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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技2・問2(1)前問の問2(1)④において、5日21時に低気圧の中心は500hPa強風軸の北側にあると予想されているということは、今回の問題の「閉塞過程と考えられる」一つの目安となります。そこで、この時点における閉塞点の位置はどこか、図4(下)の850hPaの予想図を見てみることにします。5日21時の低気圧の中心位置を北緯34°東経144°の位置として、ここから温暖前線は等温線集中帯の南縁の3℃の等温線に沿っ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験1・問3今回は、図9において、15時〜18時頃にかけて見られる高度0.7kmと1kmの間の鉛直シアーと最も関連しているものを、問題文の下枠にあるア〜エの中から一つ選択せよ、という内容で考えてみます。まず、実際に図9を見ますと、この時間帯において、高度0.7kmの風向が概ね東風であり、高度1kmでは南東〜南南東となっており、顕著な鉛直シアーが見られます。ここで、一般知識の大気の力学の復習になりますが、鉛
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問3今回は、初期時刻(27日21時)において、図9、図10を用い、図1の日本海の低気圧付近の700hPa鉛直流について、前線付近及び、本州付近の地形の影響による各特徴をまとめて45字程度で述べよ、という設問です。以前、問2(2)②の設問において解析した、日本海の低気圧に伴う850hPaの寒冷前線と温暖前線を図9に重ね合わせてみました。重ね合わせてみますと、温暖前線付近では、風のデータと図10よ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問3㏗今回は、図8(上)に基づいて図1の初期時刻の日本付近にあるこの前線が、12時間後にどういう予想位置になるかを図7(上)の地上予想図の枠で囲った範囲内に解析せよ、という問題です。まずはじめに、12時間後の地上において予想される前線の位置を解析するには、図8(上)の850hPa面における前線の位置を解析してみる必要があります。その理由は後ほど述べることにします。今回の850hPa面における前
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問2まず初めは、新潟付近に見られる閉じた等温線の値を答えよ、ということで読み取ってみます。850hPa面の等温線は3℃ごとに引かれています。大東諸島付近に12℃、朝鮮半島の東岸付近に-6℃で極側ほど気温が低くなっていますのでこれらの数値を参考に、3℃ごとに気温を追っていけばOKです。四国から北陸で屈曲して東海地方に延びている等温線は9℃ですが、新潟付近では、6℃と9℃の等温線の間に独立して閉じた等温線
こんばんは。新年あけましておめでとうございます。2025年も当ブログ「てるてる風雲録」を宜しくお願いします。いよいよ第63回気象予報士試験も今月ということで、早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2まず、850hPa面での前線について、初期時刻の29日21時では問1(2)①、24時間後の30日21時では問1(5)の考察より、ともに6℃の等温線に対応してることがわかりましたので、12時間後の30日9時においても6℃の等温線に対応しているものと考えます
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技1・問2(4)(気象業務支援センター解答例)今回の問題文を一気に読んでしまいますと論点がわかりにくいですので、3つに分けて考えてみます。(a)8日21時に時点で、局地解析によると関東地方には①で描いたようなシアーラインが解析され、(b)総観スケールでは(2)で描いた850hPaの前線に対応する地上の温暖前線が本州を通過している。(c)②のシアーラインの特徴を踏まえて、このシアーラインと地上の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)温暖前線の模式図とある任意の地点Aにおけるエマグラム(状態曲線)を載せてみました。温暖前線では、寒気の上を暖気が滑昇している構造をしていますが、寒気の上にいきなり暖気があるわけではなく、接している部分には転移層(遷移層)という部分があります。この部分の温度分布はどうなっているかを右側の地点Aにおけるエマグラムで見ますと、下層では寒気、上層では暖気がありますので、高度が高くなるにつれて温度が高くなっ
こんばんは。今回は、図9の初期時刻の700hPa鉛直流分布について、前線付近の特徴と本州付近の地形の影響による特徴を述べよ、との問題です。このような問われ方をする設問では、ほぼ対照的な特徴が見られることを述べることが多いですが、今回はどうでしょうか。次回一緒に考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問3※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。10日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。今回は問2(1)の枝問①から④のうちの前半として、相当温位・風の予想図をつかって前線の解析をする問題と、もう一つは東経140度線を挟む2地点において相当温位に差がある要因は何かという2つの問題を一緒に考えてみたいと思います。なお、解答用紙は気象業務支援センターHP「過去の試験問題→平成28年度第2回(47)問題(zip)」からダウンロードできます。第47回試験・実技試験1・問2図5〜図7および図9は12時間予想図である。このうち図7は東経140°線に沿った南
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・実技2まずは、図1と図5(下)を参照しながら、本文の第一段落から読んでいくことにしましょう。①は日本の南にある低気圧についての中心気圧ですので、そのまま数値を読み取って1008hPa、速度15ノットで、②の進行方向は16方位で答えよとの指示ですので、きっちり読み取って東北東ということになります。(気象庁HP「国際式の天気記号と記入方式」より)次に、左下の「父島の実況」を見てみます。父島ではこの低気圧
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験2・問4(4)今回は、問3(4)②および③で得られた知見を基に、これらはどのような擾乱の動きに対応した特徴かを答えよ、ということで考えてみます。まず、②の大雨の時間帯とその前後における風向・風速の変化の特徴として、「大雨の前は南南西の風が強まったが、その後風向が時計回りに変化し西になり弱まった。」ということでした。また、③では、大雨の時間帯における気温と露点温度の変化の特徴として、「気温、露点温度ともに下降し
こんばんは。今回は、図8(上)の850hPa面の12時間予想図に基づいて、図7(上)の枠で囲った範囲における地上の前線の位置を作図せよ、という問題です。どのようにして前線を描けばよいのか、要点を押さえながら次回一緒に考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問3解答用紙はこちら→気象業務支援センターHP「過去の試験問題」※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。2日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。今回は、図3(下)、850hPa気温・風、700hPa鉛直流の分布から、前線の波動から低気圧が発生することを示唆する鉛直流と温度移流の分布の特徴について解答用紙に予め示した書き出しに続けて解答せよ、という内容です。鉛直流に着目してわかる特徴、温度移流に着目してわかる特徴について図からどう読み取って文に落とし込むのか、次回一緒に考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験1・問1問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。
こんばんは。今回の専門知識は北半球中緯度における発達中の低気圧やそれに伴う前線についての問題です。温帯低気圧およびそれに伴う前線はどのような仕組みになっているか、問題を考えながら学んでいきます。次回、一緒に考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。9日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。今月に入って急に仕事が忙しくなり暫く更新出来ませんでした。この間に日本の上空をミサイルが通過するわ、プロ野球の優勝チームが決まろうとするわ、よりによって3連休に台風が近づく可能性があるわ、様々な事が起きました。そして先月27日に気象予報士試験を受験された方、お疲れ様でした。既に問題と解答例が公開されており、実技問題だけざっと目を通しましたが、あれ?いつか見た問題って感じでした。過去問をじっくり解いて本番に臨めば取っつき易かったかも知れませんね。たかが過去問、さ
6月末に、氣象廳の梅雨入り・梅雨明け“速報値”に基づいて、「今年は異例の早い梅雨明け」と書きました。ところが先月初め“確定値”として、「九州から関東甲信地方の梅雨明けの確定値は、7月中旬を中心に上空の寒気や前線、低気圧の影響で曇りや雨の日が多かった為、7月下旬となりました。一方、東北北部・南部と北陸地方では、8月上・中旬も前線や湿った空気の影響を受け易く、曇りや雨の日が多かった為梅雨明けが特定出来ませんでした。」
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)「一般気象学」p185、図7.16「発達中の地上低気圧と500hPaの気圧の谷の相互位置」および、図7.17「上図発達中の低気圧に伴う雲域」を見ながら考えて見ます。まず、地上天気図の寒冷前線は、温度の異なる気団の間の遷移層の暖気側の境界が地表面と交わるところに描かれます。したがって、寒気側とする本文の内容は誤りとなります。(b)寒冷前線に伴う降水域は温暖前線に伴う降水域に比べて幅が狭いことが多い
こんばんは。今回は、前線解析の問題です。図8(下)の24時間後の地上予想図において、北海道の南海上の低気圧に伴う温暖前線と寒冷前線、および図1の台湾海峡付近から沖縄の南にかけて延びる前線上に発生する低気圧に伴い東進する温暖前線と寒冷前線を図1、図3、図7(下)、図9に着目して解答図に前線記号を付して作図せよ、という内容です。前線解析の基本的なところ、今回の前線解析における主な着目点について、次回、一緒に考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2・問2(解答図)解答図はこちら
こんにちは。約1か月ぐらい空きましたが、今年1月に行われた第53回気象予報士試験を見ての感想と言うか雑感をつらつら書くシリーズ。4回目は実技1の問3についてです。問題の分量や配点を見ても問3が実技1のメインとなると思います。話は逸れますが、前回投稿した時は、コロナウイルスの感染状況について「ここ1、2週間が正念場で極めて重要」とアナウンスされていたような記憶がありますが、あれから1か月が過ぎ、事態は収束するどころかさらに拡大の様相を見せています。見立てが甘かった
こんばんは。今回は、初期時刻に四国の南にある低気圧が24時間後の5日21時には閉塞過程にあると予想されていることから、閉塞点の位置を、また850hPa面における寒冷前線に対応する等温線の値をそれぞれ解答する問題について、次回一緒に考えてみたいと思います。第51回試験・実技2・問2(1)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの許可を頂いて使用しています。19日分の考察編は次回更新する予定です。