安心して思ったことを口にできた覚えが、ないのだ。本当は思っている。本当は言い返したい。本当は納得していない。だが相手を前にすると、声が震えて、言葉が詰まって、頭が真っ白になる。泣きたいわけではないのに、涙が出る。すると相手に「泣けば済むと思っているのか」と言われて、さらに悔しくなる。長いこと視てきたが、こうなる者には必ず同じ根がある。思ったことを否定されてきた。言い返せば、もっと責められた。黙って堪えるのが、いちばん安全だった。その積み重ねがな、言葉になる前に涙として出てきてしまうのだ。だからな