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◆きせると櫛の文様をデザインした『今様櫛きん雛形』は今見てもオシャレです!こんにちは、山村です!今年の最後のブログは、葛飾北斎について。今年の3月に、アメリカで行われたオークションで、北斎の「富嶽三十六景」の全46作品が、およそ5億4千万円で落札されたというニュースがありました。北斎は日本だけでなく、海外でも大人気の浮世絵師。北斎独自の大胆で斬新な構図は、今見ても、モダンな感じがします。下の版画は北斎が挿絵を描いた版本『東都名所一覧坤』から「浅草年の市」
◆お手本は欧米。フランスのパリが日本人にとってコスメの最先端でした!こんにちは、山村です!今回は久しぶりに明治時代のコスメと化粧品店について。明治時代は、政府の近代化政策によって、欧米からもたらされた科学技術が、化粧品にも応用された時期香水やクリームなど、江戸時代にはなかった商品が欧米から輸入され、明治なかばから末期にかけて、それらを模倣した国産化粧品が開発されました。今回は「東京自慢名物会」という、明治29~30年にかけて出版されたシリーズものの浮
◆今年も日本の化粧品会社が最優秀賞をゲット。中韓の追い上げがある中で頑張っています!こんにちは、山村です!ドラッグストアやバラエティショップで売られている化粧品で、毎年のように増えているのが、韓国と中国のコスメです。左の写真は韓流コスメの「ラネージュ」と中国で大人気の「パーフェクトダイアリー」。右は韓国の「FWEE(フィー)」と、先月ローンチしたばかりの日韓共同開発コスメ「ティルナス」。こうした新興コスメの多くは、SNSを活用して人気になったZ世代向けコ
◆飲んでキレイになるインナーケアサプリの進化系?食べるインナーケアが登場!こんにちは、山村です!今回は、美容と食について。平成になってダイエットサプリ、ビタミンサプリ、美白サプリなど、飲んでキレイになるインナーケア商品が一気に増えました。それだけでなく、平成のなかば頃からは、カフェやレストランを経営するなど、食の分野で新しい事業に参入する化粧品会社も現れました。私が印象に残っているのは、2008年に渋谷駅前にオープンしたロクシタンカフェ。1
◆海外は日本より自由だと言われていますが会社や職種によってかなり違います!こんにちは、山村です!このブログでも、最近、会社の化粧やヘアスタイルのみだしなみ規定が緩和されつつあるという話題をとりあげました。『小売業を中心に、髪色やネイルなど身だしなみのルールが変わりつつあります!』◆茶髪OK、ネイルやピアス、ヘアアクセサリーなどを認めるお店が増えています。こんにちは、山村です!ここ数年、スーパーマーケットなど小売業を中心に、「身だし…ameblo.jpしかし先日、アメ
◆場所は京橋のまま、明治時代には白粉から洋傘の販売へと変わっていきました!こんにちは、山村です!今年の夏は本当に暑かったですね。でも10月になって、今度は一気に秋に突入した気がします。長かった夏の間、手放せなかった日傘も、さすがに今月は片づけられそう。夏の必需品ともいえる日傘ですが、昭和末期には、流行遅れとなり、持つ人が減っていました。昭和末期の日傘は、年配女性のものというイメージ。しかし、平成になると、美白ブームの影響や、紫外線のもたらす害が社会
◆『紫式部日記』とは違うけれど、中宮彰子の妊娠がわかる場面で香りが登場しています!こんにちは、山村です!前回のブログで、『紫式部日記』に記されているように、中宮彰子が出産前に自ら練香(ねりこう)を調合して、女房たちに分け与えたり、出来上がった練香を試す場面は、次回以降の「光る君へ」に出てくるかと疑問で最後を締めましたが、今回はその答え合わせです。『平安貴族と香り文化。NHKの「光る君へ」にも装束に香りをつける場面が出てきます!』◆よい香りを身にまとうのはセンスのよ
◆よい香りを身にまとうのはセンスのよい人。香の調合は貴族にとって教養のひとつでした!2024年9月15日に放映されたNHKの大河ドラマ「光る君へ」は、入内させたものの、ずっとお飾りの中宮だった藤原道長の娘彰子の寝所に、ついに一条天皇がお渡りになる流れ。テレビでは、お付きの女房連中が、皆、嬉しそうに準備をしている様子が映し出されていました。新しい夜具を持ってくる女房、彰子の髪に櫛を入れる女房。よく見ると、伏せておかれた竹製の深い籠(かご)の上に、白い夜着をかけ
◆ブランド名はスピーディア。ブースターオイルやエイジングクリーム、パックがデビュー!こんにちは、山村です!8月29日の日経新聞web版に、「吉野家が化粧品事業に参入」という記事が載っていました。「あの牛丼の吉野家が化粧品??」と、ニュースを見てびっくりしかも牛ではなく、オーストリッチ(ダチョウ)のオイルということで、二度びっくり食品や酒造など食に関わるメーカーが製造するコスメは、味の素のジーノ、サントリーのエファージュ、ヤクルトのラクティフルなどたくさん
◆天然植物精油入りのスプレーミスト。一瞬で部屋が森に変わる優れものです!こんにちは、山村です!前々回、マッチ型のお香スティック「hibi」のレビューをしましたが、今回もルームフレグランスネタで、アスレティアの、スイッチングアロマルームミストについて。私はエッセンシャルオイル(精油)好きで、気分を変えたい時には、何種類もブレンドして部屋に香らせて、楽しんでいます。生活の木やニールズヤードレメディーズなど、精油ブランドのルームミストもいいですが、ここ数年は、アスレティ
◆想定読者は小学校4~6年生の女子。身だしなみとしてお化粧も紹介されています!こんにちは、山村です!今回のテーマは現代。今、評判の小学生高学年女子向け実用書、『自分をもっと好きになるかわいいのルール』では、化粧をどう取り上げているかをご紹介します。この『かわいいのルール』は、もともと2019年に発行されたのですが、好評で版を重ね、現在12万部を超える大ヒットに版元の池田書店の担当者によると、想定読者の小学生高学年女子だけでなく、20~30代の独身者に
◆10分だけのリラックスタイム。お香のティーツリーはすっきりとした香りでした!こんにちは、山村です!今回は、時々女性誌などでも紹介されていて、ずっと気になっていたお香スティック、「hibi」のレビューです。この商品、発売されたのは2015年。もう10年前なのですが、使ってみるのは今回が初めて。hibiは、マッチの形をしたお香スティック。「hibi10MINUTESAROMA」という商品名のとおり、10分ほどで燃え尽きる、天然ハーブ系オイル配合
◆自己主張としての化粧はダメ。化粧は他の人を満足させるものという価値観でした!こんにちは、山村です!今回は、明治時代の「化粧と身だしなみ」の関係について、女性向け礼法書と美容書を見ていきます。まず礼法書としてとりあげるのは『日本女礼式』(明治29年刊〈1896〉)。「女礼」とは、「女性のたしなむべき礼儀作法」のこと。江戸時代から続く、女性のあるべき姿や心得などを説いたマナー本です。最初に書かれているのは、父母や夫、舅姑に仕える心得、奉公人に対する
◆「女性は外見より内面を磨くべき」という儒教の価値観を反映し、薄化粧が基本でした!こんにちは、山村です!江戸時代後期には、女性の模範的な生き方について書かれた「女大学」「女今川」などの女訓書(じょくんしょ)が、寺子屋などで女子教育のテキストとして使われ、女子はこれらの本を通して、日常生活のマナーや結婚後のあるべき姿を学んでいました。日本の女訓書に大きな影響を与えたのが、中国後漢の時代に書かれた儒教の本『女誡(じょかい)』と言われています。『女誡』は、嫁ぐ
◆茶髪OK、ネイルやピアス、ヘアアクセサリーなどを認めるお店が増えています。こんにちは、山村です!ここ数年、スーパーマーケットなど小売業を中心に、「身だしなみの基準」を緩和する動きが広がっています2022年3月には、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」が、髪色の自由化を打ち出しました。同年9月には、東海地方を中心に、ピアゴやアピタを運営するユニーも、「髪色や、ネイルの色や模様を自由にする」とそれまでの身だしなみ基準を緩和しています。昨年は、関東中心に
◆近年、する人が増えてきた男性メイクに関するエッセイです!こんにちは、山村です!昨年3月、講談社の文芸誌「群像」4月号に寄稿したエッセイが、6月24日発売の、日本文藝家協会編『ベスト・エッセイ2024』(光村図書出版刊)に収録されました。エッセイのタイトルは「男性と化粧の50年」。内容については、去年のブログで、簡単に紹介しています。『講談社の文芸誌「群像」に男性の化粧についてのエッセイが掲載されました!』◆「男性と化粧の50年」というテーマで寄稿
◆酒類を製造するメーカーが化粧品ブランドを持つことはよくあります!こんにちは、山村です!6月14日に、大手食品メーカーのキリンが、化粧品や健康食品の通販で知られるファンケルを買収するとの発表がありました。ファンケルの2024年3月期の売上高は約1100億円で、化粧品業界の売上高では5位に位置しています。無添加化粧品という切り口で多くのファンを持っていて、ファンケルの名がよく知られていますが、アテニアもファンケルの商品です。この買収の話をニュースで見ても
◆日本髪を結い続けると髷の根元の部分が禿げてしまうのでした!こんにちは、山村です!今回は、夏目漱石の小説『吾輩は猫である』から、明治時代の女性の髪の悩みをとりあげてみました夏目漱石といえば、学校でも習う明治時代の有名な文豪。中でも有名な『吾輩は猫である』は、明治38年(1905)から約1年半に渡って雑誌『ホトトギス』に掲載された小説です。小説にある女性の描写から、明治末期の女性風俗の一端がわかります。『吾輩は猫である』の主人公は、中学の英語教師
◆資生堂の美白コスメや舶来品のポンピアンクリームがトリックに使われています!こんにちは、山村です!今回は、江戸川乱歩の小説がテーマ。江戸川乱歩といっても、『文豪ストレイドッグス』のキャラではなく、本家本元の方ですからね探偵小説(推理小説)にはトリックがありますが、1926年(大正15)12月~27年2月にかけて、「大阪朝日新聞」に連載された江戸川乱歩作の『一寸法師』は、化粧品のボトルについた指紋が捜査をかく乱させるトリックになっている小説です。『一寸法師』は日本
◆5月5日放送分では、まひろ(紫式部)が紅を唇につける場面が出てきています!こんにちは、山村です!今日は平安時代の化粧について。私はテレビをそれほど見ないのですが、今シーズンは下記のNHKの大河ドラマ「光る君へ」を見ています。大河ドラマ「光る君へ」【NHK公式】大河ドラマ「光る君へ」(2024年)。主人公は紫式部(吉高由里子)。平安時代に、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書き上げた女性。彼女は藤原道長(柄本佑)への思い、そして秘めた情熱とたぐいまれな想像力
◆昔からあった「長い髪の方が美しい」という美の規範は、今でも私たちの中にあるようです!こんにちは、山村です!昨年12月に、「大会史上初のショートカットのミスフランスに誹謗中傷が殺到!」という記事がネットニュースになりました。「フィガロジャポン」の日本版サイトでも紹介されています大会史上初のショートカットのミスフランスに誹謗中傷が殺到!辛辣なSNSの反応へのコメントが話題に。|Culture|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン)ミス・フランス2024
◆ローンチから18年、中価格帯のコスメブランドがまたひとつなくなりますこんにちは、山村です!花王のオーブ終了に次いで、花王グループのカネボウ「COFFRETD'OR(コフレドール)」が、順次販売を終了すると、4月1日に発表がありました。ブランドの公式サイトでは、トップ画面に「ご愛用のお客様へお知らせコフレドールの商品は2024年6月から順次生産を終了し、在庫がなくなり次第、順次販売も終了いたします。」と書かれています。このところ、中価格帯コス
◆2022年にフランスを抜いてトップに立った韓国が、昨年も首位を守りました!こんにちは、山村です!ここ数年、ドラッグストアや生活雑貨専門店の化粧品売り場に、韓国コスメが一気に増えたと思いませんか実際にどうなのか、化粧品の輸入実績のデータを調べてみると、2022年の段階で、それまでトップだったフランスをかわして、韓国が1位に浮上していました財務省の貿易統計によると、韓国コスメの輸入が急増しはじめたのは2017年頃から。それでも2017年には韓国から
◆買ってよかった逸品。リピートしたくなるのが困りものです!こんにちは、山村です!昨年の12月に、クレ・ド・ポーボーテシナクティフのクリームを使い始めてから、約3か月が過ぎました。『クレ・ド・ポーボーテ、シナクティフのクリームを買ってみました!』◆資生堂でも最高峰のラインだけあって、使い心地は満足のいくものでした!こんにちは、山村です!2024年、最初のブログは、コスメレビューの話からスタートします…ameblo.jp3か月使ってみての感想は、「買ってよかった
◆資生堂の早期退職者募集のニュースに驚きました!こんにちは、山村です!2月は大手化粧品会社の2023年の決算が発表される時期。今年も国内大手4社、資生堂、花王、コーセー、ポーラの決算が2月前半に出そろいました。資生堂は総売上高が、対前年比8.8%減の9730億円。決算資料によると、国内の業績はインバウンド需要も戻ってきて回復しつつあるものの、中国の景況感の悪化、ALPS処理水の海洋放出による不買運動の影響などで中国事業の売上が減少。加えてトラベ
◆恋愛小説の大家、為永春水が売り出したコスメは歯磨き粉の「丁子車」でした!こんにちは、山村です!今回は江戸時代、女性に人気があった恋愛小説のベストセラー作家、為永春水が販売していたコスメについて。為永春水は小説家でしたが、同時に書店も経営して出版も手掛けていました。彼の書く小説は、代表作『春色梅児誉美(しゅんしょくうめごよみ)』をはじめ、若い女性をターゲットにした恋愛小説がメイン登場人物の衣装や髪型の描写は詳細で、当時の流行が取り入れられ、下のようなカラー挿絵が入っ
◆為永春水の名前を出したふたつのコスメ。取次や販売をしていたのは本屋さんでした!こんにちは、山村です!今回は江戸時代の恋愛小説の大家、為永春水が関わった化粧品のうち、2点をとりあげその販売方法などをご紹介します前回ご紹介した春水著の『春告鳥』では、美艶仙女香、丁子車、松本の舞台香、笹屋の紅、初みどりなど5つの化粧品が、登場人物の会話の中で紹介されています。『江戸時代の恋愛小説『春告鳥』に出てくる化粧品ブランドをチェック!』◆有名なブランド白粉「美艶仙女香」のほ
◆有名なブランド白粉「美艶仙女香」のほか、ヘアオイルや歯磨きの広告も!こんにちは、山村です!今回は、江戸時代の恋愛小説(人情本)に出てくるコスメについて。江戸時代後期、都市に暮らす女性にとって、歌舞伎や人形浄瑠璃などの芝居見物は最高の娯楽でしたが、貸本も楽しみのひとつでした。貸本とは本のレンタル。江戸時代の本は高価だったので、庶民は貸本屋をよく利用していました。行商の貸本屋が家まで本を持ってきてくれるのです。貸本の中で、若い女性に人気があったのが、
◆チューリップをモチーフにした昔のパッケージ、かわいかったですね!こんにちは、山村です!1月10日、花王のオーブが、30年の歴史に幕を閉じるというニュースを、ネットで見て驚きましたブランドのホームページによると「3月から順次生産を終了、8月末をめどに販売を終了する」とのこと。オーブが発売されたのは1994年。1982年にスキンケアシリーズ、「花王ソフィーナ」が発売されてから13年目、ソフィーナのメイクブランドとして、華々しくデビューしています。9
◆資生堂でも最高峰のラインだけあって、使い心地は満足のいくものでした!こんにちは、山村です!2024年、最初のブログは、コスメレビューの話からスタートします。私は化粧文化全般の研究をしていますが、もともと化粧品会社の出身でもあり、コスメは見るのも試すのも大好きです今どき、美肌を保つには美容医療に頼るのが一番てっとり早いのは百も承知ですが、「化粧品でどれだけ肌をキープできるか」を試すために、気になるコスメは使ってきました。特にクリームでは3万円以上のものは、かなりの数を