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(少年)その本は何度も読み込まれた跡があった。皺も無数にある。表紙はセピア色に褪せてところどころ傷んでいる。裏表紙に「零」と名前があった。『高瀬舟』森鴎外囚人を乗せた高瀬舟が桜舞い散る京都を離れていく。同心が静かに話を聞いている。とても凶悪な犯罪者に見えない大人しく真面目そうな若者がその中に居た。どうやら弟殺しの罪だという。病で苦しむ弟がもうこれ以上兄に迷惑をかけられないと、自ら刃を向けたけれどあと少しのところで刀を抜けず苦しんでいる。帰ってきた兄が見つけて
(葉っぱ☘️)その少年の哀しみはとても土足で踏み入れられない何人(なんぴと)であってもとてもその鎧を取り払うことなどできない少なくとも最初の印象はそうだった。この日の収穫は初めてその声を聴けたこと。葉っぱ☘️「やぁ。また来たよ」少年「・・・・・」格子の向こう。真っ白な壁。窓がなくてパイプ椅子にポツンと座っている。監視カメラ、一台、二台、三台・・・監視する人男も女も無表情なまま・・・葉っぱ☘️「あのね。君の素行がとても良いからうちの会社にお迎えできるん
こんにちはお話リストのご要望がありましたので”ぴよこの本棚”として、作成させて頂きました!(2025/03/01更新)これから、お話が増えていく度にこちらにも追加していきたいと思います♪「ぴよこてだれ?」な方はこちら↓『はじめまして&フォロー申請について』皆様、こんにちは先日、ブログの第1号の記事でもある「はじめまして」を読み返したらガッチガチに緊張しまくりの文だったので…ちょっとだけ書き直し…ameblo.jp
今日は「青の薔薇」は、2本目です。吸血鬼幻想・青の薔薇(7)🔗を先にUPしています(←色っぽいので注意)(8)遅刻の罰としての掃除や教師の手伝いを終えた桜井少年と相場少年の二人。「ああ、遅くなっちゃたね〜ショウちゃん」「本当、働かされたわ〜疲れたあ」言葉とは裏腹に、高校一年生は元気がたっぷりだ。二人で鞄を持ったまま、桜井の学生寮の部屋へ向かう。「ねえ、寮って住みやすい?」「まだ、入ったばっかりだからさ、分かんない」
(少年)中学生の妹がいる。自分の妹だと信じて生きてきた。いや。半分は、合ってる。母親が同じ人だから。自分の父親には会ったことがない。物心ついた時には母さんひとり、そして赤ん坊の妹がいた。高校生になって母親のところにあの男が通うようになった。毎日酒をあおり母親に暴力を振るいとうとう・・・とうとう・・・妹「お兄ちゃん!お兄ちゃん!助けて!!!」気が付いた時にはここ(塀の中)にいた。妹は・・・無事かな・・・って母親は・・・無事かな・・・ってそればっかり考えて
大宮妄想小説ですBL要素含みますパラレルですsideN「本当の口調は、こっちだ」グイッと力強く俺をソファから起き上がらせながら智は渋々というように言った。ちょっと強引な感じに少しドキッとした反面、いつもと違い過ぎていて余計に智が別人になってしまったみたいに感じてしまった。「何で?じゃあ今まで俺と生活してた智は嘘なの?俺は本当の智をどうして見せてもらえなかったの?」穏やかで、俺にとって優しい言葉で俺を甘やかしていた智は作られていたものなんてショックだった。俺が好きになった智
大宮妄想小説ですBL要素含みますパラレルですsideO久しぶりにカズに起こされて、何だか嬉しくて楽しい気持ちになった。笑美ちゃんのモーニングコールが不満なわけではないけど、カズに起こされないと何だかスッキリしないっつーか、朝が来たって感じがしねぇんだよな。そう感じるのも、ただ笑美ちゃんのモーニングコールに慣れてないだけかなって思ってたんだけど、慣れれば慣れる程、カズに起こされてた日々が恋しく思い始めて。恋人よりカズの方が良いなんて、おかしいよなって自分に戸惑っていた。久しぶりに
大宮妄想小説、BLです。ご理解のある方のみ、どうぞ。苦手な方、不快に感じる方はご遠慮下さい。先日お伝えしておりましたMIRRORMIRRORシリーズのおまけ的な続編(本編はこちらから♡↓)『MIRRORMIRROR1』大宮妄想小説、BLです。ご理解のある方のみ、どうぞ。苦手な方、不快に感じる方はご遠慮下さい。*こちらの世界の設定*☆男女性の他に「アルファ・ベ…ameblo.jp本日から始めたいと思いまーすヾ(
大宮妄想小説ですBL要素含みますパラレルですsideOその日も『にのちゃん』に誘われたけど、坂上の事もあるし、また断って様子をうかがうことにした。するとやっぱり同じ大学の男が『にのちゃん』を誘って遊びに行ったようだった。そしてまた翌日、その男に訊いたら『にのちゃん』なんて知らないという。それが何日も続いて。坂上だけだったら、坂上に原因があるかもしれないと考えられたけど、流石にこれは……。あいつ(にのちゃん)は何者なんだ?どうやってか分からないけど、記憶を奪ってるのか?いつ
『時の河を越えて』第八話大丈夫、海は輝いている令和を祝う宮中晩餐会。俺ら五人は音楽を捧げる行事に呼ばれてた。❤️「あの頃はTVなんかなかったから」💚「それでも朱雀大路いっぱいに人々が集まってくれたよね」💜「向こうの沿道にも人が集まってる」三人が・・・手を振るときゃー♡と大歓声が上がってる。💙「あいつらも覚えてんのかな・・・」え・・・?👂💙「平安の五人囃子なんて呼ばれて大人気だったもんな・・・」💛「・・・・・」あの頃・・・都は京都で・・・今は東京に皇居が移った
大宮妄想小説、BLです。ご理解のある方のみ、どうぞ。苦手な方、不快に感じる方はご遠慮下さい。智sideおいで、と。手招きされるまま。何も言わずに。俺の側へ。来てくれた和。ちょっと。なんか。元気、ないような。そんな気がして。なんか…気になる、けど。でも。何も言わず。俺の方に来てくれたから。だから…きっと。疲れてんだよ、な。まだ。大分、濡れたままの。
大宮妄想小説、BLです。ご理解のある方のみ、どうぞ。苦手な方、不快に感じる方はご遠慮下さい。和也sideずっと。ずっと。夢に見ていた。さと兄との。初めてのキスは。これ以上ないくらい。優しくて。胸が裂けそうなほど。苦しかった。目の前にいる。肌で感じる。智の温もり。ちょっと手を伸ばせば。触れられるキョリにいるのに。触れられない。触れられるはずがない。こん
*『シャーベット』続編《和也》午前3時前の道路はさすがに空いていて、俺を乗せたタクシーは飛ぶように智義兄のいる家に俺を運ぶ。飛び出して来たのは俺なのに、もう会いたくて、たまらなく恋しかった。そんな事を考えていたからだろうか?通り過ぎた橋の上に智義兄によく似た後ろ姿の人が見えた。「停めて下さい!!」思わず叫んでいた。まさか、こんなところまで?そんな訳ないよね?と思いながらも、俺の脚は橋に向かって駆けて行く。橋の上に差し掛かると、その人はまだ空を見上げていて、星空に消えてしまいそうに見え
大宮妄想小説、BLです。ご理解のある方のみ、どうぞ。苦手な方、不快に感じる方はご遠慮下さい。お久しぶりです♡予告していたお話ではありませんが衝動的に書きたくなった二人のお話を一話読み切りでUPさせて頂きます♡「INTHESUMMER」シリーズの二人のいちゃ甘なお話になってます///(本編はこちら。読んでなくても問題ないです↓)『INTHESUMMER1』1つ前に【必読】の記事をUPしてます。大
大宮妄想小説ですBL要素含みますパラレルですsideN実際にキスを経験したことのない俺は、大野の唇が離れた時に、もう魂抜かれたみたいになっちゃってた。ただボーっと離れていく大野の唇を見つめてた。赤くて艶々の唇。大野って、どのパーツも綺麗。「そんな顔で見んな、止めらんねぇじゃん」そう言って甘い瞳で俺を見つめて、長い指で俺の頬をなぞる。その表情が色っぽくてドキドキしてしまう。いつも塩対応されてたから、こんな表情見たことなかった。…………………………。そうだよ、いきなりどう
大宮妄想小説ですBL要素含みますパラレルですsideO足が無いといっても、自分の知ってる足がついていなかったというだけで、足の代わりに魚の尾がついていた。カズは人魚だったんだ。俺はびっくりするというより、それが羨ましくて多分すげーキラキラした瞳で言ったと思う。「人魚姫なの?良いなぁ、僕も魚の足が良い」そしたら一瞬動きを止めた俺を見て不安そうにしていたカズもホッとしたように微笑んだ。「姫じゃないけどね。僕のこと、怖くないの?僕は、人間みたいな足が良かったなぁ」「怖くない