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土曜、午前10時。ケーキが入った箱を持って、テクテクと歩く。陽気な空とは対称的に私はドキドキと緊張感を持っていた。スマホのナビで、目指しているのは、岡田さんの家。園児のお家に、連絡もせずに向かっている。事と次第によっては、私は職を失うかもしれない。朝、家を出る瞬間まで、迷いに迷って、自分の直感を信じることにした私。やらずに後悔するよりも、やって失敗する方がいい。そうやって進むべき道を選ぶのが、私のスタイルだ。「んー、ここか、な」たどり着いた岡田さんの家。
sideNモゾモゾ。ムニ。『…、…?、、…っ!』ガバッ!「、ん、」ギュッ。『っ///』目を覚ましたら、そこは天国。頭を上げた私は、強制的にゆうちゃんの腕の中へ戻る。夢じゃなかったとホッとして、こんな現実があるんだと、満たされる。昨夜、私の人生は変わった。本来歩むべきところに、軌道修正された。そんな、感じ。
タクシーに揺られ、たどり着いたのは、ちょっとお洒落な居酒屋?さん。お「すみません、茂木の連れですけど」店員さんに話しかけて案内してもらうおんちゃんの後ろに、そっと着いていく。凄く落ち着いた雰囲気の内装全部個室っぽいな…キョロキョロ…ソワソワ…お「なぁちゃん?ここだってー」『あ、うん。』変な緊張感と、小洒落たお店の雰囲気に飲まれつつ、おんちゃんと中に入る。お「お疲れ様でーす!」?「おんちゃん!久しぶりー!あ、噂のなぁちゃんだ!」『こんばんは。お邪魔します。』
sideN「、もしもし、あの、」『もしもし、ゆうちゃん?』私は上ずる声を何とか抑えて応答する。「、急に電話して、ごめん。」『ううん、大丈夫。…どうしたの?』ガチャッ!ガヤガヤ!ワイワイ!バタン!近くのお店の出入りがあって、良い感じに酔っ払った人達が横を通り抜ける。「…まだ、外?」『え、うん、今はおんちゃんの知り合いのところ』「そうなんだ、そっか、ごめん、急に電話しちゃって!えっと、あの、今日、ありがと。それだけ言いたくてっ、じゃあ…」『え、まって、ゆうち
sideY「1997、6、15…1997、11、7…」貴方と彼は、良い影響を与え合える二人です。例え考え方や感じ方が違ったとしても、反発し合わずにお互いが素直に相手を受け入れることができるでしょう。「んー。」ただの気休め、ただの興味本位で、相性占いなんかをやってみた。結果は悪くないようだけど、あんまり参考にはならないなと思う。相性よりも、どうやったらもう一歩踏み込めるのか、いや、そもそも、踏み込んでいいのか、が知りたいのだ。とは言え、当たり前にネット上のどこを
sideN「…」ゆうちゃんは、顔を伏せたまま。"遅い"そう言ったきり、何も言わない。『ごめんなさい、』私はその場にへたり込んで、精一杯の謝罪の言葉を口にするしかできなくて。私が泣くのは間違ってるって思うのに、ポタポタッとフローリングが濡れる。『ゆうちゃ、ん』こちらを見てくれないゆうちゃんに手を伸ばそうとしたけど、触れることは躊躇われる。『ゆうちゃ、ん、ごめんね、疑ってるとかじゃないの、それは本当なの。』「…、」『ゆうちゃんは沢山私のこと想ってくれてるのに
sideN私立探偵と言っても、大したことはない。ドラマやアニメみたいに、事件を解決したりするなんてことはなく、基本的には調査と報告書で成り立つ仕事。まぁ業務の性質上、情報収集能力には長けているから、たまに人や動物の捜索をしたりすることはある。とは言え、正か負か、明か暗かと言えば、人が隠している裏側を探るという点では、アンダーグラウンドな職業と言えるだろう。そんな我が社も有り難いことに仕事に困ることはなく、従業員を数名と事務員を抱えるくらいには順調だ。茂木さんのよう
sideNシタゴコロはあるか、と問われれば、無いと答えられる。それでも、今の行動を後ろめたく思うのは、やましい心があるからで。"ねぇねぇ、これめっちゃ可愛いよ!"適当な感じに車を走らせた後、近くのショッピングモールへやって来た私達。某コーヒーショップに向かう道中、ジュエリーがキラキラと並ぶお店の前で足を止める女の子。特段高価なものではないし、昔の私なら、気に留めることもなく、買ってあげたかもしれない。ただ流石に、これ以上の罪悪感を持つのはごめんだ。『うん、可愛
茂「はいよー!茂木特製モスコミュール、一丁あがり!」「ありがとー」茂「あ、生姜平気だったよね!?」「うん。…ゴクン、っ!おいし!」茂「すりおろし生姜が入ってるから、少し辛めだけどいけるっしょ!」「うん!良い感じ。茂木ってやっぱりバーテンなんだねー」茂「あのね、一応ここ、バーだから。あたしゃ、ここのマスターよ」「うそー!?飲んだくれの陽気な人だと思ってたー」変な所に感心するゆうちゃんは私の返答を聞いちゃいない。茂「もうっ!でも、なぁちゃんと別
sideY"また、会えますか"一度、理由も告げず背を向けた私に、逃げ出した私に、優しいなぁちゃんの言葉が刺さって。なぁちゃんの求める友人になれないと分かっているのに。誰よりも貴方の"一番"に、何よりも貴方の"特別"でいたい、そう伝える、勇気もないのに。"今、会いたい"なんで、そんなこと言っちゃったんだろう。思わず切ったスマホを握りしめて、天を仰ぐ。ブブブ…「!…あぁ、なんだ。」再び鳴る電話にハッとして、すぐ落胆。相手は△△君。「んー、面倒くさいなぁ、」もう
sideNトントン。「着いたよ?」『んー、はい、あ、お金…』「終わってるから降りてー?」『ありがとーへへっはぁい、おりまーす』茂木の一件が何とか無事に終わったところで、急激に回ったアルコール。しっかりしていないと、という自制はタクシーで眠ったことで余計に働かなくなってしまった模様。彩希ちゃんに促され、タクシーを降り、ふらふらと外に出れば、ガシッと捕まれる腕。「危ないからじっとしてて苦笑ありがとうございました」"ありがとうございました!"バタンッ。ブ
私は左手に持っていた短くなったタバコの火が消えている事に気がついたまた新しいタバコに火をつけるゆう「流石に吸いすぎ、、」なぁ「全然吸ってないですよ!勝手に短くなったタバコが悪い!」初めてキスをした感触はコンサートでした時より柔らかかったゆうちゃんを見るとさっきのキスを思い出してしまい目が合うと自然に唇に目がいってしまう私は気を紛らわすためにタバコを吸い上げ息を吐くゆうちゃんの方を横目で見ると恥ずかしいのか、暗くてもわかる顔の赤さ手すりに両手を乗せながら外を見ているその
sideYテクテクとしっかりした足取りで私達のコテージまでの道を進むと、三人が仲良く玄関前に並んで、私の帰りを待ってくれていた。なぁちゃんの姿が目に入った瞬間、何だか泣いちゃうくらい嬉しくて安心する。『ゆうちゃん!』大きな声で叫んだなぁちゃんは一目散に走って来る。私は泣いて心配かけないよう、我慢しながら、そちらに向かったのに…『ゆうちゃんっ』ギュッ。『ゆうちゃんっ、おかえり!』「ただいま、っ、なぁちゃん」走ってきた勢いのまんま抱き着いて、ギュッと力いっぱいに
sideY初恋は、叶わない。高校から大学の間、一緒に過ごした友達。友達で始まり、親友に昇格して、友達として終わった。ゆうちゃんのことが、大好き。ゆうちゃんは、特別。ゆうちゃんだけが、一番。それを友情として捉えていたし、友情であってほしかった。なのに。"ゆうちゃんだけには紹介しておきたいんです"その言葉と現実が、肯定してくれた"友情"は、"やっぱり、ね"私の中で正解の鐘を鳴らすだけ鳴らすと私にとっては"友情"ではなかったことを悟らせる。余りにも遅くに気付いた
🍎目線。久しぶりにSHOWROOM配信して、カラオケもしちゃって、楽しかった。楽しいけどやらないといけないこともあるし、時間もけっこう経っちゃったからSHOWROOMを終わりにしていろいろ片付けていると急に電話がなった。「もしもし?なぁちゃん?」電話の音ね、なぁちゃんだけ変えてるからすぐなぁちゃんからって分かるんだ。なんでなぁちゃんだけ変えてるかって、それは貴女からって分かるように。『ゆうちゃん、、今大丈夫ですか?』「さっきまでSHOWROOMしてて今片付けとかしてるくらいだけど
なぁちゃんがやってきてから私と彼女は同じベッドで寝ている。荷物を運んできた時に持ってきたお布団はクローゼットにしまった。なぁちゃんは遠慮していたが、やっぱり夜中に目を覚ます彼女が心配だった。2人でベッドに入るとき、必ずなぁちゃんは少し離れて横になる。「おやすみ、なぁちゃん」『おやすみなさい、ゆうちゃん』なぁちゃんの寝息を確認すると、そっとなぁちゃんに近づく。それが私のルーティンになっていた。2人での生活にも慣れてきた頃、金曜日の夕方私は駅でなぁちゃんと待ち合わせをし
家事を済ませると軽くおにぎりを三人でつまんで、出掛ける準備をする。昼に出掛けても、暑過ぎない季節は最高だ。小さい子を連れて歩くにはちょうど良くて助かる。『水筒、ヨシ!タオルに、着替え、ヨシ!』も「よし!」ず「よーし!」カエルの合唱みたいで、楽しい。『あ、待って待って!はい、帽子、被ろうね!』二人はお揃いの帽子と、色違いのTシャツ。Tシャツは私もお揃いのキャラクターだ。『じゃあ、行こうか!』も「うん!!」車を持っていない私には、必須のカートに、ずんちゃん
sideY「ちょっとーおんちゃん、大丈夫??」お「らいじょーぶ、らいじょーぶ!」普段ならお酒を嗜むタイプのおんちゃんが珍しくすごーく酔っちゃった。お「ゆうひゃん!おさけ、なくなったよ!」「はいはーい、大丈夫でーす。はい、これ、飲んでね?」お水の入ったグラスを渡せば、両手でゴクゴクと飲み干すおんちゃん。お「おいしーね!これ!」どうやら、アルコールと水の違いも分からないほど。「そろそろ、帰ろう??お家まで送るから」お「えーまだあそぼーよー」いつも優等生なおんちゃ
電話を鳴らすが出ないより一層に不安になる3、4回鳴らしてようやく出たなぁ「ん、ゆうちゃんですか、、?」ゆう「あ、ごめんね、もしかして寝てた?」なぁ「、、はい、、寝落ちして、、ました、、」今にも寝そうな声でもその声でまた不安が募っていくゆう「なぁちゃん、電話繋ぎっぱでいいかな、、」なぁ「んー?」ゆう「、、、少し寂しくて」なぁ「ふふっ、、いーよー?」眠そうな声で笑ってて今にも消えそうな声で答えてくれたゆう「寝ちゃっていいからね」なぁ「んーん、少しお話しましょっか」ゆう
sideN事務所に忘れていたスマホを見つけて、スマホ依存症の彼女が困ると思ってやって来たずんちゃんの自宅。そこでの、予想外の再会。前回のほぼ仕組まれた再会とは違う、本当に偶然の出会い。この数年間、こんなことはなかったのに。神様は、私にどれだけ試練を与えるつもりなのか。…だけど、「あの、山根さん?さっきはありがとうございました。じゃあ、私は、これで。」何とか正気を保っていた私に、会話を交わすことも無く、走り去ってしまったゆうちゃん。コンビニ帰りらし
sideN「なぁちゃんと帰るー!」茂「ゆうちゃん、ホント迷惑だから、ね?酔ってない時にしなって。苦笑」"俺がタクシーで送ってあげるよ?"茂「あ、それは大丈夫です。女の子達皆で乗り合いで帰りますから。」常連の子に閉店を知らせて間もなく、ゆうちゃんの側に来た茂木さんという女性。彼女にも随分とお酒を提供したが、しっかりとしている様子でオオカミくんをピシャリと黙らせる。しかしながら、連れがいるなら安心だと思ったのも束の間。私は、目の前で駄々をこねる可愛いゆう
sideY人生初の大失敗から早くも1ヶ月が経とうとしている。なぁちゃんとは生活時間が違うからか、あれから会ってはいない。それでも、"ただいま""おはよう""おやすみ""いってきます""おかえり""頑張ってね"噛み合っていないようでちゃんと通じ合う、不思議な連絡を繰り返していた。会って話したいし、あの微笑みを向けられたい。時が経てば経つほど、あの日の記憶は戻る気配を無くす一方で、なぁちゃんへの想いは募っていく。会いたいなら、お店に行けばいい。そんなこと
sideN「なぁ、起きて、着いたよ」『ん、はい』到着したのは24時間スーパー。そこでタクシーを降りた私達。少し寝たくらいじゃ酔いは覚めることもなく、私はフラフラとゆうちゃんの腕を支えについていく。最近出来たとは聞いていた大型店舗。そこで、お惣菜やらパンやら飲み物を購入する。「じゃあ、行こう?」『どこに行くの??』「ふふ、すぐ近く。歩ける??」『うん、大丈夫』何処かを目指して歩くゆうちゃんにノソノソとついて行く。(〇〇町って、大学病院の近くだなぁ)ぼんやり考えな
🍎目線。部活を引退してから美音としか帰ったこと無かったし、学校終わりに寄り道するとなっても美音とばかり。別に相手が誰とか関係なくほんの少し緊張してた。だけど、校門前にやってたきた人を見た瞬間さらに緊張が走った。そこにやって来たのは、、《ごめーん!こっちが誘ったのに遅れちゃったね》『あ、えっとー、、急にごめんね?私も参加で!!』〈えぇー!!!!/////茂木さんと奈々ちゃん!?なんでこんな人気者たち!!!〉《うーんまぁ、ちょっとね?笑》『てかえーっと、美音ちゃんだっけ?私たち
sideNドクンッドクンッ!初めて、自らゆうちゃんに手を伸ばした私は、それまで以上に、自分の鼓動が脈打つのを感じる。それは、ゆうちゃんから触れられたときのドキドキよりも大きくて。ゆうちゃんに、もっと触れたいという自分の中で初めて出会う、欲望の音。自分に向けられるのを嫌がったそれと同じものが、頭の中で膨れ上がる。そう思うと、私は急に自分が怖くなった。けれど。ゆうちゃんによって、キュッと握り返されてしまえば、それを振り解くほど、私の理性は強くない。(…ヤバい、
sideYチュ…優しく唇が重なって、優しく頬を撫でられれば、静かに離れていくそれ。いつも同じ歯磨き後のミントの香りといつもとは違うふんわりと漂うお酒の匂い。そして、『へへ//』クシャッと歯に噛む彼の変わらない笑顔。もう何度も経験したはずなのにときめくこの心は、いつまでも慣れないだろうし、慣れたくない大切な気持ち。「ふふ///」『幸せだぁ』私の膝に頭を再び下ろして、本当に幸せそうに目を閉じる彼。「もー寝る?」“まだ、寝ないで“とは言えなくて、でも、
sideYあの時、"叶わなかった"初恋。"叶う"とは思わなかった、初恋。"実ってしまった"その恋は、私をこの上ない幸せをもたらして、同時に、彼女の居ない人生には戻れないことを悟らせる。「ごめん、ね、迷惑かけて」『迷惑なんて思ってないよ?』私と付き合い出して、なぁちゃんはほとんどお酒を飲まなくなった。時間の許す限り、迎えに来てくれて。どんなに朝が早くても、私が家に帰り着くまで起きていて。私の体が心配だと、健康食品や健康グッズを入手して。酔って帰ってきた私の介抱
リクエスト__________なぁ「ゆうちゃんどうしたんですか??」ゆう「んー?なにがー?」おかしいゆうちゃんが。私は今スマホいじってるんだけど何故かゆうちゃんは私の後ろからぎゅーして顔を私の背中にスリスリしておられる!なぁ「ゆうちゃん眠いですか?」ゆう「んーん、眠くなーい」ゆうちゃんはずっとこんな感じただでさえゆうちゃんからあまりくっついてこないのに!嬉しさ通り越してもう、、、心配!なぁ「あ、ちょっとカバン取りますね」そう言って少し離れたカバンを取るためにゆう
👁目線。別になぁちゃんのことが嫌いな訳じゃない。大切な幼馴染みの1人。それに、わっちの気持ちなんてなぁちゃんは知らないだろうし。それでも、やっぱり、まともに顔見て話すのは無理だ。ゆいりは毎日一緒に来てるみたいだし、上手くいってんのかな、、。バン!!「もぎ!」《うわっ》「久しぶりの学校でなにボーッとしてんの笑」《ゆいりは晴れた顔してんな、よかったじゃん》「うん、ありがとう」《じゃあもう、わっちに構うなよー》「ありがとうだけど晴れてはない、茂木のことが心配」《心配される
sideNチュンチュン…、チュン…。モゾモゾモゾモゾ『んぅ、、、、、』ガバッ。ピピッ!ピッ。上半身を起こして、アラームを開始数秒で止めて。スヤスヤと眠る隣のあったかいかたまりに軽ーくノック。トン、トントン…『ゆうちゃん、朝ー』「…スースー…」ユサ、ユサ、トントン。『ゆーちゃーん、朝、ですよー』「…、あと、10分…」一度、薄っすらと目を開けたのに、それだけ言って、また夢の中。チクタク、チクタク。チクタク…。…!トンットントン♪『10分経ったよー?起き