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◆スヴェルトにリフトマンスール、みなさん覚えてますか?こんにちは、山村です!きれいになりたいと願う女性にとって、ダイエットは永遠のテーマ。特に平成前期の90年代は、スーパーモデルがブームになった時期で、日本でも、宮沢りえさんのヌード写真集『サンタフェ』が爆発的に売れるなど、「魅せるからだ」が注目された時期でもありました。「魅せるからだ」をつくるのに必要なのは、エクササイズとダイエットエクササイズは、80年代には、エアロビクスが大流行していましたね。90年代前半に流行し
◆日本髪を結い続けると髷の根元の部分が禿げてしまうのでした!こんにちは、山村です!今回は、夏目漱石の小説『吾輩は猫である』から、明治時代の女性の髪の悩みをとりあげてみました夏目漱石といえば、学校でも習う明治時代の有名な文豪。中でも有名な『吾輩は猫である』は、明治38年(1905)から約1年半に渡って雑誌『ホトトギス』に掲載された小説です。小説にある女性の描写から、明治末期の女性風俗の一端がわかります。『吾輩は猫である』の主人公は、中学の英語教師
◆資生堂でも最高峰のラインだけあって、使い心地は満足のいくものでした!こんにちは、山村です!2024年、最初のブログは、コスメレビューの話からスタートします。私は化粧文化全般の研究をしていますが、もともと化粧品会社の出身でもあり、コスメは見るのも試すのも大好きです今どき、美肌を保つには美容医療に頼るのが一番てっとり早いのは百も承知ですが、「化粧品でどれだけ肌をキープできるか」を試すために、気になるコスメは使ってきました。特にクリームでは3万円以上のものは、かなりの数を
◆みんな一緒は終わり。‘80年代は個性化・多様化がキーワード!こんにちは、山村です!今回は、昭和末期、1980年代のパレット化粧品ブームについて。日本において、アイメイクが世の女性たちの間に浸透したのは、拙著『化粧の日本史』でも書いていますが、1970年代。昭和40年代になってからのことでした。これにより、現在のメイクアップの基礎が完成1980年代は、モノであふれかえる豊かな社会を背景に、「多様化・個性化」がキーワードに化粧においては、メイク品の色
◆若さの賞味期限は20歳?「20歳で色香が失せる」と書いた新聞も!こんにちは、山村です!昔の化粧について調べようと、100年以上前の新聞や雑誌を読んでいると、つい別の記事に興味を引かれることがよくあります。私の場合は、美人についての記事や、結婚や仕事など、女性のライフスタイルに関わるものが多いのですが……今回とりあげる「老嬢(ろうじょう)」もそのひとつ。今ではまず使わない言葉ですが、デジタル大辞林でひくと、意味は皆さんお察しの通り、「独身のまま婚期を過ぎた
◆チューリップをモチーフにした昔のパッケージ、かわいかったですね!こんにちは、山村です!1月10日、花王のオーブが、30年の歴史に幕を閉じるというニュースを、ネットで見て驚きましたブランドのホームページによると「3月から順次生産を終了、8月末をめどに販売を終了する」とのこと。オーブが発売されたのは1994年。1982年にスキンケアシリーズ、「花王ソフィーナ」が発売されてから13年目、ソフィーナのメイクブランドとして、華々しくデビューしています。9
◆圧倒的に多い趣味は「音楽」でした!こんにちは、山村です。このところ、昭和初期の女性について調べています。大正末期から昭和初期は、モダンガールとよばれる女性たちが、最先端の洋装や化粧をしていた時期。モダンガールが話題になった頃に、洋服を仕立てて、洋風メイクができた女性の多くは、経済的に裕福な家庭のお嬢さまが多かったと思われます。そうしたお嬢さまの暮らしぶりは、『婦人画報』などの、女性誌から知ることができます。今回は、昭和5年の『婦人画報』4月号にある
◆"厚化粧の標本"と言われていたタイピスト、でも実際は?こんにちは、山村です!今回は、昭和初期の働く女性の中から、タイピストをとりあげました。タイピストは、手書きの書類や口述をタイプライターで清書する専門職地道な仕事と思われがちですが、化粧やファッションが派手だったと書かれた本もあります。ここでは、なぜそんな話になったのかを考えてみました。タイピストの仕事はもともと、英語やドイツ語など外国語を清書するのがはじまりでした。外国語に堪能でないとできないため、その
◆中世までは、鏡を磨くのにザクロの実を使っていました!こんにちは、山村です。今回、「季節の花と化粧」でとりあげるのは、柘榴(ザクロ)です。といっても、5月頃に咲くザクロの花ではなく、秋に熟するザクロの実写真はザクロの花。今年は、5月の後半に咲いていました。下はザクロの実10月なかばに撮った写真です。右側の割れたザクロからは、小さな赤い実のかたまりが見えています。実は、ザクロの実は、中世頃までは鏡を磨くのに用いられていました。鏡を磨くのにザク
◆それはバブル時代のリップを代表する色でした!こんにちは、山村です!今回は、平成初期の口紅の流行色について。平成初期といえば、バブル景気に世の中が浮かれていた頃。夜の繁華街が平日でもにぎわっていて、遅くなるとタクシー待ちの行列が流しているタクシーも多くが乗車で、呼びとめようにも空車が来ない。企業では、タクシーチケットがバンバン使えた…、そんな夢のような時代でしたね給料やボーナスが毎年増えるので、世の中全体が元気いっぱい昭和末期に、男女雇用機会均等法が
◆昭和初期の美容師は、4か月で一人前に!こんにちは、山村です!前回まで、昭和初期の令嬢についてとりあげましたが、今回からは、同じ昭和初期の働く女性の仕事について、ご紹介しましょう。昭和初期に、女性が働く動機はさまざま。嫁入り前の数年働いて、結婚の際に持参する着物を増やすのが目的のお嬢さまもいれば、生計の補助、生活そのものを支えるために働く女性もいました。そんななかでも美容師は、その前身の江戸時代の女髪結いの頃から、女性が自活できる仕事でした。下
◆つけまつ毛とノーズシャドウに注目!パーマヘアも今とは違います。こんにちは、山村です!今回は、昭和40年代のヘアメイクとファッションについて。昭和40年代のアイメイクについては、下記の2018年5月のブログでとりあげましたが、今回は、アイメイク以外にも注目してみました『昭和40年代のアイメイク①あこがれは、ぱっちり二重!』◆40年代半ばは、アイメイクの定着期!こんにちは、山村です!今回は、アイメイクがブームになった昭和40年代の話です。戦後になって、日本人
◆昭和40年代まで、髪を洗うのは週に1回程度だった!こんにちは、山村です!みなさんは、10月20日が頭髪の日なのを、ご存知でしたか「とう(10)はつ(20)」の語呂合わせですが、私はつい先日まで知りませんでしたなんでも、「公益社団法人日本毛髪科学協会」が、昭和52年(1977)に制定したそうで、この日の前後に、無料毛髪相談などの、啓発イベントがおこなわれているとか。今回のブログでは、「頭髪の日」を前に、戦後日本のヘアケア事情を振り返ってみます。テーマは、日
◆君島十和子さん、田中宥久子さん、佐伯チヅさんをピックアップ!こんにちは、山村です!今回は、平成に活躍した美容家について。平成は美容熱の高まりを背景に、美のカリスマが生まれた時代でした今回は、3名の美のカリスマをご紹介します。写真は、彼女たちのビューティブックやDVD。3人の著書のほんの一部ですまず最初は一番右の田中宥久子(たなかくゆこ)さん。カネボウ系列「SUQQU」(スック)のクリエイターに抜擢され、その後ブレイクした方です2003年9月のスキンケア
◆水着は着ていてもヘアスタイルは丸髷。和洋折衷がおもしろい!こんにちは、山村です!相変わらず暑い日が続いてますね。以前、脱毛の回で昭和初期の水着ファッションを紹介したのですが、今回は、当時の水着の風俗をもう少し見てみたいと思います。『脱毛の歴史を振り返る➁ここまで言う?昭和初期の脱毛剤の広告表現がおもしろい!』◆昭和7年の脱毛クリーム。海水浴に行く女性をイメージした広告です!こんにちは、山村です!今年も暑いですね~まだ7月なのに最高気温37度(東京)とか、勘弁し
◆昔からあった「長い髪の方が美しい」という美の規範は、今でも私たちの中にあるようです!こんにちは、山村です!昨年12月に、「大会史上初のショートカットのミスフランスに誹謗中傷が殺到!」という記事がネットニュースになりました。「フィガロジャポン」の日本版サイトでも紹介されています大会史上初のショートカットのミスフランスに誹謗中傷が殺到!辛辣なSNSの反応へのコメントが話題に。|Culture|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン)ミス・フランス2024
◆江戸の名物として紹介されたコスメは口紅の「玉屋」、化粧水の「江戸の水」でした!こんにちは、山村です!これまでにも何度か、江戸時代の化粧品広告について書いてきましたが、今回は、絵双六(すごろく)の化粧品広告をとりあげました。絵双六は、サイコロを振り、出た目の指示に従って駒を進めて上がりをめざすボードゲーム運試しの要素もあることから、昔から正月の遊びのひとつとして、楽しまれてきました。下の写真は国立国会図書館所蔵の「新板大江戸名物双六」嘉永5年(1
◆今年は化粧品も値上げの嵐!でも外資系はバブル景気の時の方が高かったのです!こんにちは、山村です!世界的なインフレ傾向や、一気に進んだ円安の影響を受けて、昨年から消費財や光熱費などの値上げラッシュが続いています為替レートは、ここ数年、米ドル/円が110~115円あたりで安定していたのが、3月頃から急速に円安が進み、2022年10月17日時点では148円に化粧品の原材料価格もこれまでになく高騰していて、シャネル、ディオール、MACなど、値上げをする海外ブ
◆日本で「マスカラ」という名の商品を最初に発売したのは、ハリウッド化粧品!こんにちは、山村です!メイクをするとき、アイメイクに時間をかける人は多いと思います。時間がないときには、マスカラだけでもつけると、まつ毛が濃く長く見えて、目がぱっちりと立体的な印象にマスカラは、昭和50年代後半から平成初期にかけてのナチュラルメイクブームの頃には、あまり注目されていませんでした。ところが、コギャルが話題になった1990年代なかばから復活の兆しを見せ、2000年代に巻き起こっ
◆平成の「落ちない口紅」はカネボウから!こんにちは、山村です!平成が新しい元号に変わるまで、残すところ1ヶ月余り。改元を前に、これまでの歴史を振り返る企画が、テレビや雑誌で花盛りです化粧に関しても同様の企画が持ち込まれて、このところ私も忙しくしてましたというわけで、ひさびさのブログ更新です今回は「平成の化粧モノがたり」の第5弾、1990年代に大ヒットした「落ちない口紅」について朝つけた口紅がすぐにとれてしまう。食事のとき口紅がカップについてしまうなど
◆女性との兼用だけでなく、男性用スキンケアも既にありました!こんにちは、山村です!国産の洋風化粧品が増えていく明治末期から、女性用として売り出されたスキンケア商品を、男女兼用として、男性にも勧める広告が、ちらほら見られるようになりました前回は、平尾賛平商店のレート化粧水をとりあげましたが、桃谷順天館の「にきび取り美顔水」も、明治末期に、「未来の紳士に告ぐ」という広告を、新聞に出稿しています。未来の紳士とは、男子学生のことそこには、「にきび取り美顔水を常用して
◆江戸時代のシャンプー、ふのりを使った洗髪料のつくり方には謎が多い!こんにちは、山村です!今回は、江戸時代の洗髪料を、ふのり(布海苔)を使ってつくってみました。江戸時代の美容書『都風俗化粧伝(みやこふうぞくけわいでん)』には、洗髪料として、「ふのり」と「うどん粉」を用いたと書かれています。その洗髪プロセスとは、熱い湯につけて溶かしたふのりに、うどん粉を加え、この混合物を熱いうちに髪にもみこみ、熱い湯ですすぎ、さらに水ですすぐというもの。ふのりは、現代
◆5月5日放送分では、まひろ(紫式部)が紅を唇につける場面が出てきています!こんにちは、山村です!今日は平安時代の化粧について。私はテレビをそれほど見ないのですが、今シーズンは下記のNHKの大河ドラマ「光る君へ」を見ています。大河ドラマ「光る君へ」【NHK公式】大河ドラマ「光る君へ」(2024年)。主人公は紫式部(吉高由里子)。平安時代に、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書き上げた女性。彼女は藤原道長(柄本佑)への思い、そして秘めた情熱とたぐいまれな想像力
◆水道や温かいお湯の出るシャワーもない時代、洗髪は大変だったのです!こんにちは、山村です!今日のテーマは、江戸時代の洗髪事情結髪文化が花開き、数百種類もの髪型があったといわれる江戸時代。女性は、いわゆる日本髪を日常的に結い上げていました未婚女性の島田髷、既婚女性の丸髷、公家など身分の高い女性が結ったおすべらかしなど、江戸時代は髪型も化粧と同様、身分や未既婚の区別をあらわしていたのです「黒髪は女の命」だった江戸時代ですが、そのケアとなると、ほとんど知
◆平安時代から、ヘアケアには気を配っています!こんにちは、山村です。前回に続いて、平安時代のヘアケアについて。平安時代の女性が、長い髪を洗うのは、1日がかりだったわけですが、今回は、シャンプーに何を使っていたのかという疑問から。『宇津保物語』では、髪を洗うことを「御髪(みぐし)すます」「御泔(ゆする)参る」などと表現しています。『源氏物語』においても、「女君は御泔のほどなりけり」という表現が出てきます。泔(ゆする)とは、米のとぎ汁や、強飯〈こわいい=
◆資生堂の美白コスメや舶来品のポンピアンクリームがトリックに使われています!こんにちは、山村です!今回は、江戸川乱歩の小説がテーマ。江戸川乱歩といっても、『文豪ストレイドッグス』のキャラではなく、本家本元の方ですからね探偵小説(推理小説)にはトリックがありますが、1926年(大正15)12月~27年2月にかけて、「大阪朝日新聞」に連載された江戸川乱歩作の『一寸法師』は、化粧品のボトルについた指紋が捜査をかく乱させるトリックになっている小説です。『一寸法師』は日本
◆あくまで主家が主役なので、奥さまやお嬢さまより美人はNG!こんにちは、山村です!今回は女性の仕事について。明治時代の「小間使い」をとりあげました国をあげて近代化政策がとられた明治時代。男性が断髪にしたり、女性がお歯黒と眉そりを段々しなくなるなど、庶民の暮らしも、少しずつ西洋化していきます。とはいえ、江戸時代の価値観は引き続き残っており、結婚に関する意識は旧来のままでした。女性の場合、適齢期とされていた17から19歳ぐらいの間に、親の決めた相手と結婚
◆資生堂の早期退職者募集のニュースに驚きました!こんにちは、山村です!2月は大手化粧品会社の2023年の決算が発表される時期。今年も国内大手4社、資生堂、花王、コーセー、ポーラの決算が2月前半に出そろいました。資生堂は総売上高が、対前年比8.8%減の9730億円。決算資料によると、国内の業績はインバウンド需要も戻ってきて回復しつつあるものの、中国の景況感の悪化、ALPS処理水の海洋放出による不買運動の影響などで中国事業の売上が減少。加えてトラベ
◆ショーウィンドウが舞台!お客さまの注目を浴びるのが仕事でした!こんにちは、山村です!昭和初期の働く女性シリーズも6回目。今回は、マネキン・ガールをご紹介しましょう「マネキン・ガール」とは、デパートのショーウィンドウや陳列スペースに立って人々の注目を集め、流行のファションや新製品などをPRする女性。昭和3年、昭和天皇の即位の大礼を記念して上野公園で開催された「大礼記念国産新興東京博覧会」で、高島屋呉服店(今の高島屋百貨店)が、マネキン・ガールを起用して東京でも
◆昭和50年代には男性用パック、ファンデ、リップなどが発売されています!こんにちは、山村です!男性の化粧シリーズも10回目。今回は、昭和50年代から昭和末期までの男性コスメについてです前回ご紹介した昭和40年代の資生堂「MG5」や、マンダムの「マンダム」の大ヒットにより、団塊の世代以降は、メンズコスメ(スキンケア)への抵抗感は薄れたと思います。その後も、多くの化粧品会社から、スキンケア商品が発売されましたそして迎えた昭和50年代、CMなど広告展開を含めて話題になっ