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ウンスがパズルというものを説明している。小さな手でもつかめる大きさに切り分けていく。「これでどうだ」小さな刀でタンがつかめる大きさにしていく。つなげると一つの絵になった。ウンスはうんうんと頷く。「タン」息子を呼んだらすぐにぱたぱたかけてきた。「これ」なにと聞いてくる。説明をした。一つにつなげると絵になる。タンにわかるだろうか。見本をみせる。一つを手に取る。いくつかのなかよりつなげていく。「おお」手をぱちぱちさせて喜ぶ。数枚ある欠片を合わせていった。しばらく夢中になり
北方で元軍とおぼしき軍勢!その数およそ1万!鴨緑江を越え義州へ侵入、防衛軍が応戦——!!その一報が開京に届いたのは、年も明けた真冬の寒さ厳しい折。大臣達をはじめ、招集された護軍達により軍議がもたれ、王宮内は慌ただしく——「ただちに援軍を!義州が突破されるようなことがあってはなりません!私が参ります!」俺は直ちに王様へ進言した。ところが、朝廷の腰抜けどもは、「相手は元国だぞ!都の護りはどうする?!」「上護軍には都に居てもらわねば」「向こうの将は誰だ?!」「闇雲に援軍だけ送って
この日も雨だった。タンは退屈していた。外にもいけない。ヨンはというと玄関先で何か思案中。「どうしたの」ウンスはそのとき炊事場でたんのために野菜ジュースをつくっていた。細かく野菜を刻みエキスだけにして果物などもいれた。これなら飲むだろうか。「タンは外に出られないので暇なのだろう」ファンという虎の子は床にくてとして昼寝をしていた。「タンもお昼寝したら?」話しかけるがいやいやと首を振る。まだ眠くないもよう。「野菜ジュース飲む?」というとがばっと上体を引き起こす。「な
元の首都•大都——紅巾の乱以降、荒れに荒れた国内は、現皇帝•順帝の力も弱まり、いつ何時、何が起こるか分からぬ状況にあった。とは言え、元は大国。そもそも、高麗ごとき小国が、刃向かっていいはずがないのだ。現高麗王(恭愍王)は、順帝とキ皇后の後押しを得て玉座についた。それなのに、即位した途端、ここぞとばかりに反元政策を推し進め……恩を仇で返すとは、まさにあの王のことを言うのだ。その愚かさの為に、府院君(キ•チョル)をはじめ、キ皇后のお身内は粛正され、この私…チェ•ユも同様、高麗を追われ、元
朝から雨が降っていた。春が終った。季節が移ろう。じきに夏になるだろう。「雨だわ」ウンスは楽しそうに軒先へ片手を差し出していた。ほほ笑んでいる。「そこでなにをしている」ヨンが外からかえってきた。なぜかわきに虎の子を抱えて。手を引っ込めると・・不思議そうに顔を向ける。雨のためすっかりと髪がしめっていた。ふくものをとりにいく。髪の毛をふくように布を渡した。「あなたこそ・・何をしていたの」「こいつ」雨だというのに・・外へ出たがるので捕獲してきた。わきにかかえられ虎の子はしゅ
タンを布団に寝かせてそっと扉をしめきる。母のすぐそばで安心したように寝ている。振り返りまた空に浮かぶ月夜を眺めていた。どうしても部屋に戻る気になれずにいた。ウンスとの距離感をつかめず・・戸惑っているのが現状。たわむれに口つけはしたことがあるがそれ以上はない。それでもいいと思っていた。何も願わず・・望まずに生きていた。だというのに・・タンとウンスでの生活が楽しくなってきていた。これではもとの生活に戻れない。「かりそめの家族なのに」ひとりぽつんとつぶやく。いつまで続くの
タンとヨンとウンスは眠りにつくとき同じ部屋を使っていた。寝室が一つしかないという理由もあった。まだ幼いタンのためでもあった。タンはいつもそこにいてくれる人が父だと信じていたから。幼すぎるタンにはまだ話せずにいた。本当の父はすでにいないのだと。ふと目を覚ましてしまった。いつもなら朝まで起きることがない。むくりと体をおこした。きょとりとあたりをみて回す。母はそこにいた。父はどこ?「アッパ」小さく呼んでみるがやはり返事がない。ここにいないと知る。ではどこへいってしまったのか
賑やかな客間を後にした私は、子ども達が寝入っているのを確認してから、ひとり寝室へ入った。ベッドにとすん、と腰を下ろして、大きく溜め息を吐く。チョン先生を初めてお招きした時もそうだったけど——今夜もとんでもない集まりだった……歴史に名を残す名将チェ•ヨンと、李氏朝鮮の開祖イ•ソンゲ。教科書に載ってる偉人チョン•モンジュ。そこへ今夜は、チョン•ドジョンまで加わって——モンジュの友達なんて、絶対有名人だろうとは思ってたけど、やっぱり教科書に載ってる人だった!モンジュと同じく、詳しくは覚え
イムジャが客間を去ってしばらく。みな良く呑み、よく喋った。モンジュとドジョンは、馴染らしい賑やかな遣り取りをし、ソンゲはゆらゆらと舟を漕ぎ出し、ドンジュはそれを気にしつつ、モンジュとドジョンに気を配っている。そんな酒の席でも話題に上るのは、近頃の王様と朝廷の様子——「…王師(ワンサ)?」「はい。興王寺で王様をお救いした僧侶の事、上護軍もご存知でしょう?」「ああ…」アン内官の死で開いた御心の穴を埋めるように、王様はあの者…遍照(ピョンジョ)をお側近くに置くようになっていた。その上“
ヒジェは、10日程を我が家で過ごすと、ひとり安州へ戻って行った。別れ際のヒジェら家族の様子——人目を憚らず泣き崩れたソニを、ヒジェが娘を抱えながら抱き寄せ、その娘…ソヨンも幼いながらに感じ取っていたのだろう…父親の胸に、ぎゅ、としがみついて、なかなか離れようとせず……その光景はあまりにも——皆(みな)承知の上ではあったが、見守る事すら切なくて……イムジャなどは堪えきれず、俺の背に隠れて泣いていた。我が家の子ども達…タムはさすがに理解していたようだったが、ミスとオンは元気よく「ヒジェアジ
私とソヨンをチェ家に預けて、ひとりで安州へ帰る——夫から突然そう言われた。安州へ嫁いで、ソヨンが生まれて、母•スンオクが亡くなって……あっという間の4年だった。その間、チェ家の旦那様や奥様をはじめ、マンボさんたちや、双城のイ将軍様まで……たくさんの方々に気遣っていただいて。何のご恩返しも出来ずにいたのが、やっと都を訪ねて、直接お礼をと思っていたのに——来て早々に、夫と喧嘩になってしまった。その上、勢いでチェ家を飛び出してしまい……でも、行く当てといったらここしかなくて。「姐さぁん
「え、ヒジェさんがそんな事を?本当に??」「はい。うちでソニとソヨンを預かって欲しいと」夫婦の閨。俺はヒジェからの頼まれ事を、イムジャに話した。もちろん、イムジャは否とは言うまいが……大きな目を瞬きながら、真っ直ぐ俺の顔を見ていたイムジャは、小さく息を吐きながら頷いた。「安州は国境の近くだもの……都(こっち)に居た方が安全よね。紅巾が攻めて来た時も、心配したもの」「ヒジェには承知と伝えました。良いでしょう?」「もちろんよ。離れも改築した事だし……ソニは了承済みなのよね?」「それ
また或る日の昼のころ。ファンとタンが昼寝をしていた。ウンスは庭先で足先をぶらぶらさせている。ヨンが視線をむけてきた。時がとまる。恥ずかしそうに視線を外した。高鳴ってくる鼓動。木刀を片手にして戻ってきた。あせをかいていた。てぬぐいを差し出した。ヨンは顔や首などをふいていく。男らしい仕草にウンスは見とれている。夫は違う。体は傷だらけだった。「どうかしたか?」優しい声に我に返る。近くにはタンとファンが寝ていた。2人はみつめあうと距離がなくなった。そっと触れ
その夜、母屋から戻って来たソニは、思い出し笑いをしながら俺を見て言った。「ソヨン、ぐっすり寝てたわ。坊っちゃま達にたくさん遊んでもらったから……ふふふ、あなたも見てきたら?それはそれは癒される光景よ」すっかりタム達に気に入られたソヨンは(おもちゃみたいにされてたけどな)、「ソヨンといっしょにねるの!」というミスの強い要望と、更にそこへタムもオンも乗っかって、今夜は母屋の子供部屋で、4人並んで寝ているらしい。俺にだってそれくらいの想像は出来る……けど、目の前のソニのあまりにも嬉しそうに笑っ
好きなだけ遊び白い虎の子は疲れたのか温かい場所で寝ることにした。タンもまた昼寝の時間だった。縁側に横に転がる母に抱かれてねてしまう。すぐ近くでヨンは素振りをしていた。「からだが鈍りそうだ」とのこと。びしりと立つ。きりと表情を引き締めると木刀を降り出した。自由に軽やかに降り続ける。その姿にウンスは見惚れていた。夫とは違う姿に。目を閉じると木刀を振る音が聞こえてくる。確かにここで生きている。優しい目をしてタンと白い虎の子を撫で続けた。夕飯をすませたときのこと。「
それはある日の夕暮れ時。突然のこと。雨が降り出す。それだけではない。ものすごい音がした。とっさに耳をふさぐと同時。どっかーん。「ひひーん」なさけない声をあげて私は耳をふさぎ床にふせた。よりにもよってたよりにしている夫は仕事のために留守にしていた。仕事は早めに切り上げて帰宅をしていた。「さすがに雷だけで夫に電話はできない」鳴り響く雷に耐えてようとしていた。しかしけっしてやむことはなく光っては・・閃光を走る。そのうちに電気までも落ちてしまう。「もう・・いやだ」ウ
だいたいあの人がどうしてあなたにお金を渡したんですか?「あんた・・だれ?」不思議そうにそこにいるホンジュに目を向けている。「あなたの友人でもあり私は妻よ」「では・・あんたが・・別れたいといっていた奥さんか」なるほど。つぶやく。そんなことはどうでもいい。しっていることを教えて。わたしたちはね。全て知っているんだ。君の口から詳しく聞きたいね。男は自分が知っていることを話し出す。ここまでは皆が知っていることだ。夫の計画ではホンジュと別れるためにワン・ギを使いホンジュに男が
チェヨン氏を呼ぶことにした。その中で手当てをする。「どうしてわたしが」ホンジュはそうとうショックを受けている。「それはまだわからないよ」チェヨン氏は傘をさしながら調べている。タブレットをいじくる。「なにか・・わかったかね?」「ああ」話しに出てきた人物を探し出す。写真をアップさせる。「こいつではないか?」「といわれてもね‥私たちに面識はないよ」車の外で会話をしていた。それについての確認はこっちでしておこう。仲間にイヤホンで連絡をしている。しばらくして返事が来たよ
高麗の王太子であるモニノ王子の、トルチャンチ(満1歳の誕生日のお祝い)が盛大に執り行われた。赤子が無事に育ち、年を重ねていく事は簡単ではない…それ故に、王様王妃様はもちろんの事、王太后様の喜びようはとりわけ大きく……祝いの品が、内官女官、下働きの者にまで、くまなく下賜された。王妃様も産後のお身体を厭われ、日々健やかに過ごされていて、イムジャ達、典医寺の面々も、ほっと胸を撫で下ろしているところ。……刻が経つのは早いものだ。昨年は、興王寺の変でアン内官が亡くなり、王子様のご誕生、その間にヒ
「ねぇねぇ、ヨン。ソンゲは次いつ来るの?」イムジャがくるくると、俺に纏わりつくようにして、瞳を輝かせながら言う。3人の子の母となっても、少女のような愛らしさは変わらない……歳を取らないのか、俺の妻は……そんな事はおくびにも出さず、にやけそうになる口元を引き結び、俺は精一杯呆れ顔で答えた。「またソンゲに荷を預けるおつもりですか?来たとしてもすぐには帰りませんよ。都へ来たら来たで、彼奴も忙しいのですから」「えー…」当たり前でしょう、と返すと、弾ませていたものを、すぅ、と収めたイムジャが(
木彫りの人形は言う。「「すてられた」」「だれに?・・ハナさんに?・・それは違うわ」「「いつもそう・・わたしを捨てる」」それで恨んでいるの?別に捨てたわけではないわよ。「「なら・・なぜ・・わたしを売る?」」すねているのねという。「「そんなことはない」」むきになるところがますますあやしい。なら‥私のところにくる?まぁ私もいつまでここにいられるかわからないけど。さらに人形は怒る。「「いい加減なことをいわないで」」さかなでしてしまったらしい。ではないてばかりいないで
目を覚ます。「ただなくばかり」答えがでないわ。あの人に話を聴くしかない。診察室にむかう。その人は疲れた顔で横になっていて目を閉じていた。皆は忙しそうに動いている。「そのままでいいから」話しを聞いていて。「はい」ハナさん。古い人形をもっていない?木彫りの・・このような感じという。すると目を開ける。「どうしてそのことを知っているの」驚いて上体を引き起こそうとした。「やっぱり」ウンスはこれまでのことを話していく。信じられないけどね。幽霊が見えるのよ。とはいえ・・
テーマごとに分けていきます。「今も覚えている」現代もの。夢の中で前世の姿をみている二人。ウンスは夢に見たことを小説にして書いている。ヨンはトップスターだ。小説はドラマにまり連絡をお互いに取りあうようになる。恋人のような関係になってる。「高麗秘恋録」高麗もの。現代にてウンスは夫を亡くしてしまう。小さな子を残して。妻は途方にくれている。ある日公園でタンをあやしているときにタイムスリップしてしまう。ヨンは赤月隊の頃。偶然にであう。タンはヨンによく似ていた。訳アリで今は仮の住まいでタン
「ホンジュは誰かに突き飛ばされたのよ」「どこで?」ぼんやりとしながらウンスに聴いている。「君ではないのか」「知らないよ」おれはまっすぐここにきたし。ワン・ギとはそこで別れることになる。がらりと扉を開ける。「雨?」突然雨が降り出した。傘を持ってきていたよかった。折りたたみをカバンの中より取りだす。店を出た。ウンスとホンジュが二人で使う。「気を付けて」わたしが二人に声をかける。「どこにいくの?」そうだったと思いだす。ウンスは書いていたメモを差し出す。人物の関係図だ。
小春日和の昼下がり。私は王妃様と王子様の診察を終え、坤成殿(コンソンデン)での女子会中。東屋で、温かいお茶とお菓子をお伴に、私と王妃様が眺めている先に居るのは——綿入れでくるんだ王子様を抱っこして、嬉しそうに陽だまりを歩く恵妃様の姿。もちろん、恵妃様の分のお茶も用意されているけど、それはもうとっくに冷めてしまっている。王妃様が、そんな恵妃様の姿を、優しい目で見つめながら、「恵妃の王子贔屓には目元が緩みます。いつも我が子のように接してくれて、有り難いことです。——恵妃にも授かると良い
わたしたちは席につくことにした。「それで‥あいたい理由とはなんだね」一瞬ぼんやりしていたワン・ギが我に返る。「私もおしえて」「ああ・・パク・ソルが殺されたってきいて」ウンスさんと私は顔を見合わせる。「誰に聞いたの」ウンスは目の前にいる男に問い詰める。「あ・・いや・・この近くで殺しだっていうし」きゅうにもごもご言い出した。言い訳するように。あせまでかいてくる。視線をはずす。ますますあやしいではないか。じと三人で見続けている。「そんなに見るなよ」ついに観念したのか。ワ
働き方改革で残業はないと思う。「だとしたら」浮気ということも考えられる。「そういえば‥朝に帰ってくることもあったわ」パク・ソルの浮気など信じられないという。衝撃を受けた様子でがちゃんとカップを落としてしまう。演技にはみえない。本当に考えもしてなかったようだ。「パク・ソルさんが浮気をしているとは考えなかったのかね?」ウンスさんとホンジュさんの二人はしゃがんで割れたカップをかたしていた。そのときだったスマホにメッセージが入る。タイミングがいいのか悪いのか。例の人物からだ。
ここで考えてみよう。一つ謎の写真について。どうして家に写真が届いたのか。それもホンジュの行動をおうように写真はとられていた。一つ写真に写る謎の男の正体。ホンジュの大学の同級生だった。偶然にも再会だった。一つ喧嘩をしていたという。通帳からお金が引き抜かれていたという。とまぁここまでがわかったことだ。以上のことから次へ移ることにした。「もう一つ聞きたい」「なぁに」この際だからなんでも答えるわというホンジュ。「ホンジュさんは犯人を捜したい?」以外なことを聞かれたと
ウンスの姿を目にしたホンジュはほっとしたように出迎える。「入って」疲れた顔でいう。「探偵さんを連れてきたの」その言葉に目をぱちりとさせた。「探偵?」疑いようにその人物を眺めた。誰を信じればいいのかわからなくなっていた。「まずは奥さんの方で何かかわったことはなかったのかい?」というとお茶を用意しに席を立ったホンジュは思いだすように視線をさまよわす。「そういえば」警察の人にもいってないことがあって。事件と関係あるかどうかわからなくて。奥の棚の引き出しから封筒を持っ
わたしは事件の流れを知ろうと話を聴くことにした。ウンスさんの友人‥名前はたしか。イ・ホンジュの夫が近所の公園で遺体で発見された。奥さんがいう。「私ではありません。信じてください」といっていた。「奥さんがなぜ・・疑われたのだろうか」「アリバイがなくて」ウンスさんがいう。殺されたのは午後十時から十一時の間。その時間は家に一人でいたの。「それと」チェヨン氏が引き続き。「近所の人の証言だ」夫婦の言い争う声を聴いたという。「ホンジュは・・ただの・・よくある喧嘩だっていっていた