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ふと野辺をみると…野の草が彼方此方にいつまでか野べに心のあくがれむ花し散らずば千代も経ぬべし…なぁんて、古今和歌集のこんな歌を思い出しつつ花を愛でるひとときしかし…この歌人はホントに花が好きなんだろうな…春の野辺に心奪われ、野花を愛でるひとときもし花が散らなければ千年も経ってしまいそうだ…そう歌ってるヒマか!?いやいや、風流人はそう感じるのでございましょうワタシなんぞも風流心は欠片ほどしか持ち合わせていな
高野切第一種臨書古今和歌集巻第一春歌上ふるとしにはるたちける日よめるありはらのもとかた1.としのうちにはるはきにけりひとゝせをこぞとやいはむことしとやいはむ原本はこちら↓臨書というのは簡単に言えば、古典のお手本をそっくりそのまま書き写すことです。書いたものを並べてみました。左は臨書を始めた時のもの。真ん中は最近。右は原本です。スマホに残っている高野切の臨書記録写真を、本の順番通りに載せていきます↓
題しらずよみ人しらず月夜よし夜よしと人につげやらば来てふに似たり待たずしもあらず〈古今和歌集巻第十四恋歌四692〉++++【古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳】++++「月も美しい…。夜もすばらしい…。」とあの方に告げやったならば、まさしく「おいでください」と言っているのと同じですよ。でも、じっさい待っていないわけではないのですが。+++++++++++++++++++++++++++++□□□□□□□【和歌コ
題しらずよみ人しらず梅の花咲きてののちの身なればやすきものとのみ人の言ふらむ〈古今和歌集巻第十九誹諧歌1066〉++++【古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳】++++私は、あの梅の実と同様、花が咲いて後になる身だからか、酢き物ならぬ好色者とばかり人が噂して言うのだろうか。+++++++++++++++++++++++++++++□□□□□□□【和歌コードで読み解いた新訳】□□□□□□□(※『和歌コー
粟玄(あわげん)さんの「和洋」を取り寄せてみました。G20大阪サミットのお菓子(おみやげ)にも選ばれた銘菓です。三宮のイタリア語教室で別のお教室の生徒さんからいただいて、とても美味しかったもので……大阪・住吉の本店とネット通販のみの販売で、デパートなどには入っていないのです。掛紙の和歌が全然読めなくて困りました。不安になったので粟玄さんのホームページを探していたら、FAQのページに答えが載っていて安心しました。でも、答えが分かった上で見てもやっぱり分からない。「みの」「松」「
…として紀貫之が挙げた六歌仙のうち唯一の女性歌人は誰か?紀貫之が『万葉集』より後の時代から選んだ歌人の「ベスト6」とも云える「六歌仙」のうち、女性は「小野小町」他は、・在原業平・僧正遍照・喜撰法師・文屋康秀・大友黒主である。『古今集』「仮名序」では、小野小町を「あはれなるやうにて、つよからず。いはば、よきをうなの、なやめるところあるににたり。つよからぬは、をうなのうたなればなるべし」と評している。『古今集』には春歌の部にある「
題しらず雲林院のみこ吹きまよふ野風をさむみ秋はぎのうつりもゆくか人の心の〈古今和歌集巻第十五恋歌五781〉++++【古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳】++++野を吹き乱れる風が寒いので、秋萩は次第に枯れていく、そしてあの方の心も段々とうつろってゆくことよ。+++++++++++++++++++++++++++++□□□□□□□【和歌コードで読み解いた新訳】□□□□□□□(※『和歌コード』とは、直訳
2024年5月1日(水)今日は雨で気温も下がった東京。帰宅途中の新宿駅でしっかりダウンコートを着てる人まで見かけてしまいました。寒暖差が激しいですね。ブログの更新は極端に減ってしまったんですけど、家で大人しくしていることはなく、ほぼ出掛けています。写真は撮っているのでまた機会があれば美味しいもの、綺麗な風景などご紹介しますね。さて、5月になったので部屋の伝筆を描き変えました。4月はこちらでした。「桜」の一文字。で、今月は何にしようかと。いつもだと前もって描いておくんですけど、今
返しよみ人しらず知る知らぬなにかあやなくわきて言はむ思ひのみこそしるべなりけれ〈古今和歌集巻第十一恋歌一477〉++++【古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳】++++見知ったとか見知らないとか、何をもって理由もなく区別しておっしゃる必要がありましょうか。灯のように燃えるあなたの情熱だけが最良の導きとなるのですよ。+++++++++++++++++++++++++++++□□□□□□□【和歌コードで読み解いた新訳】□□
桂に侍りける時に、七条の中宮のとはせ給へりける御返事に奉りける伊勢久方の中におひたる里なれば光をのみぞたのむべらなる〈古今和歌集巻第十八雑歌下968〉++++【古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳】++++月の中に生育しております桂という名を持つ桂の里に住んでおりますので、月の光、すなわちお后様のご慈愛のみを頼りにしているのですよ。+++++++++++++++++++++++++++++□□□□□□□
古歌にくはへて奉りける長歌壬生忠岑くれ竹の世世のふるごとなかりせばいかほの沼のいかにして思ふ心をのばへましあはれ昔へありきてふ人麿こそはうれしけれ身はしもながら言の葉を天つ空まできこえあげ末の世までのあととなし今もおほせのくだれるはちりにつげとやちりの身につもれることを問はるらむこれを思へばけだものの雲にほえけむ心地してちぢの情もおもほえずひとつ心ぞ誇らしきかくはあれども照る光近きまもりの身なりしを誰かは秋の来る方にあざむきいでて御垣よりとのへもる身の御垣守をさをさ
折りつればたぶさにけがる立てながら三世(みよ)の仏に花たてまつる僧正遍照(後撰集)【通釈】我が手で折り取ってしまえば花が穢(けが)れる。地面に生えて咲いている、そのままの姿で、三世(過去・現在・未来)の諸仏にお供え申し上げます。仏教の教えそのものの良い歌です。歌意のみならずこの和歌の調べ格調は素晴らしく、道元や良寛がこの歌を下敷きにして詠んでいます。しかし、2句目「たぶさにけがる」が気になります。穢れたわが手、わが身が
知人の七海晧奘(こうそう)氏が『安積采女と万葉集』を歴史春秋社から出版した。わかりやすく解説してあり、文字も大きくて見やすい。氏のご見解にすべて賛同するわけにはいかないが、入門書としては最適だと思う。安積山の歌の木簡を発見した栄原永遠男先生(博士)の寄稿が載る。これはすごいことだ。この本の表紙に、ヒメシャガの写真が掲げられた。それで考えるところがあった。安積沼の花かつみは、郡山ではヒメシャガだと思われている。二本松藩の地誌『相生集』(大鐘義鳴著)にもとづく。
人知れず思へば苦し紅の末摘花の色に出でなむ古今和歌集巻十一恋歌一496~題知らず~詠み人知らず読み・・・ひとしれずおもへ(ば)ばくるしくれないのすえつむはなのいろにいでなむ簡単現代語訳・・・人知れずあの人を思っていると、、、苦しい。紅(くれない)色の
福島県『道の駅かわまた』の敷地内には、『かわまた織物館』があります。ここには、古代の摺込染め「しのぶもちずり(みだれ染め)」が展示されています。(現代に作ったもの)「しのぶもちずり」は、大きい石に模様を彫り、染料を塗り、布を押し当て、模様を付ける方法です。幾何学模様でもあり……人体の細胞みたいな柄です。とても不思議な柄ですが、平安時代には宮中への献上品としても使われ、古今和歌集にも登場します。展示されてる「しのぶもちずり」は、小さいスカーフサイズ。でも、これを着物一着分、綺麗に染める
小野小町(生没年不詳)は平安時代の女性で、六歌仙、三十六歌仙、女房三十六歌仙のひとりで、絶世の美女だったと言われている女性です。そのせいか、現在でもきれいな女性のことを「○○小町」と呼ぶのは小野小町に由来しいると言われています。小野小町は、出生地も多く伝えられていて真の出生地は不明で、誰の娘なのかはっきりとはわかっていません。また、小野小町は「穴なし小町」という異名もあり、これは彼女が男性になびかなかったことから、「穴(膣)なし」という意味が含まれていますが、本当に膣がなかったかどうかはわ