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※『永遠に凪ぐ』本編ではなく、ドラマの隙間を妄想するシリーズです。前回の続き…『シンイ』17話より。▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎深夜。徳興君を見張っていたはずのテマンが、慌てふためきながら駆け込んで来た。“医仙が怪しい動きをしている”と——「分かった。俺が行く」「テジャン、お、おれは?」「近くに控えてろ」「イェ!テジャン」予想通りのイムジャの行動に、俺は半ば呆れつつ急ぎ足で向かった。行ってみると、灯りも無い中、手探りであっちの引き
オンを生んでそろそろ2ヶ月。タムとミスに構われて、昼間しっかり起きているオンは、朝までぐっすり眠るようになっていた。(おかげて私も眠れる。有り難いわ…)ただ、冷え込む夜中の授乳は、やっぱり大変……ソニもスンオクも居ないこの家で、出産に子育て……不安は大いにあったけれど、オクヒやサンイ、それから、マンボ姐さんの所から手伝いに来てくれるアジュンマ達に、助けてもらってなんとかやっている。そんな時、往診に来てくれたトギからの助言——(そろそろ母乳はやめて、前の薬に戻そう)私は毎日、トギ特製
俺は己れの…胸底にある本当(まこと)を、呼吸するように空へ飛ばす。「——実はな、ヒジェャ。俺は今、凄く幸せなんだ。生を受けて今まで……今までで一番、穏やかに過ごしてる。16で父を亡くし、赤月隊に入って、お前に会って…隊長やメヒに会って……易い毎日じゃなかったが、それでも心は慰められていた。家族(皆んな)が居たから。けどやっぱり、今が一番だ。すまん」青空に、今はこの世にない面影が、微笑みながら、次々と浮かんでは消えていく——おそらくは、ヒジェも同じ……謝る俺に、ヒジェは、は、と息を吐いて、