ブログ記事3,560件
三次創作小話「忘羨その後」(121-12)(静室にて)黄ヨウが三度目の往診で訪れた。「目覚めないと、放浪の旅に出て、帰ってこないぞ」と脅している声が聞こえた。「師弟、入りますよ」ウェイインは、ランジャンの手足が固まらないように、動かしている最中だった。「母さまが手伝いに来たがっているんですが、断った方がいいですよね」くすっと笑う。ウェイインの返事がない。「どうしました?」「このまま意識が戻らなければ、枯れるように死ぬんだよな」「はい、、、でも絶対に希望を捨ててはいけません」
三次創作小話「忘羨その後」(111-4)(寒潭洞にて)「結界は、まだ、破られていない」ウェイインとランジャンは、中へゆっくりと入って行く。刺激しないように。「ウェイイン、陳情は?」「持っていないが、また眠らせてみせるさ」一見、何事も起こっていないように静かだが、水面が微かに振動している。すると、水面は揺れ始め、さざ波が起こり、ゆっくりと陰虎符が浮上し、水面上でぴたりと静止した。ランジャンは文机に琴をのせ、奏で始め、ウェイインは口笛を吹き、誰が主(あるじ)か、分からせようとする
高校生の頃、彼とはほとんど接点がないと思っていた。大学の時は、凱斗かいとは二年くらいアメリカに留学していて、あまり顔を合わせていない。帰国してからも、生協や学食でたまに見かける程度。同じ授業の時もあったが挨拶程度で、大して話はしなかった。…でもなぜ昔、凱斗に番号を教えていたのかは、彼に言われて思い出す…そう言えばアメリカに行く前、同じクラスだった彼とは少しだけ仲良くしていた時期があった。急にライブに誘われて、一緒に行った事を覚えてる。
三次創作小話「忘羨その後」(121-11)(静室にて)直後、顧シアンが戸を叩き、「入ってもよろしいですか?」ジンイーが戸を開け、「あまりにも辛そうで、声もかけられません」シアンは何も言わず、ウェイインの肩を抱きしめた。ウェイインはシアンの胸に顔を埋めて声を上げて泣き出した。ウェイインの掌をランジャンの左胸に当て、「ワンジー殿は戦っています。ワンジー殿が諦めるまで、私たちも諦めてはいけません」ウェイインはうなずいて、「でも、黄ヨウでも治せないんだ」シアンは「黄ヨウの言葉を伝え
『純文学恋愛奇譚』は純文学を個人単位でも盛り上げるべく、小説家志望の藍雨(ランウ)が立ち上げた創作フレームです。妖艶耽美な世界観極限まで研ぎ澄まされた美意識。時を忘れて心のゆくままに。ぜひ言葉の織りなす一つ一つの響きに酔いしれてみてください。執筆者・藍雨の自己紹介▶地方在住▶40代・女性▶純文学執筆歴1年▶好きな作家:皆川博子、三島由紀夫、久世光彦、恩田陸、中村文則、アゴタ・クリストフ、パトリシア・ハイスミス▶異性愛、同性愛がメイン。禁断の愛はまだ修行中。幻想的
三次創作小話「忘羨その後」(121-10)(静室にて)黄ヨウはウェイインに、「孤児院に少し心配な子がいます。昼食を兼ねて、様子を見てきます」と言い置いて、出て行った。(孤児院にて)「どうしても食べてくれません」スーチンが黄ヨウに懇願する。「何か滋養のある薬はないでしょうか?このままでは、スーレイやスーシャオのようになってしまいます※」話しかけても、反応が薄いハイユン。ハイファはそんなハイユンの衣を握りしめ、離れようとしない。「ユンユン、食べないと痩せ細って、まあまが心配
ここ一週間。俺の一日は、もはや戦場だった。記事の対応が終われば、今度は株主の対応だ。俺がすべきことは、終わりが見えないほど山のようにあった。少し落ち着きが見られた金曜の夜。時刻はもうすぐ夜10時。俺は何度目かの会議を終え、会議室の机に突っ伏すようにして深呼吸をした。そのとき、ドアがノックされる。「凱斗かいと、少しいいか」入ってきたのは佐田尚輝さたなおきだった。ネクタイを緩め、疲労の色を隠せない。「……お前、株主に会ってたんだな」俺はふと、その
三次創作小話「忘羨その後」(121-7)(静室にて)その日は一晩中、ウェイインと沢蕪君とで、霊力を注ぎ込み、ランジャンの回復を待った。早朝、スージュイと黄ヨウが静室を訪れた。沢蕪君は藍叔父からの伝文を受け取ると、寒室に戻って行った。「霊脈も力強いです。霊力はもう必要ないでしょう」ウェイインは、黄ヨウの言葉に安心して、仮眠をとろうとするが、気が立って眠れない。ランジャンの手を握りしめ、声をかける。「早く起きて、俺の相手をしてくれよ。今まで悪かった。お前を放って置いて。また、二