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コチラはサイドストーリー「“Love”makeadetour」ギョンが主人公の物語です本編の更新もたついていますが同時進行なので本編の現状を反映していますギョン目線リスト→“Love”makeadetour他チャン・ギョン目線初めての方は本編はじめましてから順に読み進めて読みくださいお探しのページがあれば目次をお使いください→全体の目次店のTVでは俺の親友イ・シン皇太子殿下が今継妃を選んでいるところだなんて報道してたんなわけないじゃんバカ言
コチラはサイドストーリー「“Love”makeadetour」ギョンが主人公の物語です本編の更新もたついていますが同時進行なので本編の現状を反映していますギョン目線リスト→“Love”makeadetour他チャン・ギョン目線初めての方は本編はじめましてから順に読み進めてくださいお探しのページがあれば目次をお使いください→全体の目次俺はこの国の皇太子であるイ・シンとずっと親友だと思ってきた王立大学に通う俺は別の大学に行ったインやファンよりも更に親しい
深い眠りから覚めたチェギョンは、目を開けた時に広がる風景に戸惑った。―――ここはどこ?見慣れない壁紙と見慣れない家具。それだけではない。目に映る風景だけではなく、嗅覚までも「何かが違う」と訴えてきた。自分の香りとは違う、青草のような爽やかな香りとわずかな男らしい汗の匂いを感じた。―――そう言えば昨日、私…。チェギョンの頭は一気に覚醒した。夫となったばかりのシンの大きなベッドに横たえられ、逞しい腕に抱きよせられた瞬間、一日の疲れが重くのしかかり、あっという間に夢の中へ入ってい
【ずっと君だけを】より待ち合わせのホテルの一室で、夫のシンの後姿を見たチェギョンは、小走りに彼に近寄りその背中に抱き付いた。「シン君」「早かったね」「だって、シンクンに早く会いたかった」夫が身をよじりながら、チェギョンを胸に抱いてくれた。「朝、玄関で別れただけだろう?」「うぅぅんっ、それでも会いたいの。意地悪言わないで」チェギョンが口を尖らすと、シンが優しくキスをしてくれた。「早く会いたくて急いで支度したのよ。バーバラ夫人が『まだ早すぎますよ』ってストップかけたから、3
シンが鏡の前で母校の友人たちとの会へ出かけるために、レジメンタルのネクタイ―――もちろん、出身大学の柄(レジメンタル柄は、本来私立大学のスクール柄でフォーマルな場所では着用しない)―――を締めていると、「―――何時に帰ってくる?」妻のチェギョンが背後から抱き付いてきた。細い腕が彼の臍の当たりで組まれた。シンは微笑んだ。鏡の中の自分は、見たこともないほど柔らかな顔だ。最近、オフィスでも穏やかな表情をしているらしく、同僚や部下たちから「角が取れて丸くなった」と年寄り扱いをされている。「先に寝
初めての方は本編はじめましてから順に読み進めて読みくださいお探しのページがあれば目次をお使いください→全体の目次前のお話→247.帰宮~シンくんの顔みたら安心しておなか減っちゃった解りにくいので補足的に前置きさせて貰うと…このお話は祝賀パーティーの翌朝退院しましたが更にその翌朝のシン目線です当事者の俺は…あんなの意識も無かったんだしチェギョンだと思えばこその行為で当然浮気なんかじゃないと思っているでも…他の女とのキスなんて世間的に言えば完全に浮気だろう?彼女にと
「ねえ」妻のチェギョンが、シンの耳元で小さく囁いた。珍しく何も予定のない休日。使用人たちも、「今日はのんびりするように」と臨時の休暇を与えた。ブランチをシェフに作り置きをしてもらい、自分たち夫婦の寝室へ運んだ。妙に静まり返った家で、シンは愛用のソファに腰を下ろし、前から読みたかった本を開いていた。すると、ほっそりとした腕が彼の背後から伸びてきて、背中に妻の重みを感じた。シンは口の端をあげて微笑んだ。そろそろ可愛い妻が甘えてくるだろと踏んでいたのだ。彼の思った通りの行動をするチェギョンが、
「シン君、起きてっ」ドシンと背中に重みを感じる。うつ伏せで寝ていたシン・バンブスは顔を横にしたまま、わずかに上げた。睫毛が触れる距離に妻のチェギョンのブルーの瞳が見えた。「早起きだな」「うん、そうよ」シンは素早く体を回転させて、チェギョンを組み敷いた。彼女を見下ろすと目をキラキラさせている。「僕としては…もう少しベッドで“楽しんでも”いい気分だけどね」「うぅぅん、ダメダメ!それは今夜に取っておいて」チェギョンが楽しそうに笑い、体をよじりながら答えた。「そうか…それは非常に残念だ
「シーンっ」若き王太子は自分の名を呼ぶ声がして、振り返った。白い宮殿の壁しか見ない。「シンったら、ここよ」顔を見なくとも彼にはわかった。王太子である自分を『シン』と呼ぶ女性は、この世でただ一人だけ―――彼の愛しい妻―――なのだから。王太子は手をかざして顔を上げた。彼の目に飛び込んできたのは、3階の窓から身を乗り出して自分へ手を振る妻のチェギョン妃だった。「チェギョン!危ないぞ」「大丈夫よ」―――何が大丈夫なもんか。こちらの気も知らないで。気が付くと彼は走り出していた。「シン?」
「ほら、入って」「う、うん…」シンに背中を押されて、チェギョンはスイートルームに足を踏み入れた。ライトグレーと白を基調にした室内は、階下の喧騒が嘘みたいに静まり返っていた。「今夜はここに泊まろう」「どうして?急に?」チェギョンはシンに手を引かれながら、リビングルームへ入った。「シ…」いきなり項と腰を掴まれて、彼からの熱いキスを浴びる。執拗に絡みつき、強く吸われて、チェギョンは息ができなかった。一瞬だけ唇が離れた瞬間、急いで息を吸ったのに、またすぐに彼の唇にとらわれていく。持ってい
にこやかに微笑むことなど、馴れているはずだった。常に人の目にさらされた人生を送ってきている。どこに人の目と耳があるか意識して暮らしている。それだと言うのに、今この瞬間、シンは最悪な気分だった。父である国王や大臣たちに、未来の王妃リストを突き付けられ、ことあるごとにそのリストの人物たちが彼の前に現れるからだ。目の前の褐色の美女は確かに魅力的な女性の一人だろう。シンが一時の遊びの相手にするには、適しているかもしれない。実際、妹のチェギョンがもっと幼かったときには、女性と一夜を共にすることもそこそ
++++「ダメだ」「どうして?」「ルイを裏切ることはできない」「あなたとルイは兄弟よ。構わないわ」「ヒョリン…君の狙いはそれだったのか…?」++++「シン、見て」色とりどりの花を腕一杯に抱えて、幸せそうな笑みを浮かべたチェギョンが部屋へ入ってきた。シンは頭を軽く振り物思いを追いやると、妻の姿を目をすがめて見つめた。「…さながら、春の花の精か、あるいは花のプリンセスというところか」小さく呟くと、妻の腕から零れ落ちそうになっている花に手を伸ばそうと、彼女に近づいた。「さっき、
「昨日は大変だったね」弟ユルの言葉に、シンは眉をあげた。仕事の打ち合わせでユルと同じ会議に出ていたのだ。皆が会議室を出て行くと、ユルがニタニタと笑いながら、近づいてきた。「何のことだ?」シンがとぼけると、弟が笑い出した。「兄さん、そんなふうにトボケてもダメだ」トンと会議室の長机に腰を下ろしたユルは、腕を組んでシンを見る。「チェギョン、なかなか、大人ぽくて良かったよ」シンは眉を思い切り吊り上げた。まさか弟まで妻のあの“忌々しいドレス―――ただし、シンだけが独り占めするならば、魅力的
「チェギョン!チェギョン・ボーナム!」「ゼイン?」名前を呼ばれてチェギョンが振り返ると、昔、近所に住んでいたゼインが立っていた。チェギョンが彼を“幼馴染のゼイン・レイノルズ”だと認識できたのは、茶目っ気のある黒い瞳と、肉厚の唇、黒いクルクルした髪が全く変わっていなかったからだ。それ以外のところは全く違うけれど。「すっかり紳士になってて、見間違えちゃった」近寄ってきたゼインが、大きめの口を開けて笑った。「チェギョンこそ大人びてて驚いたよ」「当り前よ。あれから何年たったと思っているの?」
「なにやってるんだろう」この国の王女、チェギョン・フランシスは自分で自分を叱った。手に持った端末をぽたりと力なくベッドに置いた。大好きな兄のシン・フランシス王子が、端末の液晶画面から消えた。彼女はそのまま横に倒れると、枕を強く抱いた。そして目を閉じ、ゆっくりと息を吸った。シンの香りがふんわりと鼻腔を満たす。ここは兄の部屋で、彼女は彼のベッドに寝転んでいる。妹である特権を無邪気な振りをして行使しているけれど、本当は胸が痛む。それは二人が“兄妹”である証でもあるから。―――こんなに
チェギョン14歳の時のことをシンは話し始めた。「あのとき、チェギョンは『発表会に出るのが嫌だな』ってしょっちゅう嘆いただろ?」「そう言えばそうね」妻が思い出したのだろう、微笑んだ。「あの発表会は、どうしても納得できるだけの演奏ができなかったの。練習が足りなかったから」「難しいって言ってたしね」「難易度が高い曲を選んだからかな」チェギョンは今でもバレエやらクラッシックのリサイタルやらが好きだ。そのために、シンはホールのオーナーであることを利用して、よくチケットを手に入れてやっている。
「バーニー!そんなに急がないで」チェギョンは嬉しそうに跳び跳ねながら先を急ぐ愛犬に向かって、声を張り上げた。バーニーが浮足立っている理由は、彼女と同じだ。本当に久しぶりに厩舎へ行くことができるから。バーニーは厩舎にいる馬たちとすっかり仲良くなり、もしかしたら自分も“犬ではなく馬だ”と思い込んでいるかもしれない。時々、シンが乗馬をする時にお供させてもらっていたけれども、チェギョンと一緒なのは数か月ぶり。以前のように軽やかな足取りでは進めないチェギョンだけれども、ぼこぼこした地面の感触を楽しみ
「チェギョン、行こう」「う、うん…。あの、ゼイン、またね」シンは妻の肩を抱き会員制のカフェテラスを出た。ゼインがチェギョンを見つめていることは知っている。そしてシンの背中には、鋭く憎しみさえ感じられる視線を向けていることも。妻の肩を強く握った。「シン君…?どうしてそんなに怖い顔をしているの?」チェギョンが心配そうに顔を覗きこんできた。普段のシンならゆったりとした笑みで妻を安心させるところだ。けれどもゼインの挑戦的な視線が忘れられない。チェギョンには自分という夫がいるのだ。何を今さら自分
「ポピー・ルイーズ…?」チェギョンの心臓は痛いぐらいに音を立て、同時に胸が誰かに力いっぱい鷲づかみされたように苦しい。喉の奥がしまって声も出せない気がする。「過去のことだよ」「シンは、彼女のことを本気じゃないと思うの」ユルとアリアナが交互にチェギョンへ声をかけてくるけれども、それはどこか遠くで聞こえる単なる音でしかない。「う、うん」動揺しているのを隠すことはできないけれども、シンへの愛でパンパンに膨らんでいたチェギョンの心がペチャンコになったことは内緒にしたい。ユルの言う通り、他の
「じゃあ、今日は会場で落ち合おう」「う、うん」シンがチェギョンを見つめると、妻は何故だか頬を赤くしている。「熱でもあるのか?顔が赤いよ」「ちょっとこの部屋が暑いからよ」チェギョンにうまくはぐらかされてしまった気がするが、シンの出勤時間が迫っている。「無理しないで。ダメだったら僕に連絡するんだ」「分かってる。もう行く時間でしょう?」そう言ったチェギョンが、彼の肩に手を置いて背伸びをしてきた。軽く唇を合わせるだけでは物足りない。つい1時間前まで、ベッドで睦あっていたというのに。シン