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——義禁府の獄。暗く湿った、陽の届かぬ息苦しい地下牢…再びここに入る事になるとは思わなかった。以前は、元の断事官によって、直ぐに放免されたがな……此度はそうはいかぬ。私を助けようとする者はいない。私はここで、己が命の終わりと向き合わねばならぬのだ。己れはもはや助からぬ……それなのに、自身でも驚く程、胸の内は凪いでいる。何故だ……?逃げるように高麗を出た後、元でキ皇后の庇護を受け、その時を待っていた。長い刻、息を殺して。ようやく巡ってきた彼奴らへ…私を捨てた高麗への復讐の時。
徳興君——高麗王族でありながら、高麗を元の属国にしようと企み、余を嘲り、王妃を苦しめ……我が子の命まで奪った者。余の叔父であると同時に、この世に息をしている者の中で、最も憎い仇だ。それが、キ皇后の後押しで高麗へ弓引いたのを、チェ•ヨンらが捕らえて、開京へ連れ戻って来ると知らせが届いた。ようやく…ようやくだ。奴を葬り去るに格好の状況。此度こそ、生かしてはおかぬ。彼奴に引導を渡してくれる——王妃にも、あの者の捕縛を伝えた。辛い出来事を思い出させてしまう故、心配であったが、妻は…「
撮影は続く。「「女中がそこに立っていた。「用意は整ってございます」どうぞ。ごゆっくりお越しください。頭を下げて夫婦を見送る。そこにはマンボ姐もいた。そのごいつものように食事をとり別れの時がせまってきていた。「いってまいる」「いってらっしゃい」姿が見えなくなるまで門の前で見送り続けた。たえていた涙があとからあとからあふれてくる。「奥様・・中へお入りください」食事がほとんど残されていた。涙を拭いて顔をあげる。長い夜となりそうだ。初めて別々にお過ごしになられる奥様が心配でならない