ブログ記事879件
本題のお話を始めるまえに、まず前提条件があると思う。それはレコードのコンディション。もし完璧な状態のオリジナル盤を想定するなら、オリジナルの方が良いと言えるだろう。でも傷んでしまったオリジナルなら、再発盤より良いとは言えない場合もある。盤のコンディションによって大きな差があるのが中古レコードというもの。たとえば新品の再発盤なら、ホコリやキズなどによるプチ音とか一切ない。でもほとんどのオリジナル盤は、多かれ少なかれ雑音がある。内容が良いレコード、名盤といわれるレコードほど愛聴され、再生回数
最初期等、幾つかの例外を除けばBLUENOTEやPRESTIGEの録音は、ほぼRVG(ルディ・ヴァンゲルダ―)によるものだと思い込んでいました。ところが1960年代後半のPRESTIGE、具体的には7500番台以降にはRVG以外の録音技師が採用されるケースが目立つようになります。今回はその中でRICHARDALDERSONの手になる作品を取上げます。CEDAR!/THECEDARWALTONTRIO、QUARTET&QUINTET(PRESTIGE7519)
統一されていなかったころの盤を正しいイコライザーカーブで聞いている動画の一部です。急ぎの方は7分38秒あたりからどうぞ。ぴったりEQカーブでレコードの魅力がさらにアップ|田中伊佐資の“やっぱオーディオ無茶おもろい”第16回音楽&オーディオライター田中伊佐資と自他ともに認める"オー(ディオ)馬鹿"TOPWINGCybersoundGroup広報の菅沼洋介が、オーディオの色々な”面白さ”をお届けする「田中伊佐資の“やっぱオーディオ無茶おもろい”」。第16回は、EQカーブ。レコード
初盤道究極のアナログレコード攻略ガイド2023年真保安一郎(著)2,750円やっぱねぇ、オリジナルなんだよオリジナル!初盤なんだよレコは初盤!再発?CD?配信?オリジナル・レコ以外は全てF**********CK!こんな意味のないレコ・ブログを見ているそこの君!持っているCD&再発レコを全て捨てよ!Spotify?AmasonMusic?今すぐ解約せよ!オリジナル盤以外はレコではない!断じてない!オリジナル盤以外は全てF*CKだ!!(ハァハァ…)。…というような過
GERRYMULLIGANは、バリトンサックスの第一人者でありながら、その奏法は、クールでジェントルでスムーズ、音量も控えめで、およそ従来のバリトンサックスの概念を払拭するものでした。そのためジャズ初心者の頃、MULLIGANが一般的なバリトンサックスの音色だと思い込み、新たなバリトン奏者に出会う度に、ゴリゴリとしたアクの強い耳障りな音に違和感を持ちました。MULLIGANの最初の10インチは、1951年のPRESTIGE録音(PRLP120及び141)でSP盤と同時発売と思われます
(前回の続き)3/20(水・祝日)。レコ掘りに燃える男の朝は早い(…というか、前日ホテルに早々に帰ってからすることもなく、早寝早起きしただけw)。この1日で、ワイが名古屋レコ屋を征服してくれる(フーフフフッ…)とニヤニヤしながら、その日の計画を練る。ここで男は2つの問題に直面する。1つはこのまま名古屋へ移動するかどうか?である。今回は車で愛知まで来ているので、車で名古屋まで行かないといけない。移動時間を考えればさっさと岡崎を後にした方が良いのですが、どうも前日逃したバナナレコード岡崎店
ジャズの録音で最も有名なエンジニア、RudyVanGelder。彼の録音スタイルは独特で、非常に個性的。ピアノをコツコツに、ベースをボアボアにする一方で、サックスとトランペットにはエコーをかけて生々しさを強調し、ドラムスは実際より何倍も大きく感じさせる炸裂音にした。楽器ひとつひとつの音はデフォルメされていて、生音とはかけ離れているのに、全体としては魅力あふれる音。“オーディオは生音を再現することを目標とする”というのが基本だとすると、全くオーディオ的にはダメなはずなのに、レコードの音は
SOMETHINGELSEBYTHEKINKS(PYENPL18193、NSPL18193)*SOMETHINGELSE(PYENPL18193)マトリックス:NPL18193A-1*M、B-1*MMONAURAL盤*SOMETHINGELSE(PYENSPL18193)マトリックス:NSPL18193A-1*F、B-2*MSTEREO盤「VILLAGEGREENPRESERVATIONSOCIETY」のモノラルとステレオの比較をやれと
米キャピトル盤ならCapitol盤をCapitolカーブで再生すれば劣悪音質で有名なビートルズの米国盤が英国オリジナル盤に迫る高音質に生まれ変わります。また正しく聞けばビートルズもハイエンドで演奏や声がさらに蘇ります。うちがまさにそうですから。各レーベルレコードのイコライザーカーブとオリジナル盤v.s再発盤|mixiユーザー(id:8290003)の日記先に結論を書いてしまった方がわかりやすいので、まずは端的に各レーベルがどうしてRIAAカーブ以外のを使い続けたのか、いつまでかで
なんだかんだ言ってもオリジナル盤には強いこだわりを持っています。こだわりがあるからこそ、主力のジャズではリアル・オリジナルを求めてSP盤や10インチLP、更には16回転のレコードまで蒐集してきました。ところで最近思うのです。英国のバンドがアメリカのレコード会社と契約した場合、オリジナルはUS盤なのか、それともUK盤なのか?KINKSは生粋の英国のバンドです。デビューから長年PYEと契約を結んでいましたが、1971年に大手RCAに移籍します。RCAは(RadioCorporationo
モダンジャズの雄、PRESTIGE。畢生の名盤『SAXOPHONECOLOSSUS』を筆頭に、PRESTIGEにはSONNYROLLINSの名盤が、数多くあります。当然、コレクターは全て入手を目指しますが、その途中で、ある疑問にぶつかります。『TOURDEFORCE』(PRESTIGE7126)が、短期間で『SONNYBOY』(PRESTIGE7207)として再発され、収録曲のうち2曲だけ入れ替わっているのです。リリースは1961年、『TOURDEFORCE』から、
スイス・ジュネーブから列車で約1時間、風光明媚なレマン湖畔の町、モントルーで1967年から毎年、開催されているモントルー・ジャズ・フェスティバルは、世界三大ジャズ・フェスティバルの一つとして認識されるまでになりましたが、当初はカジノが併設された今で言う「IR」のハシリのような施設でした。ここで1968年、1970年、1975年の3回に渡ってBILLEVANSのライブ・アルバムが録音されています。VERVE、CTI、FANTASYと別のレーベルから発売されていて「音」の違いにも触れたいと思
ジャズの醍醐味がインプロビゼーション(IMPROVISATION・・即興)にあることには賛同しますが、多重録音を「こんなものはジャズではない」と軽蔑する方には異を唱えます。モダンジャズ期の多重録音で有名なのはLENNIETRISTANOの諸作やMONKの『BRILLIANTCORNERS』で、私は全く問題なく聴いているどころか愛聴しています。これは多重録音など当たり前のプログレッシブ・ロックを高校生の頃にリアルタイムで聴いていたため抵抗が無かったのかもしれません。と言っても積極
ブルースで有名なシカゴの名門、CHESSレーベルのジャズ部門がARGO、当然音作りにもCHESSのノウハウを引き継いでいて、極太の音でジャズファンを魅了します。特に初期のモノラル・サウンドは、BLUENOTEやPRESTIGEのRVG録音にも負けない迫力があります。ZOOT/ZOOTSIMSQUARTET(ARGOLP608)好録音。ZOOTSIMSのテナーが炸裂、ZOOTの全てのレコードの中で最も良く鳴っているアルバムではないでしょうか。RVG録音との違いは、
ドラマーの代表作を選出するのは難しい。リーダー作は自己顕示的な長いドラム・ソロが入っている等、純粋に一枚のジャズ・アルバムとして評価した時に首をかしげたくなるようなものが多く、かと言ってリズムを刻むだけの静粛な演奏に終始したものは「いったい、誰のアルバムなの?」と疑問符が付くからです。そのためドラマーの代表作はリーダー・アルバムではなくサイドマンとして参加しているアルバムに多いように思います。"PHILLY"JOEJONESにも、その傾向があります。SONNYCLARKTR
先月19日、野暮用で豊橋市(愛知県)に行くことに。翌20日が春分の日で休日ということもあり、掘り師としては当然帰路に就く前に『レコ屋へ行くんや!』と計画を立てる。愛知と言えば、名古屋。名古屋といえば最近は新規レコ屋の出店が相次ぐと聞く。更に、名古屋はやたら掘れると皆が言うではないか?『レコ屋巡りin名古屋』タイトルを見て、私が名古屋に出撃したとお思いの皆さま!行きたいのは山々ですが、そんなお金がどこにある?金があるならハードなオフでレコ墓場(=ジャンク)掘りなん…ameblo
長いことオリジナル盤を蒐集している同好の士には、特に高価なレコードでもないのに何故か綺麗なものが見つからない、そういうレコードに限って愛聴盤という経験が少なからずあると思います。ここで取上げたレコードも過去に3枚以上購入して、ようやくチリチリ・プツプツ音に邪魔されず、気持ちよく鑑賞ができる状態のものに巡り合えました。FIRSTPLACEAGAIN/PAULDESMOND(WARNERW1356)同じJIMHALLとのコンビでもRCA盤の研ぎ澄まされた美しさに比べ
先に結論を書いてしまった方がわかりやすいので、まずは端的に各レーベルがどうしてRIAAカーブ以外のを使い続けたのか、いつまでかです。以下、この問題に詳しいアコースティックリバイブ石黒社長のコメントから引用します。コロンビアは1980年でようやくRIAAカーブに切り替えです。マイケル・ジャクソンでいえば79年発売のオフ・ザ・ウォールはコロンビアカーブ、82年発売のスリラーはRIAAカーブになります。Capitol盤は生涯RIAAカーブに変更せずにCapitolカーブで80年代後
「ジャズ批評」の最新号はWESTCOASTJAZZ特集です。同じ特集が丁度30年前(1989年)に組まれていて手元にあります。「JAZZ批評」自体も随分と薄っぺらになりましたが、最近は「今の時代、これはこれで良いのかも」と妙に納得しています。左が最新の211号、右は30年前の66号さて特集として「ウェスト・コースト・ジャズの名盤100」が選出されています。私がオリジナル盤の蒐集を本格化して最初のターゲットが、PACIFICJAZZの1200番台だったこともあり、ウェスト・コース
WesMontgomeryCaliforniaDreaming1966★今回はちょい、マニアックな事を記事にしたいのだけど、それは、レコード盤のレーベル部に溝が刻まれてる場合があり、レコード屋さんなんかでは、通称DGと頭文字だけ略されて、プライスカードに表記されています。オークションでもDGがあるレコードではDG推しのタタキ文が目立ちます。DGとはDeepGrooveの略称でディープ・グルーブ(グルーヴ)というのですがだいたい1950年代から1960年代後半までのLPには、レ
生涯50枚ものリーダー作を有するRAYBRYANT、そのピアノの特徴は小気味よく、またブルースやゴスペルの影響が感じられるアーシーな面が強調されたものですが、代表作とされるアルバムには意外にも別の一面が強調されています。RAYBRYANTTRIO(PRESTIGELP7098)RAYBRYANTのピアノからは繊細さや哀愁、上品さはあまり感じられなくて、どちらかというと快活で、厚かましくグイグイと押し込んでいくタイプだと思いますが、ほぼ唯一、繊細な面が感じ取れる作品がこ
(前回の続き)BOOKOFFPLUS熱田国道1号店のレジで(BOOKOFFのHPによれば徒歩1分の)駅の入り口を教えてもらい、退店する。実際にはそれでも1分では着かなかったけど、何とか地下鉄の入り口を見つける。何駅かは分からぬものの地下鉄の入り口を見つけ、とにかくレコ屋が集中する金山&栄方面へ移動(ハァハァ…)光の速さで3駅先の金山駅に到着!駅前ビルの2F?にある名古屋レコ屋1件目、バナナレコード金山店へ。10年ぶりくらいでしたが、無事営業していた(ホッ)。
JAMESMOODYWITHSTRINGS(ARGOLP-679)*JAMESMOODYWITHSTRINGS(ARGOLP679)、両溝、WLP(ホワイトラベル・プロモ)日本で所謂モダンジャズの時代において、過去も現在も、過小評価されているアーティストの最右翼は、JAMESMOODYではないでしょうか?アメリカ本国ではレコーディングの多さからもわかるように大層な人気ですが、日本では「MOODY、大好き」と声高に誇れる方が果たしてどれ程いるでしょう。でも人気がな
今日は、午前中で仕事を切り上げて、ALTEC6041スピーカーに加えたFostexT500AMkⅢの調整をしていました。導入してまだ20時間程しか鳴らしていませんから、現時点における所感です。こちら側のオーディオセットは、ALTECサウンドらしい全帯域に渡った明るく快活な音質のなかに、ジャズの熱気やピリピリとした緊張感も味わえるような音場再生となる様に調整しています。T500AMkⅢを加えた変化は、全体的な音楽の浸透力や楽器の響きが良くなって、凛々しい空気感となりました。品位と
ROCKに比べオリジナル盤判定が、なかなか進まないJAZZ。「レコード・コレクターズ」誌には「初盤道」なるコラムがあって、それこそ重箱の隅を楊枝で、ほじくるような細かなチェックをして、主にROCKのオリジナル盤を特定しています。ただ取上げている盤のほとんどが、私の全く興味の外のものばかりなのが残念です。もっとも、それが可能になっているのは、圧倒的な発行枚数とコレクターの年齢にあって、検証可能な枚数が少なく、高齢化の進んでいるJAZZの場合は無理なのも、やむを得ないのかもしれません。ダブ
お気に入りのミュージシャン、いますよね?その人のレコードなら、どんなレコードでもすべて持っていたいと思う。身がすくむような高額盤でも、なんとかして買いたい。苦労して入手したレコードが、たとえ内容的にイマイチであっても処分なんかしない。理屈じゃなく、誰が何と言おうと、好きなものは好き。そんなミュージシャンがいればいるほど、レコードライフは豊かになっていくと思います。先日JazzTokyoで、PeeWeeErwinが入ったレコードを見つけて小躍りした。ワタクシ・CottonClu
SAVOYレーベルに付きまとう、ダサい、芋臭いというイメージは、カラー・ジャケットになってからで、デザインの稚拙さ、とともにカラーテレビが初めて登場した時のようなケバケバしい色彩が拍車を掛けました。この時代のSAVOYは、およそ「ジャケ買い」とは無縁のレーベルです。でもSAVOYも10インチから12インチ初期においてはジャケ写真は、あか抜けないものの、渋いモノクロ・ジャケを選択したのが功を奏し十分蒐集の対象になるレコードが存在します。BOHEMIAAFTERDARK/KENNY
MODERNJAZZSURVEY/NEWYORKJAZZ(PRESTIGE5)*MODERNJAZZSURVEY/NEWYORKJAZZ(PRESTIGE5)、両溝、機械打ちRVG、PRESTIGE16回転レコードの3回目です。16回転の最大の長所は、33回転レコードを2枚分収録できることで、CDの「2IN1」を思いだしていただければよいと思います。但し、それは現在のように全てコンパクト、軽量の方に向かっている時代ならともかく、当時(50年代後半)はま
PRESTIGEには、簡単な打ち合わせのみで各人が自慢のソロを披露するブローイング・セッションが数多く存在します。入念なリハーサルがあったBLUENOTEなどとは違って、原則一発録りのため、演奏は粗くなるもののジャズ本来のインプロビゼーションが楽しめます。なかでは『ALLMORNINGLONG』『ALLDAYLONG』『ALLNIGHTLONG』のALLLONGシリーズが有名ですが、内容的には、もっと秀逸なセッションも・・・。INTERPLAYFOR2TRUMPE
モダンジャズの雄、PRESTIGEは幾つもの”傍系“レーベルを抱えていました。整理してみましょう。(NEWJAZZとSTATUS)…PRESTIGEの補完的レーベルでお蔵入りしたものやPRESTIGEの再発が主。(MOODSVILL)…バラードやスローテンポの癒し系。(SWINGVILL)…中間派、スウィング・リバイバル。(BLUESVILL)…ブルーズ・リバイバル。(PRESTIGEINTERNATIONAL)…トラッド・フォーク以上のレーベルはコンセプトが、はっきりしてい