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「でんきくらげ」(1970)渥美マリ主演の軟体動物シリーズ第三弾をAmazonプライムビデオで観ました。初見。監督は増村保造。予告編はありません。場末のバーで働く母親のトミ(根岸明美)と暮らす由美(渥美マリ)は、洋裁学校に通う19歳の乙女。ある日、同居しているトミの情夫(玉川良一)が母の留守中に由美のカラダにコーフンして手籠めにしてしまいます。それを知って激昂したトミは情夫を包丁で刺殺して刑務所行き。1人ぼっちで生活費もままならなくなった由美は、仕方なく母が勤めていたバーの
黒岩重吾原作『女の小箱』を「刺青」の増村保造監督、若尾文子主演で映画化した1964年製作の作品です。敷島化工の株式課長川代誠造は、株の買占めに悩まされ、その防衛に必死で家をあける事もしばしば。妻の那美子はそんな夫との生活に耐えきれず、友人に誘われ、バー「2・3」で遊ぶようになる。バーの経営者石塚健一郎は敷島の乗取りを企てる。石塚は郡美子が川代の妻と承知の上で誘惑しながら、美人秘書エミやバーのマダム洋子とも関係していた。一方誠造も石塚の情報を得るためエミと関係し、株の買占めに洋子は手をつくし
11月8日は若尾文子の生誕92周年でした。(1933年11月8日生誕)それを記念して彼女の作品を紹介しています。『妻は告白する』(1961)監督増村保造撮影小林節雄脚本井手雅人共演川口浩、小沢栄太郎、馬渕晴子、根上淳【あらすじ】北穂高山麓で三人の登山者が遭難した。男と女が宙づりとなり、二人を支える男の手からは血が噴き出していた。女がナイフでザイルを切り、宙づりになっていた男は転落死、残る二人は助け出された。女は彩子、死亡したのは彼女の夫で大学助教授の滝川、救
円山雅也の『遭難・ある夫婦の場合』を「好色一代男」の増村保造監督が若尾文子主演で映画化した1961年の作品です。北穂高滝谷の第一尾根岩壁にの三人のパーティの一人が足を滑らせて転落、ザイルで結ばれていた女も、引きずられて宙吊になった。最後部の男によって支えられたが、宙吊の男が、近くの岩に飛びつこうと体を揺らせ始めたので時女はナイフで自分の下のザイルを切り、男は落下する。死んだのは女の夫で大学の薬学の助教授滝川でもう一人は、愛人の幸田だった。妻滝川彩子は告発されて法廷に立つ。彩子が幸夫に五百万
谷崎潤一郎の同名の原作を「清作の妻」の増村保造監督が若尾文子主演で映画化した1966年の作品です。質屋の娘お艶は、手代の新助と駈け落ちした。この二人を引きとったのは、店に出入りする遊び人の権次夫婦。権次は悪党でお艶の親元へ現われ何かと小金を巻きあげ、あげくに、お艶を芸者として売りとばし、新助を殺そうと計画。しかし、お艶のなまめかしい姿を、権次の下に出入りする刺青師清吉は焼けつくような眼差しでみつめ、とある雨の晩。権次は殺し屋三太を新助の下に差しむけた。必死で抵抗した新助は、逆に三太を短刀で
来る11月8日は若尾文子の生誕92周年です。(1933年11月8日生誕)それを記念して彼女の作品を紹介します。『刺青』(1966)監督増村保造撮影宮川一夫共演長谷川明男,山本学,佐藤慶,須賀不二男【あらすじ】質屋の娘・お艶は、ある雪の夜、いとしい手代の新助とともに駆け落ちを果たす。二人きりで短い蜜月を過ごすが、かくまってくれた船宿の主人・権次は札付きの悪党で、新助を殺しお艶を売り払ってしまおうと考えていた……※原作:谷崎潤一郎『刺青』『お艶殺し』■
タイトル動脈列島概要1975年の日本映画上映時間は121分あらすじ新幹線ひかり号から爆発物と脅迫状が発見された。新幹線による騒音がなくならなければ、10日後に新幹線を転覆させるというのだ。翌日には同一犯と思われる人物による脱線事故が発生し、この脅迫が本当であると判断した警察は、犯罪科学研究所の滝川保を捜査本部長に任命し本格的な捜査を開始させる。スタッフ監督は増村保造音楽は林光撮影は原一民キャスト田宮二郎(滝川保)
源氏鶏太の原作小説を「くちづけ(1957)」のコンビ白坂依志夫が脚色、増村保造監督が映画化した1957年製作の若尾文子主演作品です。伊豆のある町の高校を卒業した小野有子は東京の父母の許に帰ることになっていたが小さい頃から育てられたお婆さんに、本当の母は他にいることを聞かされる。訪れた小野家では父親が出張中で女中扱いされ、味方は女中と出入りの魚屋だけ。そんな中、有子は卓球大会で長女照子のボーイフレンド広岡を破り、彼から好意を持たれたので照子の怒りを買い…自分が生まれるよりずっと前の時代の日
「若尾文子映画祭」公式サイト5年ぶりに開催されている「若尾文子映画祭」です。今回は彼女の出演作を2タイプに分け「Side.A」と「Side.B」の各18作、トータルで36作品の上映が東京・大阪では行われました。名古屋では伏見ミリオン座で現在開催中ですが、「Side.A」の上映作品は13本で「Side.B」の上映作品は16本です。わずかに“セレクト上映”となりました。大阪の万博に出掛けた折に、この映画祭にはすでに参加しております。それでも今回の名古屋での開催初日は2本の作品を連続鑑賞し
スカパー!衛星劇場で、大映「黒の試走車(テストカー)」(1962年・増村保造監督)を見ました。1960年代初頭。庶民がようやく車🚗を買えるようになってきた頃の、新車発売をめぐる自動車会社間の熾烈な競争の話です。モデルはトヨタ日産なんでしょうか?🙄※ネタバレしません。主演は勿論、「田宮二郎」😍なのですが、悪魔👿のような上司役の「高松英郎」の怪演👽️が凄すぎて、後半、主役の存在が霞んじゃうという不思議な映画。←同じ大映「残月講道館」も、ロン毛の高松英郎のせい?で主役の菅原謙次がかすんじゃってまし
スカパー!「KADOKAWAチャンネル」で大映「暖流」(1957年・増村保造監督)を見ました。原作は、1938年「朝日新聞」に掲載された、岸田國士の長編小説です。※ネタバレしません。経営が傾いた名門私立病院を舞台にした恋愛劇(?)です。原作の「暖流」は、人気があったのか3回も映画化されています。啓子役は、高峰三枝子⇒野添ひとみ⇒岩下志麻。日疋役は佐分利信⇒根上淳⇒平幹二朗。原作未読ですが、増村保造版は、登場人物の性格がかなり違うようです。増村保造にとっては「青空娘」に続く2作目の作品。
KADOKAWAチャンネルで大映「でんきくらげ(1970年・増村保造監督)を見ました。※ネタバレしません。大映「軟体」シリーズの1本目。「くらげ」の他に「いそぎんちゃく」もあり。「青空娘」から十年後の増村保造監督の作品です。経営が傾いてきちゃって「娘」⇒「軟体」にならざるを得なかったのか?🤔子供の頃、この映画のポスターを見たことがありますが、子供心にも「これは⋯大人が見に行く映画なんだろうな~」と思いました。😅で、実際はどうか?🙄主人公ユミはなんと「孝行娘」でした!!「青空娘」⇒「軟体孝
「KADOKAWAチャンネル」で、大映「青空娘」(1957年・増村保造監督)を見ました。※ネタバレしません。主演は若尾文子。相手役は川崎敬三と菅原謙二。モーニングショーVS新派。原作は源氏鶏太(未読)ですが、原型は「シンデレラ」です。優しい女中さん役がミヤコ蝶々で、彼女の元夫、南都雄二も文学的なセリフを連発する魚屋役で出てきます。(首に十字架のネックレス。😂)👇️ミヤコ蝶々、南都雄二👇️お父さん役が信欣三、義理の母は沢村貞子。👇️菅原謙二と大量の赤電話。🤣👇️壁ドンはまだ無い時代か
増村保造さん増村保造(ますむらやすぞう)1924年8月25日生まれ、1986年11月23日、満62歳没。山梨県甲府市出身の映画監督、演出家、脚本家。1947年、大映に助監督として入社。1957年、『くちづけ』で監督デビュー。監督第2作『青空娘』より若尾文子とタッグを組み、『妻は告白する』『清作の妻』『「女の小箱」より夫が見た』『赤い天使』『卍』『刺青』などの佳作にして重要な作品群を残す。また『兵隊やくざ』『陸軍中野学校』と、それぞれ勝新太郎、市川雷蔵の大ヒ
反戦映画といえるほどのメッセージはないが、戦争の悲惨さ、不条理さ、人間の業と倫理の崩壊を官能的に描いた作品。見ているこちらも倫理を理解するというより体感することになる衝撃作。過酷な戦場で、看護婦として負傷兵の世話をする西さくら(若尾文子)は、入院している兵士からレイプを受ける。それでもめげずに看護の現場で働く彼女は、軍医岡部中尉(芦田伸介)と出会い恋に落ち、最後は全滅する。一見、日活ロマンポルノのようなストーリーだが、麻酔も薬も足りない中、生かすか殺すかの判断を一瞬で下し、手足の切断手術
好きな男と駆け落ちしたら駆け落ち先で背中に入れ墨を彫られて女郎屋へ売られる女の話。文字にするとありえないバカバカしい設定だが映画としてはいい。若尾文子のチャキチャキぶりと、もちもちの肌が官能的でこのギャップが面白い。カメラワークも生々しくてエロの一歩手前で寸止めしてる感じ。映像に奥行きがある。本能のままに生きるお艶の救いの無さと、子煩悩で真面目だった新助の変わりようが哀れ。監督:増村保造出演:若尾文子、長谷川明男、山本学、佐藤慶原作:谷崎潤一郎脚本:新藤兼人撮影:宮川一夫
全然観たことがない映画なのですが、WOWOWで放映していたので鑑賞してみました。決め手はやっぱり田宮二郎さんが出演し、かつ新幹線破壊をもくろむ犯人との時間の戦いであったから他の役者さんもうまい人が勢ぞろい。山村総さんなどの重鎮もいれば、犯人役は本当にまだ青年の近藤正臣さん1975年の作品で、監督は社会派の増村保造さんです。動脈列島画像はお借りしました、作品の中で、当時の高度成長期の日本は欧米に追い付け!追い越せ!で、とにかくがむしゃらに働き、上を目指していたからこそ
増村保造と川島雄三『爛(ただれ)』と『女は二度生まれる』を中心に有楽町の若尾文子映画祭で『爛(ただれ)』を観た。一方、川島雄三の大映3本をDVDで観た。ホントはフィルムセンターの中川信夫に行くべきなんだろうが、チケットの販売システムが変わってからどーも行きづらい。それはともかく。私は『爛(ただれ)』を増村の最高作だと思っており、『女は二度生まれる』は映画ベストに必ず入れる巨大、絶品映画である。今回、何度目かを見直してみて、やはり川島雄三の方が凄い、少なくとも私は川島雄三の方
このところの当ブログで、『旅の重さ』(1972斎藤耕一監督)について書いています。6月9日に93歳で亡くなられた石森史郎さんの脚本ですが、原作があります。原作者の素九鬼子さんは2020年4月5日お亡くなりました。83歳で、老衰だそうです。新聞に載った訃報では、その4、5年前に新刊が出たそうですが、僕は知らなくて、もうずっと長いこと名前を聞くこともなかったので、お名前を聞いて1970年代が急に蘇ってきた思いにとらわれました。僕はもちろん『旅の重さ』の原作者として、素九鬼子さんの名前を知りまし
弁護人として、私はこの事件に深い戸惑いを覚える。依頼人である妻は、夫の唐突な死の状況について曖昧な供述を繰り返し、その裏には保険金詐欺の疑惑が絡む。夫が生命保険に加入した直後の事故死はあまりにも不自然であり、検察は殺人を主張している。妻は自殺を訴えるものの、状況証拠は彼女に不利なものばかりだ。私の役割は、彼女の真意を探り出し、たとえそれが苦痛な真実であっても、法廷でそれを明らかにすること。依頼人の利益を守りつつ、正義を追求するという弁護士の倫理が試される事件である。
有楽町の「若尾文子映画祭Side:B」で2本。増村保造『刺青』と吉村公三郎『夜の素顔』『刺青』宮川一夫の撮影と若尾文子の啖呵(「金が惜しけりゃ、女に惚れんな!」)はやはり何度観ても絶品。ただこの頃からか、大映の色調が生っぽくなったと感じるんだがどうか。それと、時代劇の重厚な設えを避けようとしたのか、どこどこ(意味なく)カット割るのはいかがなものかと観るたびに思う。増村ってカッティングがおざなりというか、ルーティンにこなしている風で、あんまりショット意識がなく、だからどーもあんまり
東大法学部(その時の友人が三島由紀夫)、大映の助監督時に哲学科に学士入学。イタリアに留学してフェリーニやヴィスコンティに学ぶ。溝口健二監督の助監督時代からの若尾文子さんとのコンビの作品を数多く手がける。若尾さんのところで書いた三島由紀夫がエレベーターで後ろにひっくり返ってゴンてなったやつですね。このまで読んでくるといろんなところでリンクしてきておもしろい。山本薩夫さんの稿のようにやはり大映の永田雅一社長に勝新と田村高廣で兵隊やくざの企画を聞かれ深い
WOWOWの視聴者リクエスト企画“あなたの映画館”で放送された「動脈列島」を鑑賞…新幹線騒音公害訴訟を背景に、新幹線転覆を目論む犯人と、それを阻止しようと奮闘する警察側の駆け引きをスリリングに描いた社会派サスペンス。犯人役に…足でピアノを弾いた人(「柔道一直線」ネタ)といっても、今の若い世代にはまったく伝わらんだろうなな近藤正臣、捜査の指揮を執る本部長役に「クイズタイムショック」の初代司会者としても有名、「白い巨塔」の財前教授(これらも伝わらんだろ!)こと田宮二郎、監督は名匠・増村保造(語れ
昭和の銀幕のスター市川雷蔵の映画デビュー70周年を記念した映画祭「市川雷蔵映画祭刹那のきらめき」。名古屋では伏見ミリオン座でセレクトされた16作品のみの上映でしたが、私はスクリーン未見の作品を優先して鑑賞しました。その作品は『眠狂四郎炎情剣』『破戒』『源氏物語浮舟』の3本でしたが、すでに記事はアップ済みです。さらに今回の映画祭では2本の作品を再見しましたが、いずれも4Kデジタル修復版での上映かつ監督・増村保造の作品です。1本目の映画『華岡青洲の妻』は、有吉佐和子の原作を新藤兼
「刺青(1966)」「刺青(1966)」プレビュー1966年1月15日公開。谷崎潤一郎の短編小説「刺青」&「お艶殺し」を映画化。キャッチフレーズ:「妖しい官能の異常な世界にひきいれる谷崎文学の完全映画化!」原作:谷崎潤一郎「刺青」、「お艶殺し」脚本:新藤兼人監督:増村保造出演者:若尾文子、長谷川明男、山本学、佐藤慶、須賀不二男、内田朝雄あらすじ:外に雪が舞うある夜。質屋の娘お艶(若尾文子)は、恋しい手代の新助(長谷川明男)と手に手をとって
「国宝」の中に演目で出てきた「曽根崎心中」を「赤い天使」の増村保造監督が1978年に映画化した作品です。元禄十六年、大阪。醤油問屋の手代の徳兵衛は叔父で主人の久右衛門から娘との結婚話と関東進出のための暖簾分けを持ちかけられるが断る。徳兵衛は遊女のお初と一緒になると心に決めていたから。久右衛門は怒り、徳兵衛の継母に渡した祝い金の銀二貫を返せと迫り、徳兵衛は里帰りし、継母から二貫を取り返すがその帰り道に友人でもあるあぶらやの九平次に売掛金していた金が入らず店があぶないので金を貸してくれと言われ、
ワタシ、映画は気の向くままに観ているだけで、分析しようとか、作品の背景を探ろうとかは考えた事がないので、昔の名作みたいな作品についてレビューする気はないのですが、この作品に思いもよらず心に入り込まれたので書いてみたくなりました。先日偶々NHKBSでこの映画の放映を知って、華岡青洲って確か世界初の全身麻酔による外科手術を成功させた江戸時代の医師で、麻酔の検体になった奥さんが失明したんだったよなぁ…一度どこかのTV番組で観て妙に記憶に残ってるけど、実は何も知らないので、取り敢えず観てみるか…とまぁ、
病気の父と一家の生計を助けるため、老人(殿山泰司)の妾になったお兼(若尾文子)。やがて老人は遺産を残して死に、残した遺産は家一軒を買ってさらに田んぼが買えるほどの大金。ところが、お兼の父もまた他界する。お兼は母の希望で共に暮らしていた村へと帰るが、村八分になる。そこに兵役から戻ってきた模範青年の清作(田村高廣)と出会い、二人は村中を敵に回して結婚し、幸せな時間を過ごしていた。しかし日露戦争が勃発し、清作に召集令状が届き、戦地へ向かうが、負傷して帰郷する。模範青年としては、傷が治るとま
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監督増村保造原作三島由紀夫音楽林光人間の心と肉体の不思議を教えてくれた映画であり小説、精神分析と言う学問の合理的な理論では割りけれない人間の精神の闇とでもゆうのか、精神の不条理を描いている。三島由紀夫と言えば、市ヶ谷事件の印象が強く、この映画と小説に出会うまで右翼活動家と言ったイメージを持っていたけれど、一気に三島由紀夫に対してのイメージが変わった。話は日比谷のあるビルの4階で診療所を開いている精神分析医・汐見和順のもとに、24、5歳の美しい女性患者・弓川麗子が訪れる所から始