろ、怖いに決まってるじゃないか。‥じゃあ、裏庭に皆で来てくれよ。‥ああ、待ってる」電話を済ませて、ガンヒョン
ファン「シンは策士だね。既成事実でまわりから固めようとしてるでしょ。あんまりチェギョン本人には伝わってないみたいだけどさ(笑)」シン「あれは無意識だ。つい手が出てしまった。まあ、あれでまわりに伝わればいい。他の男への牽制にもなっただろう?」ギョン「シンはいいよなー。俺もあのガンヒョンの綺麗な髪に指を絡ませて、顔をうずめたいよ。いい香りがするんだろうな。なんだよ、一人でいい思いしやがって」ギョンがシンを小突くが、シンはチェギョンの髪に触れた手をジッと見ている。柔らかさや滑らかな感触や香りがま
教室に戻り5時間目の授業を受けるが、シンはスマホの中のチェギョンの連絡先をずっと見つめていた。全く頭に入ってこない授業が終わり、いつものようにギョン達がまわりを取り囲むように座る。普段なら、ほとんど会話に入ってこないシンが、待ち構えて話し出す。シン「なあ、いきなりメールをしても大丈夫だと思うか?」ギョン「それはチェギョンにか?」シン「ああ、多分チェギョンは友達にも俺とのことを伝えてないと思うんだ。でも隠し事は苦手なタイプだろうから、辛い思いをさせているんじゃないかと思ってさ。とにか
「ねえ」妻のチェギョンが、シンの耳元で小さく囁いた。珍しく何も予定のない休日。使用人たちも、「今日はのんびりするように」と臨時の休暇を与えた。ブランチをシェフに作り置きをしてもらい、自分たち夫婦の寝室へ運んだ。妙に静まり返った家で、シンは愛用のソファに腰を下ろし、前から読みたかった本を開いていた。すると、ほっそりとした腕が彼の背後から伸びてきて、背中に妻の重みを感じた。シンは口の端をあげて微笑んだ。そろそろ可愛い妻が甘えてくるだろと踏んでいたのだ。彼の思った通りの行動をするチェギョンが、
―――これで良かったの…?閉められた窓の外から聞こえる歓声のざわめきを感じながら、チェギョンはその小さな胸にもう何千回と問いかけた事柄を、再び取り出し、繰り返した。例え、答えが『NO』だとしても、引き戻すことなど不可能だと彼女には分かっていたけれども。「用意はできたかな?」男らしい声が聞こえ、チェギョンは振り返った。チェギョンが考えていたよりずっと近くに、シン王子が花婿らしい黒と白の完璧な装いで立っていた。「ええ、殿下」長く豊かな睫毛が、チェギョンの美しい薄茶色の瞳を覆い隠してしま
かならず最初にはじめましてをお読みください俺の祖父先帝・聖祖陛下を国葬で見送ったその年韓国の秋は足早に過ぎてゆく「シン遂に皇太子に即位するそうだねおめでとういつも自分を見失わないで君らしく素敵な皇太子に」イギリスの冬の景色が描かれた絵葉書は昨日ユルから届いた俺は絵のことは良くわからないがユルの描くイギリスの風景はどれも美しかった俺はそれを大事にアルフレッドを座らせているいつもの青い箱に仕舞った明日俺はこの国の皇太子になるベッドサイドの窓から見える東宮
微妙な雰囲気のままBBQの昼食が終わり、各自が自由に寛ぐ。シンとチェギョンは共に部屋に帰る。軽く昼寝をした後に、チェギョンはビデオカメラを抱え、ウキウキとリビングに顔を出す。そこにいた友達に大画面で映像を見せようとテレビにセットする。だが、シンにイタズラをした映像じゃなく、自分の寝顔が映りビックリしている。チェギョン「これ、誰が撮ったの?」ガンヒョン「どうなってんの?なんであんたが映ってんのよ?」シン「おい!やめろ!」部屋に入ってきたシンは映像をみて、慌てる。まあまあとギョンが
こちらを読む前に、番外編を読むと、分かりやすいです(*´艸`)→番外編はここから飛べます☆☆☆「チェギョンったら」母が上品な声で笑いだして、チェギョンは口をアヒルのように尖らせた。「ママは笑わないでっ」「シン卿はお仕事でしょう?そんなにむくれた顔をしたら、彼に呆れられてしまうわよ」母の言うことはもっともだと分かっている。そう、頭では理解できている。でも…。「心が言うこと聞かないんだもの」「チェギョン…」母が久しぶりに母親らしい表情を見せて自分を見つめている。若々し
++++「ダメだ」「どうして?」「ルイを裏切ることはできない」「あなたとルイは兄弟よ。構わないわ」「ヒョリン…君の狙いはそれだったのか…?」++++「シン、見て」色とりどりの花を腕一杯に抱えて、幸せそうな笑みを浮かべたチェギョンが部屋へ入ってきた。シンは頭を軽く振り物思いを追いやると、妻の姿を目をすがめて見つめた。「…さながら、春の花の精か、あるいは花のプリンセスというところか」小さく呟くと、妻の腕から零れ落ちそうになっている花に手を伸ばそうと、彼女に近づいた。「さっき、
「自分のベッドが良かったかな」ドレッサーの前で髪をとかしているチェギョンの肩に、シンの大きな手が乗った。「私のベッドでは、二人でゆっくり眠れません」子どもの時から使っていたチェギョンの私室のベッドは、夫婦二人で眠るには少し窮屈だ。そう、チェギョンとシンには。だから、二人は一番広いゲストルームのひとつを使っている。ベッドで夫がどんなに淫らな愛撫を与えてくれ、それに応じる自分はとても“行儀のよい妻”ではないことを思い出し、チェギョンは頬を染めた。そんな彼女の様子に彼が気づいた。目を細め
シンの後に続いてヒョリンは会場に入った。誰もが感嘆の声を上げて自分を見ている・・・。ヒョリンは誇らしげであった。顔ぶれの中にはいつものメンバーもいた。すぐそばにユルの顔を見つけたが、その横にいるチェギョンたちの姿を見ると途端にヒョリンの表情は曇った。「どうしてあの人たちが来ているの?」出迎えの人たちにあいさつが終わった後、ヒョリンはシンに尋ねた。「あの人たちって?」「シン・チェギョンさんたちよ。皇室関係者でもなく、友人関係でもないのに・・・」「おばあさまが招待したんだ。」「皇太后
リリアンはアルコールに弱いのだろうか。ほんのりと頬をピンク色に染めている様子からすると、多分そうだろうとレノーは判断した。おいおい自分がアルコールの美味しさを覚えせていこう。何事もリリアン・エセックスに“教える”と言うことは、素晴らしい。レノーは膝に広げたナプキンで口を拭った。「美味しかったわ」「それは良かった。リスター伯爵家のコックはさぞかし腕がいいだろう。舌の肥えたリリアンに、気に入ってもらえるか、内心ドキドキしていたんだ」レノーの言葉に、リリアンが可愛らしく吹き出した。「レノ
鏡の前に立つ。ベージュのワンピースに、ミルク色のカーディガン。ありきたりのコーディネイトにリリアンはため息をついた。「これってなんだか私らしくない」レノーにデートに誘われた。詳しく言えば、明らかに『デート』に誘われたわけではない。彼はさり気なくそちらの方向へ話を持って行き、リリアンが気づいた時には二人の間に“約束”がされていたのだから。レノーのそんなところが、大人だと彼女は感じていた。だから今日の服を選ぶとき、これほどまでに悩んでいるのだ。「どうあがいても、8歳の歳の差は埋められないわ
「レノーは、さぞかしお前を甘やかしているんだろうな」リリアンは祖父のリスター伯爵の顔を見た。祖父のために紅茶をティーポットから注いでいた最中だった彼女は、もう一度視線を落とし最後までカップに注ぎ切った。そっと祖父の前へティーカップを置く。「おじい様の言っている意味が分からないわ」自分のティーカップを鑑賞する仕草をして、彼女は祖父から視線を反らすことにした。なにしろ祖父はあの“ルーシャス・エセックス”だ。視線を合せたら、この心の中を全て覗かれてしまうだろう。ふふん、祖父が鼻で笑った。「
「リズっ、チェギョンはそっちにいるか?」リズ・ワトソン・ジェラードは、優雅なアフタヌーンティーの最中だった。それも友人のパトリック・ハミルトンのホテルで。今まさにイチゴのプチケーキを口に運ぼうとした瞬間、義弟のシン・ジェラードがひどく慌てて電話をかけてきたのだ。「私はパトリックのホテルにいるのよ。ティナとね。チェギョンはいないわ。またケンカでもしたの?」「いないならいいんだ」ブッという音が聞こえそうなほど唐突に、シンは電話を切った。「もうっ、何なのよっ」「シンから?チェギョンがどう
こちらの記事を読む前に、「歯が痛いときには3」をどうぞ。(←文字の色が変わっている箇所をクリックまたはタップすると記事跳べるようになっています。)☆☆☆「クリスティーナが間に合ってよかったぁ」チェギョンは痛む頬を押さえながら、シンに笑いかけた。麻酔をする直前にクリスティーナが診察室に現れ、半ばひったくるようにディヴィットの手から注射器を奪い取り治療を始めたのだ。シンとクリスティーナがなにやらやり取りをしていたけどチェギョンは聞いてなかった。それよりも治療に気持ちを向けてい
「あのぉ…もう、痛くないかもぉぉ…」チェギョンはシンにおずおずと言ってみることにした。たぶん、おそらく、夫は自分を歯科医へ連れて行くだろう。けれどもシンと一緒にいると、痛みも薄くなる気がしている。この調子なら、あえて歯科医へ受診しなくとも騙しだまし過ぎるような気がする。妻に優しい夫のことだ、もしかしたら、「じゃあ大丈夫だね」と答えてくれるかもしれないという、わずかな希望をチェギョンは胸に抱いた。☆☆☆この続きは、Amebaではブロックされてしまうので、FC2のブログへどうぞ。
最近のシン王太子は、機嫌がいいと誰もが気づいていた。機嫌が良いと言う控えめな表現よりはむしろ、舞い上がっているといった少々大袈裟な表現でも構わないぐらいだろう。実際、シンは浮かれていた。そう、どうしようもなく。自分でもやや調子に乗りすぎだと分かっているものの、ついつい鼻歌が出てしまうのは止められなかった。側近である侍従長ハモンドはそんな自分を嬉しそうに見ているのだから、敢えてしかめ面を作ることもないだろうと、シンは自分に都合のよいように結論付けた。その理由?決まっている。妻であるチェ
「チェギョン、何ですか、その態度は。お上品だとは言えないわよ」「いいのっ。ママは口出ししないでっ」チェギョン・バセットは母を睨みつけた。そんな彼女にシェフィールド夫人は呆れた顔で目を見開き、それからチェギョンがしがみついている男性と視線を合わせた。「困った子ね。ごめんなさい、シン卿」「僕は困っていませんから」シン・バセットは新妻のそんな態度をむしろ喜んでいるようだ。白と黒のモノトーンは、彼をいつも以上に上品な人物に仕立て上げていた。実際のシン・バセットは侯爵家の跡継ぎの彼自身を隠すかの
更新中のjewelシリーズですが、スピンオフ版です。と言うのは、「二人の時間」の隙間を埋める話なので、こちらのブログでも載せることにしました。主人公は、チェギョンが憧れていた「レノー(シンの従兄)」とその恋人、「伯爵令嬢リリアン」です。リリアンは銅版画家という設定にしております。恋人のレノーと一緒の暮らし、公私ともに、二人は恋人同士と世間で認められていますが、リリアンはどうしても、レノーとの結婚に踏み切れません。そんな状態の二人の話です。ちなみに、リリアンとレノーのエピソードもあり
「どのウエディングドレスも素敵で、困っちゃう」チェギョンは眉を下げた。チェギョンの婚約者、シンの母親であるリーズ侯爵夫人が「どれもチェギョンに似合ってたものね。全部着せてあげたいぐらいよ」優しい答えを返してくれた。チェギョンの母であるシェフィールド夫人が水を差さなかったら、彼女の気持ちは高止まりしていたのに。「でも、挙式まであと1年半もあるのよ。これから、また素敵なデザインのドレスが出てくるわ。そのたびに迷っていたら、いつまでも決まらないわよ」母の言葉にチェギョンは口を尖らせた。「分
「チェギョンのハンカチって、どうして注射器の刺繍がしてあるわけ?最近、そのハンカチ、よく持ってるわね」「これ?…内緒」チェギョンが笑うと、ジュディがきらりと目を光らせた。「ふぅーん。きっとシンと関係があるのね」ピアノ仲間のジュディの視線の先に、チェギョンの夫のハンカチがある。彼女はシンが使っていたハンカチを数枚自分用にしているのだ。「ま、いいわ。どうしてシンのハンカチを持っているのか知らないけど…でもその顔を見たら、なんとなく理由が分かるけど」ジュディが笑い出した。「それにしても…
「シン!見て!あそこにカモが泳いでるっ」「チェギョン、カモなら街中の池でも見かけるよ」「でも、すっごく元気そう」シン・バセットは婚約者をちらりと見た。ここは郊外ののどかな道で、多少助手席を見たところで、ハンドル操作を間違えることはないだろう。領地の仕事があり1週間ほど現地へ行く必要ができたため、チェギョンも連れてきた。彼女がとても喜んでくれて、シンは大満足だ。一人の小さな女性が、自分にこれほど大きな影響力を示すとは。シンは従兄のレノーのことを思い浮かべた。リリアン・エセックスと恋仲に
シンは目を見開いた。「チェギョン、本当か?歯が痛い?」妻の小さな顔を見ると、彼女がばつが悪そうに目を伏せた。「いつからだ?」シンは膝の上のチェギョンの顎を掴み、彼女を視線を合せた。「…い、1週間、ぐらい…前、かもぉぉ」おどおどと告白をする妻にシンは眉をあげた。その瞬間チェギョンが「ご、ごめんねぇぇ。そ、そんなことで、みんなに迷惑をかけて。シン君、お、怒ってるぅ?」大きな目から涙をこぼしだした。―――怒っているだと?必死なチェギョンがことのほか可愛らしいのに。シンはすっ
チェギョンはご機嫌だった。だから、黒い椅子に腰かけたまま、脚をブラブラとさせている。「嬉しそうだな」彼女の向かい側に座る夫のシンがそんなチェギョンを目をすがめて見つめた。「うんっ」チェギョンはスプーンでイチゴのアイスクリームを一口掬って口に入れた。「美味しい」「それは良かったな」シンがチェギョンの頭をそっと撫でた。「だって、やっと親知らずの痕が沁みなくなったんだもん。それに大好きなイチゴとミルクのアイスクリームだし」夫に『ひとりでは出入り禁止』と言われているコーヒーショップ。今
チェギョンは大きなマナーハウスの中を、一人で興味深そうにあちこち眺めながら歩いていた。シンは仕事をしていて留守をしている。彼女はギャラリーで足を止めた。「ここに、シンが並ぶのね」長く広い回廊に掲げられた代々のリーズ侯爵たちの肖像画。いずれシンも仲間入りする。反対側の壁面には、歴代の侯爵家の家族の面々が描かれている。「可愛い」現在の侯爵―――すなわちシンの父親―――とその家族の肖像画の中に、愛しい婚約者を見つけた。まだ少年の彼だけれども、今と変わらないハンサムな顔立ち。「シンがこっち
『あまり好きではない人間』と表現してみたけれど、それは適切な言葉ではないことにチェギョン・バセットは気づいた。「つまり…『大嫌いなタイプ』って言い切った方がピッタリってことかな」鏡の前で後姿をチェックしながらチェギョンは呟いた。赤と黒のブロックチェックのスカートの形を決める時、少しばかり彼女は考えた。今までそんなふうに決断できなかったことはない。直感で「このデザインがいい」と決めていたから。結局、夫のシンが背後から肩を抱いて来て耳元で「チェギョンはチェギョンらしくいてくれ」と囁いたこと