ブログ記事1,295件
1986年10月僕のバンドでは、未だベーシストが不在のままであった。そこでバンドメンバーの募集をする為、ロッキンS誌に載っていた人物へ、僕はコンタクトを取ってみる事にした。当時は、個人情報の保護などという概念はあまりなく、雑誌のメンバー募集頁には、住所や電話番号が普通に載せられていた時代であった。数日後、Kさんと名乗る大人の男性から、僕の自宅に電話が掛かって来た。Kさんは、CBSソニーと関係のある方なのか?、本人に当時は訊いてなかったので分からないが、尾崎豊のデビューに関わっている様
1986年9月下旬都内某所のミスタードーナツ僕は店内でコーヒーを飲んでいる。「ん?」僕がそう言ったのは、斜め向かい側にいる4人組の高校生たちが、何やら騒がしかったからだ。どうやら彼女たちは、この近くにある私立の女子高生の様だった。「ほら!、早く!」「行って来なよ!(笑)」席に座っている3人の高校生が、僕から見て背を向け立っている女の子に、はやし立てられている。もじもじする女の子は、意を決すると僕の方へ緊張の面持ちで近づいて来た。「あ…、あの…」僕の前に立った女の子が、しど
1986年7月末僕は、8月から海の家でバイトをする為、面接を受けに、江ノ島の西浜(片瀬海岸西浜)に来ていた。西浜は、江ノ島大橋から江ノ島を正面にして、右側に位置する。鎌倉方面とは逆となる、鵠沼、辻堂、茅ヶ崎方面の海岸だ。僕が面接をした海の家は、地元の民宿が経営している店であった。その海の家をバイト先に選んだ理由は、住み込みで働けるからだ。僕は、この江ノ島で一ヶ月間、住込みでアルバイトをしたかったのである。「どうでしたぁ?、面接はぁ~?」付き添いと、面接後の海水浴に同乗した、金髪
1986年7月僕は、ギタリストのカズと一緒に、大学の側にある喫茶店「がらん堂」にいた。「いやぁ…、藤枝チャン…、かわいかったなぁ…(笑)」カズはニヤニヤしながら、先日やった、青学軽音サークルとの2回目の、BBQ懇親会を思い出しながら言う。「あのシンセサイザー担当の、(背が)小っちゃいコの事か…?」タバコを咥え、火を点けた僕が言った。「でも、野間も捨てがたいし…、高田もソソル…(笑)」(カズ)「誰でも良いんだな…?(苦笑)」「しょうがねぇじゃん!、だってあいつら皆、俺に色目使って
1986年4月僕は大学の近くにある喫茶店、“がらん堂”へギタリストのカズといた。がらん堂は、ウチの学生たちがよく利用する純喫茶だ。純喫茶とは、内装が昭和レトロ風な喫茶店の事で、本格的な珈琲を飲ませてくれる。ここでは日替わりで、サービス珈琲というものがあり、キリマンジャロやコロンビアなど、普段は高くて注文できない珈琲が、ブレンドと同じ値段で飲めるのが良い。「あれ?、お前、タバコ変えたのか?」目の前のソファに掛けるカズが、タバコを吸う僕に言う。「ああ…、メンソールに変えた…」「メン
昨今はネットからの配信や、アニメ映画の影響で、日本人ミュージシャンも海外で知られて来る様になりました。一般の日本人には余り知られてないけど、海外でブレイクした「BOOMBOOMSATELLITES」や、「BABYMETAL」なんかは、その先駆けといえるのではないでしょうか。今回、取り上げるアーティストたちは、実力は勿論ですが、楽曲やパフォーマンスにオリジナリティがあり、言うならばそれは、日本人ならではの独特な音楽性や歌唱方法が海外からウケているのだと分かります。これらのアーティス
1986年4月僕は山手線に乗って、バイト先の渋谷まで向かっていた。この春から大学生になった僕は、渋谷にある「ダイニング“D”」というダイニングBARで、アルバイトを始めていたのだ。その仕事はウェイター業務で、17時から21時まで週5日勤務する。5日も働く事になったのは、高額な楽器を3年ローンで購入した為である。僕は先日、ギタリストのカズとオリジナルの楽曲を録音した。その時に感じた事は、ただ曲が作れたというだけじゃダメなんだという事。それは、そんなやつは世の中にはゴマンといるからだ。
1986年4月一浪して大学に入った僕は、一時限目が行われる講義室で、ギタリストのカズと出会った。僕がカズと話していると、突然、大学剣道部の連中が、僕のところまでやって来た。「ああ!、いた、いたぁ!」「なぁ君、田岡先生が呼んでるぜ…」「田岡先生が?」彼がそう不思議がる。※田岡先生とは、この大学剣道部の監督をしている田岡範士八段の事である。「ちょっと来てくれよ」ジャージ姿の剣道部員たちの1人が言う。「何だ?、君らは剣道部か?」「ああ、そうだよ」「俺は、これから授業なんだよ」
1986年僕は高校を卒業後、一浪して、なんとか大学へ入学する事ができた。高校時代に、部活動でやっていた剣道の推薦枠であれば、浪人する事もなく大学に入れたのだが、僕はそれを断った。それは、スポーツ推薦などではなく、学力で堂々と大学へ入りたかったからだ…。なんてのは、真っ赤なウソで…(笑)実は、大学に入ったら思いっきり好きな事をして、学生生活を謳歌したかった。つまり、遊びたかったのだ。毎日毎日、血尿が出るほど稽古を続け、それが大学生になっても、まだ4年も続くなんて考えたくもなかっ
夏詩の旅人シリーズで、高評価だったものをランキングにまとめてみました。みなさんに読んで頂いた作品は、ランキングに入っていたでしょうか!?夏詩の旅人シリーズは、社会問題、世界情勢、時事ネタ、歴史考察などの情報を交えながら書かれたドラマです。しかし、この小説における最大の特徴は、作品を読みながら聴いて楽しめる、その場に即した、臨場感ある効果音やBGMを同時に体感できる事でしょう。これはWEB小説だからこその醍醐味だといえます。この作品を始めて読まれる方は、ぜひ貼り付けられた効果音も堪能し
「俺は良いやつなんかじゃねぇよ…。だが、悪いやつでもない…」彼はそう言うと、ニヤリと微笑んだ。1986年、バブル全盛期一浪して大学に入った主人公は、ただ漠然と、何か新しい刺激を探し求めていた。時代は空前のバンドブーム。主人公が見つけたものは、自身のバンド結成だった。人前で歌を歌った事もなく、楽器も演奏できない主人公が、音楽知識ゼロから始まった、生まれて初めてのバンド活動。それを、全曲オリジナル曲だけで、初ライブを目指すという無茶な目標を立てて…。このストーリーは、事実を元に、
僕の実家には、僕が33歳の時に亡くなった父を祀る仏壇があります。そこには2本のロウソクがあり、母は左、僕は右側にあるローソクに火を点けて、毎日手を合わせていました。僕の父は、生前キャラメルが好きだったので、キャラメルが手に入ると、僕はいつも父の祀られている仏壇に供える様にしていました。ある日、森永のキャラメルが手に入った僕は、それを仏壇に供えてローソクに火を点けて、仏壇に手を合わせたのでした。翌日、母が「あんた昨日、ローソクの火を消さなかったでしょ?」と、僕に言いました。どういう事か
2014年12月25日クリスマス当日サンタに扮したハリーは、中出氏が開発した反重力空中滑走機「メスプレイ」で、児童養護施設ともしび学園へと向かっていた。「うっひょぉぉぉ~~~~ッ!」ご機嫌のハリーは、そう雄叫びを上げながら市街地の上空を飛んでいる。やがて、空を飛んでいるトナカイとソリに気が付いた住民が、指で差しながら叫ぶ。「おい!、何だあれはッ!?」「え!、マジッ!?」「うえっ、サンタクロースじゃんかぁッ?」「どこどこッ!?」「ほら!、あそこッ!、あそこッ!」住民たちが次
2015年7月鎌倉由比ヶ浜海岸僕は、この日オフだった。。何がオフなのかというと、僕はこの年の1月から、コミュニティFMのパーソナリティー業を始めていたのだ。FMの仕事も慣れて来た頃、僕の担当する番組の放送時間が拡大する事になった。夏を迎えたこの時期は、放送局もイベントが多く入ったりして忙しくなる。だから僕の番組時間を長くする事で、他のスタッフたちはイベント業務に集中できるという訳なのだ。暑い日が続く中、僕は連日、パーソナリティー業を勤めていた。そんな中での久々のオフ。僕は妻のハ
2014年3月鎌倉由比ヶ浜、ハルカの自宅僕は居間で、同居してるハルカと一緒に、朝のニュースをTVで観ていた。「昨日、東京の児童養護施設、希望が丘学園で、“伊達直人”と名乗る宛名不明の人物から、養護施設にランドセルが送り届けらせたそうです」「数年前から、こういった“伊達直人”を名乗る人物から、新年度に養護施設から小学校へ上がる子供たちへ、この様な善意の贈り物をする人たちが増えて来ており、大変、心温まる次第です」ニュースを伝える女性アナが微笑みながら、そう言った。「ねぇ、こーさん…、何
2014年2月僕は逗子の駅前で、クマガイと居酒屋で呑んでいた。クマガイは、顔がプロレスラーのサンボ浅子に似ている事から周りからは、“サンボ”と呼ばれている。(笑)彼は、葉山のマリーナでクルーザーのスキッパー(操船士)をしていた。「なんだよサンボ…?、相談ってのはよ…」目の前のサンボに、僕は酒を注ぎながら訊いた。「実はさ…。俺、アーリーリタイアしようと考えてんだ…」猪口で僕からの酒を受けながら、サンボがそう言う。「アーリーリタイア?、なんだそれ?」サンボの猪口から、徳利を離し
小説「夏詩の旅人」では、毎回魅力的なヒロインが登場しています。よく、キャラが立つとペンがスムーズに進むと云われていますが、僕の小説では実在してる人物(仮名だが)と、実際にあったエピソードとフィクションを織り交ぜながら書かれた物語だったので、そういう意味ではペンが止まるという苦労がまったくない状態で、ここまで一気に書くことが出来ました。ですが、小説ならではの障害と言いましょうか?「登場人物が多すぎて、ついて行くのが大変だ」というご意見もありました。マンガならそうはならないのでしょうが、小
ずいぶん前の話だ。初夏の夕暮れ。日が沈もうとしている時刻であったが、この日はうだるような蒸し暑い日であった。僕は電車で家路へと向かっていた。車内はガラガラであったが、僕は座席に座らず、ドアの傍で、もたれ掛る様に立っていた。列車が終点に着こうとした直前。駅手前の踏切で、僕の乗った列車がゆっくりと止まったのであった。踏切を塞ぐ様に止まる列車。(何でこんなとこで止まったんだろう…?)僕はドアの窓ガラスから、踏切前で止まっている車を眺めながらそう思うのだった。しばらくすると車内放
2013年9月埼玉県比木郡とつがわ町バシュゥゥゥーーンンッッ!とつがわ町の国道に、突如光の輪が現れた!その輪から1台の軽トラックが、バウンドする様に国道へ飛び出す!ドンッッ!「うひょぉぉぉ~~♪」軽貨物車の運転手のハリーが、雄叫びを上げた!ブロロロローーーーーッ!軽貨物車は、そのまま誰も走っていない、雨の国道を疾走する。「こいつぁスゲエすッ!、ホントにワープしちまったでやすッ!」時空の輪から飛び出して来たハリーが、声を弾ませて言った。「あんとき中出氏が言った、波動エ
2013年10月31日新宿PM7:05無差別殺人テロを起こそうとしていたヒデキは、渋谷を諦めて新宿に現れていた。そこでヒデキは、“新宿の父”と名乗る怪しい易者に呼び止められた。「何だよ!?、お前は…ッ?、急にキレやがって…ッ!」易者にヒデキが言うと、その易者はクスクスと笑いながら話出した。「どうやらアナタは、EQが低い様ですね?(笑)」(易者)「EQって…?、何だよそれ?」(ヒデキ)「心の知能指数です」(易者)「それって、IQの事か?」(ヒデキ)「違います。EQです。“
2013年10月31日PM10:08この日、渋谷の街では若者たちを中心に、ハロウィンのイベントで盛り上がっていた夜。そんなイベントなどには関心の無い僕は、自宅から近くのコンビニまでタバコを買いに、夜の海岸線を歩いていた。交差点側にあるコンビニに到着した僕。店内に入ると何やらレジ前で、店員と客がモメている様だった。レジに立つ店員は、30代くらいの女性。その女性にクレームを入れていたのは、メガネをかけた40歳くらいの会社員といった感じか…?僕は遠巻きから2人のやり取りに耳を傾ける。
2013年8月横浜関内のとあるピアノBARに、僕は友人と2人でやって来た。ほのかなライトアップに照らされたBARでは、黒人シンガーが、Earth,Wind&FireのSeptemberを歌っている。それは店内に響く、心地よいBGMだった。そしてカウンターに立つバーテンダーが、先程オーダーしたロングカクテルを、僕の前にスッと差し出した。「どうぞ…」そう言って笑顔の女性が、マンハッタンを置く。目の前に立つバーテンダーは女性であった。僕は彼女の作ったマンハッタンに口をつける
2013年7月東京文京区目白台閑静な住宅街に建つ、ひと際大きな白い高級住宅。その建物の2階にあるアサミの部屋。レースのカーテン越しに、窓から朝の陽射しが差し込む。AM10:30「ふぁぁぁ~…」ボサボサ髪のアサミが、ベッドで伸びをする。有名私立に通う、少女は16歳の高校生だ。学校は今日から夏休みに入っていた。部活動をやっていないアサミは、初日から思いっきり朝寝坊を満喫した。「だる…」アサミはそう言うと、ベッドから起き上がり、Tシャツとスウェットに着替えるのであった。「
1997年6月東京都東村山市野口橋交差点野口橋交差点は、府中街道と新青梅街道が交差する交差点である。強い雨が降りしきる交差点は、先程起きた追突事故で大渋滞となっていた。府中街道から青梅方面へ向かおうと、右折ラインに停車していた乗用車に大型のダンプカーが正面から突っ込んだのだ。原因は、ダンプの運転手が片手運転で携帯電話を使用した為にハンドル操作を誤り、右折ラインに停車する乗用車に突っ込んだとの事であった。この事故で、乗用車の若い夫婦は即死。ダンプの運転手は比較的軽傷で済んだが、
みなさんは、シンギュラリティ(Singularity)という言葉をご存じだろうか?シンギュラリティとは、「人工知能(AI)」が人類の知能を超える転換点と、それによる人間の生活に大きな変化が起こるという概念の事です。実際にシンギュラリティが起こるには、現在、研究開発中の量子コンピューターの存在が大きく関わって来ます。量子コンピューターとは、量子力学の現象を利用して並列計算を実現するコンピューターの事であり、現行のスーパーコンピューターの10万倍相当の計算性能を発揮できると云われています。
※HAGSHaveagreatsummerの略でスラング:意味「良き夏を!」2013年7月湘南不法滞在中と思われる外国人が、ジェット・スキーを強奪して海へ逃走した。その外国人は、湘南界隈で引ったくりを繰り返している事から、警察からは、“トンビ”と呼ばれていた。サーファーのハルカは、知人からウインド・サーフィンを拝借して、由比ヶ浜海岸からその犯人を追った!※ながら読み用効果音驚くべき身体能力で、海上をプレーニング(※滑走)するハルカ。しばらくすると彼女は、トンビが乗
※「HAGS」とは、Haveagreatsummerの略で、アメリカのスラングです。意味は、「良き夏を!」2013年7月鎌倉海浜公園午後6時過ぎルイたちは、塚原マリとの決戦に向けて特訓をしていた。「さぁ!、第3の秘密兵器を始めるぞ!」師匠である、剣道三段の彼がルイに言う。頷くルイ。「さて、先程も言ったが3番目に教える技は、「胴技」だ」「胴技は、ボクシングで云うところのクロスカウンターみたいなもんだ」「打って来た相手の攻撃をかわしながら打つ返し技であり、自ら打つような技
2013年6月午後由比ヶ浜海岸僕は遠浅の海を眺めていた。平日の午後なので、海でサーフィンや、ウィンドをやっている者は、ほとんどいなかった。僕は家事を済ませると、毎日、目の前の海へ散歩に出掛ける。一方、同棲してるサーファーのハルカは、近くのデリカショップへ働きに出ていた。僕は、毎月の生活費を今までの自分の貯金から、彼女に渡していたが、それでも無職というのは、なんとも肩身の狭い心境である。早く左腕が完治さえすれば、さっさと就職でもして、こんな気持ちで毎日を過ごさなくてよいものなんだ
「夏詩の旅人」の新作を、まもなくアップします。今日から執筆開始しましたので、アップするまで、まだまだ時間が掛りそうなので、今回の記事では、新作の予告をお伝えしようと思います。新作のタイトルは、「いつだって…H・A・G・S!」です。「HAGS」とは、Haveagreatsummerの略で、アメリカのスラングです。意味は、「良き夏を!」という感じですかね…?季節は6月主人公が、平日午後の由比ヶ浜海岸に来ると、海岸で一心不乱に竹刀で素振りを続ける少女に気づきます。ひょんな事か
バォォォォオオオオオーーーンンッッ!!誘拐されたミユキを救出に、デッシマンのバイクが有り得ないスピードで、新青梅街道を疾走する!時速は既に500Kmを超えていた。ヒュンッヒュンッヒュンッ…。車と車との僅かな隙間を縫う様に、デッシ・ハーレーがジグザグ走行でかわしながら走る!「すげぇやッ!、すげぇテクニックじゃねぇですかい中出氏兄ィッ!」「ふふ…、このバイクは強力な電磁波を発生させながら走っているのです…」「電磁波?」「そうです。電気が発生すると電場が生まれ、磁気が発生する場所には