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腹一杯乳を飲み、イムジャの腕の中で満足げな顔をしているタムを……後ろからイムジャごと抱き締めて、その肩越しに愛らしい姿を眺めていると、イムジャが何やら気になる事がある、と言い出した。「ずっと思ってはいたんだけどね。タムも生まれたし……そろそろ変えたほうがいいと思うのよ」「何をですか?」それよ!イムジャが、肩に乗った俺の顔めがけ、鼻息荒く続ける。「貴方、ずーーーーーーーっと敬語よね?」「は?」「出会った時からずっと。まぁ、私の方が年上だったから、何となくそのままきちゃったけど……もう
今日も戻りが遅くなってしまった……俺は、既に薄灯りの寝所へ音も無く入ると、ぐっすり寝入っているイムジャの…額にかかる絹のような髪を、そっと撫でつけた。そしてすぐ側の、べびーべっとで静かに寝息を立てている息子の傍に立ち、その微かに聞こえる呼吸の、心地よい反復音に耳を澄ます。……何とも愛らしいことだ。我が子とは、このように愛おしいものか。聞いていた話ではあったが、まさかこれほどとは——己れの子というだけでなく、最愛の女人(ひと)との間に授かった子だ。タムは俺とイムジャの……違う刻を生き
木々の緑も鮮やかな、新芽の芽吹く季節になった。タムがこの世に少しだけ慣れて、私もオンマ業に少〜し慣れた頃。夜中に泣いて起きる事が、ほぼ無くなったタム。おかげで私も、朝までしっかり眠れるようになっていた。(有り難いわ〜)そこで、タムのベッドを子ども部屋から夫婦の寝室へ移し、夜も親子3人で過ごすようになってしばらく。…ふ、と目を覚ますと、じっ…と、タムのベッドを覗き込んでいる人が——「お帰りなさい、ヨンァ。いつ戻ったの?」私は寝ぼけ眼を擦りながら、帰宅した夫の側へ寄った。「少し前
やけに静かね。雪でも降ってるのかしら……深い眠りからゆっくり戻ってきた私の意識は、まだ浅い所でゆらゆらと揺れていた。冷え込む冬の夜の寝室。外はおそらく雪……でも、ここは温かい。背中に感じるヨンの温もり。私を抱き込む腕の重さが愛おしくて。もう少しこのまま眠っていたい……私は瞼を閉じたまま微睡んでいた。無事に息子——タムが生まれてひと月あまり。嬉しくて幸せで……そして、子育てがどれだけ大変な仕事かという事を、私はイヤという程、身に沁みて感じていた。子どもは自分のお乳を飲ませて、自分の
「なぁ…やっぱ、あれかな。子どもが生まれたら、ヨンの旦那でも変わっちまうのかな?」シウルが、スッカラをクッパの椀に沈めたまま、ボソリと口にする。朝から飯抜きで走り回って、腹ペコすぎて我慢ならねぇ……勢いよくクッパを掻っ込んでいたオレは、「何がだよ?」と、手も口も動かしながら聞いた。「今まではさ、何があってもウンスが一番だっただろ?ヨンの旦那」「おぉ、だな」「だけどさ、何つっても跡継ぎの息子が生まれたんだからさぁ。チェ尚宮様なんかもう……手放しで喜んでただろ?」「スンアジュンマもな。
奥様のご出産が近い。毎日、今日ではないか、今日こそは、と思って過ごしている。私だけではない、旦那様も奥様も、ウォンスク様…チェ尚宮様も。チェ家に仕える者、関わる者、皆がそう思って——その日の夜半、旦那様から奥様が痛みを訴えられている、と、お知らせをいただいた。非礼をことわり、ソニと共にご寝所へ入らせていただくと、陣痛が始まったようだ、と、ご自分で脈を診ながら奥様がおっしゃる。その奥様を後ろからお支えしながらも、落ち着きのない旦那様……いざその時が近づいてきた、と、さすがの旦那様も狼狽え
あれ程きつかった悪阻が、嘘のように落ち着いて……私は、戻ってきた食欲と闘う日々を送っていた。もともと、スンオクやソニの作ってくれるご飯は美味しい。王妃様や叔母様からいただくお菓子も美味しいし、マンボ姐さんの差し入れもとびっきりで。何より、私が食べられるようになったのを、ヨンが喜んで喜んで……毎日のようにお土産片手に帰ってくるから——「ヤバイわ……」「やばい?」チェ家でのランチタイム。横で給仕をしてくれているソニが、小首を傾げている。ソニはとても好奇心旺盛で、私がつい漏らす天界語にいつ
大護軍様が己れにおっしゃった事を聞かせると、妻は曇った顔で目線を下げ、しばらく黙ってから…ちら、と掬うように俺を見た。「——あなたもそうでしたの?」「ん?」「あなたも……私がテヨンを産んだ時、大護軍様と同じようにお考えでしたの?万が一の時は、我が子よりも妻を選ぶおつもりだった?」「それは……」妻は、じぃ…と探るように俺を見つめた。先に破水した上に、赤子は頭ではなく足からの…難しい出産だった妻。だから、俺には大護軍様のお気持ちが痛いほど——俺は、ぐ、と妻の目を見つめ返した。「俺は
「なぁ、お前……俺はもう、駄目かもしれん」目の前の夕餉に手を付けず、俺はつい妻に愚痴を——いや、愚痴などではない、本当の事だ。しかし妻は……いただきます、とスッカラを手に取り、熱々のチゲをふぅふぅ冷ましながら口へ運んでいる。「ん〜♡今日も美味しく出来たわ。あなたも冷めないうちに召し上がって」俺の愚痴など聞こえていないのか(いや、だから愚痴ではないのだ)、妻は美味しそうに飯を食べ続けている……「おい、聞いてるのか?夫がもう駄目かもしれない、と言ってるんだぞ」「聞いてますよ。何が駄目な
イムジャの悪阻はいつまで続くのか……変わってやれない分、気が気でならない。アン・ジェの奥方もそうだったが、腹に子がいる時の女人の様子というのは、明らかに普通ではない。もちろん、皆がそうではないらしいのだが、現に目の前のイムジャは、弱々しくて苦しそうで……いつものお元気な様子を思うと、本当にどうにかしてやれないものか、と思う。「お腹の赤ちゃんが元気だっていう証拠よ」「病気じゃないんだから」などと、イムジャはおっしゃるが……もともと白い肌は青みがかり、細い身体は更に細く……何よりも、あれ程
「…うぅう〜…気持ち悪い………」——蝉の鳴き声が煩い。夏の日差しは突き刺すように濃く、蒸された土の匂いが、汗ばむ身体にじっとりとまとわりつく。だいぶ慣れたけど、高麗時代の服は暑くて……不快指数が半端ない——妊娠が分かってからひと月あまり。そろそろつわりが始まるかも、と思い思い過ごしてきたけど、全然大丈夫だったから、私はつわりの無い人なのかなー、なんて油断していたら——急に、来た。……こんなに辛いものだったなんて。病院で気分の悪そうな妊婦さんを見て、大変ね〜、でも病気じゃないんだか
ヨンヒョンと医仙様にお子が出来たって——嬉しい知らせを言付かって、オレは大急ぎでチェ家を訪ねた。安州(アンジュ)での軍事訓練を終え、トクマンさん達が帰京するのに合わせて、オレも同行させてもらい都へ来て……普段は禁軍の兵舎で寝泊まりしているけど、チェ家にお世話になる事もしばしば。チェ尚宮様やヨンヒョン、医仙様も、「ドンジュは身内同然だから」と言ってくださって……用人の皆さんも親切で、チェ家の方々には、本当によくしてもらっている。今日も、ギチョンさんが、「おぅ、ドンジュャ。どうした?そんなに
こんなにも日差しが眩しくなっていたのだな——大護軍とドチ達を伴い、王宮の庭園をゆっくりと歩く。大きく息を吸い込んで、じっくりと吐き出してみる……気分が良い。ゆっくり見る間もなく花の季節は終わり、新緑を覆う雨もようよう落ち着いて……暑さも感じるが、それでも水面を上がってくる風は爽やかだ。日々国事に忙殺されてい……いや、君主としては当たり前の事であるのだが……心穏やかに過ごせる時間は多くない。今日は久々に、チェ・ヨンが護衛に参った。迂達赤隊長であった頃もそうそうは無かったが、護軍、大
康安殿(カンアンデン)へ行ってみると、何やら重苦しい様子が見てとれた。扉の前に立つ内官が、俺を見るなり、下げていた眉根を一層下げ、あぁ、と息を吐きながら頭を垂れた。どうやら先客がいるらしいが……何事だ?と俺が問うより早く、内官が「大護軍、チェ・ヨンが参りました」と取り次ぐと、すぐに「通せ」と主の声がした。開けられた扉の向こうには、王様とアン・ドチ内官。脇にはチュンソクが控えてい……そしてもう1人。竜顔を前にして、俺に背を向けて立っている大柄な男——ゆっくりと振り向いて俺を睨めつける、キ
イムジャをテマンに託し、迂達赤兵舎へ戻る途中も——俺の頭の中は、イムジャの事でいっぱいだった。大切なのはこれから先の事。イムジャが心安く過ごせるよう、万事整えたい。俺自身、いざという時に身動きが取れるよう、まず王様にご報告と嘆願を……王様はきっとお許しくださるだろうが、五月蝿いのは禁軍の奴らか……別に構うものか。コモにもよくよく目を光らせてもらおう。何しろ王宮での諸事雑事は、チェ尚宮の手の上だからな。それから、イ・セク……あの男、天の書についてあれこれ尋ねすぎる。イムジャの負担になら
ヨンは……今どんな顔してる?さっきから、抱き締められたままだから……嬉しいけど、顔が見えない。見たい。出会った頃と比べると、随分表情豊かになったヨンだけど……固まって私を見つめていた顔は、嬉しいのか驚いてるのか…多分どっちもよね…まさか、嫌では無いと思うけど——「ヨン……嬉しい?喜んでくれる?」余りにも、ハグ以降の反応が無いものだから、私は心配になって口を開いた。すると、黙って私を抱き締めていたヨンの身体が、ピクリと震え…ほんの少し、一瞬だけ震えた気がして…ヨンが腕を緩めて、私の顔を
ヨンが固まっている。こんなに固まるのも珍しい…ていうか、初めて見たかも………あ、動いた。私を見つめたまま、瞬きするだけだったヨンの目が、す、と焦点を合わせた途端、そのまま私のお腹辺りを見つめ、また私の顔へ戻り、再びお腹へ向き……何度かそれが繰り返された後、ヨンの両手が私の二の腕を掴み、私は左右から、がっちりホールドされた。「まことですか?」「うん。さっきユン先生に診てもらったわ」「赤子を授かっていると?」「うん——」「………」ヨンは、私をひた、と見つめてから——ウロウロとあち
そう言えば、って、後から気づく事っていろいろあるけど——妊娠もそのひとつだったわ。妊活を始めてから、王妃様の事はもちろん、自分の体調も気にかけていたのに。脈だって、毎日自分でも診てたし。生理は……もともと不規則だったから、ちょっと自信無くて。来ない……あ、来たわ。出来てなかったのね……来ないな。ん?本当に来ないな……アレ?……て、感じだったわ。だから、もしかして…と思ってた時に、滑脈があった気がしたから——でも、自分では確信が持てなくて、ヨンにはすぐ言えなかった。とにかく、
「当家の嫁が…懐妊いたしました。王妃様」あの日、そう言ってチェ尚宮は頭を垂れた。つい先程、外に大護軍の私兵の…いつもの若者がチェ尚宮を訪ねて来ていた。急ぎの知らせのようだ、何事か、と案じていたものを……なんとよき知らせではないか。一刻も早く王様のお耳に入れたくて立ち上がったが、いつになく、覇気の無いチェ尚宮の様子が目に入った故に——……わたくしは、聞き間違いをしたのか?慶事を、大層嬉しい知らせを耳にしたと思うたのだが?チェ尚宮はいまだ顔を上げる事なく、何やら妙な様子で畏まっている。
大護軍が王宮へ行く時は、チュホンに乗って行くから、俺はチェ家へ寄らずに、家(トギと住んでる)から直接王宮へ行く。俺は今でも大護軍の私兵だから、その日によって、医仙の護衛につけ、とか、手裏房に繋げ、とか、仕事はいろいろだ。ただ、医仙が典医寺に出仕する日は、馬車で行くから、御者も兼ねて、まずチェ家に行く。行くと、ギチョンアジョシが馬車を回してくれる間に、ソニさんが「おはようテマナ、ご飯食べる?」と声をかけてくれる。そこへスンアジュンマが「いいから食べておいき。奥様を頼んだよ、テマナ」と、飯を
医仙がヨンの元へ戻って来てくれて、婚儀も無事に終わり……度を越す程、仲睦まじい姿を目にしてきた故、じきに良い知らせを聞けるだろう……とは、思っていた。いたが、まさかこのように早くとは……私は、つい緩んでしまう己れの顔を、何とか戻す、また緩む、を繰り返していた。あの日、いち早く知らせを持ってきたテマンに、思わず少々の駄賃を握らせ、私は小躍りする勢いで王妃様のもとへ向かうも……すぐにその足を止めた。懐妊したのは、うちの嫁だけなのだ——王妃様とウンスが、共に“妊活”とやらを始めたのはこの春の
「……でね、トギにヒジンさんの処方を頼もうと思って、典医寺に行ったのよ。トギ、ちょうど薬草部屋(通称トギ部屋)に居たから、お茶を飲みながらアレコレ話してたんだけど……その間テマンたら、ずーっと外で待ってるの。中で一緒にお茶飲もう、って何回誘ってもダメだったわ」眠る前の晩酌のひと時。イムジャがちびちびと盃を舐めながら言う。「それはそうでしょう。テマンは貴女の護衛です。困らせないでやってください」「そうだけど……部屋の中に居ても護衛は出来るでしょ?外には武女子(ムガクシ)の子達も居てく
おれ、耳がいいんだ。お前の特技だな、自慢していいぞ、って、言われたこともある。そっか。役に立つ耳かぁ。そりゃあいいや。だけど今…うーん、今だけじゃなくて、医仙の護衛に付くようになってから、しょっちゅう……この耳が、こそばゆい事が多くて。嬉しいんだけど、困る事が増えた、っていう——御者として馬車に乗ると、医仙ひとりの時は、天界語混じりの、訳の分からない独り言が聞こえてくる。(医仙の独り言はデカいんだ…)大護軍と2人の時は、お幸せそうな、穏やかな会話と雰囲気が伝わってくる。ただ…それだけ
己れの鼻先に、イムジャの纏う花の香り……イムジャの行動を予測出来ていた俺は、飛び込んできた柔らかな身体を、驚く事なく受け止めた。“はぐ”というのだそうだ。ただ…愛情表現だけでなく、親愛の情や感謝、慰安の時にもするのだ、というところが、若干気に入らないが。イムジャが俺にする“はぐ”は、まごう事なく愛情……俺は夫ゆえに。他の者とは違うのだ。アン家の客間に居た時から、イムジャはずっとおかしな様子だった。奥方の年はいくつか?随分若いのだろう、と言い出したあたりから、もしや…とは思っていたが。
今のアン家の客間には、ちょっと不思議な光景が広がっていた。アン家の2人の子どもと、友人夫婦であるヨンと私。家族ではない4人が、一見まるで家族のように、和気藹々とお茶とお菓子を楽しんでいるのだから。途中、女中さんが来てくれて、お茶を入れ替えたり、子ども達の世話をしてくれたりしたけど、当の主人夫婦は、まだ寝室から戻って来ていなかった。——いいんだけど。そう仕向けたのは私なんだから。ミンジュもウクも可愛いし、お茶もお菓子も美味しいし。ここを出たらヨンは出仕だから、それまで少しでも一緒にいら
ヨンと医仙…奥方が、一瞬、意味深な目線を絡めた事には気付いていた。しかし、それがそのまま俺に向けられ、まさか、あのような事を耳打ちされようとは……しかも、ヨンから。“赤子が腹に落ち着くまでは、奥方に無理を強いるな。我慢しろ”そして、返す言葉も無く瞬きする俺の肩を、あやすように叩くと、ヒジンに会釈をして、ヨンは医仙の後を追って出て行った。ヨンめ……覚えてろよ。今は他人事だと思ってるだろうが、お前だって直(じき)に——「……あなた」俺はヒジンに呼ばれて我に返り、慌てて振り向く。目が合う
出産は女の大仕事。ひいては家の一大事。ヒジンさんを安静にさせるためにも、家族…特にアン・ジェさんには、理解と協力をしてもらわなくちゃね。「ヒジンさん。赤ちゃんが安定するまではダメだからね。アン・ジェさんにも言っ……えっと、ヨンから伝えてもらうから」「?何を……あ…」分かりました……頬を染めたヒジンさんが、蚊の鳴くような声で答えた。「とにかく、今は安静にする事。薬を飲んで出血が収まるまではね。さぁ、横になって」私は、すやすやと眠っているウクの隣へと、ヒジンさんを促し
ヒジンさんは、膝で寝入ってしまったウクを寝台に移し、ミンジュには「お父様にお伝えして。母は大丈夫だからと」と言伝を頼み、その背を見送ってから、私に向き直った。「医仙様、あの…」「ウンスと呼んでください。オンニでもいいけど。フフ」「とんでもないですわ。…ウンス様。お伺いしたい事がございます」「何かしら。何でもどうぞ」ヒジンさんの色白の…アイドルのような愛らしい顔が曇っていく。「実は……申し上げた通り、悪阻は上の子達の時もあったのですが、此度は少々…重くて。先程はミンジュが心配するので言
次の私の休みの日、ヨンは約束通り半休を取って、アン・ジェさんのお屋敷へ連れて行ってくれた。代々アン家は武人、チェ家は文人の家柄だとか……それでもお父様同士は仲良しだったから、当然アン・ジェさんとヨンも——「別に、普通でした。共に書堂に通い、剣術の稽古もして」……そういうのを幼馴染って言うのよ、ヨンァ。「へぇ。じゃあ、2人で庭の銀杏の木に登って、ギチョンに怒られたりしたの?」「……何故貴女がそれを……」「ヤダ、本当に?あはははっ!」ソニから聞いた昔話を膨らませてみたら、図星だった
ジアの目の前をいきなり車が通り過ぎる「え???」ジアは驚いて周囲を見回す大きな交差点の中洲に立っている周りを通り過ぎる人達の視線を感じたジアは自分の衣を見る市に買い物に出る際に纏っていたチマチョゴリのままだったでも周りを歩く人達はスーツやジーンズミニスカートも…「え?私もしかして帰って来た?」ジアは近くにいたカップルを捕まえる「すみません!ここ何処ですか?」頭がおかしいのか?この女…と言う顔を浮かべながら「ソウルだよ!」とだけ告げるとジアの腕を振り解き立ち去っ