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——義禁府の獄。暗く湿った、陽の届かぬ息苦しい地下牢…再びここに入る事になるとは思わなかった。以前は、元の断事官によって、直ぐに放免されたがな……此度はそうはいかぬ。私を助けようとする者はいない。私はここで、己が命の終わりと向き合わねばならぬのだ。己れはもはや助からぬ……それなのに、自身でも驚く程、胸の内は凪いでいる。何故だ……?逃げるように高麗を出た後、元でキ皇后の庇護を受け、その時を待っていた。長い刻、息を殺して。ようやく巡ってきた彼奴らへ…私を捨てた高麗への復讐の時。
北方で元軍とおぼしき軍勢!その数およそ1万!鴨緑江を越え義州へ侵入、防衛軍が応戦——!!その一報が開京に届いたのは、年も明けた真冬の寒さ厳しい折。大臣達をはじめ、招集された護軍達により軍議がもたれ、王宮内は慌ただしく——「ただちに援軍を!義州が突破されるようなことがあってはなりません!私が参ります!」俺は直ちに王様へ進言した。ところが、朝廷の腰抜けどもは、「相手は元国だぞ!都の護りはどうする?!」「上護軍には都に居てもらわねば」「向こうの将は誰だ?!」「闇雲に援軍だけ送って
徳興君——高麗王族でありながら、高麗を元の属国にしようと企み、余を嘲り、王妃を苦しめ……我が子の命まで奪った者。余の叔父であると同時に、この世に息をしている者の中で、最も憎い仇だ。それが、キ皇后の後押しで高麗へ弓引いたのを、チェ•ヨンらが捕らえて、開京へ連れ戻って来ると知らせが届いた。ようやく…ようやくだ。奴を葬り去るに格好の状況。此度こそ、生かしてはおかぬ。彼奴に引導を渡してくれる——王妃にも、あの者の捕縛を伝えた。辛い出来事を思い出させてしまう故、心配であったが、妻は…「