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この新装開店にあたっては、多くの方から、胡蝶蘭の豪華な鉢植えをいただきました。ただ、私も含め、、スタッフに花のお世話をする心得のあるものが居りませんでした。そこで、お客様に差し上げようか、どういう風にしようか考えていたところ、胡蝶蘭を回収して、老人ホームや介護施設に寄付している団体を見つけました。連絡を入れて早速きれいなうちにお願いをしました。お金にはならない話ですが、皆様のお気持ちを、生かせる道と思いましたので、そのようにさせていただきました。これは、私た
先日、ホームページから照会がありました。他店で、注文をされたお刀を研いだ所、鎬筋の上に、2カ所ほど鍛え傷が出たようです。①それを、添え樋を入れて消すことはできないか?②業者はそれで了解してほしいと言うがどう思いますか?と言う2つの質問でした。これに対して、私は、「私は、鍛え傷は、大変大きく目立ったもの以外は、基本的に傷とは捉えていません。」「日本刀が古式製法によって作られた証であると考えています。」とお答えしました。近年の、日本刀を飾り物として、わ
久し振りに、長船助光刀匠の新作刀が入荷しました。この店を作って間もないころからの仲間ですが、今ではすっかり人気刀匠に成ってしまって、なかなか無理をお願いできません。偶に無理を聞いてもらって回してもらってます。長さ二尺四寸、反り1.8㎝、元身幅3.35㎝、元重ね0.65㎝、先幅2.65㎝、先重ね0.55㎝、刀身重量約830gの豪刀です。現在、研師さんによる研ぎと、ハバキ作成(銅一重)まで出来ています。流石に、武用刀の刀匠だけあって迫力満点の
なかなかに大迫力のお刀です。作者は、慶正刀匠、無鑑査刀匠松葉國正刀匠の門下と成ります。新作刀展での優秀賞など、既にその優れた技量が世間にも認められている刀匠さんです。今回は私が懇意にしている、助光刀匠の紹介で、こちらのお刀を分けて頂きました。正確には88.㎝余りで、1cm強、3尺には足りないのですが、大迫力は変わりません。助光刀匠に「現代刀匠で、誰の刀なら全力の試斬が出来るか?」と質問した所、松葉一門の刀なら間違いが何い。」という言葉で
(居合刀用の柄木です。中に深めに茎を刺す穴が開いています)何度かお話ししているのですが、居合刀は、基本的には分解できないよう作って有ります。厳密に言うと、分解は可能なのですが、一般の人には極めて分解しにくい様に作成されています。居合刀の柄は、量産された柄木です。なので、刀身を差し込む時に経木などで、固めてガタツキが出ない様にして、押し込んだ刀身ごと、目釘穴を斜めに開けて、そこに目釘を差し込んで、両端をカットします。説明書きの有る場合は、大抵、分解しない様に書い
刀の研ぎの仕上げ方法は、所謂「化粧研ぎ」と言われるものと「差し込み」に分かれます。大きな違いとしては、「化粧研ぎ」は最期に「刃取り」と呼ばれる工程で、刃紋を小さな石でなぞるように研いで、刃紋部分を白く浮かび上がらせる点でしょうか。現在は、この化粧研ぎと言われるものが刀剣研磨の主流で、研ぎと言うと、化粧研ぎを施された物をイメージされる方が多いです。当店の場合は、説明に書いては居ますが、差し込み仕上げを基本として、化粧研ぎをしていません。その分安い料金で研ぎをさせて
(某居合刀メーカーの柄巻き例を参照させて頂きました)これだって、沢山有る巻き方の一部に過ぎません。蛇腹糸等を使った、観賞用の柄巻きは、更に沢山の種類が有ります。当店では、基本的に、諸捻り巻きをを標準にして、お客様の予算に合わせて色々させてもらっています。先日、させて頂いた仕事等は、太目の蛇腹糸で複雑な模様で巻いていると思いきや、革靴に使われる紐を、蛇腹糸の代用にして、巻いてあるものも有りました。(これには、柄巻師さんもビックリでした)今、当店のスタッフの
当店の場合、拵の注文が非常に多いです。常時5振りから10振り前後の拵の注文をいただいています。その時、偶に、問題点として浮き上がる事に、目釘穴の位置の問題があります。ちなみに、大刀の場合、もともと太刀として打たれた刀身は、目釘穴の位置が、刀として打たれた刀身に比べ茎の中央より、つまり鍔からやや遠い位置に開けられている場合が多いです。次の2つの写真は一般の刀として打たれた刀身の目釘穴の位置です。よくある感じだと思います。下の2枚は、太刀として打たれた刀身に、打ち刀の柄を付
(写真は、長船助光刀匠の新作刀です)今朝、事務所に来て仕事中に何気なく、ユ―チューブを見ていると、次の様な動画が、流れて居ました。もしかして、今日到着予定の刀の事かな?と思って、、助光刀匠にメールで確認した所、「そうです」という回答。待ちに待った物がやってきました。助光刀匠は、修行中と言って、大変安い料金で作刀を請け負っていた付けが未だ会って、更には、実用刀剣を打つ刀匠として売れっ子刀匠に成ってしまって、二年待ち位で無いとなかなか売ってもらえない様に成っ
こちらの脇指、先日、、サイズが少しおかしいと思い、先日現物確認に行って、唯一、登録証とは別物と完全否定された一振りです。登録証では、昭和26年3月と本当に、所謂大名登録の初期の登録証です。お客様から買取したお刀ですが、長さも反りも若干合いません。登録証には、各都道府県に元票と言って最初に登録された時の情報がいろいろ書き込まれています。例えば、鍛え目、刃紋、時代等が詳細に書かれています。それと合わなければ、「全国照会」と言って、「こんな刀がお宅の教育委
日本刀を見ると、樋(刀身に掘られた溝)のある刀と、樋の無い刀が有ります。私の店では、圧倒的に樋の無い刀が多いです。何故かと言うと、私自身が斬るからです。知識と言うよりは、経験則なのですが、樋の無い刀は、刀が曲がっても、研師さん等のプロに任せると、ほぼ完全に真直ぐに戻してくれます。しかし、樋のある刀は、曲げてしまうと、捩れが生じやすく、捩れるとプロの研ぎ師さんでも完全には元に戻せなくなります。なので、斬る人は、樋の無い刀を使う事が多いのです。刀が曲がると言うと、「あんな堅
写真を良く見て頂くと分かりますが、上の柄は、目釘が2本入っています。下の柄は、目釘は一つです。日本刀の9割は、目釘が1個の仕様だと思いますが、当店で新作刀を注文する場合は、殆ど2本目釘仕様で打って頂いています。形が中心の場合は、1本目釘でもそれ程柄は痩せませんが、試斬中心に使うと、柄の木は結構なスピードで痩せて、ガタツキが出てきます。しかし、衝撃を2点で支える、2本目釘にした場合、柄の持ちが相当に違います。写真、上の柄は、私が長年使用した、貞光の柄で
今日、お客様から替え鞘の照会が有りました。買った刀の鞘も長くて鞘鳴りが酷い。柄もガタついている。との事でした。恐らく、合わせの拵でしょう。元々、その刀の為に作られたのではない。全く別の刀の拵を持ってきて、見た目を整えただけのものです。使用には全く適しません。刀剣商の市に行くと、拵だけで、刀身の入っていない物が結構販売されています。今時は、刀は飾り物として販売している事が多いので、使用を想定していないから、多少ガタついていても構わないと言う考え方です。良く、ヤフオク
あまりお勧めするわけでは無いのですが、時々依頼を受けるので、工作の研ぎのところに樋彫りの項目を設定しました。ただ、やるなら、現代刀で、それほど高額な刀でないものでやった方が良いかと思います。時代がある名刀に対して行うのは、文化財の破壊であると思います。居合の場合、試斬を禁じている団体が非常に多く、形のみで優劣を競うことが多いです。そういう場合、刀を振るときに鳴る、樋鳴りで刀を正しく方が振れているか、刃筋は正しいかと言うことを判断されるため、樋鳴りを少しでも大きく
私達の様に、刀を飾るのでは無く、使う人にとっては、柄の握り心地は非常に大きな問題です。この握り心地に大きな影響を与えるものの、意外と知らない人が多い事が目貫の位置です。当店は拵の注文を受ける事が多いのですが、この点に言及される方は意外と少ないです。「そういうのも有るとは、知っていても、何だか変だし」と思う方も居られるのではないでしょうか。目貫の位置の標準は、差表は鍔に近い所に、差裏は、頭に近い側に配置されます。一般に指定をしなければ、大体その様に配置され
今度の日曜日は、石清水八幡宮の男山、桜祭り武道大会に参加します。私が知る限りでも40年以上参加し続けて居る、誠和会の貴重な支部行事です。国宝の本殿の前にセットされた特設の舞台で形演武をした後、本殿横で試斬演武を行います。何処の奉納演武でも、最初に四方払いの形でお祓いをするかと思いますが、私達の流派の場合は、四方に立てた竹を斬って、お祓いをします。ただ、近年、試斬演武で竹ではなく、畳表を斬る人が増えて、「四方払いも、畳表の細いのでやっては」と言う意見も出ました
居合と名のつく団体の多くは、試斬を行いません。特に、全日本剣道連盟傘下の団体では、基本的に斬る事は、ご法度です。では、どのようにして刃筋正しく振れているか確認するかと言うと、樋鳴りで判断をします。樋鳴りの音を聞けば、刃筋正しく振れているかどうかが分かると言う考え方です。実際に、物を切断して、刃筋を確認しないので、樋鳴りの良い刀を選ぶしか無いのです。この考え方が間違っているとは思いません。居合は、あくまで、試斬術では無く、武道ですから、動いていない的を切断したりする事より
最近、私が代表をしている会に新人さんが入りました。道具を揃えたいとの事で、内の店に来ました。私んところの団体では、特に何処で道具類を購入しなければいけないと言う決まりは有りません。本人にも、それは最初に伝えて有りましたが、そうは言っても、何を揃えたら良いか良く分からないと言う事で、店を訪ねて来てくれました。案外、そういう人も多いかと思い、先日販売した物を、書き出す事にしました。①道着(居合衣)、私は長年剣道用の一番安いので過ごしてきましたが、「代表がボロをまとって居ては、会の
昨日、柄巻師さんが、完成した柄を二振り納品と、自分の欲しい物(大量の特注下緒)を求めて、来ていました。今お願いしていたのは、昨日納品に成った二振りと、単純なまき直しの柄一つでした。その時、話の中で出てきたのが、正絹の柄を、革の柄糸で巻きなおす事です。職人さん曰く「みんな、注文してくる人は、少し太く成るのは分かってるよね。」と言われました。正絹と革では、糸の厚みが全然違うので、正絹の柄を、作り直しでは無く、単純に、革糸で巻くと、一回り太く成ります。正直私も
居合等をやってる人には、極普通の事ですが、そうで無い人は、意外とこの力が弱い(コツが掴めていないかも知れないです)様です。お客様から、「刀届いたよ。」と連絡をもらったのですが、鯉口が硬くて、刀が抜けないで困っているとのお話し。親指で鍔をグッと押して、鯉口を切る説明と、ワインのボトルを開けるように、太腿に鞘を当てて、引っこ抜くやり方を言いましたが、それでもダメなら、ご相談して下さいとお話ししました。出荷前の点検で、少し甘いと感じたので、締めたのが仇と成った様です。しかし
刀の柄巻きには、下図のように、様々な巻き方があります。ただ、多くは、「諸捻り巻」が中心になっていると思います。少し高級な巻としては、「撮み巻」と言うものがあります。居合で使うならどれが良いか、職人さんの腕の問題が大きいので、一概には言い難いのですが、「諸捻り」が1番使い勝手は良いかと思います。その1番の理由は、強くしっかりと巻き易いと言う点です。使う側としては、非常に安心して使えます。「撮み巻」の場合、下手な人が巻くと、巻が緩く、使っている間に、だん
今日は定休日で、雑用を片付けていますと、(池田美術は、変則的ですが、日祝と火曜日が定休日に成っています。)大手の刀剣商の方から、「刃引き刀」を置いてませんか?」という照会を頂きました。どこかの学校で、剣道の指導をされていたお客様から、「引退するので、探して欲しいと頼まれた様です。」ただ、当店は、「斬れる刀が無いか?」と聞かれると「有ります。」と言えるのですが、わざわざ刃引きした様な刀は有りません。刃引きした刀をわざわざ探す位なら、真剣で無くても居合刀(模擬刀)で少し金具
昨日、一振りアップしましたが、5分としない内に購入が入りました。返信を打って居ると、電話がかかって来て、出てみると、そのお客様でした。以前から、当店のホームページや私のブログを見て、いつかここで真剣が買いたい。と思って頂いていたそうです。所が、何時も迷っている内に、他の人に買われて残念な思いをしていたそうです。しかし、今回はやっと購入が出来たと、興奮気味に大変嬉しそうに話してくださいました。そんなに言われると嬉しいですね〜。私達の取り組みを大変評
柄の握り心地は、刀を扱う上で大変大きな要素に成ります。どんな名刀を手にしても、柄が手にしっくりこないと、思い切って刀を振る事も出来ません。特に私の様に、人より手の小さな人間の場合は、大変大きな要素と成ります。工作を行う時、ここを重視される方は、今までに、自分の使って使い易かった柄を見本として預けて下さいます。写真の3つの柄は、全て私の刀に付いている、或いは付いていたものですが、ご覧の通りどれも総じて、細く仕上げて有ります。私は、余り金具に凝る人間では
本日、なじみのお客さんが久しぶりに見えられて、合わせ柄をお探しとのことでした。一般の刀剣店の場合、他の刀の拵を持ってきて合わせる事はしばしばあることです。しかしながら、当店の場合、使う事を前提としてお刀を販売して居ますので、合わせの拵に使う柄を、基本的に仕入れる事がありません。それでも、以前に作った柄で、使用していないものが2つほどあったので、それを合わせてみました。残念ながら、どちらも茎の方が分厚いようで、収まりませんでした。ただ、お話をする中で、お客
明日の日曜日、昇段審査を受けるため、アメリカ支部のユタ道場から、9人の方が来られています。審査は、夕刻から、京都支部において実施されることになったようですが、その前に肩慣らしをしたいので、昼間稽古をしている私達、誠和会で稽古させてもらえないかと、理事長より申し出がありました。もちろん、歓迎の旨返信返答しましたが、話の流れで、誠和会の稽古が終わった後、私のお店に立ち寄ってから京都支部に行くことになりました。「9人も入るスペースが、無いな〜」と思って、今日、一日掛かって、片
本日、お客様から、工作の進捗と、刀が到着した時点での連絡が無かった事にお叱りを受けました。確かに、最近連絡が滞りがちなのは仰る通りかと思います。申し訳無いとは思っています。ただ、昨夜の夜中から先程までに来たお問い合わせや、拵の相談は27件。正直、当店のキャパを超えているのが現状です。数秒で返せるものから、絵図も書いて説明しなければ成らないかなり時間のかかるものまで様々です。一日、パソコンの前に座って打ち続けても返し切れない事も有ります。中
不覚にも、今日の稽古で手を少し切ってしまいました。今日は、指導者交代で、私と同期入会の同じく六段の人に、前で各形の解説をしながら指導をして貰いました。時々、「そうだったっけ?」と思いながらも、聞きながら、みんなと合わせて稽古をしていると、「うっ!やったか。」納刀時に鯉口を絞り過ぎて、刀身が手を少し擦りました。一瞬置いて、血がジワー。鈍臭いですね。納刀する時に手を切るのは、あまり経験が無いのですが、やってしまいました。何時もは、手入れ用具の箱に
お客様によっては、血を吸っている刀は怖いから、戦後に作られた現代刀が欲しいと言われるお客様が結構居られます。その人のお考えなので、どうこういう筋合いではありません。まー、私は全く気に成りませんが。斬られた人は、刀を怨むでしょうか?刀では無く、その刀を使った相手を怨むのではないかという気がします。刀は自分で動きません。それを振るう人間によって、命を救ってくれる良い武器にも成れば、人を殺める凶器ともなります。要は使う人がどう使うかの問題であって、刀に怨念の様な物が取りつ
久々に、誰でも出来る簡単修理の方法をやります。柄のガタツキが酷い場合です。経木を貼るにも、縦にも横にもガタガタで、これはどうやったら良いか分からない様な場合の、非常の手段です。茎を傷める可能性があるので、古名刀にはしないでください。使うのは、これ!ホームセンターで売ってる、木工パテです。細く削った割り箸や、ピンセット、あるいは小柄のようなものでも構いません。とにかく、薄くて柄の奥の方までパテが届けられればそれで良いです。薄い箸や、小柄の先に