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まさか・こんなかわいい反応を示すとは思っていなかった。こういうことになれていないのはすぐにわかった。無意識にヨンの口元はゆるんでいた。投げつけられたクッションを受け止めて静かに床に戻した。「すみません」やりすぎたと知る。一歩前に出る。「こないで」警戒されてしまう。この猫のようにふるえながら威嚇をしてきた。足を止める。「誤解しないでください」いちあなたのファンとして協力をしたいだけです。「怒らずに」ふーと威嚇したまま俺を睨んでいる。「続き楽しみにまっています・ユ先生
それはいつものように二人で家についた。そこより話が始まった。「夕飯をすぐに作るわ」まっててと部屋ぎに着替えをしてウンスが妻として動きだす。その間にヨンは風呂の用意をしにいく。出来るときにやるというのがルール。「今度の休み・・俺が作るよ」いつもウンスにばかり頼ってごめんと謝る。大変なのはお互いだった。会社と喫茶をいったりきたりしているヨンの生活。先に風呂の用意をして着替えをすませる。その間にウンスが簡単に作る。手を洗い野菜をきっていく。「今日は・・あつかったし・・サラダと麺にしよう
「——お寺へ懐妊祈願に?」回診終わりのいつもの女子会。今日は坤成殿(コンソンデン)の東屋で、王妃様と恵妃様との3人会になっている。王妃様が、柔らかな笑みを湛えながら、「はい。このところ体調が良いので、行ってみたいのです。もちろん、遠くまでは行きませぬ。ほど近く良い寺がありますので……行ってもよろしいですか?医仙」ずっと体質改善に取り組んでこられた王妃様。私が高麗へ戻って来てから一度は懐妊されたけど、残念ながら流れてしまって……そのあとだったわ。王様に側室を、と、いじらしいほど頑なに
ご飯をすませてかたすことにした。「ここってお風呂もあるの?」「そうだな」ヨンとウンスは食器をかたしながら話していた。タンはというといいこで待っていた。温泉もあると聞いた。温泉ときいてウンスの目が輝く。「だとしても今宵はむりだな」「そうよね」温泉は無理でもお風呂には入りたい。「私たちはいいとしてタンは綺麗にしないと」小さな子はすぐに身体を壊す。この時代・・何が理由で病になるかわからないので怖い。清潔にしないと。「風呂もついていた」「本当」ウンスの声がはずむ。口に出さずに
イムジャに話した通り、程なく興王寺(フンワンサ)周りでの店の営業について、“五つ刻(午後9時頃)まで”と御達が出され、夜通し人で溢れる事は無くなった。寺を警護する兵士の数も平素並みに戻り、まだ落ち着いたとは言えないが、俺も少々息がつけるようになり——季節は既に初夏を迎え、濃い緑に雨も混じる日が続いている。我が家の子ども達は三人三様、有り難い事にみな健やかで……それこそ、イムジャが嬉しそうにボヤく程、元気に育っていた。ある晩、イムジャが溜め息混じりの半笑いで、「子育てって本当に大変ね。も
朝となった。スマホの目覚ましのアラームがなる。ぴぴぴ手探りでウンスがさぐる。先にヨンがスマホのアラームを切る。「おはよう」「おはよう」ちゅと頬にキスをする。ヨンはそれだけではたりないと唇にキスをしてきた。「あ・・もう・・やぁ」朝からこれほど激しくしなくてもいいのに。急いで身支度をして軽めの朝ご飯をとってから手をつなぎでかけていく。太陽が昇りきる前に朝の市をみてまわる。ホテルを出て坂道をくだり・市場がにぎわう広場へとつながっていく。観光の人たちだけじゃなく近所の人たちも朝の
康安殿(カンアンデン)——取り次ぎの内官が、王様へ俺の来訪を告げた。少し待たされたが、無事に中へ通される。康安殿の中庭。その中程へ据えられた大岩に、主君がこちらへ背中を向けて静かに座っていた。肩は力なく落ち、背中は緩んで丸みを帯び……俺の目に映るその姿に覇気は無く、常より一回りも二回りも小さく見えた。王様をお慰めする……果たして、俺にそんな気遣いが出来るとは思えないが——王様が気落ちされている理由はもちろん、どんなご気性なのかも、分かっているつもりだ。だから何を言っても…どんな言
「あらあら、賑やかね。お酒は足りてるかしら?」「あっ、ははうえ〜!」奥方様がにこやかに客間においでになり、後に続いて酒やら料理やら、女中達が追加を運んで来た。若様が奥方様の側へ寄られ、手を取り、お顔をにこにこと見上げているのが、本当に愛らしい……「はい、十分いただいております、奥方様」「お料理はお口に合うかしら?うちの料理人の腕はなかなかだと思うけど」「ありがとうございます。大層美味しゅうございます」「良かった。チョン先生はお酒がお好きとか。主人も好きなの。今日は存分に相手をしてあ
昨夜、イムジャの胸のつかえを聞いた。解決出来ないにしても、何かしらイムジャの心を軽く出来るものなら……と思って聞いてみたが——あれは、おそらく王様と恵妃様の事だろうな。恵妃様を診察をした折に、何か聞いたのか、気づく事でもあったのか。イムジャの語りから察するに……恵妃様はまこと、王様をお慕いなのだな。かたや王様は、王妃様一筋……最近は恵妃様へのお通いが無いという事まで、聞こえてくる。(トッキの戯言と思っていたが、今までも夫婦の営みは無かったのやも…)恵妃様はそれら全てを容認され、それ
オンを生んでそろそろ2ヶ月。タムとミスに構われて、昼間しっかり起きているオンは、朝までぐっすり眠るようになっていた。(おかげて私も眠れる。有り難いわ…)ただ、冷え込む夜中の授乳は、やっぱり大変……ソニもスンオクも居ないこの家で、出産に子育て……不安は大いにあったけれど、オクヒやサンイ、それから、マンボ姐さんの所から手伝いに来てくれるアジュンマ達に、助けてもらってなんとかやっている。そんな時、往診に来てくれたトギからの助言——(そろそろ母乳はやめて、前の薬に戻そう)私は毎日、トギ特製
「——チェ大護軍」その日の午後。迂達赤(ウダルチ)の兵舎に居た俺は、突如現れた王の側近に驚きつつも、想定内であった事に思い至り——「アン内官…」「王様がお呼びです、大護軍。お手隙でしたら、すぐにも」「承知しました」何事かと騒つく隊士達を無言で鎮めると、俺はアン・ドチの後を付いて兵舎を出た。「実は先程、侍医の回診がありまして。今日は医仙様もご一緒でした。その折、人払いをされて、王様と医仙様お2人でお話を……それで、大護軍をお呼びなのでしょう。詳しい事は分かりませんが、お怒りではないよ
ウンスはヨンがいないことに気が付く。「どこへ」いってしまったの。不安に感じる。それほどに頼りにしていたと気がついた。「ヨンさん」呼んでみるが返事もない。タンも顔をあげる。抱っこをされていた。甘えるようにすりすりしてる。「アッパ・・いないの」さがすことにした。「そうね‥探しにいこうか?」いくいくという。家の庭・まずは近くを探すが姿がない。そういえば釣りが好きだと聞いたことがあった。「タン・・海にいこうか?」「うみ」いくいくというようにこくこくした。海が見える