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これはスーパーヒーローの映画ではありません。スーパーヴィランの映画でもありません。スーパーセラピーの映画なのです。現在公開中のマーベル映画『サンダーボルツ*』を観てきました。注:本記事はネタばれなしでお届けしているつもりです。とはいえ内容に触れている部分もあるので、映画未見の方はご注意ください。サンダーボルツ・・・それはかつてスーパーヒーローと戦い、敗れたヴィランたちのチーム・・・。「エンドゲーム」以降のマーベル映画は模索期でした。今も模索は続いています。その過程の中でマーベルが
やはり泣ける映画でした。ということで現在公開中の映画『366日』を観てきました。この映画は沖縄出身のバンド「HY」さんの名曲『366日』にインスパイアされて出来上がった作品です。ふとしたきっかけで出会った高校生の湊と美海は次第に距離を縮めていくのだが・・・。この映画、公開されたのは1月10日です。毎度公開初日に観に行くことが多い私にしては、公開から約2ヶ月も過ぎてから鑑賞するのは珍しいことです。それには理由があります。この映画の観客動員が異常なことになっているからです。何しろ公
現在公開中の永野芽郁さん、高橋文哉さん主演の映画「からかい上手の高木さん」を観てきました。中学時代に散々高木さんにからかわれてきた西方くん。母校の体育教師になった今、あの高木さんが教育実習生として戻って来る!!原作は山本崇一朗さんの同名の漫画。既にアニメあり実写ドラマありという人気作品ですが、例によってどれも私は未見です。それなのに映画を観に行くとは無謀もいいところです。まあ永野芽郁さん目当てなわけですが。映画はもう王道の初恋ラブストーリーです。焦れったくなるほど嬉し恥ずかしさ満載
個性的なアーティストが集まりました。5月2日~7日に青山スパイラルで開催された『SICF26』を観てきました。SICFとはスパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバルの略称です。本展は「若手作家の発掘・育成・支援を目的とした公募展形式のアートフェスティバル」(本展ホームページより)です。インディペンデントの名の通り、個性豊か、多彩なアーティストと作品が揃いました。なお本展はA日程B日程があり、私が観たのは前期のA日程です。Tapetum《クリーニング》床から黒い羽がた
役所広司さん主演、西川美和監督の映画「すばらしき世界」を観てきました。なお本稿は後半でエンディングに関するネタバレがあります。映画未見の方はご注意ください。原作は佐木隆三さんが実在の人物をモデルに描いた小説「身分帳」。例によって私は未読です。西川監督の映画を観るのは「ゆれる」以来です。今作は、オリジナル脚本を撮り続けてきた西川監督が始めて取り組む原作ものということになります。大雪の日、旭川刑務所を一人の男が出社します。男の名は三上。三上は殺人の刑で13年間服役していたのでした。
これは現実か、はたまた虚構か。現在、YumikoChibaAssociatesで開催中の吉田志穂さんの個展「ハルシネーション」を観てきました。うっかりしていのですが、会場に入って吉田さんの作品を見るのはこれが3度目だということに気がつきました。一度目は東京都写真美術館で、二度目は東京駅のBUGです。何かの光景が写っているようですが、多重のイメージが重ねられています。それは光の反射のようでもあり、影のようでもあり、レンズのハレーションか、印刷のズレ、インクのシミのようでもあります。
現在公開中の「ある閉ざされた雪の山荘で」を観てきました。ある山荘にやってきた7人の劇団員。それは最終オーディションの招待状だった・・・。原作は東野圭吾さんの同名ベストセラー小説。私は例によって原作小説は未読です。最近、綾辻行人さんの「十角館の殺人」という推理小説を読んだんですよね。私は推理小説には余り詳しくないのですが、この本で「閉ざされた山荘」という古典的な推理小説のテーマがあることを知りました。誰も入れない出れない場所で殺人事件が起こる。犯人はそこにいる誰かだ、というやつ
徳島県鳴門市にある大塚国際美術館を観てきました。この美術館は大塚製薬などを有する大塚グループが創立75周年を記念して設立した世界初の陶板名画美術館です。雑誌などでも行きたい美術館に選ばれるほど人気かつ有名な美術館です。特徴は展示作品すべてが大塚オーミ陶業の特殊技術によって複製された「陶板」だということです。つまり全部焼き物なんですね。古代から現代に至るまでの西洋芸術作品を原寸大に「完コピ」した陶板が並んでいるわけです。「えっ?コピーなの」と思うなかれ。現物を見たことがある作品もあり
レオナルド・ダ・ヴィンチ《最後の晩餐》修復後前回に続き大塚国際美術館のレポートをお届けします。地下2階ルネサンス・バロックこのフロアの見どころは何と言ってもレオナルド・ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》でしょう。この作品は1997年から1999年にかけて行われた復元作業でオリジナルの色彩がよみがえりました。レオナルド・ダ・ヴィンチ《最後の晩餐》修復前大塚国際美術館ではその修復後の姿と前の絵が対面で再現されています。これは現地にいっても絶対に見ることはできません。本物の《最後の晩餐
この映画の真相は話せません。話すとネタバレになるからですが。とはいえ何にも中身に触れずにレビューはできません。極力ネタバレなしでお届けするつもりですが、まだ映画をご覧になっていない方はご注意ください。『#真相をお話しします』。それは真相を話すことによって投げ銭が獲られるネット番組。今日もまた大金を狙って真相を話そうという人間が現れる・・・。原作は結城真一郎さんの同名小説。私は未読です。「ここで終わるのか」映画が終わり館内が明るくなってから、来場者が口々に呟いていたのがこの感想です
前回ネタバレなしで『片思い世界』のレビューをお届けしました。ただどうしても語りきれない部分があるので、今回はネタバレ全開で私なりの考察をお届けします。映画未見の方はご注意ください。三人娘の役名の考察広瀬すずさん、杉咲花さん、清原果耶さんが演じた役名はそれぞれ、美咲、優花、さくら、です。いずれも花に関連した名前です。この名前は「美しく咲く優しい花さくら」と読み解くことができます。3つの名前でひとつのセンテンスになるのです。映画の中で三人があれほど仲がいいのは、一つの文になるほど絆が深いから
らその「ばくモレ」写真要注意です。ということで2月22日から23日の間、南青山のLIGHTBOXAOYAMAで開催された『ばくもれ展』を観てきました。会場には綺羅びやかなインフルエンサーの皆さんのキラキラなSNSがいっぱいです。メイクもポージングもバッチリ決まってます。たしかに「ばくモレ」してます。本展ではかとゆりさん、折田涼夏さんらの人気インフルエンサーの「ばくモレ」なSNSがたくさん紹介されています。しかし実は本店のしかけはこれだけではありません。それは2階にあがる
本記事は通常の私のブログとは異なり、映画「市子」に関する個人的忘備録です。盛大にネタバレを含んでいるので、お読みになる方はご注意ください。この映画は出だしから不穏です。波が打ち寄せる海が映るのですが、その波が異様だからです。ふつう波というのは寄せては返す往復運動です。しかしこの波は四方八方から打ち寄せ泡立っています。そしてその青い海に最後に一瞬何か黒いものが映るのです。続くプロポーズの場面も変です。彼氏がいきなり婚姻届を出すからです。ふつうプロポーズというのは指輪を出して結婚を迫るもの
現在、国立西洋美術館で開催中の『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』を観てきました。色々書きたいことがあるので前後編でお送りします。山田五郎さんの「世界一やばい西洋絵画の見方入門」を読んでいると、「ピカソは生まれつき絵が上手い神童だった」と書かれています。しかし私はどうもピカソが上手い絵描きとは思えないのです。上手い絵描きというのは、素描一つ、線ひとつとってもきれいだと思えるものです。葛飾北斎の「北斎萬画」など、ほぼ一筆書きで森羅万象を描きだしています。また色合いで