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※こちらも短編という、他とはクロスしないお話です。・・・今回少し長いので、お時間ある時にどーぞ🐥契約恋人⑦次の日、まだ怒りを内心に残したままウンスはクリニックに出勤した。パソコンを立ち上げメールの確認をすると、昨日帰ったすぐ後なのかチェヨンからのメールが届いており渋々内容に目を通すが、『何を話してもユウンスが怒る内容ばかりだが、これだけは知って欲しい。欲求を満たす為では無かった。最低な行為だと理解もしている。助けを求めていた事も事実だ。だけど、他の人間では嫌だった。ユウンス
※こちらも短編という、他とはクロスしないお話です。契約恋人⑥「え?チェ製薬会社から?」「はい、ユ先生にお電話です」普段メールのやり取りしていた筈が今日に限って何故か電話が掛かって来た。――この間のやり取りで仲良くなったと勘違いして?いや、まさかね。その後に送られて来たメール内容は普段と変わらず、業務内容のみだった。彼の何かが変化した様子も無い。「・・・ユウンスです」ところが向こうから聞こえた声はチェヨンの低い声では無く、年配の女性のものだった。『ユウンスさんですか?』「は、は
※こちらも短編という、他とはクロスしないお話です。契約恋人⑤とりあえずあれから2週間は経ったが、ユウンスから契約破棄や返品の連絡は来ていない。メールが来る度にウンスのメルアドを探し、入っていると内容は大丈夫だろうか?もういらないとの文面だったら、と内心怯えてもいるが個人用のメルアドに送ってくれるだけでも良いのかもしれないと返事を書いていた。ふぅと息を吐きキーボードから手を離し外の景色を見つめていると、先程送ったメールに早速返信が来ている。「・・・何だ?」送った商品の中に何か問題があっ
※こちらも短編という、他とはクロスしないお話です。★前記事のお返事は下に載せてあります🙆♀️★契約恋人④次の日にはソウル市に戻り、急いで取った休暇は何だったのか?と疲れたまま出勤したウンスはその日の午後届いた配達物を確認し、更に机に顔を付けてしまった。あれから2日しか経っていない筈なのに、自分のクリニックにチェ製薬会社から今年最新の美容液やコラーゲンパックの試供品がごっそりと届いた。「何これ、何これ?!チェ製薬会社?え?あの会社ですか?」クリニックのスタッフ達もまさかの大企業からの
※こちらも短編という、他とはクロスしないお話です。契約恋人③暫く皆で会話をした後ヨンとウンスだけを残し3人は部屋から出て行ったが、何も話さないチェヨンと話したくないウンスだけが残った空間は当たり前の様に重苦しい静寂に包まれていた。――『結婚を前提にお付き合いしたい』ですって?この男の思考回路はどうなっているのか?有り得ない言葉に思わず彼の目を見てしまったが、静かな瞳により困惑してしまう。そんな事よりも自分に言う言葉があるだろう?そう思いウンスが口を開けると、少し視線を落としていた
※こちらも短編という、他とはクロスしないお話です。契約恋人②あれから既に10年は経っている。だが若気の至りで済ますには到底許されない事であり、ウンスの人生の中で1番の屈辱の記憶でもあった。あの男のせいで大学時代に微かに考えていた恋人を作りロマンチックな夜景を見る等の考えは瞬殺され、反対に男に対しての疑心暗鬼だけが増していった。そんな自分の態度に惹かれる男性などおらず、時々良い感じになっても夜の誘いまで来ると渋る自分に男性の表情も曇ってしまい、気まづいまま時間が過ぎその後は何時もの如くフェ
※こちらも短編という、他とはクロスしないお話です。契約恋人①『運命』という言葉は好きじゃない。そんなもので全てを差し出せる程の私は短絡的な人間でも無いし、それを言うなら必然的と表現した方が納得出来るからだ。不確かで偶然とは表現するには説明が出来ず、何時起こるかわからない瞬間をそう言う人はきっと将来に何かを期待し、これから来るであろう幸運を待っているのではないか?と私は感じていた。では幸運とは?今ある環境を不満に感じる人間が更に異なった素晴らしい未来を夢見る事で、今現在納得している人間
人魚と騎士〔白の秘密・番外〕①チャン侍医は典医寺を忙しなく歩き回っていた。漸く足が治って長く歩ける様になったウンスは、珍しく走り回るチャン侍医を不思議そうに目で追っている。「チャン先生、どうしたのですか?」ウンスがそう何気に尋ねると、「もう少しで雨が続く日になるのです」「雨、ですか?」――あぁ、確かに最近天候が良くなかった。青空は少なく雨が降るか降らないかの曇天模様だと顔を空に向けたが、今まで水中で生活していたウンスにとって水に抵抗が無く目を更に丸くしてしまう。するとチャン侍医は
※こちらは何のシリーズにも繋がらない短編です。騒々協奏曲【後編】③「・・・違いますよ、ユさん、誤解しないで欲しい。俺はユ・ウンスさんに会えたから他はもう気にしていないと言ったんです」「・・・え?」ヨンは小さく笑うと、クルリと後ろにいるメヒに顔を向けた。「気にしていないとはそういう意味なんだけど」「何、言っているの?」「確かにこの間まで過去の苦しみはあったが、彼女とエレベーターで出会う為に必要だったのだと俺は思っている」「エレベーター?」「メヒに話すつもりは無い。『許すも許さ
※こちらは何のシリーズにも繋がらない短編です。騒々協奏曲【後編】②別部屋にいたチュンソクは落ち着きなくデスクの周りを歩いていたが、近くから名前を呼ばれ足を止めた。「チュンソク部長、うるさいんですが」「しかし、トルベ・・・」「社長の知り合いなのだから、自分達がどう思うが決めるのは社長ですよ?」「知っているさ、だがあの女性は・・・」するとトルベも肩を竦め知っていますと声を出す。「俺も一応テコンドー経験者なんで、あの女性を知らない訳はないですよ。・・・それに、変な噂も大学は違えど聞いて
こちらは何のシリーズにも繋がらない短編です。騒々協奏曲【後編】①「彼女(メヒ)はヨンが小さい頃から通っていた道場の親族の娘らしく、ヨンがテコンドーをやめた後も道場、大学で練習をし国代表になったらしい。今は、引退し後輩達の指導をしつつテコンドー協会の為に活動をしているとか。・・・あの、どうして俺に聞くんですか?」「チェヨンさんに直接聞けないからじゃない。貴方だったら詳しく知っていると思って」――・・・確かに、知っているし、ヨンがテコンドーをやめ一時荒れていたのも知っている。それよりも
※過去話にメヒが出ます。(恋人等ではありません)※こちらは何のシリーズにも繋がらない短編です。騒々協奏曲【中編】③ヨンは中学生時から学んでいたテコンドーを続ける為、テコンドーが強いとある大学に進学した。大会での優勝実績もあり国家代表常備軍にも選抜されていたヨンは大学の期待のホープとして有名人だった。そんな大学2年生の冬、テコンドーサークルが合宿がてら江原道にあるスキー場に行く話が持ち上がり、今まで他のスポーツをしてこなかったヨンはどうするかと悩んでいたがほぼ全員参加するからと誘われ、だ
※こちらは何のシリーズにも繋がらない短編です。騒々協奏曲【中編】②「何何?チェヨン。株式会社TEAM・K。人材派遣会社。あ、コンサルティングも請負っていると?・・・人材派遣会社が?でも人材派遣会社にしては資産が・・・?・・・え?チェて崔財閥?」スマホであの男性の名前を検索すると、一般人とは思われない程の検索結果が出て来た。どうやら数年前に江南区に出来た会社が短い期間で一気に急成長し、少し話題にもなった事があったらしい。だが、その理由を辿り探していくと彼の家はこの国でも有名な
※こちらは何のシリーズにも繋がらない短編です。騒々協奏曲【中編】①「待て!おかしいだろう、俺はただの“飾り”だと言っていたじゃないか!」『いやぁ、そのつもりだったんだけど、何故かマッチングの中に入っていたらしく・・・。でも今更“そいつは飾り”だとも言えなくてなー』「いや、そこは断れよ!お前社長だろうが!」1週間前から身に覚えがないメールがちょこちょこと業務連絡の合間に入って来ていた。聞いた事がある社名に「あぁ、アンジェの会社か」と安易に考え、開きもせず何も反応もしなかったがそれが悪かっ
※こちらは何のシリーズにも繋がらない短編です。騒々協奏曲【前編】明らかに様子がおかしい、だが見たくない。ウンスは先程から一向に表示が変わらない電子掲示板を真っ直ぐ見つめ、目の端に映る人物を見ない様にしていた。この建物に来た事を後悔し、時間を無駄にしたと思っていたのが数分前で今は結婚相談所に登録した事さえ後悔し始めている。数分前までの自分は結婚相談所でマッチングされ紹介された男性と今日待ち合わせをし、食事をする筈だった。確かに考えると自分も悪いのだが、高収入だけを聞き男性の資料を詳しく見
あの場所でもう一度◇(14)イ医師とウンスを追い掛け大邱市まで向かったヨンとキム医師。イ家での騒動の後、ウンスの実家にヨンと訪れてから既に1ヶ月程が経過していた。その間にもウンスのクリニックの経営は順調に進んでおり、ヨン達もまた何時もの忙しい病院勤務に励んでいた。更にチェヨンとウンスが恋人同士になったという情報と、とうとう彼は彼女の実家に挨拶に行った事まで噂が広まりこれのおかげなのかチェヨンの周りに纏わりつく女性達が徐々に減ってきたのも事実だった。しかし。「・・・何余計な事しているんで
あの場所でもう一度◇〔13〕「ウンスさん、俺は貴女が好きです」「・・・そうね、私も」にこりと笑うウンスの笑顔にヨンの気持ちは舞い上がる。その時だけは。あの人はわかっているのだろうか?いや、しかし、それは自分のエゴだとわかっている。だけど・・・。「・・・はぁ」ヨンはスマホを取り、画面をタップする。「――・・あ、ウンスさん?今大丈夫?」彼女が自分を見てくれるだけでも良いじゃないか。最初はそう思って
ジグザグ♧(29)〔最終話〕つまりあの時からヨンは、ユウンスしか見ていなかったという事なの?研究棟の近くのベンチにいたのはウンスを常に見張り、周囲に集まる男子学生らを威嚇していた。彼女達の記憶ではウンスの周りには女友達も男友達も僅かにしかいなかったが、あれはヨンが近付けさせなかっただけで彼女の性格云々では無かったという事になる。女性達の1人がそういえば、と呟いた。「あの時ヨンと一緒に来ていた女達は先輩だった・・・」その待っていた男性達と関わ
※少し原作やドラマに被る部分がありますが、あくまでもこの話は“蝶が舞う~の中の二人”ですので、そのつもりで読んで頂けるとありがたいです。蝶が舞う頃に◆〔2〕「作戦に乗ったのですね?・・・もう後戻りは出来ませんが・・・」「別にいいわよ」徳成府院君キチョルの陰湿な執着と重臣達の不審を躱す為に、ウンスが先見出来る天人として演じて貰う事に躊躇していたヨンだったが、チェ尚宮から聞いたウンスは自分の安全の為でもあると承諾をし、それを知ったヨンは一層彼女を王宮に縛り付けてしまうのだと心が苦しくなって
※少し原作やドラマに被る部分がありますが、あくまでもこの話は“蝶が舞う~の中の二人”ですので、そのつもりで読んで頂けるとありがたいです。蝶が舞う頃に◆〔1〕宮殿に帰って来た頃にはうっすらと空も明るくなり、少しの寒さに眠気も覚めてしまい、二人は歩きながらキチョルに対して次の対策を話し合っていたのだが――。「わかったわ。もう逃げるのは止めたわ」「はい、良い判断です」「彼奴らとどう対抗出来るかよく考えなくては・・・」「っ、そうでは無く。宮殿内にいて下さいと――」暫くしてヨンとウンス
こんにちは(」・ω・)✨週末小説上げると、言っておきながらすっかり・・・。申し訳ない💦そして昨日は1日ずっと横になっておりました。まぁ、疲れが溜まっていのでひたすら寝る(-_-)゜zzz…という・・・。週明けからまたお話は載せていきますが、今日は寝てる間にちまちま描いていたイラストを。(絵を描いていると無心になるので、私にはストレス解消法なのかも🙂)・・・とはいえ、描いたものはいつも通り遊んでいますので、それでも大丈夫な方は下にお進み下さいませねぇ☺️👇👇👇👇👇
月明かりに華【特別編・俠婦】「・・・“侠婦”?」チャン侍医の一言にウンスがギクリと肩を強ばらせた。朝からの薬員の仕事が一段落終了し、暇なウンスは診療所に入って来たがその言葉を受け肩越しに後ろを振り返ると、チャン侍医が医療道具の後片付けをしていた手を止めジッと此方を見つめている。その切れ長の目は何時もよりも、僅かに丸くなっている様に感じるのは気のせいだろうか?「・・・あぁ、そういう事でしたか?」チャン侍医は何かを納得したのか、小さく笑い、へぇー、と彼には珍しい気の抜けた声を出し
※こちらは、序奏と①~④の下にあったお話でした。次話がアップされると消えていたものでしたので、まだ読んでいなかった方はあの話の時の続きだったのかと思って下さると嬉しいです。蝶が舞う頃に㉖〔おまけ〕序奏【ヨン】――暗闇の中、見えない蝶が舞っている。湿った部屋の中、鼻を掠めるのは嗅ぎ慣れた土や草の匂い。そして知らない花の香り。女人が動く度に、自分の周りに蝶が舞う様に香りが漂っている。「――・・・抱かせてくれないか?」躊躇しながらも手探りで手を伸ばすと、触れた女人の手がビクリ
※ゲーム用語やマニアックな話が含まれます。意味等を書いてはいますがわからない部分はさらりと流して構いませんよ・・・。※こちらはチャンビンの行動になります。エントランスホールで女神は微笑む⑯イベント会場から出たチャンビンは、振動したスマホに気付きポケットから取り出し見ると、相手はユン氏からだったが来る事は想定内だと画面をタップし何ですか?と声を出した。だが。『何ですか?じゃないよ!チャン氏、今招待状に書かれてあったホテルにいただろう?』「ええ、事情がありまして結局来る事になったんで
※少し原作やドラマに被る部分がありますが、あくまでもこの話は“蝶が舞う~の中の二人”ですので、そのつもりで読んで頂けるとありがたいです。蝶が舞う頃に㉕【最終話】ウンスは自分の中の青年とヨンの姿が重なってしまい、違いを見つけるのが難しい状態になっている。最近になって何処で見た事があったかと微かに過ぎったが、そんな筈は無いと頭の片隅に追いやったのだ。有り得ない、彼は何処かの裏社会の若者だったのではなかったか?こんな大昔の彼では絶対に無い筈だ。でも・・・。だったら、どうしてそれを知ってい
※少し原作やドラマに被る部分がありますが、あくまでもこの話は“蝶が舞う~の中の二人”ですので、そのつもりで読んで頂けるとありがたいです。蝶が舞う頃に㉔――はぁ。気付くと無意識にため息が出てしまう。ウンスは眉間に少しの皺を寄せ、ヨンの左手に布を巻いていた。診療所にある様な綺麗な物でも無く、巻いた傍から薄く血が滲み始めてもいて、それを見て喉まで来る意味の無い言葉を吐き出しそうになり強く口を閉じた。――・・・どうして、私は何時もこうなのかしら。自ら進んで助けたいと思う行動は、こと如く避けら
※少し原作やドラマに被る部分がありますが、あくまでもこの話は“蝶が舞う~の中の二人”ですので、そのつもりで読んで頂けるとありがたいです。蝶が舞う頃に㉓ヨンはゆっくりと目を閉じた。丹田には何時でも表に出せる様に内功を溜めている。俺はあの時、極度の空腹と怪我で死んでいたのだろうと思う。あのまま動く事も出来ず暗闇の中で野犬に食われていたかもしれない。では助かったとしたら?目や身体に弊害が残っただろうか。そうなったら、永遠に後ろを振り返っていた。俺はお前に命を救われた。だが。――それ
※少し原作やドラマに被る部分がありますが、あくまでもこの話は“蝶が舞う~の中のウンス”ですので、そのつもりで読んで頂けるとありがたいです。蝶が舞う頃に㉒「・・・私も年かしら、同じに見えてしまって・・・」「言う程のお年でも無いと思いますが・・・」「むぅ」二人の会話は坤成殿を出てからも続いていた。最近は二人で動く事が多くなったと周囲は見ているが、敢えてそこを揶揄う者もいず二人共にそれは気付いているのかわからない。「大学入学の頃は授業に付いて行く事でいっぱいいっぱいだったし、レポ上げるだ
※少し原作やドラマに被る部分がありますが、あくまでもこの話は“蝶が舞う~の中のウンス”ですので、そのつもりで読んで頂けるとありがたいです。蝶が舞う頃に㉑「待って!離して!」武閣氏の女性数人に羽交締めにされ引き摺られる様に廊下に出されたウンスは叫ぶ。何故?!意味がわからない!尋問の言葉を聞いた時に何か嫌な空気を感じてはいた。だが、それが自分にも振って来るだなんて誰が想像出来たか。此方を見つめる彼に微かに避けられた訳では無かったと心が軽くなったと思ったのに、その彼の口から出た言葉にウンス
※この話は“君降る~”の中で通路が消えて、二人が会えていなかった数年間の間にあった出来事です。君に降る華【特別話】⑹「よくわからないけど、チェヨン氏が凄い技を放って女性達が目をハートにしたのはわかったわ」「何の形だって?わからない。それよりも、何故ウンスはそういう集まりに直ぐ行こうとするのだ?目的は勉学ではなかったのか?変わっているではないか」「そ、それは」「それは?」もごもごと言葉を発するウンスを腕を組んで睨み付けるヨンの姿は、まるで不貞をしてしまった妻を怒る夫のそれだと二人