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一週間後、ジュンスが作ったジェジュンの部屋が出来た。一階にある入り口近くの倉庫だった場所をリフォームしたので、女性達との隔離が成されている。いくら子供とはいえ、ジェジュンも男なので、両方に気を遣った造りになっている。お風呂もトイレも部屋にあり、ベッドや机、簡単なクローゼットもある。質素ではあるが日当たりも良く、ジェジュンは口に手を当てて言葉を失った。「そんなに予算が無かったから…質素で悪いんだけど…」ジュンスが申し訳なさそうに言う。ユチョンと番であるジュンスは、ユチョン
(ジェジュンside)物心ついたときには父親はおらず、母親が一人で俺たちを養っていた。だから母さんは、仕事で家を開ける事が多かった。ユチョンは身体が弱い子供で、ユチョンが熱を出すと母さんが仕事に行けないから、俺はユチョンが風邪をひかないように、熱を出さないように気をつけなければならなかった。まだ母さんに甘えたいユチョンは、よく母さんを呼びながら泣いた。こればかりはどうしようもないのに、まるで自分が悪いかのような気がして俺はユチョンに謝った。気をつけていても熱が出てしま
※こちら完全な妄想です。細かいことは気にしないで♡それではどーぞ^^ん…?ジェジュンは弄っていたスマホを大きくスクロールさせた。最近、やけに俺とユノのツーショットコラ画像が多いな……あ、もうすぐ6月10日か。ってかまだ一か月前だけど…相変わらず盛り上がってんね。2007年のビギステで、ふざけて言った一言。「もし自分が女性ならメンバーの誰と結婚したいか」と言う質問に、お互いの名前を答えた。ユンジェカップルと言うのは事務所発信だったし、それを匂わすようなドラマも撮っ
やってきたジュンスは、ソファに眠るジェジュンを見て、部屋に充満する香りに気づき驚いた。「え?もしかして…これってジェジュンのフェロモン?」「そうだ。ヤバイんだ」「まさか…ユノ…!」「安心しろ。項も噛んでないし、そもそも最後までヤってない。こいつにはまだ早いだろ。危険だ」ホッとしたジュンスは、ユノの様子がいつもと違う事に気づいた。どうやら、ユノは心からジェジュンを心配しているらしい。ジュンスはオメガであるため、オメガのフェロモンにあてられる事はないが、このフェロモンは強烈
やっと起きたジェジュンは、目をこすりながらボーっとしていた。ジュンスに新しい抑制剤を貰うと、やっと頭がはっきりした。「ユチョンが特別に調合して作らせたんだ。香りも消えたね。どう?身体軽くなった?」「うん。すごく楽になった!ありがとう」「良かった。それでユノ兄がね、話があるって…」「え?ユノさん?お、お風呂に入らなきゃ!何着たらいいかな!あぁ顔むくんでる!どうしよう!」バタバタと部屋を歩き回るジェジュンに、ジュンスはクスッと笑った。まるでいつかの自分を見ているよう…僕もユチョ
イトゥク先生の所から帰ると、ジェジュンが屋根部屋の前で蹲っていた。その瞬間、ジェジュンへの愛しさが爆発した。ジェジュンに会いたくて、ずっと一緒にいたくて。子供の頃交わした小さな約束、孤独の中で唯一心を許せる存在だったジェジュン、何も与えられなかった自分たちが唯一欲した存在、それがジェジュンだった。あんなに会いたかったジェジュンと、運命のいたずらで別れ別れになり、記憶さえ失って。でもまた巡り合えた。やっぱり、俺にとってジェジュンは運命の人なんだ…!言葉が出ない。
ヒチョルが約束の場所、日本式料亭に着くと個室にはもうチャンミンが待っていた。「すみません、遅れまして」「いいえ、キム室長。私もちょうど今来た所です」チャンミンは、血の気のないヒチョルの顔色を見て驚いた。さすがにここ数日、寝る間も惜しんで奔走していたか…。ヒチョルは席に着くと、料理に手を付ける前に話し始めた。「もうご存じかと思いますので、単刀直入に申し上げます。是非チョン家のお力を貸していただいて、マスコミの報道を押さえて頂きたい」「キム室長、分かっていると思いますが…そ
病院にジェジュンを連れて行き、手当てを受けさせる。ガラスで切った足には、包帯が巻かれているが、大事には至らなかった。ジェジュンは安心したのか眠ってしまい、頬に付いた青あざを見て、再びユノの怒りに火がともる。チャンミンが来て、ジェジュンの痛々しい様子に眉をひそめた。「ユノ兄、ジェジュンは?」「大丈夫だ。目が覚めたら家に連れ帰ってくれ」「行くんですか?」「あぁ。二度とこんな事させない」「分かっているでしょうが…一応あの人は、あなたの母親だという事を忘れないで」「うるせぇ」
「ユノ、忘れ物ない?充電器持った?」「おっと、やべぇ」「もーしっかりしてよね。週末帰るんだよね?ご飯作って待ってるから」「マジ?楽しみだ♪」二人は付き合うようになり、すぐに同棲を始めた。海外遠征や合宿が多いユノと時間を作るには、同棲が手っ取り早かったから。次のオリンピックも目指すユノは、トップアスリートだから、厳しい食事管理が必要だ。だが、基本「自分の事は自分で」が二人のルール。寄り添い・助け合うが、依存しない・甘え過ぎない。ジェジュンもますます仕事が楽しくなり、バリバ
―――出会った時から惹かれ合い、決して誰にも引きはがせない。どうしようもなく求め合い、本能のままに抱き合う魂の片割れ。人はそれを「運命の番」と呼ぶ――――うららかな春の日差しの中、真新しい制服に身を包んだ学生たちが、楽しそうに歩いている。少し大きめの制服、後ろには嬉しそうな母親たち。親と歩くのが少し恥ずかしい年頃で、少し離れて歩きながらも、何かと世話を焼かれている。今日、キムジェジュンは中学生になった。スラリと背が伸びたが、細身の体はそのままで、遠くから見ると女の子
次の日の朝、ユノとジェジュンはギリギリまでホテルを出てこなかった。空港に向かうリムジンに乗るときも、飛行機に乗るときもユノは片時もジェジュンの傍を離れず。お初エチにより腰砕けになってしまったジェジュンを気遣い、ジュンス達さえ近寄らせなかった。飛行機が飛び立てばすぐにジェジュンをベッドに寝かせ、傍でユノがマッサージしながら甘いトークを繰り広げていた。ユチョン達もさすがに呆れたが、自分たちが初めて結ばれた時もユチョンは同じような行動だったので、理解を示し、二人の邪魔はしなかった。「
養子先に来て2年が過ぎた。養子先は、田舎町で農業を細々と営む貧しい家だった。一応中学校には行かせて貰えたが、繁忙期は学校を休んで家の仕事をさせられた。「ジュンス!さっさと籠を用意しろ!これを倉庫に運べ!」「はい!」養子というより雇い主と従業員のようで、親子とは言い難い関係だったが、その方が良かった。今更、べたついた親子関係を演じるのも面倒だったからだ。毎日の仕事は辛かったが、ご飯は食べさせてもらえたし、お風呂にも入れた。施設で暮らした日々を思えば、仕事をするぐらいなんでも
「シン王様!来ました!獣王族が来ましたぁぁっ!!」シンの所に衛兵が走ってやって来た。「兵の数は?」「分かりません!しかし…3千ではありません!もっともっと多い…」「どういうことだ?」ジングクが静かに言った。「恐らく獣王族を倒しに行った1万の兵が、あちらに寝返ったかと…」「何ぃ?」「もともと下僕の兵たちです。こうなる事ぐらいは想定内です!すぐに私の騎馬隊を向かわせます!」「お前の騎馬隊はカングンと並ぶ最強の軍。頼んだぞ!」「はっ!」ジングクが部屋を出て、シンは
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆<第三章>「チャンミン…今、何て言った…?」「え?ですから、ユノヒョンは、キムジェジュンと知り合いなんですか?」仕事を初めて1年が過ぎ、久しぶりに飲もうとなり訪れた居酒屋。仕事帰りのサラリーマンで埋め尽くされた騒がしい店で、俺はチャンミンの言葉に固まっていた。何故チャンミンからジェジュン
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆「契約、決まりそうだよ」犬のヒロと遊んでいたジェジュンに語りかけると、振り向かないまま彼はそう…とだけ告げた。「せっかく契約決まりそうなのに、元気ないね…」「そんな事…」少し俯いてしまったジェジュンの頭をそっと撫でる。「ん?何か、悩みごと?」「…そう言うわけじゃないけど…上手くやれるか
「ジェジュン、今年のクリスマスどうする?俺、韓国にいられそうだし、どっか行く?」先日の試合でケガをしたユノ。本気で心配したが、軽いけがだったようで、大事を取って冬の合宿には参加せず、自宅で療養とリハビリの時間になった。毎年冬は暖かい場所での合宿が行われているので、レアな時間と言える。「どっか行く?って療養期間なんだから、外出ちゃダメだろ。家でゆっくりしよう。俺、料理作るし」「じゃあケーキ焼いてくれる?いちごのいっぱいのったヤツ」「ふふ…相変わらず子供みたい事を。いいよ♡焼いて
店は混んでいるのに静まり返り、みんな下を向いていた。ペロリとスンデを平らげたジュンスを連れ、二人はお金を払って店を出た。「美味しかった!また来てもいい?」「もちろんです。ありがとうございました」「あ、君、名前なんていうの?」「僕はキムジェジュンと言います。是非また来てくださいね^^」「うん。じゃあまたね~」二人が店を出ると、一斉にはぁ~~という声が聞こえた。まるで息を止めていたかのような、緊張が一気に解けたようなため息だった。「どうしたんですか?おじさん」「ったく
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆ジェジュンがピアノ部屋に籠るようになり、それがヒョンジュンは気に入らない様子だった。「またピアノの部屋に行ってんのか?大丈夫なのかよ、あいつ」不機嫌さを隠そうともせず、ヒョンジュンはユチョンに詰め寄った。「大丈夫、俺が時々様子見てるし、今のジェジュンには、必要な時間だと思う」まるでお前には分か
元気になってきたジェジュンは、朝餉が終わると庭に向かい、朝日を浴びるのが日課になった。木漏れ日の下の朝日を浴びて、眩しい新緑の世界に目を閉じる。初夏の日差しは眩しく、気の早いセミが鳴き、水をカメに移すシンドンが汗を拭いている。すると、遠く町の方から、何やら珍しい音が聞こえてきた。(シンドン、なんだか町の方で、旗が揺れてるね)「あぁ、祭りがあるようです。露店が出たり、大道芸が来るとか」(祭り??)その途端、ジェジュンの目がキラキラと輝いた。キョロキョロと辺りを見回し、馬
夕食は、貸し切りのコテージでのバーベキューだった。だがそれはジェジュンの想像を超えた、高級バーベキューだった。肉を焼くだけでなく、そこにはシェフがいて、前菜やスープ、凝った料理などが次々と運ばれてくる。当然デザートはパティシエが作っており、見た事もないような洒落たデザートだった。「わぁ美味しい!こんなの初めて~♡」「ジェジュンはこういう所の方が開放的でいいだろうと思ったんだ。気に入ったか?」「はい!ユノさん最高です!」「僕もホテルのコース料理よりこっちの方が好き~♡マナーもうる
第一章〜異世界召喚〜5万人の観客、飛び散るシルバーテープの雨、轟く音響、照明の作る煌びやかな世界。そしてステージ上を死に物狂いで駆け抜けた僕達は舞台のセンター、奈落に仕込んだマットレスに向かって飛び降りる。暗転の中アンコールに応えるために着替えを急がなくてはいけない。花火を合図に背中から…マットレスに…落ち…落ちない?というより…ずっと…。「ち、ちゃんみん、な、なんで?なんで?」暗闇の中ユノヒョンの声が近くで聞こえる。「あー、何ですかね、底がないですねこれ。」「何ゆって、
中学3年になった時、ヒョンジュンという親友ができた。ヒョンジュンは、長身で頭がよくてスポーツも出来て、その上本当に優しくていい奴だった。落ち着いていて大人っぽくて、俺の家庭環境を知っても何も変わることなく、接してくれた。俺は早速ユチョンに紹介し、なるべくヒョンジュンの近くにいる事にした。ただ、ヒョンジュンはサッカー部で忙しかったし、俺も家の事をしないといけなかったので、学校で少し話したりする程度の仲だった。それでも俺にとっては自分の家の事を話せるほどの、貴重な友達だった。
「よぉチャンミン、営業一課はどうだ?」「現場は楽しいですよ。ヒチョル兄こそ本部はどうです?」チャンミンの一つ年上のキムヒチョル。彼は営業本部の人間だ、チャンミンも数年前まで本部にいた。しかし上司に対しても歯に衣着せない大胆な物言いや、媚びない態度で上層部にやっかみを受け、営業一課に回された。そしてチャンミンの代わりに本部に上がったのがキムヒチョル。とはいえ、ヒチョルもチャンミンもあまり会社の立ち位置に興味がない方なので、仲がいい先輩後輩という関係は全く崩れていない。「パクグ
10日にお知らせするつもりが、Twitterでフライングしてしまったので。←PC音痴こちらでもお知らせします。「キョウルの妄想小説別館」です。キョウルの妄想小説別館ユンジェ小説書いています。5人出てきます。妄想小説です^^kyouru9.blog.fc2.com詳しくはまた明日。新しいお話「星に願いを」を2話分アップしてますので。どうぞよろしくお願いします。
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆「解離性健忘症…って分かるか?」解離性健忘症…たしか、大きなショックやストレスから精神を守るために、無意識に記憶を無くしたり、忘れたりする事だったはず。「ジェジュンは…それだと?」「あぁ。だけど、発症したのはもっとずっと前の事だ。あいつは子供の頃の記憶が曖昧なんだ」「え?それは、どういう…」ヒチ
長ソファで、ジェジュンの膝枕で眠るユノと、そのまま寝ちゃったジェジュン。「ふふふ。ユチョン、あれ見て」「ハハハッ。平和だなぁ」日々、スーパーαとして、チョン家当主として、CYグループのトップとして、大きな重責を負いながら働くユノを見るのが、ユチョンは辛かった。同じチョン家に生まれながら、その全てをユノが請け負い、自分はほんの少しのサポートをするだけですんでいるのは、全てユノのおかげだ。自分は決してユノの様にはなれない。だが、その事でユノから責められたことは一度としてないのだ。
「ユチョンは、随分あの子供にご執心のようで」メガネを拭きながら、チャンミンが伺うように言った。「施設育ちの子供と交流しないようにと、あなたの母親から嫌味を言われましたよ」「何が施設育ちと交流しないように、だ。あのババぁ。マジでムカつく」「ユノ兄、口が悪くなってますよ。まぁ気持ちは分かりますが…」「ユチョンが認めた友達だ。俺たちが守ってやらなきゃいかんだろ」「どうするんです?」「俺たちも一緒に遊ぶんだ。バースを超え子供同士仲良くなった微笑ましい姿を演じればいい。演技力が必要だ
「チャンミン…大丈夫かな…」「あいつは竜王だぞ。心配はいらぬ」「うん…」ユノは座っていたジェジュンにひざ掛けをかけた。「ありがとう、ユノ」「爺に聞いた。冷えは大敵だとな。温かくしておけよ」「うん。ありがとう」ユノは、過保護すぎるぐらいにジェジュンに構い、子供の誕生を待ちかねていた。「さっきは驚いたぞ、急に走るから。いくらチャンミンに首飾りを渡すからと言って…」「ごめん。でもあんまり運動しないのも良くないんだよ」「そうなのか。でもあまり動くな。心配でならん」「
「少し、昔話をしようか…」ユチョンは静かな口調で話し始めた。「俺はまだガキの頃、ジュンスを手放しちまった事がある。俺がバカだったから気付けなかったんだ。そのせいでジュンスを守れなかった。俺の力が足りないばっかりに、ジュンスに一生消えない傷を負わせた」「え…?消えない傷って…まさか…」「あいつはアルファに売られた経験がある」ジュンスはいつも笑っていた。同じオメガであるジェジュンにいつだって優しくしてくれて、守ってくれた。そんなジュンスに、辛い過去があったなんて考えた事
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆ユチョンが先に韓国に帰り、2週間後には、帰国する予定だった。いろいろな手続きを済ませ、さぁいざ帰国するんだと思ったら、急に怖くなった。一人ぼっちの冷たい部屋で、体がすくみ、息が詰まる。アメリカでデビューも果たし、沢山の人の前で演奏したり、テレビにまで出たというのに。自分にとっての韓国という国が、忌