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Ⅰ《妻さん》や《娘さん》、周囲の方々に対して「ありがとう」と言うことが増えました。逆に、DV・虐待を犯していたときの自分は、「ありがとう」をあまり口にしていませんでした。「ありがとう」と言った後も、「私がありがとうと言わなければいけないことを○○さんがしてくれてしまった。だから私も、○○さんにありがとうと言われるような行為をしなければならない」と焦ったり、「私が《妻さん》の行為に対してありがとうと言ったのに、同じような行為を私がしたにもかかわらず、なぜ《妻さん》はありがとうと言わない
ⅠDV・虐待を犯した背景は、人により様々です。また、様々な要因が積み重なっており、特定の何かが原因であると言うのが難しい場合があります。ただし、DV加害更生プログラムに通い続ける中で、「だいたい共通しているなあ」と感じる要因もあります。その一つは、パートナーや子どもに対する「不信」です。ⅡDV・虐待を犯す時、DV・虐待を犯す相手を信じているということは、まずありません。相手に対する不信感がベースにあって、例えば、・どうせダメな奴だ。・また馬鹿なことばかりしている。・口
Ⅰ《娘さん》から、会話の最中に、何かの拍子で言っていただいた言葉があります。「かつての父は最悪だったよね…今はいいけど。」という言葉です(この言葉は今まで何回か出てきました)。私はこの言葉を聴いて、申し訳なさと共にありがたさを覚えました。Ⅱ一つは、《娘さん》が善悪をきちんと判断できていると感じたからです。当時の私が犯していたDV・虐待を正当化することなく、完全に間違っていると言いきってくれています。DV・虐待がいけないことなんだ、という価値基準を《娘さん》が育んでくれているこ
Ⅰ今年《妻さん》に言われた中で、一番うれしい言葉が、「あなたは我が家の「幸せ」製造機だね」という言葉です。《娘さん》も含めて、三人で笑い合いながら夕ご飯を食べている時に、言っていただきました。DV・虐待をしていたときの私は、文字通り「「不幸」製造機」でした。《妻さん》や《娘さん》を心身とも傷つけ、苦しめていました。そんな私が、今は「「幸せ」製造機」だと思ってもらえるようになりました。「「幸せ」製造機」は、今の私にとって、最高の褒め言葉の一つです。私が今まで意識してきた言動を認
Ⅰこのブログで以前似たような内容を書いたことがありますが、今回新たな気づきがあったので、記します。家族旅行についてです。(私を含め)DV加害をしてきた者にとって、家族旅行は自分の変化が試される機会となります。家族旅行では、日常生活とは異なり、自分が思いもしない事態が多々発生します。そうしたときに、自分に余裕がなくなり、DVを繰り返してしまう(以前のDVをしていた自分に逆戻りしてしまう)ということが往々にして生じ得るからです。Ⅱ先日、《妻さん》と《娘さん》と、宿泊を伴う旅行に行き
ⅠDV加害更生プログラムにおける学びで、大きな気づきとなったものがあります。それは、「家族といつも一緒にいる」と「家族を大切にする」の違いが理解できるようになったということです。私は、「家族といつも一緒にいる」=「家族を大切にする」だと思い込んでいました。私は「家族といつも一緒にいる」こと、つまり、平日も仕事が終わったら早く帰ること、土日も常に《妻さん》や《娘さん》と一緒にいることを努力していました。そして、そうすることが「家族を大切にする」ことだと思っていました。それだけでなく、《
ⅠDV加害更生プログラムに通っている人が置かれた状況は本当に様々です。パートナーや子どもと同居している方もいれば、別居している方もいます。別居している方の中にも、時々は会う機会があるという方、会う機会はないが連絡はとっているという方、会うことも連絡を取ることも全くないという方など、置かれた状況は本当に様々です。そしてまた、置かれた状況は、時とともに変化する場合があります。私の場合は、DV加害更生プログラムに通い始めた当初は、①会うことも連絡を取ることも全くなかったですが、その
Ⅰ私が通っているDV加害更生プログラムは、コロナ禍以降、基本的にはオンラインでの実施となっています。オンラインでも対面でも、グループの仲間とともに学び合うことは変わりません。そこで大事だと最近感じていることがあります。それは、態度と表情です。Ⅱごくたまに、画面の端っこに座っていたり、正面ではなく全く別の方向を向いていたりする参加者がいる場合があります。本人としては、様々な理由(例:初めてのプログラムで緊張している)があるのでしょうが、「グループへの参加に積極的でないのかな?
Ⅰ私は、《妻さん》に対して経済的DVをしていました。様々な種類の経済的DVをしていましたが、特に多かったのが「外食」にまつわるものです。《妻さん》は外食が好きでした。外で美味しいものを食べることが、自分の楽しみの源になっているから、とのことです。一方で私は、「自分の家で作って食べた方が安いではないか。だから外食はお金の無駄だ」と考えていました。そこで私は、《妻さん》が外食を希望すると、ため息をついたり、「また外食か」と嫌味を言ったりしていました。「外食しているほど経済的余裕がある
Ⅰ《妻さん》の実家に帰省し、義父母に会う機会がありました。私は、《妻さん》に対してDVを、《娘さん》に対して虐待をしていました。義父母からすれば、私は、大切な自分たちの子どもや孫に暴力を振るった相手です。私は数年前、《妻さん》と帰省した際に、自らがDV・虐待を犯したこと、DV加害更生プログラムで学び続けていることを話し、謝罪しました。ありがたいことに、義父母は、私の謝罪の言葉を受けとめてくれ、それ以降も、《妻さん》や《娘さん》と一緒に帰省することを認めてくれています。DVを犯した私と
ⅠDV加害更生プログラムでの学びを開始してから多くの年月を重ねるようになりました。その間に、(自分がDV・虐待を手放し、より良い人間に変化する営みを続けた結果として)幸運かつありがたいことに、《妻さん》・《娘さん》との関係性が良いものに変化してきました。しかし、プログラムで学んでいる効果は、これだけにとどまらない、と最近の私は感じています。今回はそのことについて書いていきます。Ⅱそれでは、何に効果を感じているか。それは、「信頼しあう仲間」が増えているということです。DV
Ⅰ「DVは病気ではなく、自分自身で選択した行為です」。これは、私がDV加害更生プログラムに通い始めて最初に耳にした言葉の一つです。今の私は、そのとおりだと思います。ただし、DV加害更生プログラムに通い始めたばかりのころは、別のように考えていました。つまり、「自分は病気だからDVを犯していたのだ」、と捉えようとする自分がいました。Ⅱなぜ、そのように捉えようとしたのか。今振り返ってみると、その時の私は、DVを「自分のせい」ではなくて「病気」のせいにしたかったのだと思います。「自
Ⅰこのブログでは何回か、「信じる」ことについて書いています。最近、パートナーや自分自身を信じることができない、という悩みに接したので、改めて「信じる」ことについて、今の私の考えをまとめたいと思います。Ⅱまず、「信じる」には順番があるのだと思います。「パートナーを信じられない」という場合、おそらく、「自分自身も信じられない」のだと思います(DV・虐待をしていたときの私自身が、まさにそうでした)。パートナーは信じているけれど、自分自身は信じていません、という人には出くわしたことがあ
Ⅰ私が通っているDV加害更生プログラムの主宰者と話しをする機会がありました。その中で、人事異動があったことを伝えると、「今こそ学びの成果が試されていますね」との言葉を頂きました。Ⅱ私も、その通りだと思います。順調なときは良いのです。自分を上機嫌に保つことができ、自分が満たされているので、他人に対して暴力的な言動を取ることはありません。自分自身が本当に変わったかどうかが試されるのは、「自分の想定と違った局面に立つことになったとき」「思い通りにいかなかったとき」です。今
Ⅰ前回のブログでは、思いがけない人事異動を受けて、自分が自暴自棄にならないこと、多くの方に相談するのが大事だと意識したことを書きました。内示を受けてから、私は、自分の部署の方だけでなく、関わりのある多くの先輩・同僚・後輩に、相談に乗っていただきました。今回は、その体験を通じて学んだことを書きます。Ⅱ一つ目として、「困った」と伝えることは、負けではないということです。前回のブログでも書きましたが、DV・虐待をしていたときの私は、自分が「困った」と発することができませんでし
Ⅰ思いがけず、職場で人事異動することになりました。今までの部署(A部署)はとてもやりがいがあり、私にとっては天職だと思える仕事を担当することができていました。私はA部署に愛着を持っており、これまでの上司との人事面談のたびに、是非残留したい(異動したくない)と希望を伝えていました。しかし、このたび、人事異動を命ぜられることとなりました。しかも、異動先は、今までとは全く違う仕事内容の部署(B部署)です(私の属する組織は、人事異動による仕事内容の振れ幅が大きいです。イメージで言うと、昨
ブログを書き始めて約5年が経過したので、改めて初心に帰る観点から、以下の文章を書きました。お付き合いいただければ幸いです。(ちなみに、以下では、個人情報を保護する観点から、一部事実や表現ぶりを変えたりしています。)14.最後の離婚調停五回目の離婚調停の終了から数日後、私はYさんと面談する機会があり、面会交流支援について相談することにしました。Yさん曰く、「既に、☆☆さんから問い合わせがあり、☆☆さん・◎◎さんと、面会交流支援を実施するかどうかを決めるための面談を行いました。◎◎
ブログを書き始めて約5年が経過したので、改めて初心に帰る観点から、以下の文章を書きました。何回か、お付き合いいただければ幸いです。(ちなみに、以下では、個人情報を保護する観点から、一部事実や表現ぶりを変えたりしています。)13.四回目・五回目の離婚調停「離婚を受け入れます」と伝えることを決意しましたが、それは私の中で、絶望ではありませんでした。☆☆さんは、「今は信じられません。」と伝えてくれました。わざわざ「今は」と付けてくれた点に、私は一筋の希望の光を見出しました。今は信じら
ブログを書き始めて約5年が経過したので、改めて初心に帰る観点から、以下の文章を書きました。何回か、お付き合いいただければ幸いです。(ちなみに、以下では、個人情報を保護する観点から、一部事実や表現ぶりを変えたりしています。)12.二回目・三回目の離婚調停約一か月後、二回目の離婚調停がありました。☆☆さんがどんなお返事をくださるのか、ドキドキしていました。調停委員さんの案内で、待合室から別室に移動すると、冒頭、調停委員さんから、「☆☆さんはもう少し考える時間がほしいとのことです。
ブログを書き始めて約5年が経過したので、改めて初心に帰る観点から、以下の文章を書きました。何回か、お付き合いいただければ幸いです。(ちなみに、以下では、個人情報を保護する観点から、一部事実や表現ぶりを変えたりしています。)11,初回の離婚調停約一か月経って、初回の離婚調停が始まりました。指定された家庭裁判所に足を運びます。初めての家庭裁判所は、やはりとても緊張しました。予定されていたよりも一時間前に到着してしまい、待合室で離婚調停の開始を待つことになりました。早く開始してほし
ブログを書き始めて約5年が経過したので、改めて初心に帰る観点から、以下の文章を書きました。何回か、お付き合いいただければ幸いです。(ちなみに、以下では、個人情報を保護する観点から、一部事実や表現ぶりを変えたりしています。)10.グループでの二回目の「振り返り」初めての「振り返り」をしてからわずか数日後のこと、いつものように家に戻ると、ポストの中に分厚い封筒が入っていました。差出人を見ると、家庭裁判所からでした。私は、身体が熱くなるのを感じました。封筒を開けると、書類には、
ブログを書き始めて約5年が経過したので、改めて初心に帰る観点から、以下の文章を書きました。何回か、お付き合いいただければ幸いです。(ちなみに、以下では、個人情報を保護する観点から、一部事実や表現ぶりを変えたりしています。)9.グループでの初めての「振り返り」月三回のグループでの学びは、毎回実りの多いものでした。また、日常生活では、Yさんとの定期面談を踏まえて、日記を書いたり、涙することを意識して生活したりすることを通じて、学びの手応えを感じていました。しかし一方で、日々を積み重
ブログを書き始めて約5年が経過したので、改めて初心に帰る観点から、以下の文章を書きました。何回か、お付き合いいただければ幸いです。(ちなみに、以下では、個人情報を保護する観点から、一部事実や表現ぶりを変えたりしています。)8.初めての定期面談での学びその二日記以外にも、初めての定期面談をきっかけとして、普段の生活で意識するようになったことが二つあります。一つ目は、「変化へのステップ」を毎朝音読することです。グループでは毎回「変化へのステップ」を一人一項目ずつ輪読することになっ
ブログを書き始めて約5年が経過したので、改めて初心に帰る観点から、以下の文章を書きました。何回か、お付き合いいただければ幸いです。(ちなみに、以下では、個人情報を保護する観点から、一部事実や表現ぶりを変えたりしています。)7.初めての定期面談での学びその一DV加害更生プログラム「Z」では、学びの進捗を振り返るために、Yさんと三か月に一回以上、主宰者と一対一で定期面談を行うこととされています。私は、グループで通い始めて一か月後に、初めての定期面談に臨みました。Yさんから、グルー
ブログを書き始めて約5年が経過したので、改めて初心に帰る観点から、以下の文章を書きました。何回か、お付き合いいただければ幸いです。(ちなみに、以下では、個人情報を保護する観点から、一部事実や表現ぶりを変えたりしています。)6.グループでの学び月三回の土曜日のグループでの学びには、引き続き毎回参加しました。学びの内容は毎回新鮮で、自分が犯したDV・虐待をどんどん自覚できるようになりました。また、自分のDV・虐待をもたらす思考や価値観も認識できるようになってきました。私の中で特に大
ブログを書き始めて約5年が経過したので、改めて初心に帰る観点から、以下の文章を書きました。何回か、お付き合いいただければ幸いです。(ちなみに、以下では、個人情報を保護する観点から、一部事実や表現ぶりを変えたりしています。)5.三回目のグループ二回目のグループが終わってからの一週間も、他の誰にも自分のDVについて話せず、家と職場を往復する日々でした。なので、次の土曜日にある三回目のグループが、私は待ち遠しくて仕方がありませんでした。いつもどおり集合時間の少し前に到着すると、他の参
ブログを書き始めて約5年が経過したので、改めて初心に帰る観点から、以下の文章を書きました。何回か、お付き合いいただければ幸いです。(ちなみに、以下では、個人情報を保護する観点から、一部事実や表現ぶりを変えたりしています。)4.二回目のグループ翌週の土曜日に、二回目のグループがありました。私は一週間、二回目のグループを心待ちにしていました。というのも、グループが、自分のDVについて話せる唯一の場だと気づいたからです。何人か友人もいましたが、いきなり、「実はDVをしてしまって、今別
ブログを書き始めて約5年が経過したので、改めて初心に帰る観点から、以下の文章を書きました。何回か、お付き合いいただければ幸いです。(ちなみに、以下では、個人情報を保護する観点から、一部事実や表現ぶりを変えたりしています。)3.初めてのグループ土曜日に、初めてのグループ形式での学びがありました。一回二時間のグループは、Yさんと個人面談を行った、公民館の一室で行われるようです。集合時間の少し前に到着すると、既に何人かの男性が部屋の前で待っていました。「自分は他のDV加害をした人とは
ブログを書き始めて約5年が経過したので、改めて初心に帰る観点から、以下の文章を書きました。何回か、お付き合いいただければ幸いです。(ちなみに、以下では、個人情報を保護する観点から、一部事実や表現ぶりを変えたりしています。)2.二回目の面談翌週、仕事を早退して、個人面談に向かいました。一回目の面談のときほどは緊張しませんでしたが、それでも、「自分は、DV加害更生プログラム参加者として面談を受けに来ているんだ」という事実を自覚すると、ドキドキしました。私は公民館の一室の前で息を整えると
ブログを書き始めて約5年が経過したので、改めて初心に帰る観点から、以下の文章を書きました。何回か、お付き合いいただければ幸いです。(ちなみに、以下では、個人情報を保護する観点から、一部事実や表現ぶりを変えたりしています。)ⅢDV加害更生プログラム「Z」1.初めての面談翌日、DV加害更生プログラム「Z」での初回の個人面談に行くため、指定された地域の公民館に足を運びました。緊張しながら公民館の一室のドアを開けると、一人の女性がいました。女性は挨拶を済ませた後、自らがDV加害更生