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『動脈列島』は1974年に光文社から発売された清水一行の執筆による小説が原作。1975年に映画化され東宝邦画系劇場で公開されましたが、製作は東宝映画でも東宝映像でもなく、傍系の東京映画です。1975年9月6日の公開。前の前の東宝の上映番組が7月12日公開の『東京湾炎上』『がんばれ!若大将』であったので、当時の私は「東宝のパニック映画が連続して公開される」と勝手に盛り上がっていました。話は少し逸れますが…当時、地元の東宝邦画系劇場の支配人が私の父親の知人であり、その方からは8月2日公開の『花の
“兵隊やくざ”は、“座頭市”“悪名”とならぶ勝新太郎の第三の人気シリーズ。『兵隊やくざ』に始まり、続・新ときて、第4作目から完全にシリーズ化され、『脱獄』『大脱走』『俺にまかせろ』『殴り込み』『強奪』と8本作られました。他に1本、大映が倒産後、勝プロが製作して東宝で配給された『新兵隊やくざ・火戦』(1972年/監督:増村保造)があります。『兵隊やくざ』(1965年・大映/監督:増村保造)昭和18年、ソ満国境に近い孫呉の兵営に新兵の大宮喜三郎(勝新太郎)が入隊してきます。大宮はヤクザの用心棒を
11月8日は若尾文子の生誕91周年でした。(1933年11月8日生誕)それを記念して彼女の作品を紹介しています。『妻は告白する』(1961)監督増村保造撮影小林節雄脚本井手雅人共演川口浩、小沢栄太郎、馬渕晴子、根上淳【あらすじ】北穂高山麓で三人の登山者が遭難した。男と女が宙づりとなり、二人を支える男の手からは血が噴き出していた。女がナイフでザイルを切り、宙づりになっていた男は転落死、残る二人は助け出された。女は彩子、死亡したのは彼女の夫で大学助教授の滝川、救
本作を監督した増村保造に対し、私は「愛とエロス」を撮るフィルムメーカーという勝手なイメージを抱いていたのだが、その思い込みを見事に覆される重厚にして深遠な人間ドラマだった。でもよく考えてみれば、この映画の根底にあるのはひとりの女のエゴイスティックでひたむきなラヴなのだから、やはりこれは如何にも増村保造らしい一本と呼ぶのが相応しいのだろう時は明治。貧しい家庭を助けるため、お兼は仕方なく還暦を過ぎた呉服屋店主の妾となった。お蔭で一家は食べるものにも着るものにも困らず暮らせはしたが、彼女の心は常