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その時ウンスは。仕事が終わりマンションに帰ろうとしていた。ふと足を止めた。「うん?」誰かつけてきている?後ろで足音が聞こえてきた。何気なく足を止めるその音も止まる。怖くなってきた。ついこの間襲われたばかり。振り向く勇気はない。マンションまであと少し。どうしよう。ヨンさん。あわてて走り出す。後ろも走ってきた。どうしよう。どうしよう。あせりが強くなってきた。気が付くと狭い路地に追い詰められてしまった。帽子で顔を隠す男。この間の男だとわかる。右手をつかまれてぐるりと後ろ
その後。ウンスを休ませるめ寝室へと連れていく。「ごめんなさい」きっと仕事が忙しいはず。震えるこの手が彼の袖先をはなせないでいる。「大丈夫・・ここにいます」さぁて・・ねむってという優しい声に導かれる。するとウンスは夢の中に入れた。あの日の続きになる。「さて・・そろそろ休んでください」「ヨンァ・・あなたはどうするの?」たまっている書類をかたすことにしたらしい。「みていてもいい?」疲れていませんか?本当に仲のいい二人。女の人はテホグンによりそう。「王様への帰還する許しをえよ
ヨンが夜明け前に呼び出されて、王宮へ出仕した日。いつ帰って来れるかと、心配でモヤモヤ待っていたら、ヨンは昼過ぎには帰って来て、翌日には出陣するって言って——慌ただしく準備が進む中、私は部屋でヨンが鎧をつけるのを手伝った。「ヒジェ達防衛軍は、日頃からしっかり備えているはずです。双城のソンゲにも知らせを遣りましたから、あいつの方が先に義州へ到着するでしょう」「うん…」私は、出来上がった鎧姿のヨンの背中へ、黙って身体を預けた。ヨンはしばらく動かずにいたけど、やがて身体を捻って私と向き合った
雪が降る前に、スンオクはソンゲに連れられて安州へ発った。(縫い上げた綿入れを持って)ソニに続いてスンオクまで、居なくなってしまった……淋しい。もちろん痛手だし。スンオクが居ない事に慣れるまで、私もヨンも、子ども達も大変ね……でも…良かったわ。そうしているうちに、もうひとつ、待ち侘びていたビッグニュースが——!その日、私はせり出たお腹を抱えて、久しぶりに典医寺へ出仕していた。王妃様の回診に行こうか…と腰を上げた時、「医仙様、医仙様っ」ユン先生が、こそこそと…でも、必死の形相で私
賑やかな客間から戻り、タムを寝かしつけ、居間でひと息ついていると、眠ってしまったミスを抱いた乳母のオクヒが、いつもは弧を描いている眉根を下げて、「奥様。お疲れのご様子です。お嬢様にはオクヒが付いておりますから、どうぞお休みください」「ありがとう、オクヒャ。悪いわね、今夜は泊まり込みで。家のほうは大丈夫?」「はい。我が家のことはお気になさらずに。今夜は久しぶりのお客様ですから、旦那様は遅くなられましょう」「ええ。あの人が楽しそうで何よりよ」オクヒはミスを連れて子ども部屋へ。私はひとりで
王妃様のご懐妊が分かってより、イムジャの口を借りるなら、一番“浮かれている”のは王様だ。(コモに聞かれたら、このバチ当たりめが!とゲンコツが飛んできそうだが)俺でさえも思ってしまう程、危機感が無さすぎるのだ。“国中から名だたる僧を興王寺(フンワンサ)へ招き、安産の為の祈祷をさせよ”そう出された王命により、続々と都入りする者達の数といったら……僧だけではない。それに仕える下男や下女……ひとりふたりではないのだ。各門での出入りはもちろん、当の興王寺でも、しっかりと身元確認はしている。だ
「あらあら、賑やかね。お酒は足りてるかしら?」「あっ、ははうえ〜!」奥方様がにこやかに客間においでになり、後に続いて酒やら料理やら、女中達が追加を運んで来た。若様が奥方様の側へ寄られ、手を取り、お顔をにこにこと見上げているのが、本当に愛らしい……「はい、十分いただいております、奥方様」「お料理はお口に合うかしら?うちの料理人の腕はなかなかだと思うけど」「ありがとうございます。大層美味しゅうございます」「良かった。チョン先生はお酒がお好きとか。主人も好きなの。今日は存分に相手をしてあ
ウンスが目を覚ますと膝に頭をのせられていた。優しい声がとどく。すると安心して目を開けていく。「リンさん」それにチェヨンさんも。ここは車の中だった。「気がっ付いたみたいですね」よかったですと声が聞こえた。次には真顔になる。「急ぎですみません」あなたはどうやら何者かに狙われているようです。必要な荷物をまとめて場所を移動します。テマンがウンスに聴いて家に向かう。近くに車を止めて着替え・化粧品・仕事に使うパソコンなどを持ち出す。「他に必要なものがあれば買います」すぐに出ましょう。